2013年10月第20回ITS世界会議東京では開催テーマを「Open ITS to the Next」とした。次世代のITSは,環境・エネルギー・安全・渋滞解消等の交通問題の解決,人々の生活の質の向上を図ることを目指す。また同時に,災害や不測の事態への的確にしてスピーディーな対応という社会の要請に応えることも重要な役割である。そのためにITSは,グローバルに誰にでもさまざまな機会や挑戦のための場が開かれ,多くのプレイヤーが参加できる共通プラットフォームの構築や広域の連携が図れるオープンな形のネットワーク社会を提供していくベースとなっていくことが望まれる。
IT産業において日本発のオープンソースプログラミング言語Rubyの活用が注目されている。2012年4月にはRubyはその言語仕様が国際規格ISO/IEC 30170として承認された。これによってRubyの安定性や信頼性が増すと同時に,Rubyを活用した市場がさらに拡大することが期待される。本稿では,オープンソースがビジネスにつながることを根拠として,RubyおよびRuby on Railsの特徴とこれが注目される背景,そして島根県松江市で始まったオープンソースRubyを活用した地域産業振興の成果と課題について概説する。