Journal of Oral Biosciences
Online ISSN : 1880-3865
Print ISSN : 1349-0079
ISSN-L : 1349-0079
46 巻, 3 号
June
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
REVIEW (JAOB/Rising Members Award)
REVIEW
  • Ken-ichiro Shibata, Mari Fujita, Manabu Morita
    原稿種別: Others
    専門分野: Others
    2004 年 46 巻 3 号 p. 203-220
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/09/09
    ジャーナル 認証あり
    Recent evidence has been accumulated that microbial lipoprotein (LP) plays pathological roles in bacterial infection. The part of LP responsible for the expression of biological activities has been demonstrated to be the N-terminal lipopeptide moiety. Mycoplasmas, wall-less microorganisms, also possess LP capable of activating macrophages or fibroblasts. We have found that M. salivarium LP activates normal human gingival fibroblasts and macrophages to induce production of inflammatory cytokines, and we have purified a 44-kDa LP (LP44) responsible for the activity. In addition, the structure of the N-terminal lipopeptide moiety of LP44 has been determined to be S-(2,3-bispalmitoyloxypropyl) Cys-Gly-Asp-Pro-Lys-His-Pro-Lys-Ser-Phe-Thr-Gly-Trp-Val-Ala-. The lipopeptide S-(2,3-bispalmitoyloxypropyl)Cys-Gly-Asp-Pro-Lys-His-Pro-Lys-Ser-Phe (FSL-1) was synthesized. The lipopeptide FSL-1 activated human gingival fibroblasts and macrophages to produce inflammatory cytokines as LP44 did. Experiments using FSL-1 and its derivatives revealed that the diacylglyceryl and peptide portions of FSL-1 are indispensable for the activation of macrophages and for the recognition by Toll-like receptor 2 (TLR2) and TLR6. We have recently demonstrated that each of several leucine residues located at a leucine-rich repeat of TLR2 play a key role in the recognition of the diacylated lipopeptide FSL-1, mycoplamal LP and S. aureus peptidoglycan.
ORIGINAL
  • 鬼頭 典子, 客本 斉子, 帖佐 直幸
    2004 年 46 巻 3 号 p. 229-242
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/09/09
    ジャーナル 認証あり
    本研究では, HSP90の特異的阻害剤であるゲルダナマイシン(GDM)を用いて, ヒト顎下腺由来腺癌細胞株(HSG)へのアポトーシス誘導能を調べるとともに, 抗Fas抗体誘導アポトーシスシグナル伝達経路へのHSP90の関与について検索した。 また, Fasシグナル経路上でのHSP90のターゲットタンパクの同定を試みた。 HSG細胞をGDMで処理すると経時的に細胞死が誘導された。 形態学的所見, TdT-mediated dUTP nick end labeling (TUNEL)法における陽性染色, ならびにpoly (ADP-ribose) polymerase (PARP)の切断片の検出から, GDMで誘導された細胞死はアポトーシスであることが示された。 GDMで前処理を行った後, 抗Fas抗体(CH-11)で処理すると, GDMあるいはCH-11のそれぞれ単独処理に比べ, Fasを介したアポトーシス誘導は促進された。 さらに, 誘導される細胞死はGDM前処理時間の延長により増強した。 形態学的所見, TUNEL染色, PARPの切断片の検出により, この細胞死についてもアポトーシスであることが確認された。 一方, HSG細胞へのHSP90リコンビナントタンパクの導入によるHSP90の過剰発現は, CH-11ならびにGDM誘導アポトーシスを有意に抑制した。 GDMによるHSP90の阻害ならびにHSP90の導入実験の結果から, HSP90はHSG細胞において抗アポトーシス (anti-apoptotic) 作用を有していることが明らかになった。 次に, Fasシグナル経路上においてHSP90と相互作用する分子を免疫沈降-ウェスタンブロット法により検索したところ, Caspase-8ならびにFasカスケードの制御に関与するFADD-like ICE inhibitory protein (FLIP) が検出された。 すなわち, これらの分子はHSP90と複合体を形成するターゲット分子と考えられた。
    以上より, HSP90はFasシグナル経路上においてCaspase-8やFLIPと結合し, これらターゲット分子を介してアポトーシスを制御していることが示唆された。
  • 柬理 頼亮, 田谷 雄二, 島津 徳人, 添野 雄一, 佐藤 かおり, 柳下 寿郎, 青葉 孝昭
    2004 年 46 巻 3 号 p. 243-250
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/09/09
    ジャーナル 認証あり
    顎関節は下顎頭, 側頭骨下顎窩, 関節腔, 関節円板や周囲筋組織で形成される複合器官である。 本研究では, C57BL/6系マウスを用いて胎生期から授乳期にいたる顎関節の形態形成と組織特異的マーカーの発現を検索した。 胎生12.5日—生後7日目の野生型マウスから作製した頭部連続切片に, 組織染色 (ヘマトキシリン・エオジン, トルイジンブルー), アゾ色素法を用いた酵素組織化学によるアルカリフォスファターゼ (ALP) と酒石酸耐性酸性フォスファターゼ (TRAP) による二重染色, 抗BrdU抗体と抗II型コラーゲン抗体を用いた免疫組織化学を施した。 今回の組織観察から, 以下の諸点が確かめられた。 1) 胎生13.5日のメッケル軟骨外側上方に, ALP活性を特徴とする下顎頭細胞原基が出現した。 また, 同部位ではBrdU陽性反応も呈した。 2) 細胞原基の分化に続いて, 下顎頭の形態形成は前方から後方へ進行した。 他方, 下顎窩は後方部から下顎頭を被覆するように形態形成を遂げた。 3) 下顎頭が機能を開始するとともに, 関節円板と関節腔の形態が明瞭となった。 BrdUを投与した組織形態学的解析から, 発生期での下顎頭の成長発育は, 胎生13.5日前後での細胞凝集に始まる細胞増殖期, 胎生14.5-17.5日での基質産生による急速な組織容積の増加を特徴とする細胞分化期, 生後の個体成長に伴う機能適応期の3期に分離できた。 今回の組織観察から, 下顎骨発生に関与する間葉系細胞集団と下顎頭細胞原基との空間的な連結を支持する所見も得られており, 今後, ALP陽性細胞集団の三次元解析から下顎頭原基の発生機序を明らかにすることを予定している。
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