歯周病病理においてコラーゲン代謝の問題は重要な追求課題のひとつとしての位置を占めている。著者らは最も一般的なスライス・インキュベーション法で合成されるコラーゲン分子の大きさを知る目的で, 比較的温和な方法で抽出され, nativeであると考えられる, 5mM EDTAを含む0.5M NaClに可溶性の分画をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で分析した。その結果, このコラーゲン分画は, α, β, γ 鎖を含む, ほぼ一定の分子量の10数個のペプチドから成ることが示された。更に, 3H-プロリンの取り込みは, その大部分が, α 鎖より分子量の小さな (約2万~8万) 数個のペプチドに局限し, それらの一部は3H-ヒドロキシプロリンを含むことからコラーゲン由来であると考えられた。したがって合成され, この分画に抽出されるコラーゲンの大部分は分解されていることが明らかであった。又, この分解は歯肉コラーゲン代謝の一環として, 内在性のコラゲナーゼによって行なわれる可能性が推論された。緒論された。
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