Pethidine・HClなどの基本骨格であるphenylpiperidineにおけるpiperidine環の4位の炭素を3級炭素とし, 1位に3'-dialkylamino-2'-hydroxypropylを導入したphenylpiperidine誘導体5種を新たに合成し, それらの抗炎症作用などの薬理作用にかなりの活性を有することについては, すでに報告した。
今回は, これら新化合物の化学構造と局所麻酔作用の持続時間, 麻酔導入および消失, 局所刺激作用とこれらに対するadrenaline添加の影響さらに疼痛閾値との相関性を検索することを目的として検定を行った。
その結果, 全化合物とも, 表面麻酔作用よりも浸潤麻酔作用の持続時間が長かった。また, adrenaline添加により, 表面麻酔, 浸潤麻酔作用の持続時間の延長が認められ, 麻酔導入も若干速くなったが, 麻酔回復は両作用とも緩慢となった。局所刺激作用は, 脂肪族アミノ体が異項環アミノ体よりも若干強く, またadrenaline添加により脂肪族アミノ体にredllessやnecrosisが認められた。
疼痛閾値は全般にlidocaine・HClよりも高い値を示した。
急性毒性の検定結果から, これらの全化合物は普通薬に属しているものと推定される。
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