歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
35 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • stress analysis using a finite element method (FEM)
    Fumikazu Naruse, Yasuaki Ichikawa, Hideki Mizutani, Toshio Kaneda
    1993 年 35 巻 4 号 p. 297-311
    発行日: 1993/08/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    顔面中1/3骨折に関する多くの研究は骨折しやすい部位および骨の破壊強度を調査したものがほとんどで, 荷重部位および荷重方向と骨折部位との関連についての報告は少ない。本研究では中顔面の数値モデルを作成し, 三次元有限要素法を用いて顔面中1/3骨折における外力と骨折部位との関連について検討した。荷重部位は眼窩下部および頬骨前方部, 上顎前歯相当歯槽部, 梨状口周辺部, 前頭鼻上顎複合体の4ヵ所で, それぞれ200kgfの静的荷重を負荷し, 荷重方向も変化させた。破壊の判定にはDrucker-pragerの破壊基準と引っ張り強度を考慮して行った。荷重部位により予測された骨折部位は変化した。荷重部位が頭蓋から離れた低い位置ほど, また正中をはずれるほど多くの部位で破壊が予測された。また荷重方向では, 顔面を頭蓋から引き剥すような方向の, 内側よりの荷重, 上方よりの荷重に対して破壊が起こりやすいと考えられた。
  • Effect of the texture of food on the masticatory process
    Eiko Arai, Yoshiaki Yamada
    1993 年 35 巻 4 号 p. 312-322
    発行日: 1993/08/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    寒天ゲルとゼラチンゲルを試験食品に使用して, 柔らかい食品の咀嚼様式を, X線映画による視覚的解析と被験者による自己申告により検討した。モデル試料の硬さが増加するに伴い, 咀嚼様式は舌と硬口蓋による圧縮から, 歯列による咬断へと変化した。咀嚼様式を圧縮から咬断べと変化させるのに必要な硬さの閾値は, 寒天ゲルでは0.08 kg, ゼラチンゲルでは0.03 kgであり, その閾値は剪断歪の大きいゼラチンゲルのほうが小さい値となった。破断応力も咀嚼様式を変化させるための重要な因子であることが見いだされ, 150-250 g/cm2の値がその閾値として得られた。食品のテクスチャーは, 切歯乳頭部近傍における舌と硬口蓋によるわずかな圧縮 (変形率, 約12%) によって認知され, 非常に柔らかい食品の場合には, 流動性がなくても液状食品と同様の方法で処理されることが, X線映画による視覚的解析により明らかとなった。食品はそのテクスチャーに応じてその咀嚼様式が選択され, 舌と硬口蓋により圧縮されるか, または, 歯列による咬断により処理された。舌と切歯乳頭部による食品のわずかな圧縮過程が, テクスチャー認知の最初のステップであると推察された。
  • 組織ならびに微細血管構築の修復
    方 一如, 諏訪 文彦
    1993 年 35 巻 4 号 p. 323-337
    発行日: 1993/08/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    本研究はラットの舌背粘膜に実験的熱傷 (皮膚熱傷第II度相当) を与え, 微細血管鋳型によって組織ならびに微細血管構築について実験直後から治癒までの修復過程を経時的に走査電顕観察を行った。
    熱傷の治癒過程は, 1) 水泡形成期, 2) 同退縮期, 3) 潰瘍期, 4) 上皮修復前および5) 後期の5期に区分することができた。水泡形成期では固有層毛細血管は拡張し, 筋線維の横紋が消失していた。糸状乳頭の配列は不規則となり, 乳頭間距離は広がっていた。毛細血管ループの両脚間と細静脈網の網目が拡大していた。水泡退縮期では固有層乳頭と毛細血管は消失していた。糸状乳頭の毛細血管ループと細静脈網の網目は断裂, 消失し, 細動静脈のみが直接認められた。潰瘍期では創縁粘膜上皮の隆起, 創面の放射状の溝と創中心部の陥凹とともに糸状乳頭の毛細血管ループは創中心へ傾斜していた。上皮修復前期では創周囲粘膜上皮の創面全体への伸展とともに糸状乳頭が新生し, 創縁の既存毛細血管や創底からの新生洞様血管が吻合して血管網が形成されていた。その後, 創部はすべて新生糸状乳頭となり, 非実験群と同じ像を呈していた。現在のところ, 熱傷第II度で損傷した口腔粘膜組織と微細血管構築が治癒状態をとるには約6週を要することが明らかになった。
  • 高木 亨, 佐々木 哲, 青木 秀希, 菊池 正紀
    1993 年 35 巻 4 号 p. 338-348
    発行日: 1993/08/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    エナメル質形成期におけるアパタイト結晶構造の変化をFTIR, TG-DTA, X線回折を用いて検索した。形成期エナメル質は成熟完成したエナメル質アパタイトと比較し, 形成初期に存在するアパタイト結晶構造からエナメル質の形成や成長過程を知る上で重要である。その結果, 形成期エナメル質に存在する多くの有機質は580℃ で遊離したが, アパタイトに固溶した炭酸基およびリン酸水素基は分解脱離しなかった。(Ca+Mg)/Pは1.59と低く, 炭酸基の固溶量も多くACP様の構造を呈している。また, 炭酸基はアパタイトのPO4, OH基の両方に存在し, 湿式合成したハイドロキシアパタイトや完成したエナメル質アパタイトと比較してa軸の長い構造を呈していた。
  • 大島 滋生, 小松 浩一郎, 山根 明, 小泉 敏和, 和泉 隆之, 湯本 千秋, 千葉 元永
    1993 年 35 巻 4 号 p. 349-360
    発行日: 1993/08/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    歯根膜の機械的強度に及ぼす対合歯除去の影響を調べるため, 4週齢のラットを用い下顎右側第1-第3臼歯を除去した後, 同側の上顎第1-第3臼歯を引抜くために要する力 (引抜き荷重) および歯根長の変化を64日間にわたり観察した。対照群ラット臼歯の引抜き荷重は, 実験期間を通じて徐々に増加した。また, 歯の引抜き荷重には臼歯間で差が認められた。対合歯除去により, 機能的咬合を行っている臼歯の引抜き荷重は著しくかつ急激に低下した。対合歯除去によって低下した歯の引抜き荷重は, その後対照群とほぼ平行して増大したが完全な回復は認められなかった。歯根の伸長率は, いずれの歯においても対合歯除去後の8日間に最も大きな値を示した。また臼歯の全長 (あるいは歯根長) は, いずれの歯においても対合歯除去によって有意に増大した。すなわち対合歯除去により歯根の伸長が促進された。これらの所見はラット下顎臼歯について観察された結果とほぼ同一であった。
  • Fusion of multinucleate giant cells and macrophage-like cells in vivo by electron-microscopy
    Kazuyuki Sugaya, Takanori Domon, Hirotsugu Izumi, Yukishige Kozawa
    1993 年 35 巻 4 号 p. 361-365
    発行日: 1993/08/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
  • Myelinization of the glossopharyngeal and hypoglossal nerves in the frog metamorphosis
    Teruyuki Hirakawa, Kuniaki Toyoshima, Eiko Honda, Soichiro Tomo, Satos ...
    1993 年 35 巻 4 号 p. 366-370
    発行日: 1993/08/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
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