歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
39 巻, 6 号
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  • 日下部 豊寿
    1997 年 39 巻 6 号 p. 623-640
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    成ネコの上顎右側犬歯を矯正装置を用いて傾斜させ, 歯槽骨の吸収と血管分布の変化を墨汁注入標本 (LM) と血管鋳型標本 (SEM) で観察した。
    圧迫側歯槽骨には活発な背部骨吸収がみられた。背部骨吸収は歯槽壁内の貫通管の歯根膜腔開口部付近で生じていた。背部骨吸収は, 常に開口部に押し込まれた歯根膜の無細胞帯と, これに近接する血管が存在する部分に生じていた。
    以上のことから, 背部骨吸収が生じるためには, 圧力がかかった時の貫通管内の血管分布ならびに形態と開口部付近の圧力分布との間にある一定の関係が存在することが示唆された。
  • 宮本 久嗣, 邱 文娟
    1997 年 39 巻 6 号 p. 641-654
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    唾液腺における老化現象と細胞死との関連を調べる目的で, スナネズミ (生後3カ月から39カ月) の耳下腺および顎下腺腺房細胞を電子顕微鏡的に観察した。細胞死に関連していると思われる細胞として, アポトーシス様のクロマチン凝縮像を示す核をもつ細胞 (Type I細胞), 粗面小胞体の拡張を特徴とし, 核クロマチンの凝縮像をもつ細胞 (Type II細胞), ネクローシスの特徴を示す細胞 (Type III細胞), 顕著な空胞構造と核クロマチンの凝縮像をもつ細胞 (Type IV細胞) の4つのタイプが区別できた。Type I細胞は耳下腺で単独に認められ, 生後36カ月以降増加傾向を示した。Type II, III, IV細胞は耳下腺と顎下腺で集団的に観察され, 生後18カ月以降増加傾向を示した。さらに, アポトーシス小体様構造物が腺房細胞に認められることがあり, 生後18カ月以降増加傾向を示した。
    TUNEL陽性反応が核に認められた細胞はその出現状況から, 単独に認められた陽性細胞はType I細胞に相当し, 集団的に認められた陽性細胞はType II, III, IV細胞に相当すると思われた。また, ときどき細胞内に果粒状に陽性反応の認められた細胞はアポトーシス小体様構造を示していると推測された。
    今回の観察結果より, スナネズミ耳下腺および顎下腺においてこれら4つのタイプの形態が腺房細胞数の減少と関連していると推測された。
  • 中村 恵子
    1997 年 39 巻 6 号 p. 655-664
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    非栄養素であるセルロースを混入させた固形飼料 (バルク食) あるいは微細粉末食を水に溶いた液状化食 (液状食) で2週間飼育した実験群 (A群) とその後, 普通固形食にもどしてさらに2週間飼育した実験群 (B群) を用いて, 唾液腺内神経伝達物質濃度および自律神経作動薬誘導唾液分泌反応に及ぼす咀嚼刺激変化の影響を検討した。 A群において, 唾液腺重量とアセチルコリン濃度は耳下腺でのみ変化を示し, バルク食群では増加, 液状食群では減少した。 一方, ノルエピネフリン濃度は液状食群の顎下腺でのみ増加した。 唾液分泌反応に関しては, バルク食群でピロカルピン, イソプロテレノールおよびフェニレフリン誘導反応のいずれにおいても増加した。 一方, 液状食群ではフェニレフリン誘導反応のみが減少した。 B群の場合, どの唾液腺においてもアセチルコリンとノルエピネフリン濃度には食餌による差はなかった。 しかし, B群におけるバルク食群の唾液分泌はイソプロテレノールとフェニレフリン誘導反応でなお増加反応を示した。 以上の結果は短期間の咀嚼刺激変化が耳下腺重量や唾液分泌能力に影響を及ぼすばかりでなく唾液腺内神経伝達物質濃度にも影響することを示しており, 咀嚼刺激に対する各唾液腺の感受性に応じて唾液腺自律神経系の変化が短期間で発現することを示唆している。
  • Comparison with adults
    Kaori Ikeda, Zenzo Miwa, Noriko Ohma, Hideyo Iijima, Kumiko Sugimoto
    1997 年 39 巻 6 号 p. 665-669
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • Osamu Sata, Yoshihiko Hayashi
    1997 年 39 巻 6 号 p. 670-674
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
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