歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
39 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 野地 澄晴
    1997 年 39 巻 3 号 p. 189-201
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    Recent progress in elucidation of mechanisms of tooth development was reviewed. Many genes expressed during tooth development have been identified. For example, homeobox genes such as Msx, Dlx, Barx and peptide growth factors such as Sonic hedgehog (SHH), BMP, FGF, HGF, etc. are expressed in tooth buds and probably play important roles for tooth morphogenesis. Since Msx, Dlx, and Barx are expressed differentially during tooth formation, combination of expression patterns of these genes may be related to dentition and tooth morphology. On the other hand, differentiation of the tooth bud may be regulated by epithelial-mesenchymal interaction which is mediated by SHH, BMP4, BMP2, FGF4, and Notchs. It is interesting to note that these genes are also expressed during development of various organs other than tooth. Furthermore, they are vertebrate homologues of Drosophila genes which functions during insect morphogenesis. Thus, it seems likely that fundamental mechanisms underlying tooth development are common over other organs such as limbs, guts and lungs in vertebrates as well as in insects.
  • 高橋 勉, 杉田 憲司
    1997 年 39 巻 3 号 p. 202-213
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    A-431細胞では, ATPで細胞膜表面のP2プリン受容体を刺激すると細胞外液からのCa2+流入が促進された。Ca2+流入は上皮成長因子やブラジキニンによっても促進されたが, プリン受容体刺激に限って, Ca2+枯渇時には細胞内Mg2+がCa2+の作用を代用し, その特異性を示した。また, Ca2+流入は細胞膜のATPアーゼ活性とは無関係であると考えられた。コレラおよび百日咳毒素はATP刺激によるイノシトール三リン酸生成および細胞内Ca2+ストアからのCa2+放出を低い濃度で阻害した。また, Ca2+流入は高い濃度で抑制された。これらの毒素はプリン受容体の情報伝達機構に直接阻害作用を与えている可能性が示唆された。この結果はプリン受容体の機能発現にホスホリパーゼCを活性化する毒素感受性の高いG蛋白質とは別に毒素感受性の低いG蛋白質がCa2+チャネルの開口に関与する可能性を示唆するものである.
  • 高野 実, 栗原 琴二
    1997 年 39 巻 3 号 p. 214-222
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    顎下腺のNa+, K+-ATPaseαサブユニット蛋白質, α (S) (Kurihara et al. Biochim. Biophys. Acta 1039: 234-240, 1990) の諸性質を明らかにするために, 顎下腺の酵素を腎臓および脳の酵素と比較検討した。3種臓器のNa+, K+-ATPase活性はバナジン酸によって同様に阻害されたことから, 3種臓器酵素のATP結合サイトは類似していると考えられた。ウアバインは顎下腺および腎臓の酵素に比べ脳の酵素活性を強く阻害した。また, 抗α1特異抗体は脳の酵素に比べ顎下腺および腎臓の酵素活性を強く阻害した。内因性ジギタリス様因子は, 3種の臓器の酵素活性を同様に阻害したが, 顎下腺や腎臓の酵素へのウアバインの結合を脳の酵素への結合に比べて強く阻害した。V8プロテアーゼによるα1とα (S) のペプチドマップは1種のピークを除いて一致した。以上の結果から, α (S) の諸性質および一次構造は, 脳に局在するα2に比較し腎臓のα1に酷似していると考えられた。
  • Keiichi Tsukinoki, Yoshihisa Watanabe
    1997 年 39 巻 3 号 p. 223-240
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    本研究では培養細胞 (ヒト大腸由来腺癌細胞株HT-29, ヒト口腔底由来扁平上皮癌細胞株KB) にapoptosisを誘導し, 共焦点レーザー顕微鏡 (ACAS 570 Laser Cytometer) を用いて核形態の変化を検討した。INF-γ刺激後, Fas/Fas ligandシステムによってapoptosisを誘導したHT-29およびcychroheximideによってapoptosisを誘導したKBは, propidium iodide (PI) で染色し, 核DNA量の分布と3次元立体再構築による画像解析を行った。その結果, PI蛍光を指標としたDNAの量的変化と形態変化を同時に可視化することによって, apoptosis誘導細胞は核DNA量が中心部で少なく辺縁部に多く分布し, 極めて不均一であることが明らかとなった。
    さらに, 3次元立体構築では中心部の陥没, ドーナツ状形態, 半球状形態, 不整形をした核の断片化などapoptosis発現過程における特徴的な核形態の立体像を明らかにすることができ, 共焦点レーザー顕微鏡の有用性が示された。
  • Yuko Fujimori, Kazuyuki Sugaya, Hirotsugu Izumi, Yukishige Kozawa
    1997 年 39 巻 3 号 p. 241-246
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    サンゴは生体親和性の高い骨補 材として, 臨床的に使用され報告されている。しかしながら, その組織学的報告はほとんどない。本研究の目的は破骨細胞がin vitroにおいてサンゴを吸収するか否かを明らかにすることである。ウサギ骨髄由来破骨細胞様細胞は24時間および48時間サンゴ薄切片上にて培養された。酒石酸耐性酸性フォスファターゼ活性陽性細胞は破骨細胞様細胞とみなされ, 走査電顕により観察された. その結果, 破骨細胞様細胞は明らかにサンゴ上に吸収窩を形成することが観察された。また, 破骨細胞様細胞は, 細胞の基底部にある襟状構造部より多数の偽足を派出しサンゴ結晶を捕えており, さらに, サンゴ結晶は細胞表面にある微絨毛にも捕えられていた。これらの偽足や微絨毛はサンゴの吸収を引き起こす可能性があるということが示唆された。以上の結果はサンゴを吸収する破骨細胞様細胞が象牙質を吸収する破骨細胞様細胞と異なるいくつかの形態的特徴を持つことを示しており, サンゴは明らかに破骨細胞様細胞により吸収されることが指摘された。
  • Hiroshi Kajiya
    1997 年 39 巻 3 号 p. 247-256
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    口蓋神経の電気刺激により舌下神経に誘発される反射性放電を舌咽神経刺激による放電と比較した。口蓋神経刺激による放電は舌咽神経刺激による放電に比較して, 放電を誘発する刺激の閾値は高く, 放電の頻度は低く, 潜時は長かった。口蓋神経刺激による放電パターンは長い潜時を持つ成分のみで, 舌咽神経刺激によるパターンは短い潜時と長い潜時を持つ二つの成分であった。口蓋神経に条件刺激を与えた後の舌咽神経刺激による放電は促進された。口蓋神経刺激による放電は, 舌の引き込み運動を支配する舌下神経の分枝にのみ認められ, 舌咽神経刺激による放電は引き込みと突き出し両運動を支配する分枝に認められた。以上の結果より, 口蓋神経からの感覚入力は多シナプス性に舌の引き込み運動を誘発し, 舌咽神経からの入力は単シナプス性と多シナプス性に舌の引き込みと突き出しの両運動を誘発することが示唆された。
  • Hisashi Fujita, Takao Suzuki, Shinji Harihara
    1997 年 39 巻 3 号 p. 257-262
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • Tadataka Sugimura, Joji Inada, Yo Yoshida, Weijs W.A.
    1997 年 39 巻 3 号 p. 263-267
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
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