歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
43 巻, 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 工藤 保誠
    2001 年 43 巻 3 号 p. 229-238
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • 武田 弘資
    2001 年 43 巻 3 号 p. 239-246
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • 中川 一路
    2001 年 43 巻 3 号 p. 247-256
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
  • Takahide Amano, Kaori Sato, Takaaki Aoba
    2001 年 43 巻 3 号 p. 257-267
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, 超遠心分離法によりブタ基質形成期エナメル質よりエナメル溶液を分離・採取し, イオンクロマトグラフィにより溶質成分 (陽イオン種と有機酸を含む陰イオン種) の同定と定量分析を行った。ブタエナメル器組織液と血漿中での溶質イオン濃度と比較検討した結果, エナメル溶液のイオン組成は近接するエナメル器組織液や血液でのイオン組成と異なっており, 特に, 全Caイオンについては濃度差を保っていたのに対して, 全リン酸イオン濃度はほぼ等しいことが注目された。また, ブタエナメル溶液中では乳酸が多量に検出されたが, 酢酸やその他の有機酸もエナメル基質内に蓄積されていることが確かめられた。酢酸は基質形成期エナメル質内層および成熟期エナメル質で濃縮されており, 過剰量の水溶媒に可溶化されてくることから, in situではタンパクと弱く吸着していると考えられた。ラット基質形成期エナメル質での分析結果では, エナメル質への乳酸の蓄積は主に死後変化を反映しているのに対して, 酢酸やその他の有機酸はエナメル芽細胞の生理的な代謝産物であることが示された。本研究で得られた結果から, 形成期エナメル質の溶液相では基質タンパクの分解産物を含む多種類の溶質分子が共存しており, 溶液組成の緩衝効果と結晶沈殿の駆動力 (溶液相での過飽和度) の制御に寄与していることが示唆された。
  • Yoshimasa Imaminato, Ken'Ichi Ishizuka, Toshiki Murakami
    2001 年 43 巻 3 号 p. 268-277
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 三叉神経―唾液分泌反射における三叉神経脊髄路核中間亜核 (Sp 5 I) と尾側亜核 (Sp 5 C) の役割を明らかにする目的で行った。ウレタン・クロラロース麻酔下ネコを用いて, 合計119個の顎下腺・舌下腺支配上唾液核ニューロンの神経活動を細胞外記録した。同定した上唾液核ニューロンの下歯槽神経刺激による反射性応答を, 三叉神経脊髄路切断術を閂レベルで行った尾側亜核 (Sp 5 C) 標本と閂より3mm吻側部のレベルで行った中間亜核 (Sp 5 I) 標本ならびに未切断 (対照) 標本でそれぞれ検索した。対照標本, Sp 5 C標本, Sp 5I標本では, それぞれ50% (23/46個), 46% (15/33個), 10% (4/40個) の同定した上唾液核ニューロンが下歯槽神経刺激に対して順行性のスパイク応答を示した。Sp 5 C標本の応答の割合は対照標本と比較してほとんど差が認められなかった。平均潜時は対照標本と比較して統計的有意差が認められなかった。しかしながら, 中閾値求心性線維群による誘発応答または高閾値求心性線維群による誘発応答だけが認められた。Sp 5 I標本では, 応答の割合が対照標本と比較して極端に減少した。平均潜時は対照標本と比較して統計的有意差が認められなかった。中閾値求心性線維群による誘発応答または高閾値求心性線維群による誘発応答だけが認められた。
    以上のことから, 三叉神経―唾液分泌反射において中間亜核が最も重要な中継核であることが, また尾側亜核はその役割が少ないことが示唆された。
  • Morio Hattori, Yuji Taya, Kaori Sato, Takaaki Aoba
    2001 年 43 巻 3 号 p. 278-291
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    形成期エナメル質の石灰化の場である溶液相のイオン組成は, エナメル芽細胞層を介するイオン輸送と石灰化反応によって規定されていると予測される。本研究では, 透析膜を応用した結晶沈殿モデルにおいて, Caイオン輸送と関連した溶液イオン組成の制御機構について検討した。本実験モデルでは, 異なる膜孔の透析膜で分離された上下2つの隔室を設定し, 上室には過飽和溶液を送流した。下室での沈殿反応を誘起するため, ハイドロキシアパタイトを種晶, ブタエナメルタンパクを吸着成分として使用した。この実験条件下では, Caイオンは所定の濃度勾配 (初期勾配は1mMあるいは0.5mM) に従って上室の過飽和溶液から下室の溶液相に向けて拡散していく。経時的な下室でのCa濃度変化を追跡した結果から, この反応系においては拡散過程が律速段階となるため, 結晶沈殿の場でのCa濃度は定常状態 ([Ca] s) に至ることが確かめられた。この [Ca] sが上室を満たす過飽和溶液の濃度よりも低いレベルに止まったことは, 透析膜を介した拡散によるCaイオンの供給速度と下室溶液相での沈殿反応のためのイオン消費速度との差に起因すると解釈できる、特に, 沈殿反応の制御因子であるエナメルタンパクあるいはフッ素イオンの共存下でCaイオンの消費速度が大きく影響され, その結果, [Ca] sレベルも変動することを確かめている。1ppm以下の濃度域のフッ素イオンは [Ca] sレベルに顕著な影響を与えることが注目され, この効果は沈殿速度の亢進とともに沈殿したフッ素化アパタイトの溶解度が低いことに起因すると考えられた今回の実験結果から, 形成期エナメル質での溶液組成は多種の反応過程によって規定されていることが示唆された。
  • 阿部 隆士, 小泉 攻, 小林 寛
    2001 年 43 巻 3 号 p. 292-309
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    有袋類で, カンガルー科に属するオグロワラビーの舌乳頭の微細形態について, 動物種の食性と関連づけて比較解剖学的に検討した。舌背の後半部には草食性動物に特徴的な左右の臼歯間にわずかな舌隆起部 (臼歯間隆起部) が存在した。舌背に密集する糸状乳頭は1本の槍先状の主突起と複数の細長い副突起からなっていた。舌隆起部の糸状乳頭は副突起の数が多く, 長いものが多かった。糸状乳頭の結合織芯は板状の主突起と6-10本の小杆状突起からなり, それらの形状は舌背の部位により多少異なるが, 基本的には肉食性のイヌ, ネコのものに似た船の舳先状を呈していた。茸状乳頭は舌背の舌縁部に散在し, 舌尖下面の舌縁に特に多く認められた。これらの結合織芯は円柱状の細長いものから太めのものまであり, 円柱の頂上には1-数個の味蕾をのせる小陥凹が存在していた。有郭乳頭は舌後方に3個存在し, 中央乳頭の先端がわずかに表面に出る閉鎖型で, 中央乳頭の溝側上皮内に多数の味蕾が並んでいた。舌後方の外側縁に葉状乳頭はなく, 数本の円錐乳頭様構造物である外側器官が並んでいたが, 味蕾は欠如していた。舌根部の表面は乳頭を欠如し平坦であった。茸状乳頭の結合織芯の形状と3個の有郭乳頭や突出した外側器官の存在などはツパイと基本的に近似していた。糸状乳頭の外形や結合織芯の形態, それに円錐状の外側器官をもつといった所見から, オグロワラビーはイヌ, ネコなど肉食性の祖先の特徴を保持しながら, オーストラリア大陸でツパイに近縁の草食性の動物へと進化を遂げた動物であることが推測された。
  • A Specific Reference to α-Hemolytic Cocci
    Chikara Iwai, Shin-ichi Tsurusako, Yoshiro Ohara, Masatsugu Obuchi, Na ...
    2001 年 43 巻 3 号 p. 310-315
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    皮膚病変を伴い慢性歯性病変を呈し, 扁桃病変や副鼻腔病変が認められないため, 歯性病巣感染が強く疑われた52症例について細菌学的および血清学的検索を行った。大多数の症例からα型溶血性レンサ球菌が分離された。さらに, 多くの症例においてβ型溶血性レンサ球菌の指標である抗ストレプトリジン, 抗ストレプトキナーゼ, 抗デオキシリボヌクレアーゼ抗体価が陰性であった。そこでα型溶血性レンサ球菌が分離された症例について, 細菌の表面抗原である赤血球凝集素に対する抗体価を測定したところ, 抗赤血球凝集抗体価が陽性であったほとんどの症例において歯科治療の有効性が認められた。すなわち, 歯性病巣感染が確実な症例では, 細菌の表面抗原に対する液性免疫が上昇している可能性が示唆され, 歯性病巣感染の病態に関する重要な現象と考えられた。
  • Masato Matsuo, Takatsuna Nakamura, Kazuto Takahashi
    2001 年 43 巻 3 号 p. 316-324
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    歯科用インプラントの表面性状を加工することで骨形成を促進させることが試みられている。本実験では異なった表面性状をもつインプラント周囲の血管と骨形成を血管鋳型標本を用い走査型電子顕微鏡 (SEM) で観察し, また画像解析による骨接触率も算出した。
    イヌ下顎臼歯部を抜歯し, 片顎にサンドブラスト酸処理 (SLA) インプラント, 残る片顎に対照群としてチタンプラズマスプレーコーティング (TPS) インプラントを植立し, 術後3週, 6週後に血管内樹脂注入を行った。
    3週後, SLA群の骨表面は添加が進み平滑で血管を含む骨小腔が数個存在していた。TPS群の骨表面は多孔性で新生血管が多く観察された。6週後, SLA群では新生骨添加がさらに進み骨小腔は著しく減少していた。対照的にTPS群では骨小腔, 血管共に多く観察され骨形成途上であることが観察された。またSEM写真を画像解析し, 各インプラント群の骨接触率を求めた。その結果SLA群は3週, 6週後ともにTPS群に比べて高い値を示した。これらの結果から, インプラント表面性状の処理により骨形成を加速させることが可能であることが示唆された。
  • 峯田 天雄
    2001 年 43 巻 3 号 p. 325-333
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    特異な小器官であるグリコーゲン顆粒を伴う細管集合小体が, しばしばメキシコウサギ顎下腺の線条部細胞に存在した.
    細管集合小体は滑面小胞体の集合体として生じ, ときどき短い管状の粗面小胞体と小体の周辺で連結するのが示された.
    ある断面の切片で, 小体のそれぞれの細管 (直径20-25nm) はリング状, 亜鈴状さらに湾曲した細管状の様相を示す.
    種々の小体像は, 平行配列した滑面小胞体の螺旋細管系の切断方向によるものである.
    細胞頂部の小さな小体は多量のグリコーゲン顆粒, 少しの脂肪滴を伴うが, 核下部における発達した小体はグリコーゲン顆粒を伴わない傾向がある.
    これらの結果は, グリコーゲン付随小体が細胞頂部から核下部細胞質に広く散在し, グリコーゲンおよび, または脂質の代謝に関与することが示唆される.
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