二次元視標跳躍に対する心因性弱視患者の衝動性眼球運動を赤外線テレビジョン眼底カメラを用いて記録解析し,次のような結果を得た.
(1) 視標が見えないと訴える場合にもかかわらず,視標跳躍により,衝動性眼球運動は正確に誘発されていた.
(2) 心因性弱視眼の衝動性眼球運動潜時は,他の機能弱視眼(不同視弱視,屈折性弱視,斜視弱視),器質弱視眼の潜時と有意な差を認めず,単に平均潜時の絶対値のみから,心因性弱視眼の鑑別を行うことはできなかった.
(3) 両眼の衝動性眼球運動潜時の差が少ないこと,又,各方向別の潜時差が微小な差しか示さないことから,非心因性弱視眼との鑑別がある程度,他覚的所見で表わせるのではないかと思われた.
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