日本視能訓練士協会誌
Online ISSN : 1883-9215
Print ISSN : 0387-5172
ISSN-L : 0387-5172
20 巻
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  • 所 敬
    1992 年 20 巻 p. 1-3
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 八子 恵子
    1992 年 20 巻 p. 4-10
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 清澤 源弘
    1992 年 20 巻 p. 11-14
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 畑田 豊彦
    1992 年 20 巻 p. 15-18
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • Volker Herzau
    1992 年 20 巻 p. 19-42
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    First of all I wish to thank you very much for your kind invitation to me to speak to you during the 32nd Annual Congress of the Japanese Orthoptic Association. I already have a personal relationship to Nagoya through Professor Awaya, who has visited us in Tübingen very often and with whom I have already had the pleasure of many interesting professional and non-professional conversations. Therefore, it is a particular pleasure for me and my wife to visit your city and see it with our own eyes on our first visit to Japan.
    Mrs. Hirai very kindly allowed me to choose the topic of this paper. Inasmuch as I am a pupil of Elfriede Aulhorn, who succumbed to a serious disease this year, and of Heinrich Harms, you can easily understand that my lecture will deal with the visual field, in particular the visual field of squinters during the act of binocular vision.
  • 粟屋 忍
    1992 年 20 巻 p. 43-47
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 平井 淑江
    1992 年 20 巻 p. 48-57
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 山本 裕子
    1992 年 20 巻 p. 58-62
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    網膜対応異常の定義とそれを鑑別するための各検査法の問題点についてのべた。1983~85年の3年間に自治医大眼科外来を初診した内斜視患者で,対応検査ができた181例のうち,27例(15%)に広義の対応異常が認められた。
  • 若山 曉美
    1992 年 20 巻 p. 63-70
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    網膜対応異常は,内斜視患者の治療に抵抗する原因となるため,的確な診断が必要となる。内斜視患者に対する網膜対応検査法としてのPrism Adaptation Test (PAT)の方法を紹介し,PATからみた網膜対応のとらえ方について検討した。対象は,5歳から18歳までの14Δから40Δの内斜視患者26例であった。PATには,中和法とJampolskyの過矯正法の2つの方法を用い,残余内斜視角,複視の有無で判定した。結果は,プリズムをこばむ反応群では,他の網膜対応検査で全例ARCを認め,プリズムの受け入れ反応群では, ARCとNRCに分かれた。また,プリズムをこばむ反応群での眼位残余率は網膜対応異常の深さと関連し,残余内斜視角は,患者の網膜対応点であることが示唆された。網膜対応の病態を把握することは重要なことで,そのためには,網膜対応異常の有無だけでなくPATで得られた残余内斜視角及び眼位残余率を検討することが大切である。
  • 山下 牧子
    1992 年 20 巻 p. 71-75
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 稲富 昭太, 小島 ともゑ, 貫名 香枝, 渋谷 昌子, 佐藤 友哉
    1992 年 20 巻 p. 76-83
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    網膜対応は両眼網膜の各点の視方向の共通性をいうが,臨床上は両眼の中心窩の対応関係,あるいは一眼の中心窩と対応する他眼の網膜部位を求めて網膜対応としている。
    ここで取上げるFundus Haploscopeは被検者の見ている視標の網膜上の位置が他覚的に観察することの出来るので,網膜対応検査としては精度の高い検査である。
    この検査では両眼に夫々別々に呈示された視標が自覚的に重なって見えたときの視標の網膜上の位置で網膜対応が判定できる。
    この方法によって得られた網膜対応を分類すると,正常網膜対応と非正常網膜対応(対応の異常)に大別される。対応の異常には交代視を繰返して同時視は認めない対応欠如,周辺では同時視を認めるが一眼の中心窩に対応する他眼の網膜部には抑制を認める周辺異常対応,同時視をともなった異常対応などがある。異常対応といえるものは対応部位が中心窩に近く,これを微小異常対応(Micro-ARC)と呼んできた。
    このMicro-ARCの症例は大きな視標では正常対応と判定され,両眼視機能としては運動性融像,大まかな立体視をもち,Subnormal binocular Visionともいえるものであって,ARCというよりNRCに最も近い網膜対応と考えられる。
    したがって,subnormal retinal correspondence (SNRC)とよんだ方が良いと思われる。
    臨床的に観察される網膜対応を近年の脳の研究,特に視覚の生理学的研究と対比して考察すると,正常網膜対応とSNRCは視覚領V1,V2で成立していると考えられる。それ以外の対応異常はもっと上位のV3~V5の視覚連合野で成立していると推測される。
  • 赤津 史郎
    1992 年 20 巻 p. 84-90
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 大関 尚志
    1992 年 20 巻 p. 91-97
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    網膜対応異常を示す微小斜視弱視のうち,わずかな偏心固視を示す鼻側傍中心固視(NPF)と耳側傍中心固視(TPF)が認められた。これら弱視は不同視を伴うことが多く不同視弱視と早期鑑別することが必要である。
    固視点より鼻側視野刺激によるパターン視覚誘発電位のtransverseな分布(N-PVEP)と耳側視野刺激によるPVEPの分布(T-PVEP)を比較した。微小斜視弱視のうちNPFを示した弱視眼の場合,T-PVEPはN-PVEPと比較して極めて低振幅であったが,健眼は両振幅に有意差を示さなかった。TPFを示した弱視眼の場合はNPFのものと対称的でN-PVEPはT-PVEPより極めて低振幅であった。不同視弱視の対応は正常で中心固視であるが,健眼はもちろん,弱視眼のN-PVEPとT-PVEPはほぼ等しかった。
  • 深井 小久子
    1992 年 20 巻 p. 98-104
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    正常な両眼視機能があることは正常な網膜対応が基盤となっている。15年間の斜視治療症例より網膜対応異常の検出率と治療成績を分析した。さらに効果のあった実際例で段階的に行う網膜対応異常の矯正訓練法を示した。網膜対応の状態は3方法で判定を行い6段階に評価した。すなわち正常対応(NRC),異常対応(ARC),正常対応の傾向が強い(NRC>ARC),異常対応の傾向が強い(ARC>NRC),対応欠如(LRC),対応状態が不明(unknown)とした。症例は1976年から1990年の斜視入院治療例より外斜視528例,内斜視383例であった。ARCの検出率は1976年から1980年(第一期)では14.3%,1981年から1985年(第二期)では7.4%,1986年から1990年(第三期)では8.5%であり年々減少の傾向が認められた。ARCの治療後の残存率は第一期では8.2%,第二期では4.5%,第三期では5.1%であった。外斜視と内斜視のARC残存率を比較すると前者が3.2%にたいして後者は9.7%であった。しかしNRCに改善されてすぐには両眼視機能の獲得は得られていない。正常な両眼視機能の発達をうながすためには自然視での訓練が必要である。
  • 川村 緑
    1992 年 20 巻 p. 105-112
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 大場 亜由美, 曹 美枝子, 富田 香, 田中 靖彦
    1992 年 20 巻 p. 115-119
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    瞳孔膜遺残が左右眼で程度差があり不同視弱視を有しその治療中,内斜視となった1症例を経験したので報告する。
    症例は4歳女子で3歳児健診で左眼視力不良と両眼の瞳孔膜遺残を指摘され当院受診となった。眼位は正位であり両眼視機能は良好であった。Pattern VEPでは左眼に瞳孔膜遺残による軽度の形態覚遮断弱視の存在が示唆された。また,左眼に遠視性不同視があり左眼視力不良がこれに帰因することも考えられたため,眼鏡装用と1日3時間の健眼遮閉を行った。遮閉開始後,左眼の視力は向上したものの内斜視が出現し,徐々に斜視角が増大したため8ヶ月目に遮閉を中止した。
    しかし,眼位の改善が見られず,両眼視機能の崩壊を防ぐ目的でフレネル膜プリズムを用いた眼鏡装用を開始した。その結果,治療開始後2ヶ月目には眼位が改善し両眼視機能も回復した。
    内斜視を引き起こした原因として,遮閉による両眼視機能の崩壊,調節性要因の関与及び軽度の形態覚遮断弱視の存在が考えられた。
  • 眼鏡装用を中止できた症例に対する検討
    内田 恵, 田中 美枝, 片山 真知子, 渡辺 好政, 長谷部 佳世子
    1992 年 20 巻 p. 120-127
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    7年以上経過観察のできた純調節性内斜視の症例,31例を対象に,遠視度,斜視角,AC/A比,比較融像巾,近見立体視について比較を行った。眼鏡装用を中止できた10例をA群,現在も眼鏡継続装用中の21例をB群とした。遠視度は,初回検査時,両群に有意差はなかった。しかし最終検査時,年平均の減弱度ではB群に比べA群に有意な減弱がみられた。AC/A比は,初回検査時では,両群の間に有意差はみられなかったが,最終検査時においてB群に比べA群が有意に低い値を示した。両群の最終検査時の比較融像巾は,開散側,輻輳側共に正常範囲以下であった。近見立体視では,TSTにて60sec以下の症例が,B群に比べA群に有意に多くみられ,TNOにても60sec以下の症例が傾向差をもってA群に多くみられた。
    これらのことより,純調節性内斜視の長期経過観察にあたっては,遠視度,AC/A比,及び,両眼視機能について充分に注意すべきであると思われた。
  • 新井 紀子, 深井 小久子, 椎原 久美子, 早川 友恵, 木村 久
    1992 年 20 巻 p. 128-132
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    乳児内斜視に対してボツリヌム療法を行い,両眼視機能獲得状態について検討した。症例は生後1年以内に発症し,内直筋の過緊張を認める乳児内斜視30例である。注入後の経過観察期間は平均19ヵ月であった。
    眼位は平均2.9回のボツリヌム注入後3ヵ月を経ても症例の70%(21/30例)に安定した眼位改善が得られた。また,網膜対応は60%(18/30例)に正常対応化を認めた。両眼視機能の結果は,良好5例,改善5例,不良20例であり,34%(10/30例)に両眼視機能が獲得できた。
    ボツリヌム注入後の眼位変動は両眼視機能獲得を促進することが推定された。すなわち,一過性の眼位過矯正が異常な方向感覚を打ち消し,頻回注入で安定した良好な眼位が保持できると新たな視方向が確立し,感覚異常の改善を生じさせる。眼位のコントロールと感覚異常の改善は,両眼視機能の獲得を導くと考えた。
  • 位相差ハプロスコープにおける視標の輝度変化の影響
    川浪 佳代, 細井 尚子, 出口 美智子, 松坂 有紀, 横山 連, 三木 徳彦
    1992 年 20 巻 p. 133-137
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    間歇性及び恒常性外斜視120名に対し,位相差ハプロスコープの各プロジェクターの前にNDフィルターを置き,視標の輝度の変化が両眼視機能に与える影響を検討した。
    1) 4例は通常のPDHによる検査では正常対応で,斜視眼の視標の輝度を落とすことにより異常対応が検出された。これらの症例は経過観察中,他の検査では常に正常対応であった。
    2) 4例は通常のPDHによる検査では異常対応を示したが,固視眼の視標の輝度を落とすことにより,正常対応が検出された。
  • 梶原 喜久子, 山口 直子, 御宿 真理子, 塩瀬 芳彦
    1992 年 20 巻 p. 138-143
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    家庭用テレビでノイズフィールドテストを行って,傍中心孤立暗点を自覚したことのみを主訴として来所した49歳の女性に対して検査を行った。初診時の眼圧は右20mmHg,左21mmHgであり,乳頭所見においては,自覚された暗点に対する部位にNFLDを伴う緑内障性変化が認められた。しかし,ゴールドマン視野計によるselective perimetryでは主訴と一致した暗点が検出されたものの,ハンフリー視野計閾値テスト中心プログラム24-2ではこの暗点を検出できなかった。後に行ったハンフリー視野計閾値テスト特別プログラム中心10-2では,上方視野に小さな傍中心孤立暗点が正しく検出された。日常外来で繁用されているハンフリー視野計プログラム24-2,30-2などによる見落しの可能性について述べた。
  • 赤池 なぎさ, 山室 昭子, 鈴木 弘子, 原澤 佳代子, 鈴村 弘隆, 遠藤 成美
    1992 年 20 巻 p. 144-150
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    東京医大眼科における視野検査の実態の把握をするために,1988年から1990年の3年間に視野検査を施行した症例について,集計し分析を行った。
    患者数(延べ眼数)は,1988年976人1890眼(2350眼),1989年1323人2552眼(3160眼),1990年1269人2470眼(2954眼)であった。年齢は60歳代が最も多く,性差はなかった。疾患別では,緑内障が51.0%を占め,次いで視神経疾患及び頭蓋内疾患が多かった。年代別の疾患の特徴は,10歳代前後では,心因性や未熟児網膜症,40歳代以上では緑内障が多かった。これらについて3年間の傾向に,明らかな差はなかった。計測法では,84.2%に動的及び静的量的視野計測を実施し,静的計測のうち自動視野計によるものは94.5%あった。
    症例として緑内障が多いことから,動的及び静的計測を施行したことは妥当と思われた。また,今回の実態の把握には,コンピュータ管理が有用であった。
  • 須田 和代, 森 由美子, 調 広子, 大池 正勝, 山本 節
    1992 年 20 巻 p. 151-158
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    従来,心因性視力障害患者の視野には管状視野・螺旋状視野・求心性狭窄等の特有なものが検出されることがあるとの報告がされているが,視野とは視覚感度の分布であるという定義に基づくと,その視野には矛盾する点がみられる。
    我々は心因性視力障害疑いの患者に対しても,本来の概念に基づいて視野検査を行ってきた。その結果,他院から異常視野として紹介された症例も含め,全例正常視野を得,他の器質的疾患を否定する一助に充分なり得た。
    特有な視野が心因性に限るものではないことから,心因性視力障害疑いの患者に対しては,その心因的要素を取り除くよう配慮し,可能な限り正確に診断できる検査結果を得るべく努力すべきであると考える。
  • 清水 小百合, 臼井 千恵
    1992 年 20 巻 p. 159-164
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    現在国内で市販されている粘着剤付き肌色遮閉具のうち,アイパッチ®,Opticlude®,Elastopad lite®について,弱視患者10名と実際に遮閉具を装用した当科ORT8名を対象に,アンケート調査による各種の比較検討を行った。その結果,装用感の良かったのはアイパッチ®,遮光性の優れていたのはElastopad lite ®,耐水性および粘着力の優れていたのはOptic lude®,Elastopad lite®,粘着面およびパッド部の軟らかさはアイパッチ,外見上小さく目立たなかったのはElastopad lite®であった。欠点としてはアイパッチは遮光性に劣る,粘着力の優れたOpticlude®とElastopad lite®は剥がす時に痛い,Elastopad liteはパッド部が堅いという意見を得た。検査・治療をより効果的に行うためにはそれらの特徴と,今回考案した,遮閉具の貼り方剥がし方の指導等に留意し,各患者に適した遮閉具の選択およびそれを正しく使用しているかの確認が重要であると思われた。
  • 高木 満里子, 堀田 明弘, 西山 正一, 竹田 憲司, 帆足 悠美子, 河上 なつみ, 尾崎 峯生, 山下 理一郎
    1992 年 20 巻 p. 165-171
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    ヒトの視覚の感受性がまだ高い期間,1歳8ヵ月時に,右眼に霰粒腫の切開を受け,6日間の遮閉後右眼に内斜視が出現した。2歳3ヵ月頃に,内斜視に対して処方した膜プリズムが眼鏡店で基底を逆に貼付された。基底内方となった膜プリズム眼鏡を約3週間装用し,右眼の弱視を惹起させた症例を経験した。このことより幼児期の処方眼鏡は作製後必ず早期にチェックすることが重要である。
  • 濱村 美恵子, 野邊 由美子, 澤 ふみ子, 中村 桂子, 菅澤 淳, 内海 隆
    1992 年 20 巻 p. 172-176
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    調節性輻湊およびAC/A比は,高AC/A型内斜視や開散過多型外斜視の病因を解明するために重要な要素である。その正否を論じるには正常値をとらえておく必要があるが,漠然と4±2Δ/Dと記載されていることが多い。そこで今回われわれは,安定した交代固視下major amblyoscope法によるgradient法を用いて,年代別にAC/A比正常値を求めることを目的とした。対象は,5歳~45歳までの正常者114例で,得られた各年代のAC/A比(stimulus AC/A ratio)の平均値と標準偏差は,5歳~9歳4.3±1.0Δ/D,10歳~19歳4.3±1.1Δ/D,20歳~29歳3.9±1.1Δ/D,30歳~39歳3.9±1.1Δ/D,40歳~45歳3.4±0.9Δ/Dであった。年齢が増すにつれて,AC/A比はわずかながらも有意に低下する傾向にあることが分かった。今後は,この値を基にAC/A比が正常か否かを年代ごとに判定することが可能となった。
  • 大木 千佳, 香取 順子, 伊藤 幸江, 土屋 邦彦, 鵜飼 一彦, 石川 哲
    1992 年 20 巻 p. 177-181
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    交感神経作働薬及び副交感神経作働薬単独の屈折,調節系への影響については過去にいくつかの研究がなされている。しかし副交感神経麻痺剤と交感神経β刺激剤の両者の点眼が屈折及び調節系にどのような影響を与えるかについては,あまり検討されていない。そにで今回正常被検者男性7名,女性17名の計24名(6~28歳)に対し,副交感神経麻痺剤点眼後に交感神経β刺激剤を追加点眼し,それぞれの点眼前後に自動屈折計にて他覚的屈折値を測定した。また,うち13名については調節安静位をdark focusにて測定した。他覚的屈折値,dark focusともに副交感神経麻痺剤点眼で有意な遠方への変動が起こり,さらに交感神経β刺激剤の追加点眼後では有意差はなかったものの若干の遠方への変動が認められた。
  • 天野 みゆき, 鈴木 永子, 河合 美重子, 馬嶋 昭生
    1992 年 20 巻 p. 182-189
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    1986年より1990年までの間に愛知県総合保健センター視力診断部色覚外来を受診した色覚異常者296名(第1色盲35名,第1色弱46名,第2色盲122名,第2色弱93名)に対して,AO H-R-R表(H-R-R表),東京医大式色覚検査表(TMC表),大熊曲線表(大熊表)による程度判定と,市川式ランタン,パネルD-15によるpass fail分類を行ない結果を比較した。色盲表3表は色覚異常の程度分類につき,それぞれ独自の基準を持っている。296名のうち3表共に程度判定が一致するものは72名であり,3表共にそれぞれ異なった程度に判定されたものは41名いた。各色盲表の特徴として,H-R-R表は第1異常,第2異常共に強度に判定されるものは少なく,TMC表では2色型色覚である強度をよく判定した。また,大熊表は第1異常は軽く判定され,第2異常は強く判定される傾向を持った。パネルD-15においては2色型色覚の97%と異常3色型色覚の23%がfailを示し,機能的色盲と色弱および正常とを適度に区別した。また,2色型色覚の殆どが定型的なパターンを示したのに対し,異常3色型色覚では多くが非定型的なパターンを示した。
  • 鈴木 永子, 天野 みゆき, 河合 美重子, 馬嶋 昭生
    1992 年 20 巻 p. 190-195
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    先天性色覚異常は治療の対象ではないが,社会生活上の適切な指導を行うことが眼科の重要な役割である。我々は,1986年から1990年に愛知県総合保健センター視力診断部を受診した先天性色覚異常者296名について,面接をしながら日常生活における色の誤認を中心に調査を行った。対象者はアノマロスコープにより第1色弱(PA)46名,第1色盲(P)35名,第2色弱(DA)93名,第2色盲(D)122名に分類された。異常の程度は,A OH-R-R表,東京医大式色覚検査表,大熊曲線表,市川式ランタン(ランタン),パネルD-15(D-15)により判定した。その結果,色に対する不都合の経験が有る者の割合は,PA,P,DA,Dについてそれぞれ約41%,74%,32%,74%であり,各表において強いと判定される者,ランタンで4/9以上の誤りをする者,D-15においてはfailする者ほど,より不都合を経験していた。
  • 若林 憲章
    1992 年 20 巻 p. 196-203
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    Positioning holeを有するIOL挿入者19名に対し,HOYA RETINEX SOFTを用い,昼間のまぶしい太陽光などのveiling glareと夜間の車のヘッドライトなどのdirectional glareへの有効性について,SY-25, YG-35, DG-50でそれぞれ検討を行った。
    従来からのアンバー系のカラーレンズよりも違和感の少ない自然視が得られた。Veiling glareに対してはDG-50,YG-35,SY-25の順に有効であり,directional glareに対しては,SY-25,YG-35の順に有効であった。
    人水晶体に近い透過性を持つカラーフィルターの活用は,白内障術後患者により快適で,自然な明るさと色の見え方の提供が期待出来るものと思われる。
    今後メーカーの協力を得て,同様の吸収特性を持つ整容上好まれるフィルターの開発を進めてゆきたい。
  • 佐藤 弘美, 五十嵐 千里, 菅野 和子, 菊入 昭, 石田 みさ子, 簗島 謙次, 南 修一郎
    1992 年 20 巻 p. 204-209
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    私達のロービジョンクリニックでは日常臨床において低視力者に遮光レンズが有効である事を多々経験している。特に羞明および暗順応に障害をきたす網膜色素変性症患者ではコントラストをあげ,暗順応時間を短縮させる意味で有効であると言われている。今回私達は,同一視感透過率のレンズを作製し,色の違いにより暗順応最終閾値到達時間に差がでる事を認め,短波長側を遮断した遮光レンズが有効である事が判ったので報告し,あわせて日常行っている暗順応の検査方法についてパラメーターの設定条件およびそれに対する評価について考察をおこなった。
  • 岡 真由美, 早川 友恵, 新井 紀子, 深井 小久子, 木村 久
    1992 年 20 巻 p. 210-215
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    ボツリヌム療法と視能矯正にて,両眼視機能が獲得できた成人の恒常性交代性外斜視について治療経過を示し,視能矯正管理の方法を報告した。
    症例は30才男性で,2才で発症するも26才まで放置されていた。治療前は80ΔXT′,75ΔXT,交代性上斜位を認め,両眼視機能はなく,網膜対応欠如,輻輳不全を伴っていた。
    ボツリヌム注入は計11回行い,9回注入後眼位は2ΔE′,14ΔE(T)に改善し,その5.5ヵ月後に初めて両眼視機能が認められた。斜視再発防止のため輻輳訓練,内田カラーレンズ装用を行った。網膜対応は正常化し両眼視機能はTitmus stereo testsにて40sec.が獲得された。
    成人の恒常性外斜視は両眼視機能の獲得が困難と言われているが,ボツリヌムの頻回注入と視能矯正を併用して眼位改善を行うことにより,両眼視機能獲得の可能性があることが判明した。
  • 野田 一美, 今村 祐子, 林 正泰, 内海 栄一郎, 杉本 育子
    1992 年 20 巻 p. 216-221
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    40歳以上の未治療の外斜視症例の検討を試み,小児外斜視症例と比較を試みた。40歳以上では恒常性が57.7%と間歇性より多く,小児では恒常性はなかった。運動面からの分類では40歳以上は輻輳不全型が最も多く,小児では基礎型が最も多い。
    斜視角は40歳以上では40Δ以上は近見時80.8%,遠見時73.1%と多く,小児では近見時36.0%,遠見時16.0%と少ない。
    輻輳近点は40歳以上は正常以下の例が多く,内転不全も多い。両眼視機能は40歳以上でも良好なものが38.5%にみられた。
    40歳以上の外斜視症例は小児外斜視症例と比べて,斜視角の大きい例が多く,恒常性外斜視,輻輳不全型外斜視が多いという特徴がみられた。
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