日本視能訓練士協会誌
Online ISSN : 1883-9215
Print ISSN : 0387-5172
ISSN-L : 0387-5172
26 巻
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  • 湯沢 美都子
    1998 年 26 巻 p. 1-7
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    黄斑ジストロフィは遺伝子病であるが,日常臨床においては診断は家族歴,検眼鏡および蛍光眼底造影所見,ERG,EOG,色覚などの機能検査を総合して行う。錐体ジストロフィでは錐体系ERG,卵黄様黄斑ジストロフィではEOG,X染色体若年網膜分離症のERGのb波の異常など特異的な機能異常によって診断が容易な場合もあるが,黄斑ジストロフィの診断が確定できない場合や黄斑ジストロフィと診断できても病型診断ができない場合には同胞の諸検査や患者の経過観察を行い診断を確定する。
  • 高橋 文男
    1998 年 26 巻 p. 9-21
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 八木 仁志
    1998 年 26 巻 p. 23-33
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 松本 富美子
    1998 年 26 巻 p. 35-42
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 26 巻 p. 43-47
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 深井 小久子
    1998 年 26 巻 p. 49-61
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    1.視能矯正ニーズの変遷
    視能矯正は小児の弱視と斜視が主要対象であったが,早期発見と予防・治療の進歩で,重篤な弱視や斜視の感覚運動異常は減少した.1993年には,視能訓練士法に検査業務が明確化され,視能検査が拡充した.21世紀を間近にして視能矯正の社会的ニーズは,乳幼児の健診,成人病検診,リハビリテーション(眼球運動障害),ハビリテーション(Low Vision),高次脳機能(学習障害,重複障害等)の領野に発展がある。本報では高齢社会でニーズが高まっている「後天性眼球運動障害の視能訓練」を報告する.
    2.どんな後天性眼球運動障害が増加したか
    23年間の後天性眼球運動障害の視能訓練数は296例であった。その発症原因は,外傷(頭部・眼)が第一位,次いで,炎症や脳血管障害があげられる。これは39歳以下と40歳以上でその頻度は異なる。前者は外傷(頭部・眼)によるものが第一位であり,後者では炎症,脳血管障害による眼球運動障害が増加している。
    3.教科書どおりの患者はいない
    後天性眼球運動障害は眼窩機械的,筋性,眼運動神経,核間などの障害で発症し,部位や程度により訓練の適応や効果が異なる。しかし,視能訓練をすすめる前提として「原因は何か」「どんな症状があるか」「何が不自由か」を分析し患者の実際的ニーズを知る。
    4.効果的な訓練法はなにか
    相反神経支配の異常と融像異常の状態から視能訓練プログラムを作成した。垂直偏位が水平より大きい場合は眼球運動訓練から輻湊,そして融像訓練にすすむと良好な結果が得られる。
    5.訓練により“治った”評価
    296例の結果は,治癒度Iは45%,治癒度IIは約44%であった。訓練の最終目標は,日常生活と社会復帰が“できる”満足度である.従って訓練により“治った”という基準には,日常生活での体験的な評価を含めたものが望ましい.融像の向上と日常生活の不自由度(満足度)の関係は必ずしも一致しなかった。
    6.視能訓練の社会的意義
    視能訓練は専門性が高い機能回復訓練であり,これにより社会復帰が可能なものは約88%ある。後天性眼球運動障害は外眼筋自己受容器系の障害であり,融像機能で視覚性と筋性の眼球位置覚を統合させ再建させることができる。この効果を具体的に示し,社会ニーズに応えていくことは,これからの視能矯正の発展につながる.
  • 所 敬
    1998 年 26 巻 p. 63-66
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
  • 根本 加代子
    1998 年 26 巻 p. 67-80
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    弱視と弱視治療に関する先人の業績を回顧することは、私たちが臨床の場で出会う多くの問題や疑問に答える糸口が得られることである一方では、私たちが同じ知識基盤を共有し、同じ学術用語を用いて、討論をすることで、お互いがより深く理解し合えるのであるこのような同じ知的背景の中から、私たちがより良い治療法や新しい訓練法の創造、そして、従来からの訓練治療にたいする学術的批判をも可能とし、その改善に繋がるのである。今回まとめた内容について以下に記す。
    弱視の病態に関する基礎的研究(弱視のニューロンの基礎)。
    弱視治療に用いられる遮蔽法についての神経生理学的考察。
    日本における弱視の頻度は約2.3%と推定される。
    器質弱視の訓練は視力回復の可能性があることを前提とし、訓練終了の時期を明確にする。
    遮蔽治療が困難な時、ペナリゼーションは有効である。
    間歇遮蔽か終日かの選択は症例の症状に基づき決定される。
    アトロピン遮蔽は重篤な健眼視力低下をもたらすことがある。
    点眼中は瀕回の視力チェックを要する。
    健常視力かそれに近い回復が得られる年齢的限界は15歳前後である。なんらかの回復が期待できる年齢の限界は不明である。
    弱視治療訓練終了判定基準としては視力の向上した者は交代固視でき、さらに不同視弱視では中心窩抑制が取れ、両眼開放視力が等しくなった時をもってする。また、治癒効果が得られない判定は終日遮蔽にて連続3回の検診でも視力が不変の時をもってする。
    健眼失明者の弱視眼の30%に0.3~1.0(3ライン以上)の改善が見られた症例とそのメカニズムの考察。
    L-dopaあるいはciticolineで抑制暗点の縮小や視力の向上が見られるが、副作用の除去、効果の持続、作用機序の解明が不十分であり、これらの解析が進すめば、新しい治療法が生まれる可能性があること。
  • 高木 満里子
    1998 年 26 巻 p. 81-89
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    不同視弱視患者の検査および治療方法の実際と問題点を述べる。視力は通常片眼視力で代表される。しかし,弱視は両眼相互作用の結果健眼からの抑制である。そこで,ビノキュラーセパRを用いた視力測定方法(両眼視時視力)で弱視眼に対する抑制を視力値として測定し,また弱視眼にかかる抑制の深さを簡便に検出できる方法としてSG testと遮蔽膜バー併用試験を考案した。これらの方法を用い,弱視治療に有効であった症例について報告した。両眼視時視力検査を8名に施行した。7名において片眼視力より低下していた。両眼視時視力が0.6以上であった5名中4名は50″より良好な立体視が得られた。遮蔽法は,両眼視を壊さず弱視治療を行うために,完全遮蔽後に漸増遮蔽膜を17名に用いた。そのうち13名(76%)は学童期の子供であった。
    不同視弱視の感受性期間であると言われている12歳までは,積極的に治療を行い,視力低下のリバウンドに注意する必要がある。また,学童期の治療においては,心理面にも充分留意しなければならない。
  • 丹治 弘子
    1998 年 26 巻 p. 91-97
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    屈折異常弱視は,視覚の発達期に両眼に存在するある程度以上の屈折異常が,未矯正のまま放置されたためにおこる両眼の弱視と定義される。弱視をおこす種類としては,遠視,遠視性乱視,混合乱視が主で,成因は黄斑部への焦点の合わない結像による広義の視性刺激遮断と考えられ,その予防や治療には屈折矯正が不可欠である。今回は,屈折異常弱視治療の実際と問題点について述べた。
    1.屈折異常弱視の診断
    器質的疾病の否定とともに,原因となる屈折異常の検出が不可欠である。
    2.屈折検査
    基本的には硫酸アトロピン点眼にて行う。
    3.屈折矯正
    ある程度視力が向上するまでは完全矯正,その後,度の軽減を図る。
    4.経過観察上の問題点
    視力向上が不良のときは,眼鏡装用状況,屈折矯正の適正,他疾患の有無の確認をする。
  • 臼井 千恵
    1998 年 26 巻 p. 99-109
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    斜視弱視の治療前の固視能力を両眼性固視検査を用いて調べると,全例が中心固視の可否にかかわらず固視持続不良であった。そこで今回,斜視弱視を固視能力から「固視持続能力の一眼優位によって斜視と弱視が相い携えて発生した弱視」と定義した。治療は,その目的を従来の「視力向上」から「良好な固視持続能力の獲得」に改め,両眼開放下で弱視眼固視を積極的に促す方法として健眼アトロピン点眼療法を行った。その結果,症例の54%が良好な固視能力を獲得したが,残る46%は固視能力に改善がみられず,特にDVDを合併した場合は,治療後の弱視の再発や,中心固視の獲得が困難であるなど,予後不良となる者が多かった。また,健眼と弱視眼が逆転する症例が数例に認められた。弱視の再発や健眼の弱視化を予防するには,適切な治療中止時期を選ぶ必要があり,健眼と弱視眼の固視持続能力を遠見・近見の両者において正しく把握することが重要と思われた。
  • 高崎 裕子
    1998 年 26 巻 p. 111-117
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    屈折異常の矯正と健眼遮蔽法で弱視治療を行った,微小斜視14例と屈折性調節性内斜視13例を対象に,微小斜視における診断時期と弱視治療の中止時期,そして経過の観察で注意すべき点などについてretorospectiveに検討した。
    その結果,以下のことがわかった。
    1.眼位異常が主訴の幼小児で中等度の遠視性屈折異常がある場合,微小斜視の状態で治癒することが多い。2.微小斜視弱視は,7才頃までに診断できるが,弱視治療は11才まで継続すること。3.経過観察中にAC/A比が変化する例では,慎重に二重焦点眼鏡の適用を考慮すること。4.微小斜視弱視の治療予後は,屈折異常の矯正開始年令に左右されるので,3才前半までに屈折異常の矯正を開始すること。
    3才児より早期の乳児検診で屈折検査を含めた視機能検査の実施を提唱する。
  • 調 廣子, 森 由美子, 須田 和代, 中村 誠, 関谷 善文, 山本 節
    1998 年 26 巻 p. 119-127
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    手術時期4歳以下の両眼性先天白内障10例,片眼性先天白内障12例,片眼性外傷性白内障3例を対象に形態覚遮断弱視の治療の実際と問題点について検討した。両眼性先天白内障症例が術後視機能,弱視治療のコンプライアンスともに最も良好であった。一方片眼性先天白内障症例は極早期手術例を除いて手術時期と術後視力に相関があり,視力不良例が多く治療に苦慮する例が多かった。外傷性白内障症例は弱視治療は良好に行えており術後視機能はほぼ良好であった。本弱視では片眼性先天白内障症例が感受性期にうけた形態覚遮断が最も大きいものと考えられるが,治療としてはできるだけ原因疾患を迅速に取り除き,固定化を防ぐことが最も重要であるため,親に対する心理的なサポートを含めた生後早期からの注意深い観察と適切な対処をすることが必要であると考えた。
  • 好川 由利子, 畑崎 泰定, 松田 育子, 荒木 由美, 中塚 敬之, 川畑 智香, 前田 直之, 不二門 尚
    1998 年 26 巻 p. 129-135
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    最小視覚の対数をとるLogMARは視力評価の基準として注目されており,また視覚の質をもとめるうえで対比感度も重要な検査である。
    今回我々はLogMAR,対比感度の検査ができる多機能視力測定装置(Vector Vision社製,CSV-1000)を使用し,その有用性について検討した。
    LogMAR視力表,対比感度測定装置とも従来使用されてきた小数視力,対比感度と同等の測定が可能であるという結果となった。しかしCSV-1000ではLogMAR,対比感度ともにそれぞれ規則性を持ち,より連続量に近い測定が可能であることが推察された。
    本装置は器械にスペースを取られず,検査も簡便に施行でき,今後日常臨床において,視力評価を検討するうえで有用であると考えられた。
  • 望月 誠子, 枝川 宏, 蓮池 正博
    1998 年 26 巻 p. 137-143
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    裸眼または矯正視力が1.2以上の継続的にスポーツをしているスポーツ選手150眼と、継続的にスポーツをしていない非スポーツ選手30眼の屈折と動体視力(KVA)を測定した。
    屈折異常はスポーツ選手と非スポーツ選手の両群共に約6割に認められ、近視または近視性乱視が最も多かった。
    視力とKVAでは性別による有意差(P<0.05)を認めなかった。スポーツ選手と非スポーツ選手の比較では視力に有意差(P<0.05)を認めなかったが、KVAはスポーツ選手が有意(P<0.05)に良好であった。種目間の比較では視力に有意差(P<0.05)を認めなかったが、KVAはテニス選手が最も良好で、サッカー選手が最も悪かった。
    KVAと屈折度数の関係では球面と円柱度数の増加に伴いKVAは低下する傾向にあり、近視と0.75D以上の乱視度数で有意(P<0.05)に低下した。
    スポーツ継続期間による視力では有意差(P<0.05)を認めなかった。KVAはスポーツ選手が非スポーツ選手に比べ有意(P<0.05)に良好であったが、スポーツ選手における比較では有意差(P<0.05)を認めなかった。
    これらの結果より、KVAは屈折度数が関与していると考えられ、動体視力の改善には適正な屈折矯正が必要であると思われた。
  • 福山 千代美, 加藤 栄子, 普天間 歩, 大久保 恵里, 後藤 祐子, 平岡 真砂代, 今井 洋子
    1998 年 26 巻 p. 145-152
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    我々は,調節緊張を起こした症例の,診断,背景ならびに治療法について検討したので報告する。対象は,調節緊張と診断され,症状の改善に長期間を要した9症例である。観察期間は,2~29(平均12.0)ヵ月であった。年齢は,9歳から11歳の小学校高学年の6名と,22歳から27歳の20歳代の成人3名の2つの分布を呈し,性別では女性に多かった。主訴は,学童群では視力障害が多かったが,成人群では羞明が多かった。初診時の裸眼視力は0.3以下が多く,矯正不良の症例が過半数を占め,全ての症例でマイナスレンズで矯正された。調節麻痺下では+1D程度の遠視が検出され,多くは+1D以上の戻りが認められた。このため調節緊張の症例では,潜伏遠視を背景とすることが多く,調節麻痺下の視力検査が有用であると考えられた。治療の原則は遠視の眼鏡常用と調節緩和で,予後は良好であるが,きめ細かな対処が必要である。
  • 橋本 紀子, 田野 綾子, 和田 博子, 小島 ともえ, 池田 夕子, 長嶋 美紀, 石郷岡 均, 高橋 総子
    1998 年 26 巻 p. 153-157
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    先天性眼底疾患を伴った遠視性不同視弱視1例と近視性不同視弱視2例に弱視治療を行った。ぶどう膜欠損を伴った遠視性不同視弱視の1例は斜視はなく脈絡膜欠損も黄斑部には及んでいなかった為,弱視治療をはじめて11か月後(0.7)まで視力は向上した。網膜有髄神経繊維を伴った片眼高度近視による近視性不同視弱視の1例は弱視治療により17か月後(0.7)まで向上した。同じく網膜有髄神経繊維に軽度近視による近視性不同視弱視を伴った1例は治療開始年齢が低年齢でなかったこともあり,視力は弱視治療より20か月後(0.7)にとどまっている。それぞれの眼底疾患が視機能の発育と弱視治療の効果に影響を及ぼしていると考えられたが,3症例共に治療の結果,視力の向上をみた。このような弱視に対しても積極的に弱視治療を試みても良いのではないかと考えられた。
  • 長井 圭子, 生田 由美, 臼井 千恵
    1998 年 26 巻 p. 159-163
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    健眼アトロピン点眼療法による斜視弱視治療において,良好な予後を得るための適切な中止時期について,固視持続能力の可否を重視し検討した。その結果,近見・遠見ともに健眼が優先固視のまま点眼を中止した10例全例と,近見においてのみ健眼と患眼が固視交代の段階で中止した12例中9例(75%)は予後不良であった。一方,遠見では健眼優先固視だが近見では患眼優先固視となった段階で中止した16例中8例(50%)と,遠見および近見ともに患眼優先固視となった段階で中止した7例全例は予後良好であった。以上の結果から,健眼アトロピン点眼療法の中止時期は,近見のみならず遠見においても患眼が優先固視になった段階が適当であるが,この段階は健眼弱視化の直前でもあるため,実際の治療においては健眼弱視化に配慮し,まず近見で患眼優先固視になった段階で治療を一旦中止し,その後の経過によって治療を追加する方がよいと考えられた。
  • 小森 敦子, 小林 昭子, 齋藤 重子, 小寺 久子, 原沢 佳代子, 遠藤 成美, 臼井 正彦
    1998 年 26 巻 p. 165-172
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    白内障による視力の低下と,視野の沈下の関係を検討するために,自内障手術前後に視野検査を施行した43例52眼を対象とした。全例白内障以外の合併症がなく,術後視力は1.0以上であった。視野は,ハンフリー自動視野計の中心24-2の閾値検査およびゴールドマン視野計による動的量的視野検査で測定した。
    ハンフリー視野では,視力の低下にともなって,total deviationは全体的に沈下したが,pattern deviationが深い沈下を示すことは少なかった。視力は,fovea threshold, mean deviation,およびtotal deviationからpattern deviationへ変換する際の値と相関した。ゴールドマン視野では,視力の低下は,イソプターの求心性狭窄と,時にはマリオット盲点の拡大をもたらした。後嚢下混濁のある場合,イソプターの欠損や暗点が見られることが多かった。
    白内障の合併した視野を評価する場合,今回示された白内障により引き起こされる視野変化の特徴を考慮する必要があると考えられた。
  • 小島 恭子, 松井 孝子, 吉富 健志, 石川 哲
    1998 年 26 巻 p. 173-177
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    ハンフリー自動視野計は広く臨床で用いられている。今回我々は信頼係数と学習効果との関係を検討した。3回以上の視野測定を行い得た187例を対象とし固視不良,偽陽性,偽陰性と同時に各々の検査間隔,視力,検査時年齢を調べその関係について検討した。信頼係数が21%を越えたものの出現率は各回においてほとんど変化がなかった。また,3回目の検査を6ヶ月以内に行った46例においても信頼係数が21%を越えたものの出現率に改善はみられなかった。学習効果は日常臨床で行うような検査間隔においては認められないと思われた。しかし,信頼性の高いデータを得る確率は繰り返し検査を行うことにより,上昇すると思われた。従って,検査回数を重ねることは良好な視野を得るうえで有用と思われた。
  • 齋藤 重子, 小寺 久子, 小森 敦子, 小林 昭子, 原沢 佳代子, 遠藤 成美, 臼井 正彦
    1998 年 26 巻 p. 179-185
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    平成7年4月11日付けで,身体障害者福祉法施行規則の一部が改正され,視野障害の等級判定に視能率の概念が導入された。今回我々は,広く普及している自動視野計を用いて,簡単に算出できる様な測定法はないかと考え,新しくプログラム化した方法で測定することを試みたので報告する。
    対象は,網膜色素変性症を中心とした25例44眼である。ハンフリー自動視野計630型を用い,ゴールドマン視野計I/4に相当したサイズIの10dB(40検査点)で中心視野が10度以内ならI/2に相当したサイズIの20dBで7度(損失率90%・8検査点)以内か,3度(損失率95%・8検査点)以内かを検査した。ゴールドマン視野計測の結果と比較すると障害等級に差がみられ,周辺視野の測定位置など若干の改善点を考察した。周辺視野と中心視野の測定時間は日常,臨床で行っている自動視野計の測定時間よりも短縮されていた。本法は中心視野7度および3度に対し応答した個数により簡便に視能率の算出ができ,有用性があると考えた。
  • 田野上 恭子, 松本 富美子, 若山 曉美, 大牟禮 和代, 富山 園子, 谷本 旬代, 竹内 悦子, 大鳥 利文
    1998 年 26 巻 p. 187-193
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    偏光フィルターによる両眼分離とrandom dot stereogramの組み合わせで作成されたSTEREO OPTICAL社製の近見立体視検査Randot® Preschool Stereoacuity Test Chartを使用する機会を得た。立体視を有する65例を対象にRandot® Preschool Stereoacuity Test ChartとTNO Stereo TestおよびTitmus Stereo TestのChartを比較検討した。Randot® Preschool Stereoacuity TestとTNO Stereo TestのChartの成績は近似し,Titmus Stereo Test Chartの成績とは近似しない症例が多かった。近似しなかった症例は,弱視の既往があったり,大きな斜視角を有する間歇性外斜視が多かった。立体視の成績は,両眼分離方法よりも図形の影響を受けやすいと考えられた。
  • 西田 ふみ, 高木 満里子, 杉下 陽子, 堀田 明弘, 根木 昭
    1998 年 26 巻 p. 195-199
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    BRADDICK RANDOM-DOT GRADED STEREO SLIDES®(以下,RANDOM-DOT SLIDESと略す)を用いて,間歇性外斜視の遠見立体視機能について検討した。結果はRANDOM-DOT SLIDESでは720″の視標での正答率は70.4%,360″までは72.6%,180″までは58.1%,90″までは46.8%であった。
  • 中塚 敬之, 阿曽沼 早苗, 松田 育子, 好川 由利子, 荒木 由美, 川畑 智香, 細畠 淳, 近江 源次郎, 不二門 尚
    1998 年 26 巻 p. 201-206
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    弱視症例において斜視がない場合でも立体視が低下しそいることは良く知られている。今回我々は1996年11月から1997年10月までの間に当科を受診した弱視患者41名を対象として,Dynamic Randomdot stereogram (DRDS)による動的立体視,およびLang stereotest. Titmus Circleによる静的立体視を検査し,その成績を比較検討した。その結果,動的立体視と静的立体視の成績には,有意な差はなかったが,静的立体視の方が成績が良い傾向があった。また,弱視症例における視力と立体視の関係については,動的立体視・静的立体視ともに視力が(0.3)以下に低下すると立体視の悪いものやないものが多くなる傾向があった。
  • 阿曽沼 早苗, 松田 育子, 好川 由利子, 中塚 敬之, 荒木 由美, 川畑 智香, 細畠 淳, 近江 源次郎, 不二門 尚, 前田 直之
    1998 年 26 巻 p. 207-214
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    以前,我々は,Titmus Stereo testやLang Stereotestでの静的立体視が(-)でも,Dynamic randamdot stereogram (DRDS)を用いて測定すると動きの立体視が(+)となる症例があることを報告した。
    2種類に大きくわけられる動きの立体視の手がかりは,「視差の時間的変化」と「網膜像の動き」である。「視差の時間的変化」に「網膜像の動き」が加わって得られる立体感覚をMotion in depth (MID)といい,「網膜像の動き」のみによる立体感をDepth from motion (DFM)という。今回は,1996年7月から1年3か月の間に当科を受診した54名(外斜視18名,内斜視36名)を対象として,randamdotによるMID視標とDFM視標を用い,斜視症例における,MIDによる立体視とDFMによる立体視の比較検討を行った。その結果,今回対象とした斜視症例では,MIDの方がDFMよりも正答率が高かった。また,外斜視は,内斜視より有意にMIDに正答しており,かつ,DFMよりもMIDから立体感を得ている者が多かった。
    また,randamdotによる表示は,視標の位置の手がかりがないと立体視が得にくい場合があるため,動きの立体視にとって,位置の手がかりの有無が立体視の成績に影響するかどうかを検討した。その結果,位置の手がかりがある方が立体感を得やすかった。
  • 黒澤 広美, 牧野 伸二, 山本 裕子
    1998 年 26 巻 p. 215-219
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    自治医大の弱視・斜視外来で,過去20年間に大型弱視鏡で両眼視訓練をした147例について検討した。訓練方法は週1~2回の通院訓練であり,訓練時間以外はプリズム眼鏡などで眼位を矯正し,両眼開放している。訓練の内訳は,同時視獲得訓練(SP)99例(平均年齢6.3歳),対応異常に対する正常対応獲得訓練(ARC)48例(平均年齢9.0歳)である。訓練効果が得られたものは,SP訓練で92例(93%),ARC訓練で36例(75%)であった。訓練開始年齢が年少なほど,訓練効果が高い傾向はあるが,11歳以下の年齢であれば,75%以上に有効であった。訓練効果が得られ,正常対応の同時視が可能となった症例のうち,Bagolini線条レンズとWorth4灯器の両方で日常両眼視が認められたものは,SP訓練後で44/78例(56%),ARC訓練後で14/32例(44%)であった。良好な両眼視機能を得るために,訓練は有用と考えられる。
  • 1.統計的観察
    橋本 直子, 深井 小久子, 新井 紀子, 難波 哲子, 岡 真由美, 張田 陽子, 廣田 佳子, 安部 磨里子, 藤本 江里, 木村 久, ...
    1998 年 26 巻 p. 221-226
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    過去23年間に後天性眼球運動障害Acquired Ocular Movement Disorder(以下AOMD)に対して積極的視能訓練を施行した296例について,視能訓練数の推移,AOMDの障害部位と発症原因について統計的に分析した。23年間の対象期間はI期からIII期に分類した。視能訓練数の推移はI期39例,II期121例,III期136例で3.6倍の増加を示した。中高齢者(40歳以上)の視能訓練数は,6.7倍の増加を示した。障害部位は眼窩機械的障害の割合がI期20.5%,II期24.8%,III期22.8%と常に高率を占めた。筋性障害はI期と比較して6.2倍の増加を示したが,核下性障害は0.8倍の減少を示した。発症原因は頭部外傷と眼窩機械的障害が高率を占め,I期64.1%,II期53.7%,III期50.7%を占めた。内分泌障害は5.9倍,脳血管障害2.0倍,炎症2.3倍を示した。中高齢者の社会復帰と全身疾患に伴う二次的機能障害によるAOMDに対して,今後視能矯正ニーズは高まる事が判明した。
  • 2.発症原因別の視能訓練成績
    新井 紀子, 深井 小久子, 岡 真由美, 木村 久
    1998 年 26 巻 p. 227-233
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    過去23年間の後天性眼球運動障害(AOMD)例の視能訓練成績を,障害部位,発症原因別に検討し,視能訓練への影響因子を分析した。その結果,AOMD296例中融像域30°以上獲得の治癒度Iは132例(45%),融像域30°未満獲得の治癒度IIは131例(44%)であった。障害部位別に脳神経麻痺の治癒度Iは,滑車神経麻痺62%,外転神経麻痺52%,動眼神経麻痺は33%であった。発症原因別の治癒度Iは,脳血管障害60%,頭部外傷43%を示した。動眼神経麻痺と滑車神経麻痺の原因は頭部外傷が多く,次に脳血管障害で,動眼神経麻痺の頭部外傷の治癒度が低かった。動眼神経麻痺の頭部外傷例は,完全麻痺で脳損傷が多く,訓練開始時期6か月以上と遅いために約半数に異常再生が見られた。滑車神経麻痺は,脳損傷例が少数で軽症例が多く,訓練開始時期6か月未満に高い治癒度を得た。高い視能訓練効果の獲得には,訓練前の詳細な病態分析と,早期視能訓練が重要である。
  • 3.適応と予後について-後天性上斜筋麻痺例-
    張田 陽子, 深井 小久子, 新井 紀子, 岡 真由美, 難波 哲子, 木村 久
    1998 年 26 巻 p. 235-241
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    視能訓練により治癒度Iを獲得した片眼性後天性上斜筋麻痺20例を対象に,麻痺筋(上斜筋:以下SO)と拮抗筋(下斜筋:以下IO)の作動量をHess chartにより3型に分類し融像域の獲得経過を検討した。症例は,発症から治療開始までの期間で2グループに分類した。0.5~9か月をA群とし視能訓練施行例で14例,9~144か月をB群とし視能訓練と斜視手術施行例で6例である。SOとIOのズレが同量をI型,SOの不全が5°以上大きいズレをII型,IOの過動が5°以上大きいズレをIII型とした。I型は,正面視で融像があり訓練直後より融像域の改善が認められた。視能訓練の最適応は,II型であり正面視での融像を獲得させるとSOまたはIOの方向から融像の改善が認められた。III型は,SOとは反対側の下方視野内で融像が安定化し,SOの作用方向から融像の拡大が認められた。I型で自覚症状が強い場合は斜視手術の併用により良好な経過が得られた。眼球運動障害の程度により訓練の適応と予後の把握が可能であると推察された。
  • 4.融像域と日常生活上の不自由度による視能訓練評価
    岡 真由美, 深井 小久子, 新井 紀子, 木村 久
    1998 年 26 巻 p. 243-248
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    社会復帰に重点をおいた視能訓練評価をするために,融像域から求めた融像能率と日常生活上の不自由度の関係について検討した。
    症例は後天性眼球運動障害例12例であった。訓練効果は,融像能率と日常生活上の不自由度を点数化することによって数量的に評価した。治癒度I(excellent)群の融像能率は平均96.8%,不自由度は平均0.5点と良好であった。治癒度II(good)群の融像能率は平均82.4%に改善したが,不自由度は2例で著しく高く100点,44点であった。治癒度III(fair)群の融像能率は平均21.7%であったが,不自由度は平均12点と低かった。不自由度の高い2例のエゴグラムは,自由度が低値,順応性が高値であった。また社会復帰は治癒度が高いほど高率であった。業務内容が変更となった2例の治癒度は,IIとIIIであった。
    融像能率と日常生活上の不自由度との関連性は低く,社会復帰のための訓練評価には日常生活上の不自由度を加え、患者の性格などを考慮した指導が必要である。
  • 野島 祥代, 小原 真樹夫, 清水 公也
    1998 年 26 巻 p. 249-253
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    両側性の上斜筋麻痺の症例に対して,von Noordenの原法に準じた片眼の下直筋の水平移動術を行ない,良好な結果を得たので報告した。症例は31歳の男性で,回旋性の複視を訴え,両眼の外方回旋,V型内斜視などより、両眼性の上斜筋麻痺と診断し,左眼の下直筋の鼻側移動術を行った。術眼において外方回旋は正面視5°,下方視10°の改善がえられ,術前に正面視,下方視で自覚された回旋複視は右下方視以外は解消された。現在,外方回旋斜視に対しては上斜筋前部前転などの上斜筋強化手術が行なわれることが多いと考えられるが,今回行なった下直筋の鼻側への水平移動は,症例によっては今後選択してよい術式と考えられた。
  • 鈴木 智哉, 金井 敬, 蝋山 敏之, 若林 憲章, 江口 秀一郎, 江口 甲一郎
    1998 年 26 巻 p. 255-258
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    開散麻痺発症後,早期に手術加療を行い良好な予後を得た一例を報告する。
    症例は34歳男性で落馬事故により頭部を打撲後,開散麻痺をきたし,入院により薬物治療並びにシノプトフォアによる開散トレーニングを約3ヶ月間行った。しかし,主訴である遠方視時の同側性複視は改善されなかった。プリズム眼鏡装用にて複視の消失が得られたが,職業上眼鏡装用が不可能であったため,また患者自身の強い希望もあり,受傷後約3ヶ月の段階で手術加療を施行した。通常,眼球運動神経麻痺では自然治癒の可能性も考慮し,発症後最低6ヶ月間の経過観察を行う。今回われわれは,患者の背景を考慮した結果,受傷後約3ヶ月という早期の段階で手術加療を行い,良好な結果を得た。
  • 前田 真由美, 須長 桂, 眞下 隆光, 浅野 奈津子, 阿部 富士夫, 坂上 敏枝, 三須 一雄, 橋本 浩隆, 吉田 紳一郎
    1998 年 26 巻 p. 259-262
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    白内障手術による視力回復後にわずかな視野の異常を愁訴した例に忠実に対応した結果,脳腫瘍を発見した症例について報告する。
    症例は71歳女性。平成6年に近医にて白内障と診断され,平成8年9月に白内障手術を目的に,当院を紹介された。初診時所見は視力右眼0.1(0.7×S+3.75D C-1.75Ax100°),左眼0.09(0.4×S+3.75 C-2.00Ax80°),眼球運動,瞳孔運動,視神経に異常はみられず,水晶体混濁を認めた。脳神経症状は自覚していない。術後視力右眼1.0(1.5×S+1.25D C-1.00Ax105°),左眼0.5(1.2×S+1.25D C-2.00Ax85°),術後の視力検査時に,両耳側の視野欠損を自覚していたことを受診以来初めて訴えた。
    視野検査の結果,両耳側半盲性暗点が認められ,頭部CT,MRIにて視交叉部に腫瘍が確認され,下垂体腺腫と診断された。腫瘍摘出手術施行後,両耳側半盲性暗点は縮小した。
  • ロービジョン者との比較において
    三輪 まり枝, 林 弘美, 管野 和子, 久保 明夫, 石田 みさ子, 簗島 謙次
    1998 年 26 巻 p. 263-267
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    ロービジョン者にとって視覚的補助具等(以下補助具)を用いて文字を読み書きすることは必要不可欠なことである。特に復職を希望しているロービジョン者に対して会社側が知りたいことの一つに,補助具等を用いて,どの程度文字の読み書きが可能なのかという事がある。今回我々は,ロービジョン者の読みの作業能率を評価する為の基礎データーとして,視力1.0以上を有する正常者30人を年齢20~30代(以下グループA),40~50代(以下グループB),60代以上(以下グループC)の3グループ(各10人)に分け,4種類の文字サイズ(8ポイント(以下「P」とする),10P,12P,22P)での読み速度を測定した。
    読み速度については,年齢が高いグループほど全般的に読み速度が低下する傾向がみられた。また,文字サイズによる速度を比較した結果,各年代とも8Pから12Pの間は徐々に速度が増し,12Pでピークとなる山型をえがき,22Pで速度が低下した。最も読み速度が早かった文字サイズは12Pであった。
    12Pでの平均読み速度はグループAでは402文字/分,グループBは359文字/分,グループCでは298文字/分であった。
    すべての年代において文字の大きさが読み速度に影響を与えることがわかった。今回の測定では日常生活において「読みやすい文字サイズ」は12Pであることが考えられたが,今後ロービジョン者の読みと比較していく上でも更なる検討を続けていく必要があると思われた。
  • 森 由美子, 須田 和代, 調 廣子, 中村 誠, 関谷 善文, 山本 節
    1998 年 26 巻 p. 269-273
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    12歳から87歳までの低視力者38人に対して,Vixen卓上型ルーペ,強度凸レンズ眼鏡,単眼鏡(遠用),遮光眼鏡の視覚的補助具の処方を行った。処方眼鏡別に疾患,視力,年齢,視野を調べ検討した。近用の拡大鏡であるVixen卓上型ルーペと強度凸レンズ眼鏡の処方の結果を比較したところ,視力分布では明らかな違いはみられなかったが,疾患と年齢においては前者は25歳以下の患者が約半数で視神経疾患例が多かった。後者は若年者は少なく,糖尿病網膜症の患者が大部分を占めていた。単眼鏡処方では,25歳以下の患者が大部分で視神経疾患例が約半数以上であった。遮光眼鏡(RETINEX®)処方は,当然ながら網膜色素変性患者が大部分であった。低視力の患者の残存視機能を有効に活かすことは,患者のQOLを向上する上で必要であるため,様々な補助具の処方は視機能評価に携わる視能訓練士の重要な仕事になっていくと思われる。
  • 1998 年 26 巻 p. 275-278
    発行日: 1998/07/10
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
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