労働安全衛生研究
Online ISSN : 1883-678X
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4 巻, 2 号
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巻頭言
特別寄稿
原著論文
  • -ジョイントシートガスケットの場合-
    山口 篤志, 辻 裕一, 本田 尚
    2011 年 4 巻 2 号 p. 63-70
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/03/28
    ジャーナル フリー
    従来,既存化学工業施設の設備の配管継手部には石綿ガスケットが多用されてきたが,飛散した石綿繊維を長期間吸引すると,肺がんや悪性中皮種の発症が懸念されることから,ガスケットの急速な石綿代替化が進められた.継手部に使用されるガスケットは内部流体の漏えいを防止する最も重要な要素の一つであり,密封特性を向上させるために様々な非石綿ガスケットが開発されている.密封特性に及ぼす影響の一つとして,継手部の応力緩和挙動が挙げられる.応力緩和挙動は内部流体の漏えいを引き起こす可能性があり,内部流体の種類によっては大災害につながる.漏えいによる事故を防止するためにはフランジ締結体の応力緩和挙動の推定手法の確立が重要である.応力緩和挙動を推定するには,ガスケットのクリープ挙動を粘弾性構成式で評価する必要がある.これまで,ガスケットのクリープ挙動は粘弾性モデルにより評価されてきている.しかし,単軸の粘弾性モデルは圧縮方向以外の応力を考慮した構成式を得ることができない.そこで本研究では,ガスケットのクリープ挙動に三次元粘弾性理論を適用し,圧縮方向以外の応力を考慮できるガスケットの粘弾性構成式を得ている.得られた粘弾性構成式をJIS R3453 の試験装置を模した有限要素モデルに適用したところ,解析結果による応力緩和挙動と試験結果はよく一致する.三次元粘弾性理論から得られたガスケットの粘弾性構成式を有限要素解析で用いることにより,実使用条件におけるフランジ継手の応力緩和挙動を推定できることを示している.
  • 伊藤 和也, 豊澤 康男, 高橋 章浩, 竹村 次朗, 日下部 治
    2011 年 4 巻 2 号 p. 71-77
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/03/28
    ジャーナル フリー
    明かり掘削作業における掘削面の勾配と高さの基準である労働安全衛生規則第356条および第357条では,掘削面について奥行きが2メートル以上の水平な段があるときは,当該段より区切られるそれぞれの掘削面にこれらの規則が適用される.すなわち,2m以上の水平面(小段)を設けることにより下方や上方の斜面を分離して考えることができることを意味している.本報では,まず小段設置に関する国内の代表的な機関で用いられている規則や設計基準について例示する.次に,小段の幅を変化させた剛塑性有限要素解析から,小段の幅が斜面の安定性や崩壊形状に与える影響について検討を行った.
短報
  • 冨田 一
    2011 年 4 巻 2 号 p. 79-83
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/03/28
    ジャーナル フリー
    粉体の貯槽,集じん工程に用いられるサイロやダクト内部では粉体の摩擦等に伴って静電気の発生と帯電が起こっている.本研究では,帯電導体あるいは誘導帯電した導体からの静電気放電を着火源とした粉じん爆発災害防止のために,サイロやダクトなどの金属筐体内で発生する導体からの静電気放電を,着火危険性の小さい初期の段階で検知するために,ダクトに接続された接地線に流れる電流を観測した.その結果,着火性の低いコロナ放電を接地電流から検知できることが確認された.また,接地電流の立ち上がり時間,あるいは周波数を分析した結果,火花放電による接地電流の立ち上がり時間はコロナ放電によるそれに比較して高速であり,火花放電による接地電流の周波数はコロナ放電によるそれに比較して高周波であったことから,接地電流の立ち上がり時間,あるいは周波数を評価することによって,コロナ放電と火花放電を識別できる可能性のあることが確認された.
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