日本オフィス学会誌
Online ISSN : 2760-7240
Print ISSN : 2760-7097
12 巻, 1 号
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研究論文
  • 花田 愛, 掛井 秀一
    2020 年12 巻1 号 p. 19-26
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/06/04
    ジャーナル フリー

     本稿では、グループワークにおいて、座席配置がペアタスクのコミュニケーションに及ぼす影響の検証を目的とする実験について報告する。

     実験において、心拍と発話、アンケートについて調査を行い、ベイズ推定とBrunner-Munzel検定、Fisherの正確確率検定によって分析を行った。

     1) アンケート回答に関する分析からは、横並びに座る座席配置に比較して長辺と短辺の角を挟んで座る座席配置では、自分の意見を上手く伝えられたと感じられていること、役割分担が生じやすいことが示された。また、座席配置選好傾向からは、ペアタスクにおいてパートナーの様子を確認しやすい長辺と短辺の角を挟んで座る座席配置が選ばれていた。

     2) 発話に関する分析からは、横並びに座る座席配置では発話が説明的であり独話的であるが、長辺と短辺の角を挟んで座る座席配置では描写的で対話的であることが示された。

     3) 心拍に関する分析からは、横並びに座る座席配置では個人タスクよりもペアタスクは緊張した状態で行われるが、長辺と短辺の角を挟んで座る座席配置では個人タスクよりもペアタスクはリラックスした状態で行われることが示された。

技術報告
  • 宮崎 樹, 池田 晃一, 本江 正茂
    2020 年12 巻1 号 p. 27-34
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/06/04
    ジャーナル フリー

     従来、適切な作業姿勢を示す評価基準というものは、身体に負荷がかかりにくく、特定の姿勢を保持しながら長時間作業しやすい点にあると多くの既往研究で指摘されてきた。これはタスクチェアに座り、キーボードを叩くデスクワークが一般的な作業姿勢であったためである。しかし、近年はテレワークなどの場所に縛られない働き方の普及、より自由度の高い入力方式の実用化によって、カフェなどに置かれたルースファニチャーで様々なデバイスを使って仕事をする人を多く目にする。今後のワークプレイスはこうした新しい入力方式や柔軟な姿勢での作業環境に対応していく必要があると考え、本稿では異なる入力方式と椅子による作業時座位姿勢の動的特性を明らかにすることを目的とする。そして、従来のデスクワークに縛られない、新しい作業環境の可能性を検討するため、入力方式や椅子の変化による特有の姿勢変化を考慮し、作業中の副次行動や被験者の主観評価をもとに分析を行った。

研究論文
  • 山越 かれん, 浜中 麻衣, 藤田 浩彰
    2020 年12 巻1 号 p. 35-42
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/06/04
    ジャーナル フリー

     常に新たな価値を生み出すことが期待される現代のホワイトカラーは、個々のパフォーマンスの向上のため、より自律した働き方が求められている。一方、組織においては、個々の働き方の自律性を促進する自己裁量を最大化させるための環境整備が期待されている。本稿では、ワーカーの自己裁量の発揮を促すワークプレイスの評価基準を、空間機能性、柔軟性、移動性及び空間品質性の4要素と定義し、それらが個人と組織の成果に与える影響について明らかにした。調査過程において、4要素の中でも空間機能性及び空間品質性が個人の生産性実感及びワークエンゲージメントに多大な影響を与えるという結果が導出された。そうしたワークプレイスの持つ影響力は、組織の成長にとっても重要なものとして現れることが判明した。

  • WPI:世界トップレベル研究拠点を対象として
    バーラ インディラ, 池田 晃一, 本江 正茂
    2020 年12 巻1 号 p. 43-50
    発行日: 2020年
    公開日: 2026/06/04
    ジャーナル フリー

     本稿は、異分野融合研究拠点である世界トップレベル研究拠点(WPI)の研究環境、研究支援についての調査・分析により、研究者間の交流促進を目的とした空間構成とその運用の実態を明らかにすることを目的とする。異分野融合を目標に掲げ計画と運用がなされている拠点の実態を把握することで、今後、交流促進が求められる研究拠点やオフィス空間の計画に寄与するものである。

     研究拠点においては、集中と交流が二つの軸とされ、研究者個々人が研究に専念できる環境であるための取組と合わせて、研究者間の交流や議論を促す取組が進められており、そのための空間の検討を行う必要性があると考えられる。そこで、本稿では研究領域が異なる複数の拠点を対象に、主に運用を担う職員を対象としたヒアリング調査と施設見学を実施し、研究環境について分析・考察する機会とする。

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