急激な少子高齢化と生産年齢人口の減少が進む我が国において、高齢者を労働力として含有していくことは避けられない。今後は、より高齢者の能力を引き出す職場環境づくりが不可欠であり、その知見が期待されている。それではどのような環境デザインが高齢者の情報処理の知的活動を活性化させることができるのだろうか。本稿では環境を構成する色彩に着目し、4色の異なるブース空間において知的活動実験を実施した。実験では計算課題を実施すると同時に、活動者の脳血流を計測することにより、知的活動中の脳の動きを可視化した。このような科学的な生体情報を用いた調査と心理的分析による調査を組み合わせたことにより以下の成果が得られた。
1) 高齢者は、色彩環境による脳活動への影響が少ない傾向があるものの、黄色 (7Y 8.5/11) のブースでは情報処理活動および脳活動の活性化において、他の3色よりも優位な結果が得られた。
2) 高齢者の情報処理活動を活性化させるには、「明るい」「派手な」などの印象を抱く色彩を備えた環境デザインが有効である傾向が示唆された。
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