都市計画論文集
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45.1 巻
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  • 川見 亮介, 後藤 春彦, 佐久間 康富
    2010 年45.1 巻 p. 1-7
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    本論文では、都市農村交流の一つである「地域づくりインターン事業」において、派遣学生の派遣地域への再訪の要因を明らかにすることで、地域と都市住民の緊密な関係づくりに向けた知見を提示することを目的とする。報告書と事業に関わった派遣学生と地域住民へのヒアリング内容を分析した結果、「地理」、「拠点」、「活動共有時間」、「地域担当者継続」、「他事業との連携」の5つが再訪の要因として導き出された。これらを各派遣地域が改善することで、地域と都市住民の関係は緊密となり、交流を通じての地域の人材育成への貢献が期待できる。
  • 東京都新宿区の事例
    河村 茂
    2010 年45.1 巻 p. 8-13
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    全国各地で絶対高さ制限の導入が進んでいる。しかし、その内容は様々で一度導入しても不都合が生じ制限内容を見直す自治体も出ている。本研究は適切な制度設計に向け、制限導入前後の建築形態の変化を分析、留意点を明らかにすることを目的とする。具体には、東京都心・新宿区を取り上げ建築確認申請図書の内、建築計画概要書を活用し、制限区域内外、制限高さ別、建物用途別などに分類し、高さ制限の影響・効果を検証、建て詰まりや土地の高度利用が阻害されていないかなど、副作用についても考察を加えた。新宿区の場合は、副作用少なく目的を達成していると評価されるが、留意点として(1)制限高さに対する建物高さの比が高まると建て詰まり傾向を示すこと、(2)敷地規模に応じ建築形態の変化に差異があり大規模なものは建て詰まり傾向を示すこと、(3)高さを制限すると共同住宅が減り共同住宅複合施設(店舗、事務所の併設)の割合が高まることなどを明らかにした。
  • 戴 維, 長谷川 直樹, 鈴木 博志
    2010 年45.1 巻 p. 14-20
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、北京市における住区基幹公園の法的制度や基準を整理するとともに、整備水準と利用者の特徴等を調査することにより、住区基幹公園の現状を明らかにし、整備にあたっての今後の課題を考察することを目的とする。その結果、北京市における住区基幹公園は、住宅地の形態により整備水準と整備方法が異なり、それにより整備水準の格差などが生じていることが把握できた。特に、北京市の住区基幹公園は、行政が整備する公園よりも民間の住宅地開発に伴う開発地区内の中心緑地が極めて多い状況を明らかにした。また、都心部における公園等の確保が極めて少ない状況及び住区基幹公園内に安全な運動・遊び場が確保できていない状況を明らかにし、今後の課題への提案ができた。
  • 地域自治区・合併特例区に着目して
    土山 敬之, 森永 良丙
    2010 年45.1 巻 p. 21-26
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、制度的に導入された地域自治組織の実態と傾向を地区種類別に明らかにしつつ、住民との関係をみるために類型化をした上で検証を行うとともに、先行事例を通して地域運営に関する示唆と課題を明らかにすることである。主な知見は以下の通りである。住民自治の拡充を主目的とする一般自治区は、古くから存在する区域に設置されるものが多いこと。過渡的な手段として設置される特例自治区は、狙い通り合併円滑化の傾向が強いこと。独自事業の継承が可能な合併特例区は、自治体との関係に積極性があることがわかった。さらに類型化をもとに、飯田市の地域自治組織を先行事例として抽出した。飯田市は、多くの地区が古くから存在する区域によって設置している点などに特徴がある。具体的な組織運営の考察から、1)古くからある自治の取組み、2)実動組織の存在、3)認識しやすい区域設定の3点が活動の背景にあることがわかった。
  • バンコクの事例より
    柏崎 梢, 城所 哲夫
    2010 年45.1 巻 p. 27-32
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    途上国を中心に急速な都市化に伴う都市スラム問題は深刻化し続けており、効果的かつ持続的な改善事業計画が国内外で求められている。本研究はタイ王国の首都バンコクの都市スラムコミュニティを対象とし、住環境改善活動がもたらす住民組織の特徴とその変遷を明らかにすることを目的としたものである。ケーススタディとアンケート調査の総合的な分析結果として、対象地域における住民組織が地縁性に基づく自助的関係を基盤とした組織化を主流としてきた一方、近年の事業における実質業務の高度化によって住民組織内関係の官僚化と住民リーダーのための人材の限定化が進み、結果、問題意識格差による住民参加の低下傾向が明らかとなった。今後、自助的関係を維持するための行政機関、NGO、住民組織ネットワークの協働による補完・監視機能制度を中心としたしくみづくりの必要性が示唆された。
  • 清水 陽子, 中山 徹
    2010 年45.1 巻 p. 33-38
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    本研究はドイツでの都市縮小政策について、その概要を把握し、特に郊外型団地での取組について明らかにすることを目的とした。調査は2007年5月と2008年6月に行った。ドイツでは東西ドイツの統一後、旧東ドイツに与えた経済的、社会的影響による人口減少、住宅の過剰供給などを背景に「東の都市改造計画」に取り組むこととなった。この東の都市改造計画では、住戸数の削減を一つの目的としており、住棟の取り壊しに対し60ユーロ/m2を取り壊しの補助金として支給している。今回の調査は旧東ドイツの3都市の事例を取り上げた。調査結果は以下の通りである。1.ドイツにおいても縮小政策はまだ試験的な段階であった。2.縮小政策には様々な補助制度が設けられており、それらは行政のコントロール手法としても活用されていた。3.現在進められている住棟の取り壊しは、その多くが公団所有のもので、かつ空家率の高いものであった。4.郊外団地の縮小を進めるためには取り壊し後の空き地についての検討も重要である。
  • 都心における歴史的建築物保全の視点から
    堀 裕典, 小泉 秀樹, 大方 潤一郎
    2010 年45.1 巻 p. 39-44
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は、都心における歴史的建築物保全の観点からバンクーバー市の容積移転制度の運用実態を明らかにすることである。日本の都心部において多くの歴史的建築物が取り壊され、地区の特性に合わない開発が行われている。日本では用途地域の緩さや多くの容積ボーナス制度の存在等の課題があり、効果的な容積移転制度のあり方が問われている。そこで本研究では、バンクーバー市で公開されている容積移転可能物件を対象として、容積移転制度運用実態の分析を行った。その結果、容積移転制度を効果的に運用するための要素として、厳しいゾーニング、裁量的な都市計画システム、容積緩和を可能とするリゾーニング制度が挙げられ、容積の経済価値換算に関してはバンクーバー市においても試行錯誤の段階であることが分かった。
  • ミクロネシア島嶼・パラオ共和国・バベルダオブ島を対象として
    飯田 晶子, 野口 翠, 大澤 啓志, 石川 幹子
    2010 年45.1 巻 p. 45-50
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    本研究は、パラオ共和国バベルダオブ島を対象として、「構造」、「機能」、「変化」の三つの視点から、流域内を基盤とした集落の持続的土地利用について分析と考察を行った。その結果、第一に、「変化」の視点では、1920年代と2006年の集落分布の比較から、現存集落は37、消失集落は28、新規集落は8つあり、少なくとも約一世紀に渡り存続する集落を抽出することができた。第二に、「構造」の視点では、集落の立地環境は、谷型で川とマングローブ林の双方に近接し、海域と陸域双方への近接性が高いものが最も多く、かつ、このタイプでは、小流域の空間単位が、集落の領域の形成や分布に影響を及ぼしていることがわかった。第三に、「機能」の視点からは、集落周辺での細かな環境の変化を反映したモザイク状の土地利用の水平的分布、およびアグロフォレスト内の階層的で安定した土地利用形態が見られ、それらが、土地利用の持続性を支える重要な要因であると考察できた。
  • 津田 夕梨子, 峯苫 俊之, 十代田 朗, 津々見 崇
    2010 年45.1 巻 p. 51-56
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    This research aims to clarify the current state of the townscape policy of traditional hot spring towns. The findings are as follows: 1) We can't see so much correlation of evaluation of atmosphere in hot spring towns with spatial features in those. 2) The improvement project is much more commonly practiced than the regulation measures of the approach to the townscape in traditional hot spring towns. We can see that in some hot spring towns which own high evaluation of atmosphere, the consciousness of protecting the present townscape is also high. 3) As to the Yamanaka onsen, it is issue how to make guideline including natural and historical resources, the gesture of tourists' rambling and cultural resources.本研究は、伝統的温泉街における景観への取り組みの実態と課題を明らかにすることを目的とする。その結果、以下の3点が明らかになった。1)伝統的温泉街の雰囲気に対する評価と空間的特徴にはあまり関係がない。2)景観形成の目標像は、「自然」や「歴史」が重要な景観要素として挙げられているが、抽象的表現を用いている地域も少なくない。また、具体的な取り組みとしては、規制・誘導方策よりも整備事業によって景観形成を図る地域が多く、特に評価の高い温泉街では景観を守ろうとする意識が高いと推察される。3)山中温泉の事例研究からは、浴客や温泉文化資源等の景観要素も巻き込み、自然や歴史をどう指針・基準に落とし込むかが課題である様子が窺えた。
  • 園田 傑, 栗山 直也, 村橋 正武, 大窪 健之
    2010 年45.1 巻 p. 57-62
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    我が国には全国に25,000haもの木造密集市街地が存在する。1995年の阪神・淡路大震災では、神戸市内の木造密集市街地において甚大な被害が生じたことから、現在、老朽化した木造建築物が密集して立地する木造密集市街地の改善整備の必要性が高まっている。従来、木造密集市街地の改善は、地域住民による自律的な更新により継続的に行われることが重要である。しかし、木造密集市街地は、過去に道路等の社会基盤が未整備のまま市街化が進んでおり、建築基準法や都市計画法の現行法制度下において、建築物の建て替えや新築による市街地の自立的な更新は困難であり、停滞する傾向にある。そこで、本研究では、京都市の木造密集市街地を対象に、建築物の建て替わりを促すことが、地域住民にとって、そして都市防災上重要であるという観点から、建築物の建て替わりの実態を把握し、市街地の防災性能に影響を及ぼす要因を捉える。その上で、京都市の木造密集市街地の防災性向上を目的とした建築物の建て替え・新築の誘導整備施策の検討を行う。
  • 吉田 恭, 古本 一司, 馬場 美智子
    2010 年45.1 巻 p. 63-71
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    我が国においては、防災のための土地利用コントロールに関する政策はこれまで十分に発達して来なかったが、イギリスにおいては洪水被害の軽減のための独自の制度が構築されている。イギリスの制度の特徴は、柔軟で手続きを中心とした計画許可、規制・保険・リスク情報の開示と組み合わせた包括的な土地利用コントロール、中央政府の間接的な介入などに見られる。このようなイギリスの制度の全体像を明らかにすることで、我が国における土地利用コントロールを活用した防災政策へのインプリケーションを示す。
  • 田中 健一, 古田 壮宏
    2010 年45.1 巻 p. 72-78
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    本稿では、移動途中に施設に立ち寄ることができる需要を最大化するタイプの施設配置問題を対象とし、施設規模の概念を取り入れた一般化モデルを提案する。規模が大きく魅力的な施設ほど大きな迂回コストを負担してでも立ち寄る利用者行動に着目する。これを施設の設置側から眺め、需要獲得力が大きく設置コストが高い大規模施設と需要獲得力が小さく設置コストが安い小規模施設を、資金制約下でどのように選択し配置するかという問題を提案する。規模が2種類の場合の整数計画問題としての定式化を示し、様々な状況設定のもとで最適解を比較する。道路網を用いた分析結果から、同一資金で一種類のみの施設を配置する場合よりも良い解が存在することが確かめられた。また最適な大施設と小施設の組み合わせと配置はネットワーク形態等に複雑に依存するため事前に予想することは困難であることが確認され本アプローチの有用性が示された。
  • 前橋市を事例として
    田中 千晴, 湯沢 昭
    2010 年45.1 巻 p. 79-86
    発行日: 2010/04/25
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    1970年代の高度成長期には都市への人口集中により、地方都市においても多くの郊外型住宅団地が建設された。これらの団地は、市街地とは隔絶された地理的環境にあり、住宅の形式が画一的であることなどから、ほぼ同世代の世帯主や家族構成が入居することとなった。このような郊外型住宅団地においては、住宅団地の分譲から一定年数が経過すると、世帯主や配偶者の年齢が一斉に高齢化を迎えるような年齢構成となっている。本研究は、地方都市における郊外部の住宅団地居住者を対象として、居住者のライフステージに着目し、世帯属性の変化と生活環境の評価が居住者の定住・転居意向とどのような関係にあるかを検討したものである。結論としては、特に現在の環境に不満を持ってはいるが、何らかの事情で住み続けざるを得ない世帯への対応であり、対策としては、現居住地の生活環境整備による満足・定住への転換を図るか、または住み替えのための新たな住宅政策の必要性を指摘した。
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