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都市計画法第34条11号の条例で指定する区域を縮小した埼玉県下での取り組みを対象として
松川 寿也, 白戸 将吾, 佐藤 雄哉, 中出 文平, 樋口 秀
2012 年47 巻3 号 p.
175-180
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
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本研究では、埼玉県での3411区域の縮小の取り組みを事例として、開発許可制度を緩和する区域を縮小する際の課題を明らかにすることを目的とした。その結果、以下のことを明らかにし、区域縮小のあり方を提言した。・3411区域を広く縮小した自治体がある一方で、市街化調整区域の人口が増加していながらも区域を殆ど縮小していない自治体や、区域自体を縮小していない自治体もある。・3411区域をほとんど縮小しなかった加須市では、一旦緩和した土地利用規制が再び強化されることを拒んだことで、他の自治体より柔軟な運用方針が定められた。・災害の恐れのある区域などについて運用方針を改定しなかったことで、その区域での3411区域縮小の効果は限定的だった。
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都市計画法第34条11号の区域指定を廃止した川越市と堺市を対象に
野澤 千絵
2012 年47 巻3 号 p.
181-186
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
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本研究は、近年、3411条例の区域指定を廃止した大阪府堺市と埼玉県川越市を対象に、3411条例の区域指定の全面廃止に至った要因を実証的に明らかにし、今後の人口減少社会に向けた市街化調整区域の開発許可制度に関するあり方を考察した。3411条例の区域指定廃止に至った要因は、両市ともに条例施行後、市街化区域よりも、調整区域に占める開発許可面積割合の方が高くなり、調整区域における旺盛な宅地開発が発生したこと、生活排水の水路への流入や農地の日照阻害等の営農への影響、新旧住民の軋轢の多発、急激な農地や樹林地の減少、市街化区域における開発意欲低下など、複数の要因が重なり、市民・農家・議員など多方面からの苦情の声に無視できなくなってきたことなどが明らかとなった。今後の市街化調整区域における開発許可の立地基準は、新規住宅の開発需要を、既成市街地の新陳代謝に有効に活用する観点から、「既成市街地の空洞化を促進するおそれがない開発行為」に限定する、といった視点からの再構成が必要であることなどを考察した。
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都市計画法34条11号による戸建て住宅地開発に係る世帯と立地の分析から
山口 邦雄
2012 年47 巻3 号 p.
187-192
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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人口減少の進む地方都市において,市街化調整区域内に存する集落の衰退傾向への対応として都市計画法第34条11号の取り組みが進んでいる。本研究は,東北地方の3都市を対象に,3411の運用について開発に直接係わる世帯の特徴と開発立地に着目して分析し,その効果と課題について考察したものである。得られた知見は,以下の通りである。1)広範かつ分散的な3411区域の指定は集落における世帯の流出抑制の効果を生じさせているが,開発が局所・分散的にとどまっており特定の集落の活性化には結びついていない。2)市街化区域外縁の限定的な区域の指定は若い子育て世帯の転入促進に効果を生じさせているが,市街化区域界から離れた田園部の集落の活性化には結びついていない。3)集落の維持・活性化を目的にする3411の運用の場合,幹線道路と小学校に近接性がある一定規模以上の集落に着目し,限定的な区域指定をすべきである。
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国土の空白域及び個別規制法指定区域の再編が求められる2領域に着目して
藤岡 禎, 松川 寿也, 佐藤 雄哉, 中出 文平, 樋口 秀
2012 年47 巻3 号 p.
193-198
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
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本研究では、土地利用基本計画の五地域区分の空間概念から、3つの領域に着目している。そして、本研究では、土地利用基本計画の空間データを使用して、3つの領域の全容を即地的に明らかにした。また、3つの領域が発生した原因や課題を提示している。本研究では以下の点が明らかになった。五地域空白域では、個別規制法の指定要件を満たさなくなったことが要因となって発生した。農林外都市地域及び用途森林域では、その要因に加えて個別規制法間の調整によって発生し、それらが課題となって、未だにその領域が解消されてないことが明らかになった。以上を踏まえて、土地利用基本計画には新たな枠組みが必要であることを提言した。
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近郊整備地帯等の縁辺部における都市計画区域の指定と区域区分制度に着目して
白戸 将吾, 松川 寿也, 佐藤 雄哉, 中出 文平, 樋口 秀
2012 年47 巻3 号 p.
199-204
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
本研究では、近郊整備地帯等縁辺部を対象として、政策区域を根拠として適用される都市計画区域の指定と区域区分制度の運用に関する課題を明らかにする。その結果、以下のことを明らかにした。近郊整備地帯等縁辺部では人口動向に格差があり、人口が増加している自治体と減少している自治体では、区域区分制度に対する認識の他、生じている土地利用上の課題、さらにはその対応方策に差異があることが明らかになった。また、政策区域を根拠とする都市計画制度を遵守していない変則的領域が存在することが確認され、その領域では人口集積が乏しいことで市街化区域の指定が困難であること、市街化調整区域に対する住民の抵抗がその発生要因であることなどが明らかになった。
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1990~2000年代にかけての都市計画規制にみる分権化、地方政治の影響に着目して
花輪 永子
2012 年47 巻3 号 p.
205-210
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
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本稿では、自治体の都市空間形成政策の内容と、それらに対する地域の社会経済状況や政治状況、及び分権の進展といった諸要因との関連性の構造について、実証に基づく議論を行うことを目的とし、自治体の都市空間形成政策を取り巻く環境が大きく変容した1990~2000年代を対象とし、都市空間形成政策のなかでも規制的な側面、すなわち区域区分や用途地域による開発・建築コントロールを取り上げる。全国342都市を対象とした都市計画規制の指定状況を従属変数とし、地域の社会経済状況、自治体財政、地方政治、及び分権化の進展状況を独立変数とするパネルデータ分析を行った。推定の結果、都市化や開発圧力への合理的対応として運用される傾向や、自治体財政の安定性・健全性に応じて規制が強化または緩和される傾向がみられた。また、分権を契機として規制緩和に踏み切る自治体と、裁量拡大によりさらなる規制の強化を図る自治体との二極化がみられた。さらに、地方政治の党派性の規制政策に対する志向や分権の進展による都市計画への影響は、地域の社会経済や自治体財政状況に大きく左右されることが示された。
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大澤 昭彦
2012 年47 巻3 号 p.
211-216
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
本研究は、近年、住環境・景観保全・形成のツールとして活用されている高度地区制度による高さ制限に着目し、高度地区制度の法的な位置付けや指定目的・制限手法の変遷を分析することにより、高度地区が果たしてきた役割を明らかにすることを目的とする。本研究を通じ、1)当初、高度地区は高度利用と美観形成を目的とする高さの最低限度の制限として市街地建築物法に規定され、住環境や美観保全を目的とする最高限度の規定が追加される等の改正を経て現在の制度が確立したこと、2)戦前は駅前における高度利用を意図した最低限度の指定が多く、高度成長期以降に住環境・景観保全のための最高限度高度地区として普及していったこと、3)日照紛争が課題であった70年代は斜線制限型が中心で、景観保全・形成が特に求められた2000年以降は絶対高さ制限型が主流となる等、指定目的とともに制限手法も変遷してきたこと、4)70年代・90年代は都道府県主導による用途地域の見直しに併せた指定が主であったが、分権化が進んだ2000年代は各自治体が個別的な都市計画上の課題に対応するために導入しており、制限値の設定等も多様化していたこと等が明らかになった。
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新築戸建て住宅の通り外観構成の実態調査より
小浦 久子
2012 年47 巻3 号 p.
217-222
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
京都市旧市街地型美観地区内の3地区(西陣・御所南・職住共存地区)において認定を受けた新築戸建住宅を対象に、美観地区の基準に対してどのような住宅が建築されてきているのかについて、資料調査と現地調査にもとづき、通り外観の実態を分析検討した。市街地の建物更新をどのように調整し景観の歴史性を継承していくのか、基準に沿って建てられた建物が周辺の町並みのなかでどのように評価できるのかといった観点から通り外観の実態を検討し、景観の整備課題を考察した。その結果、1)同じ地区内の基準を適用するときも地域性による相違に対し景観計画の法定方針を活用することが考えられること、2)戸建住宅(専用住宅)ではベランダと建物配置が通り外観の構成に与える影響が大きく、歴史的町並みの空間構成との調和の観点から課題整理の必要性があること、3)建築の個別構成要素ごとの基準への適合性だけでなく規模配置レベルでの調整の必要があることを指摘した。
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土屋 一彬, 原 祐二, 宮川 智子
2012 年47 巻3 号 p.
223-228
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
本研究は、大阪府堺市南東地域を対象に、土地利用制度が農地の管理粗放化と自給的利用に与える影響を包括的に解析することで、都市近郊農地保全に関する今後の土地利用制度の枠組み構築に寄与することを目的とした。土地利用制度の影響評価に当たっては、広域に適用可能かつ客観的な指標を用いることに留意した。加えて、農地管理の粗放化への隣接土地利用などの影響が指摘されていることに鑑み、多様な要因の相対的な影響にも留意した。なお、本研究では、都市近郊における主要な農業形態である野菜生産のための畑地に着目してデータの収集および解析を行った。その結果、農地管理状況に関する分析により、土地利用制度が隣接土地利用とならんで農地管理粗放化に影響していることを明らかにした。また、特に宅地化農地において、住民により自給的に利用されている農地が、相当程度存在する可能性を明らかにした。こうした小規模区画は従来の都市近郊農地の保全に関する制度的枠組みの議論では十分に注目されてこなかったが、今後は、隣接土地利用に配慮した集団的農地の保全に加えて、小規模農地の管理継続に貢献する仕組みの検討が求められる。
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都市近郊のフードデザート問題解決への「農」からの貢献の可能性
雨宮 護, 寺田 徹, 横張 真, 浅見 泰司
2012 年47 巻3 号 p.
229-234
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
都市縮小、高齢化の過程のなかで、日本の都市でも「フードデザート問題」が発生することが懸念されている。フードデザート下では、栄養価の高い生鮮食品の入手が困難になることから、住民、特に高齢者の低栄養を招く可能性があるとされる。この問題に対し、本研究は、都市住民による身近な農作物栽培活動を通じた貢献の可能性を検討した。千葉県柏市の1612名を対象とした質問紙調査の回答を分析した結果、以下の点が明らかとなった。1)現状で何らかの農作物栽培活動を行う都市住民は3割強存在し、興味を持つ者は4割程度存在する。2)都市住民の農作物栽培活動の実施は、野菜の入手機会を拡大させることだけでなく、近隣住民とのつながりを強化することによって、都市住民の食生活の質を向上させる。3)農作物栽培活動の実施と食生活の質との間の正の関連は、高齢者においても確認される。これらのことから、都市住民の農作物栽培活動の実施がフードデザート下で生じる問題の解決に役立ちうると考えられた。
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バイエルン州、ミュンヘン地域、ミュンヘン市リーム地区を事例として
清水 裕之
2012 年47 巻3 号 p.
235-240
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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ドイツの空間計画において、州、地域、そして基礎自治体の空間計画の相互連携は良好に行われているように思われる。また、異なる計画レベルにおける緑のネットワークも良好に統合されているように思われる。本論文では、まず、連邦自然保護法、空間秩序計画法(国土計画法)、建設法典、環境親和性評価法(環境法)の条文を比較し、その法的連携を確認するとともに、ドイツ、ミュンヘン市リーム地区を参照し、バイエルン州、ミュンヘン地域、ミュンヘン市のそれぞれのレベルにおける、緑の連なりの接続について具体的に考察する。
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小林 優介
2012 年47 巻3 号 p.
241-246
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究は都心部の商業地における緑被の外部経済効果を評価することを目的とする。このために通常最小二乗法(OLS)と地理的加重回帰(GWR)を用いた。そして、緑被率と高い相関がある正規化植生指数(NDVI)を緑被の指標として用いた。本研究では、東京都千代田区、中央区、港区の3区を対象とした。その結果、以下のことがわかった。1)OLSによる分析により、500m以内のNDVIの平均値による外部経済効果はほとんどないことがわかった。2) OLSの分析により、2,000m以内のNDVIの平均値によりプラスの外部経済効果をもたらし、最もモデルに適合した。3) 5%有意水準を満たした地点のうち、88.6%の地価評価地点において2,000m以内のNDVIの平均値がプラスの外部経済効果をもたらしていることがわかった。
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名古屋市東部の低層住宅地の場合
浦山 益郎, 松田 浩紀, 松浦 健治郎
2012 年47 巻3 号 p.
247-252
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究は、他人の所有する緑の維持管理に、住民が何らかのかたちで関わる地域管理の可能性を検討するために、名古屋市内から豊かな緑が賦存する低層住宅地を取り上げ、緑の保全のための維持管理組織をつくり、住民がこの組織の活動のための基金に拠出することで、所有者の管理が行き届かない庭木や生垣を地域全体で維持管理することを想定し、このような施策はどのような条件があれば受容されるのかについて考察した。結果として、次の点が把握できた。第一に民有地の樹木群で形成される緑景観は、利用価値よりも存在価値の方が高く評価されており、豊かな緑景観のある地区を利用しないものも共有資源と考えられていた。第二に地域の共有資源である緑資源の維持管理に対して2/3近い住民が賛意を示した。第三に豊かな緑景観のある地区の利用および緑景観から得られる便益を高めることが住民の支払意思に強く影響することが把握できた。しかし、利用と便益評価の間には直接的な関係はないので、日常的に利用しない人でも、緑景観を共有資源と感じ、便益評価を高めるような施策が展開できれば支払意思の拡大につながるものと考えられる。
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名古屋市栄‐伏見間の広小路通沿道街区を対象として
辻 裕美子, 村山 顕人, 清水 裕之
2012 年47 巻3 号 p.
253-258
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
近年、都市の緑地のさまざまな効果に期待が高まっており、緑のあり方をまちの将来像の中にいかに描くかが重要となっている。本研究では、高度に建物が集積し、特に緑被の確保が難しいと考えられる名古屋市栄-伏見間の広小路通沿道街区を対象として、緑被の実態を把握し、また建替を前提とした複数の緑化シナリオを作成し緑被率の可能性を検討した。その結果、現在対象地区全体の緑被率は5.9%であり、4.5%は道路空間にある街路樹等が占めていることが明らかになった。また、シミュレーションを行った結果、道路の断面構成を変更した場合最大で18.1%、旧耐震基準の建物を総合設計制度を用いて建替えた場合最大で26.9%、さらに大幅な建替をした場合最大で31.9%の緑被率が得られることが明らかになった。
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蛭田 有希, 石川 幹子
2012 年47 巻3 号 p.
259-264
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
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本研究は、気温に対する説明力に優れた緑地指標について検討し、気温低減効果の観点で緑化施策の評価を可能にする緑地指標の獲得、並びに効果的な緑地整備に向けた知見の獲得を目指した。手法の選択にあたり、様々な要因から形成される気温を緑地指標のみで説明することへの懸念から、統計的に有意なレベルで関連性の強まる条件(季節・時間帯、距離範囲)を特定し、その条件下での緑地指標と気温との関連性について分析した。具体的には、東京23区内の14の気温測定地点を対象に、測定点からの距離範囲別に数値化した緑地指標(A樹冠面積、B樹木体積、C自然的土地被覆)と、5年間の観測記録を各月の時間帯ごとに集計した気温との相関関係を分析した。結果、気温に対して説明力が強い緑地指標や、その関連性の強さは季節・時間帯、距離範囲より変化することが示された。さらに、夏の日中を中心にB樹木体積の、日没時間帯にはC自然的土地被覆の説明力が強いことが分かり、A樹冠面積は他の2指標と比較して説明力が弱いことが分かった。このことから、気温低減効果の評価に資する緑地指標として、B樹木体積とC自然的土地被覆の有用性が高いという結論が得られた。
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村上 暁信, 佐藤 理人, 原山 祐太郎
2012 年47 巻3 号 p.
265-270
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
本研究では、今日都市計画の現場で多く用いられている緑被率という指標が、ヒートアイランド緩和効果を評価する際に有用かどうかを評価することを目的に、3D-CADを用いて建築物や緑被を含む詳細なスケールで市街地を再現し、熱環境シミュレータを用いて熱環境を評価し、実在市街地の緑被のヒートアイランド緩和効果を分析した。その結果、グロス容積率が高くないつくば市地区や柏市地区では緑被率とヒートアイランド緩和効果の相関が高かったことから、緑被率を開発の際に一つの指標として用いることは妥当であること、一方でグロス容積率の高い東京都港区のような高密市街地では、緑化が必ずしもヒートアイランド緩和機能を発揮していない街区、隣接する建物の日射遮蔽により元々緑化しなくてもヒートアイランドを引き起こす顕熱負荷が低い街区が存在することにより、緑被率とヒートアイランド緩和効果の間には相関が弱かったことが示された。以上から、分析対象とした港区地区のような市街地では、緑化基準の柔軟な対応と、個別の場所における緑化による環境改善効果をシミュレーション等を用いて予測評価することが必要であることが示唆された。
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崔 唯爛, 鈴木 勉
2012 年47 巻3 号 p.
271-276
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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フリー
本研究では、日本泉北ニュータウンおよび韓国ソウル市でオールドタウン化が進んでいる地域を選定し、地域環境の特性と個人差を考慮した上で、居住者の食料品購買行動および買い物環境における利便性(不便さ)に関するアンケート調査を実施し、高齢者の特徴を明らかにすることを目的とする。結果として、主に利用する食料品店の種類と交通手段、利用回数および所要時間に、地域・年齢による差があり、特に地域差は、食料品店の密度により説明され、特に徒歩で移動するといった回答の違いが明らかであった。それから、高齢者の徒歩利用が可能な最大距離は1.5kmであり、非高齢者はより長距離まで移動できるが、短距離で買い物に行くことを選好することが確認できた。そして食料品買い物環境における不便さを不便度として定義し、不便度とほかの要因との関係を明らかにした。高齢者のほうは移動時間および移動手段により感じる不便度が敏感であり、特に徒歩の場合は、15分以上になると不便度が急増することが分かった。
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張 峻屹, 小林 敏生
2012 年47 巻3 号 p.
277-282
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
本研究ではまず、身体的健康、精神的健康と社会的健康からなる健康関連QOL指標群、健康関連QOLの影響要因である生活習慣、健康づくり活動や交通行動などを取り入れた、健康増進に寄与するまちづくりのための総合的な健康行動調査方法を提案した。2010年にウェブ調査を実施し、三大都市とその他の政令指定都市に住む住民から1,172サンプルを収集できた。次に、決定木分析手法と構造方程式モデルからなる2段階方法を用いて健康関連QOLに関わる因果関係を分析する方法を提案し、調査データを用いたモデルの推定結果からその有効性を確認した。2段階方法によるモデル分析の結果、三大都市とその他の政令指定都市における健康関連QOLへの影響、因果構造の違いを明らかにし、健康増進を図るために都市の違いにも着目する必要性を確認した。さらに、健康増進のために、生活習慣の改善と健康づくり活動が引き続き重要であるが、まちづくりの視点から、中心部居住を促進しつつ、中心部に役所、教育、病院や公園及びそれらへのアクセスをサポートする公共交通機関から形成されるコンパクトな都市構造(都市によって異なる)の実現が健康の増進に寄与することを定量的に示した。
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金沢市における事例研究
沈 振江, グエン ディン タン, 馬 妍, 川上 光彦
2012 年47 巻3 号 p.
283-288
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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日本において、高齢者福祉施設計画の計画政策が重要な課題である。本研究では、関連計画政策を検討するため、エージェントベースモデルを用いてディケアセンターの需要と立地をシミュレーションすることにより、高齢者とその施設利用の将来像を提示することを目的にしている。世帯とケアサービスの事業者をエージェントとし、高齢者の健康状態によって受けられるサービスの判定、ケアセンターの選択などの行為、ディケアセンターの立地選択と建設、運営の行為をモデル化し、シミュレーションに導入し、システムを構築した。まだ、金沢市の空間データ、例えば、都市計画の情報、世帯の空間分布をシミュレーション空間に導入した。さらに、2000年から2010年の期間を対象に、シミュレーションの結果と実際のデータを比較することにより、シミュレーションの有効性を検証し、2030年までの世帯変容、ケアセンターの需要と立地をシミュレーションによって予測を行った。
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地価変動が商業集積地の発展と分布に与える影響
新井 崇俊, 藤井 明
2012 年47 巻3 号 p.
289-294
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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ウィルソンらはある特定の条件下で、商業集積地の空間構造が急激に変わることを明らかにした。この現象は一種の"相転移現象"と呼べるかもしれない。本論では、空間相互作用モデルをベースにし、人口変動、地価変動、商業集積地の規模の変化の相互作用をモデル化し、その相互作用の結果、形成される商業集積地の平面分布パターンを分析する事を目的とする。そのためにまず、地価の形成要因を分析する。次に地価の影響を考慮したモデルを提案し、マルチエージェントシステムを用いて実験を行い、地価や人口変動が商業集積地の平面的分布に与える影響を分析する。また東京都区部の商業集積地の規模分布を分析しながら、地価を考慮したモデルと従来のモデルを比較する。
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徳島都市圏におけるケーススタディ
辻岡 卓, 渡辺 公次郎, 近藤 光男
2012 年47 巻3 号 p.
295-300
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
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本研究では徳島都市圏に居住する消費者の購買選好を明らかにすることを目的としたマイクロシミュレーションを実施した。具体的には消費者として世帯を取り上げ、世帯群を居住地・家族構成を基に世帯類型に分類し、各世帯類型の購買選好を国勢調査をはじめとする集計データから推計した。購買選好を構成する要素として売場面積と世帯-店舗距離を取り上げ、これらに対する選好係数を遺伝的アルゴリズムを用いて最適化する事で推計を行った。シミュレーションの結果、提案モデルは世帯区分を意識しないモデルに対して高い現実再現性を示した。更に家族構成が売場面積選好に、居住地が距離選好にそれぞれ大きな影響を与える可能性を確認できた。
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原宿地域・青山地域・代官山地域を事例とした時空間分析
関口 達也, 貞広 幸雄, 秋山 祐樹
2012 年47 巻3 号 p.
301-306
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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近年、大型商業集積周辺の住宅地で急速に商業店舗の出店が進み、新たな商業集積が形成されている。本論文では、その様な商業集積を住宅地滲出型商業集積と呼び、詳細な店舗データを用いて時空間的な視点からその一連の形成過程、業種構成上の特徴に関する分析を行った。住宅地内部における、無秩序で過度な集積は住環境上の問題につながる可能性をはらむ。この様な望ましくない商業集積の形成を防止するため、本研論文では以下の事を明らかにした。住宅地滲出型商業集積の空間的な拡大、高密度化は集積過程の早期に形成される小規模な集積から始まる。その要因には、地域内主要道路沿道の商業集積や、住宅地滲出型商業集積の発展に伴う周辺の賃料上昇がある。住宅地と住宅地内の商業集積の境界が曖昧なままで集積形成がなされるため、飲食店の様な住宅との共存上の問題の起こりやすい店舗と、住宅との混在化が進む。住宅地内において、この様な集積が望ましくないとされる場合には、既存の地区計画制度や用途地域制度では十分とは言えず、より詳細な計画単位、制限内容を柔軟に組み合わせることで、適切な誘導・規制を図っていく必要があると考えられる。
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渡部 大輔
2012 年47 巻3 号 p.
307-312
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う津波により、三陸沿岸の代表的な産業である水産業は、特に津波による浸水により大きな影響を受けた。今後の本格的な復興に向けて、漁船や漁港だけでなく、消費者へ届けるまでの市場や荷捌き場、冷蔵倉庫、加工場といった水産加工・流通業の復旧・復興も不可欠である。そこで、本研究では、水産業復興のための段階的な整備の指針となるべく、施設配置問題を用いて三陸沿岸を対象とした広域的な視点からの加工・流通施設の最適な配置とそのプロセスについて検討した。効率性を目的とするp-メディアン問題では優先度の高い施設から逐次に配置を行っても最終的には同時最適と同様の結果となるが、公平性を目的とするp-センター問題では予め施設数を設定した上で同時最適の配置を行った方がよいことが分かった。このように施設配置問題におけるモデルにより配置パターンに大きな影響を与えることから、復興に当たっては目的に合致した適切なモデルを選択する必要があると言える。
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空間オブジェクト分布間関係の汎用的解析手法
貞広 幸雄
2012 年47 巻3 号 p.
313-318
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本論文では、空間オブジェクト分布間の相互関係を解析する、新たな探索的手法を提案する。既存手法とは異なり、3つ以上の空間オブジェクト分布間に対して適用可能である。また、扱うことのできる空間オブジェクトの種類も多様であり、既存研究において5種類の異なる空間オブジェクト分布に利用できることが示されている。本手法では、分布間の空間的類似性に依拠して分布群のまとまりを検出するが、類似性は局所的にも広域的にも評価することが可能であり、解析のスケールに柔軟性がある。解析結果の可視化には、グラフを用いた手法を提案する。このグラフにより、空間オブジェクト分布間の相互関係を直感的に把握することができる。また、解析結果を定量的に評価するために、数値指標を合わせて提案する。
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えちぜん鉄道を事例として
大山 英朗, 三寺 潤, 川上 洋司
2012 年47 巻3 号 p.
319-324
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究では、えちぜん鉄道再生後8年が経過したことを受けて、その事後評価の一貫として、非利用者を含む沿線住民アンケートの分析結果を用いて、えちぜん鉄道が地域にもたらしている非利用価値を含む種々の価値に対する住民の認識レベル、その運行に投入されている公的財源額に対する受容度等を明らかにした。主要な成果は以下の通りである。(1)直接・間接を含む総合価値体系を仮設し、各種価値の存在と程度を確認したところ、沿線住民の多くは利用の有無に関わらずえちぜん鉄道がもたらしている様々な価値を認識しており、利用可能性の便益(価値)が存在する。さらに、(2)総合価値認識には、直接的利用価値のみならず存在価値等の非利用価値も寄与している。(3)価値認識を背景に、現在、えちぜん鉄道の運行に対して投入されている公的財源額についてもほぼ妥当として受容されている。
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岐阜県樽見鉄道を事例として
坂本 淳, 山岡 俊一, 藤田 素弘
2012 年47 巻3 号 p.
325-330
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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少子高齢化、モータリゼーションの進展等により、地方鉄道の経営環境は極めて厳しく、多くの地域で存廃をめぐる議論が行われている。本研究は樽見鉄道を事例とし、沿線住民へのアンケート調査から、存続に不可欠な自治体からの財政的支援の必要性に関する合意形成に向けた課題を考察するものである。分析の結果、財政的支援に対する住民の賛否態度への影響要因として、鉄道事業者の経費削減努力に関する理解度、鉄道が実施している施策の認知度と鉄道まちづくりに関する評価、現在の交通手段と鉄道の移動手段としての役割に関する評価、そして鉄道の必要性に関する公共的意識が挙げられることがわかった。今後は、樽見鉄道の施策・経費削減状況、そして樽見鉄道が地域にもたらす便益等に関する客観的データを共有した議論が必要と考えられる。
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秋田 直也, 小谷 通泰
2012 年47 巻3 号 p.
331-336
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究は、運送事業者を対象に実施されたアンケート調査結果をもとに、運送事業者と荷主とのパートナーシップの実態を定量的に把握することを目的としている。具体的には、まず、パートナーシップの捉え方が、運送事業者によって異なっていることを示す。次に、荷主との関係を4段階の成熟度に分類する方法を提案するとともに、これら成熟度の特徴を荷主との具体的な取引事例から把握する。さらに、共分散構造分析を適用して、荷主からの評価が荷主との関係に影響し、さらに、荷主との関係が荷主との協働行動に影響する構造を明らかにする。さらに、荷主との関係の成熟度の段階が高くなるにつれて、当該荷主と連携・協働した取り組みが増加することを示唆する。
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埼玉県三郷市を中心的な事例として
藤垣 洋平, 高見 淳史, 大森 宣暁, 原田 昇
2012 年47 巻3 号 p.
337-342
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究では、商業施設が路線バスに協力する形態について、送迎バスの機能を路線バスが代替している点に着目して、協力する商業施設の損益と、協力に伴うバスの採算性と需要変動について分析を行なった。まず商業施設側の損益に関わる項目を整理し、実際に三郷市の事例に適用した。その結果、商業施設側にとっても送迎バスを独自に運行するよりも路線バスに協力する方が得になる可能性が高いことが示唆された。続いて、協力により成立するサービスと需要の関係について、独自の調査結果を用いて三郷市の事例で分析を行なった。その結果、現在のサービスは協力関係があってこそ成り立つものであり、協力なしでは実現できない高いサービスが提供できるため買物客以外の利用も大きく増えることが分かった。最後に、ゲーム理論の枠組みで、商業施設が従業員送迎を出すか否かと、バス事業者が低頻度で運行するか高頻度で運行するかの選択を分析した。その結果、協力関係が双方にとって望ましいにも関わらず協力が難しい囚人のジレンマ構造かそれに近い構造になるとみられ、三郷市で協力が可能になった要因として市のコーディネートなどを考察した。
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クリチバ・ボゴタ・ジャカルタから学んで
外山 友里絵, 中村 文彦
2012 年47 巻3 号 p.
343-348
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究は、BRT(Bus Rapid Transit)を開発途上国大中都市に導入する際の課題を明らかにすることを目的とする。幹線輸送としての需要がありながらも、財源不足などの理由により軌道系を導入することが困難な開発途上国大都市において、専用道路を走行するバスをベースとした新しい交通システムであるBRTは注目に値する選択肢である。1974年に導入されたクリチバ市以降、近年では多くの都市で導入が進んできているが、計画段階の事例も少なくない。先行事例及び調査研究事例のレビューに基づき、クリチバ市、ボゴタ市、ジャカルタ市の3事例の分析が必要十分との判断のもと、現地調査に基づき比較分析を行った。結果として、専用道路や駅などの基盤施設の丁寧な設計が欠かせないこと、速達性、定時性、輸送能力などの指標の向上には、十分な基盤施設整備のもとでの運用面における工夫の導入が不可欠なこと、運用面での工夫等において情報通信技術が果しえる役割は大きく、費用効果をもたらす可能性があること、システムの性能向上に、人材教育面での投資が有用なこと、などが考察された。
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山崎 敦広, 高見 淳史, 大森 宣暁, 原田 昇
2012 年47 巻3 号 p.
349-354
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究ではスプロール状に広がる居住地を集約化した集約型都市構造への誘導施策のあり方の検討を視野に入れ、東京都市圏の都心部~郊外部を対象に個人のライフスタイルと将来居住地選好との関係の分析を行い、人々の住み替え意向や居住地選択に影響を及ぼすライフスタイルの要因とその傾向を明らかにすることを目的としている。そこで、第5回東京都市圏パーソントリップ調査付帯調査のデータを用い、また将来居住地選好に関わるライフスタイルの一端が個人の属性と価値観により観測されるとの仮定を置き、それらと将来居住地選好との関係について分析を行った。分析の結果、住み替え意向については、年齢、「通勤通学先」「休日買い物先」「水辺や豊かな緑」の近さへの不満度、住宅タイプ、同居人数が相関を持っていることが示された。また、住み替え意向を持つ人の居住地選択意向に関しては、「鉄道利便性」 に対する重視度、現在自動車利用頻度、将来住宅タイプ、将来居住地イメージ、各生活施設の近さへの不満・重視度が相関を持つことが示された。また、現住地により将来居住地選好に影響を与えるライフスタイルの要因が異なることを明らかにした。
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2010年メラピ火山噴火災害時のJalin Merapiの取り組みを事例として
本塚 智貴, 神吉 紀世子
2012 年47 巻3 号 p.
355-360
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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インドネシア・ジャワ島中部に位置するメラピ火山は、2010年10月に大規模噴火し、最大で火口から半径20km圏内の住民に避難勧告が出され、約40万人が避難することとなった。 インドネシアでは、災害時にPOSKOと呼ばれる仮設の災害対応拠点が必要に応じて多様な使い方がされており、今回のメラピ火山噴火の際には特に避難所としての役割を担ったと考えられる。しかし、火山災害では被災範囲が日々変化し、状況によってはPOSKOが乱立することとなる。 そこで本研究では、Jalin Merapiの活動に着目し、文献調査およびヒアリング調査から広域避難が行われる中で、自主的に大量に設置されたPOSKOが災害対応の拠点となるためにどのように運営が行われていたのか明らかにすることを目的とする。 2章では、POSKOの時系列の変化について整理し、3章では、Jalin Merapiが2006年から活動を継続し、2010年には、20人のスタッフと約2000人のボランティアが協力する仕組みを実現していたこと。支援と情報を結びつけるためにJM本部とPOSKOの間にPOSKO JMを設置していたことが分かった。
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岩手県気仙郡住田町の仮設支援協議会を中心とした支援活動より
古山 周太郎, 奈良 朋彦, 木村 直紀
2012 年47 巻3 号 p.
361-366
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究では、岩手県気仙郡住田町の3か所の応急仮設住宅団地を対象に、団地で実施されているコミュニティ支援活動の実態と、入居者のコミュニティ活動の状況や活動への評価を明らかにすることを目的とした。研究方法は、仮設支援協議会の各組織が実施している活動の日誌の分析と、入居者を対象としたアンケート調査分析である。研究の結論は次の通りである。まずコミュニティ支援活動は、多数の組織の連携により実施され、目的や支援組織のかかわりかたで9つに分類できた。その活動の傾向は時期によって変化している。活動に参加した程度は年齢によって差がみられた。仮設団地でのコミュニティ支援活動は住民から一定の評価を得ており、住民同士や支援者との交流機会の提供とともに、住民に気分転換等の精神的な効果を与えていた。
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岩手県大槌町を対象に
似内 遼一, 後藤 純, 小泉 秀樹, 大方 潤一郎
2012 年47 巻3 号 p.
367-372
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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東日本大震災では津波被害が大きく、多くの人が応急仮設住宅での生活を余儀なくされた。しかし、仮設住宅の建設はスピード重視で行われ、阪神大震災のときと同様の標準的な仮設住宅が多数建設された。したがって、供与された仮設住宅は必要最低限の性能しか持たず、仮設住宅への入居も抽選式で行われ、コミュニティを一から作り直す必要がある。そこで岩手県大槌町にて、応急仮設住宅での住環境点検活動を実施した。本研究では、今後の災害も見据えて、仮設住宅の住環境及びコミュニティの形成の観点から住環境点検活動の意義と課題を明らかにする。その結果、本住環境点検活動を実施したことによって、個々の仮設住宅の特性に応じた住環境改善が実施された。また、コミュニティの観点からは、新しい人付き合いや交流を増やす活動を自治組織が展開し、自立的な活動に向かっており、そうした点での意義が明らかになった。しかし、前住地がバラバラの団地では、団地外の人の支えを頼りがちで、そうした団地の自立支援に課題がある。
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兵庫県川西市大和地区を事例として
松村 暢彦
2012 年47 巻3 号 p.
373-378
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究では、地域活動を通して形成される地域住民間のネットワークの現状と、活動への参加が個人に与える影響を明らかにするため、戦後に開発されたオールドニュータウンである兵庫県川西市大和地区の住民を対象にアンケート調査を行った。その結果、地域活動への参加頻度とパーソナル・ネットワークの拡大には正の相関関係があり、地域でのネットワーク形成を促進していくためには、活動への積極性を高めていくことが必要であることがわかった。しかしそれと同時に、地域住民が地域と関わりを持つまでの間には、「人付き合いの敬遠」や「他者への無関心」といった困難な課題が存在することも明らかとなった。また、参加する地域活動の違いが個人の「地域に対する態度」と「生活満足度」にどのように影響を及ぼしているかを検証するため、共分散構造分析を用いてモデルを作成した結果、参加する活動領域やその組み合わせの差異によって、個人の生活満足に影響を与えるまでのプロセスに様々な差異が見られることがわかった。
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首都圏の戸建住宅地に着目して
阪口 将太, 藤井 さやか, 大村 謙二郎
2012 年47 巻3 号 p.
379-384
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究では、首都圏郊外の高齢化が進む計画的住宅地を取り上げ、居住者の高齢化によって発生する新たなニーズを受け入れるために地区計画の柔軟な運用や見直しを検討した事例のスタディを手掛かりに、地区計画の柔軟な運用及び見直しのあり方に関して知見を得ることを目的とする。本研究で着目するのは、地区計画などにより良好な住環境を維持してきた住宅地において、居住者の高齢化に伴い身近な小規模店舗や福祉施設等のニーズにより厳しい用途制限などの見直しや柔軟な運用を考える必要性に迫られている点である。本研究の成果として、ケーススタディ調査により、地区計画の運用柔軟化及び見直しのあり方について、地区の一部限定的あるいは一括の変更ではなく住民意向を踏まえた上で一定のまとまった区域を見直すこと、立地する施設の運営管理も見据えたマネジメント手法との併用で住環境のバランスを保つことの必要性を指摘した。
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加藤 丈佳, 今村 俊文, 鈴置 保雄
2012 年47 巻3 号 p.
385-390
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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省エネ・低炭素化のために太陽光発電システム(PVS)の大量導入が期待されているが、PVS導入に適した郊外戸建住宅への居住は、都心居住と比較して日常行動のエネルギー消費が大きく、集合住宅と比較して居住のためのエネルギー消費も大きい。そこで本稿では、1~6人家族の世帯が名古屋都市圏の50地域に居住する場合を想定し、世帯による住宅規模の違いおよび居住地域による日常行動の移動距離の違いを考慮して、PVSなしの都心集合住宅居住との比較により、郊外におけるPVSつきの戸建住宅居住の実質的省エネ性を評価した。その結果、日常行動にて利用する自動車が燃費の悪いワゴン車を利用する場合でも、都心にてPVSなしの集合住宅に居住するよりも、3人家族の世帯では十数km圏内、4人家族の世帯は6~7km圏内の郊外地域であれば、PVS付の戸建住宅に居住する方が省エネになることがわかった。燃費のよいハイブリッド車の場合、大家族の世帯でも、郊外におけるPVS付きの戸建住宅居住は都心におけるPVSなしの集合住宅居住よりも実質的に省エネになることがわかった。
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武田 裕之, 有馬 隆文, 藍谷 鋼一郎
2012 年47 巻3 号 p.
391-396
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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フリー
現在、様々な都市において中心市街地再活性化の施策がとられており、回遊性がキーワードとなっている。回遊を促進するためには現況の中心市街地が歩ける環境かどうかを評価する必要があると考える。本研究では、九州地方における5都市について回遊性能の観点から現況の中心市街地の評価を行った。前報「中心市街地における回遊性能の可視化・定量化に関する研究」において提案した回遊性能に関する評価指標を発展させ、実際に5都市に適用した。この結果を相対評価することで各都市の特徴と課題を明らかとし、「中心市街地カルテマップ」を作成した。
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生活交通手段としての活用可能性の視点から
内田 晃
2012 年47 巻3 号 p.
397-402
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究ではまず、我が国の各都市で運行されているベロタクシーの事業者を対象としたヒアリング調査及び現地調査から、運営体制についての概略を整理した。さらにベロタクシーの運営に欠かせない広告戦略について、ベルリンにあるベロタクシー本部でのヒアリングで得られた知見を基に整理した。次いで北九州市内の生活交通不便地域において地区住民への意識調査及び、同地区周辺の立地企業を対象としたアンケート調査を実施し、住民のニーズは総じて高いものの、企業側からの広告料としての資金提供の面で厳しい現状であることを明らかにした。以上の調査・分析を踏まえて、自転車タクシーを活用した生活交通支援サービスを具体的に展開していく上では、安定的な広告収入確保、地域の様々なセクターによって支える仕組みづくり、環境を基軸としたイメージ戦略が課題であることを指摘した。
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佐野 浩祥
2012 年47 巻3 号 p.
403-408
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
ジャーナル
フリー
本研究はわが国において最初に策定された全国総合開発計画(全総)において採用された開発方式である拠点開発構想がどのような基盤的理論を以て着想され、具体的政策へと展開していったのかについて、当時の開発官僚らの言説をもとに明らかにした。拠点開発構想はその後の新産業都市をはじめとする産業立地政策の展開によって具現化されたために工業開発のイメージが付されているが、開発官僚の狙いとするところは異なっていた。欧米における開発経済学の摂取や国内の若手研究者との交流を通して、彼らは拠点開発構想の到達点を「都市の創造」と定め、全総の閣議決定後も拠点としての「地方開発都市」の具体化・法制化に向けて研究を進めていたが、政治的理由によって実現には至らなかったのである。
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Alpein Pearlsの経験から
高澤 由美
2012 年47 巻3 号 p.
409-414
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究では、国境を越えて広域観光に取り組む自治体ネットワークのひとつであるAlpine Pearls(以下AP)を事例対象として、広域観光のネットワークを運営するマネジメント手法に着目し、その特徴と課題を整理する。本研究の分析の結果、APのマネジメント手法には、(1)明確なコンセプトと目的の設定、(2)幅広い活動領域、(3)効果的なマーケティング・メディア戦略、(4)多様な主体とのパートナーシップ、という特徴があることがわかった。しかし、会員自治体の現状をみると、依然としてソフトモビリティよりも自家用車に依存する傾向があるなど、実質的な環境負荷の低減や、宿泊施設など地域のステークホルダーにおけるAPの浸透度については、会員自治体によってばらつきがある。この実態を解明するとともに、こうした問題を解決するためのAPの取り組みを分析することが今後の課題である。
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外村 剛久, 宮下 清栄
2012 年47 巻3 号 p.
415-420
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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フリー
本研究では、地方中小都市を対象として観光統計を用いて都市を類型化する事により観光特性を見出し、類型ごとの中心市街地を分析した。また対象都市内で中心市街地活性化基本計画を提出した8都市について比較・分析し、別府市を対象として各事業について補助金の種類、フォローアップの報告等から詳細に分析を行った。観光統計による類型化と中心市街地分析では、入込客数/人口、宿泊率、観光施設数、政令指定との距離、以上4つの指標を用いてクラスター分析を行い、Type1-Type6の計6都市に分類できた。また昼間人口と小売販売高の指標を用いて分析したところ、立ち寄り観光都市-郊外型Type(日帰り客の割合が高く、主要観光地が中心市街地から2km以上離れている都市)が2指標ともに他類型と比べ減少している事が明らかになった。中心市街地活性化基本計画の評価については、全8都市が歩行者交通量の増加、7都市が居住人口の増加を掲げており、事業目的については商業活性化が全事業割合の過半数を占めている事が明らかとなった。別府市では、民間が事業主体の建設事業については、補助金が付かずに事業が頓挫している事が明らかとなった。
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北海道江差町を事例として
高橋 美寛, 久保 勝裕, 西森 雅広, 白木 里恵子
2012 年47 巻3 号 p.
421-426
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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フリー
我が国においては、歴史的市街地を中心に街並みの整備を起点に、地域を再生させる試みが多く行われてきた。しかし、市街地整備事業による空間整備だけでは、地域社会の活力を喚起し、持続的な発展につなげていくことはできない。空間整備と並行し、あるいは整備終了後に、様々なまちづくり事業の波及が期待される。 これは空間整備の連鎖的展開のみならず、高質化された空間の魅力をさらに引き出す方向で、地域固有の文化や産業等とリンクさせて、多様な主体が地域の運営に係っていくことが求められている。 北海道の歴史的都市である江差町では、歴史的な街並みや建造物などを保全・整備・修景する「歴史を生かすまちづくり事業」を完了した後に、多くの市民組織による多様なまちづくり事業が波及した。本論では、江差町における市民組織の活動の実態を分析し、市街地整備事業によって整備された高質空間が、その後の地域マネジメントに大きな影響を与えたことを明らかにした。
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分散型エネルギーネットワークと熱導管接続義務に着目して
村木 美貴, 菊地 啓
2012 年47 巻3 号 p.
427-432
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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フリー
本研究は、低炭素型都市づくりを都市計画との連動で実施している英国に着目し、CO
2排出量削減のための都市計画の果たす役割を、特に分散型エネルギーの導入とその接続に着目し明らかにすることを目的とする。研究は、英国における分散型エネルギーの必要性を国、地方都市圏別の低炭素型都市政策をレビューした上で、人口20万人以上の都市とロンドンの自治体の低炭素方針を明らかにする。さらに、分散型エネルギーシステム導入の方針と課題を、ケーススタディを通して明らかにする。結果、エネルギー序列に従い、Lean:エネルギー需要の抑制、Clean:コジェネ・地域冷暖房、Green:再生可能エネルギーの順に協議を行う都市圏が多いものの、特にロンドンでは分散型エネルギーの導入を積極的に行っていた。ロンドンでは4自治体は熱導管接続義務を課していたものの、実現に向けては、政策策定のための支援、不足するエネルギー専門家の派遣、資金での支援が必要であることが明らかになった。我が国でも都市開発における計画目標設定の必要性と熱導管接続の必要性とエネルギー価格低減に向けた取り組みを行政との連携の上に進めていくことが必要である。
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浅野 純一郎, 大平 啓太
2012 年47 巻3 号 p.
433-438
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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フリー
本研究は、市町村合併により開発圧力差の著しい広大な市街化調整区域を抱えることとなった浜松市を対象として、開発許可制度運用の現状や課題を明らかにすることを目的とする。浜松市では、集落系の開発に対して主に大規模既存集落制度(一般集落、特例集落)と市街地縁辺集落制度、一般の市街化調整区域の4種の開発許可制度運用を行っており、これによって地域別の開発事情に対応している。大規模既存集落制度は既存集落の衰退防止を目的としており、一定の効果が見て取れる反面、市街化区域の縁辺で一定の基盤整備があることを条件に市街地並みに住居系開発を認める市街地縁辺集落指定区域では、開発・建築行為が非常に高レベルにあり、農地との混在の進行や開発敷地面積低下の進行によって、居住環境や営農環境の悪化が懸念される。多様化する市街化調整区域の開発事情に柔軟に対応した点は評価できるものの、開発需要地でのスプロールが懸念されることを明らかにした。
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- 関東地方における都市計画法34条12号の運用を中心として -
眞島 俊光, 川上 光彦, 埒 正浩, 片岸 将広
2012 年47 巻3 号 p.
439-444
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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フリー
本研究は、調整区域の集落等に計画的な開発の誘導による維持・活性化が期待される開発許可条例のうち、主に34条12号を対象として、全国アンケート調査や34条12号の特別区域型を指定する自治体へのヒアリング調査から、運用実態や課題等を明らかにすることを目的とする。研究の結果、既存集落周辺に住居系用途を誘導する茨城県とつくば市では、集落周辺への一定の開発誘導はみられるものの、利便性の高い34条11号区域への開発が多いことが分かり、区域を指定する集落の選定等の必要性が課題となった。また、産業系用途を誘導する埼玉県と春日部市では、地区計画の導入が困難なため34条12号を代替手法として指定した結果、大規模商業施設等の開発が行われ、公共施設整備が不十分な地区の形成や開発区域周辺の市街化を促進する恐れがあり、計画的な開発誘導の必要性が確認された。さらに、両事例ともに県が先行して条例を指定することで、開発許可権限を有する市町村を含め、基本的に制度内容が同じになることが分かり、近隣市町村で大幅な規制格差が生じないよう、先行指定による調整が必要なことを指摘した。
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建築基準法39条による規制に着目して
齋藤 晋佑, 姥浦 道生
2012 年47 巻3 号 p.
445-450
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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水害常襲地である日本では、水害を軽減するような都市づくりは重要な課題である。これまでは、そのために国が戦後から全国的に治水事業を行ってきた。しかし、都市化とそれに伴う資産価値上昇により、水害密度や一般資産被害額はむしろ高まってきており、市街地形態を含めたより根本的な対策が必要とされてきている。特に、近年頻発している内水氾濫や都市内河川の溢水は、破堤を前提としないため、その危険性が高い地域を空間的に限定しやすく、そのような土地利用コントロールを通じた対策が適している。他方で、近年は地方都市を中心に人口や世帯の減少が進行してきており、それに伴い開発圧力も減少してきていることから、選択的に都市化を進めていく可能性も高まってきている。そこで本研究では、出水や洪水等に対応する目的で定められた建築基準法39条に基づく災害危険区域制度の全国的な適用実態を明らかにすると共に、宮崎県を対象としてその開発に与えた影響を明らかにすることを目的とする。
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信頼と住民間ネットワークの効果について
茂木 勇, 坂野 達郎
2012 年47 巻3 号 p.
451-456
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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従来の地域力研究では、地域コミュニティを地域課題の解決主体として位置づけるものが多いが、地域力を「地域の問題解決力」と概念的に論じるにとどまり、(1)どのような性質の財が対象か、(2)どのように定量化するのか等が議論されていない問題があった。地域コミュニティを地域課題の解決主体として位置づけるとき、一般的にはフリーライド問題が発生し、これを抑制するメカニズムが必要となる。本研究ではこの点に着目し、地域力を「公共財供給問題への地域の対応力」と定義し、集合行為ジレンマ状況において住民が協力行動をとるための要件について考察を行った。Pruitt and KimmelのThe Goal/Expectation Hypothesis によれば、理論的には信頼や住民間ネットワークと住民の協力行動は相関をもつため、社会調査を実施してモデル検証を行った。その結果、住民間ネットワークは住民の信頼を向上させ、信頼は住民の協力行動に影響を与えることが確認できた。本研究の成果として、まちづくり現場において、信頼と住民間ネットワークの醸成に配慮することにより、地域力の向上に効果がある旨を指摘した。
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東日本大震災をケーススタディーとして
谷口 守, 山口 裕敏, 宮木 祐任
2012 年47 巻3 号 p.
457-462
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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近年、官民一体となったまちづくりや福祉等の公共的な活動が期待されているが、地域内部や官の力だけでは問題解決が困難なケースが増えており、他地域からの市民レベルでの援助が期待されている。本研究では東日本大震災をケーススタディーとし、Web調査を通じて他地域援助を行う者の特徴を個人属性だけではなく、日常行動やソーシャル・キャピタル意識といった背景に着目することにより、その実態を統計的に初めて明らかにした。その参加要因を分析した結果、他地域援助は援助地との距離や普段のボランティア等の活動に大きく左右されることが明らかになった。特に、普段の地域活動を促すことは他地域援助の促進に大いに期待できることが示唆された。
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滋賀県湖東圏域の公共交通活性化プロセスを例に
塩士 圭介, 近藤 隆二郎, 高山 純一
2012 年47 巻3 号 p.
463-468
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究は、複数の自治体が連携して、衰退の危機にある公共交通サービスを維持及び活性化させる取組を対象に、どのような利害調整を経て政策が決定されたのか、また、どのような要因で取組が順調に進んだのか、その構造を明らかにするものである。結論として、a:複数市町間での問題認識の共有化の流れ、b:専門家も交えた施策立案の流れ、c:広域自治体連携と公共交通に関する政治的な流れ、この3つの流れが合流して初めて公共交通政策が決定され実行に移されることを、キングダン(J.W.Kingdon)の「政策の窓」モデルを用いて示した。
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世田谷まちづくりファンド助成事業における市民活動を対象として
杉田 早苗, 土井 良浩
2012 年47 巻3 号 p.
469-474
発行日: 2012/10/25
公開日: 2012/10/25
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本研究では、まちづくり活動にみる地域組織による公共空間の管理・運営の活動実態、および管理・運営における権限や責任、公共性の担保や安全性の保持に関する実態と意識、以上2点を明らかにすることを目的とする。結論は以下の通りである。1.2割のグループが、公園、河川、道路、集会施設などの、公共空間を管理運営しており、その中にはグループ自身によって建設・整備されたものもある。2.5つの先進的グループは、行政からの最低限の許可の取得や行政との事前協議等以外、管理運営の活動についての幅広い権限を与えられている。3.グループは当初から現在に至るまで責任範囲について行政と明確な取り決めをしておらず、事故や安全に関わる問題も未だ発生していない。これはグループが日頃の空間の利用状況に注意を払うなど、可能な限りの安全対策を施していることによる。4.活動に公共性を付与するため、グループは地元住民や組織との関係や地域のニーズを重視している。
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