都市計画論文集
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52 巻, 3 号
都市計画論文集
選択された号の論文の156件中151~156を表示しています
  • 鵜飼 孝盛, 鳥海 重喜
    原稿種別: 研究論文
    2017 年 52 巻 3 号 p. 1327-1334
    発行日: 2017/10/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,任意の地点で等間隔で交差するn個の方向に移動可能な円盤状の都市領域について考える.このような道路網に沿った最短経路をn方向距離と定義する.領域内に起点・終点が一様かつ独立に分布するという状況のもとでの,n方向距離の分布とその平均および分散,直線距離との比の分布およびその平均と分散を導出する.最後に,得られた分布を東京圏の5つの地区において,道路距離の分布に対する最小二乗法による当てはめを行う.その結果,導出された分布により道路距離をよく近似できることが示された.
  • 堀 龍一, 小林 隆史, 高原 勇, 大澤 義明
    原稿種別: 研究論文
    2017 年 52 巻 3 号 p. 1335-1340
    発行日: 2017/10/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の第一の目的はクロフトンの微分方程式を適用して,扇形領域内に一様かつ独立して分布する二点間の直線距離の平均と分散を導出することにある.既存研究では円盤内や円周間でランダムに分布する二点間の平均距離の解析表示が求められているが,これを拡張した.加えて,二つの扇形間直線距離の平均値と標準偏差も解析的に導出した.第二の目的は,災害への備えが必要な我が国において,平時では循環バス,被災時では電源支援の役割を果たす燃料電池バスの移動施設としての効率性について論じることにある.理論的に導いた扇形平均距離の結果を用いて,固定場所からの派遣距離との比較などを通して,被災時における移動施設による電源供給の効率性を求めた.
  • 時間拡大ネットワークを用いた徒歩流動モデルによる評価
    渡部 大輔, 鳥海 重喜, 田口 東
    原稿種別: 研究論文
    2017 年 52 巻 3 号 p. 1341-1348
    発行日: 2017/10/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,東京オリンピック・メインスタジアムへの観戦客の入場に際し,新宿御苑を活用した動線計画の提案を行い,時間拡大ネットワークに基づいた徒歩流動モデルにより計画の妥当性について評価した.まず,既存研究や先行事例から動線計画と入場管理の調査を行った.そして,徒歩流動モデルとして,新宿駅の各路線のホームから御苑を経由し,メイン会場までの平面ネットワークを設定し,所要時間と待機時間をコストとして表現した時間拡大ネットワークを構築した上で,容量制約付き最小費用流問題により観戦客の配分を行うモデルを構築した.そして,本モデルにより,駅構内や御苑内に滞留する人数を把握することで,セキュリティチェックのゲート数やゲート通過時間等の影響を分析し,御苑内のセキュリティチェックに必要な設備や面積の検討を行った.その結果,今回想定した観戦客の移動需要(約25,000人)と条件設定に対して,円滑な入場を行うために必要なゲートの数と面積を見積もることができた.
  • ジニ係数とは異なる指標を用いて
    古田 壮宏, 田中 健一
    原稿種別: 研究論文
    2017 年 52 巻 3 号 p. 1349-1355
    発行日: 2017/10/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,施設配置モデルにおける新たな公平性の指標を提案する.この指標では,需要を最寄り施設までの移動距離で整列したときに,下位と上位の総移動距離が等しくなるような2つの需要のグループに分け,この下位と上位の需要量の差で公平性を表すものである.全需要が同じ移動距離であれば,差は0となり,0に近ければ近いほど公平であることを意味する.また,この指標の観点から最も公平な施設配置を求める0-1整数数理計画問題として定式化し,さらに,公平性のみでなく効率性も考慮するために,p-median問題の最適値の定数倍以下となる総移動距離が得られる配置の中で,最も最適な配置を求める問題を考える.最後に提案したモデルを奈良県の人口と市町村代表点データを用いて,p-median問題とp-center問題との比較を行い,また,総移動距離の制約が最適配置や目的関数値にどのような影響を与えるかを確認する.これにより,提案モデルを用いることで,公平な施設配置を求めることができ,さらに総移動距離のわずかな制約を考慮することで一定の効率性を考慮した施設配置を求めることができることを確認した.
  • 嚴 先鏞, 鈴木 勉
    原稿種別: 研究論文
    2017 年 52 巻 3 号 p. 1356-1363
    発行日: 2017/10/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
    土地利用用途間の混合による外部効果のコントロールと望ましい土地利用パターンの解明は都市計画において重要な課題である.本研究は,土地利用混合度を空間関係の観点から細分した隣接度,集積度,近接度の3つの指標を導入し,土地利用混合の地価への影響の定量化と地域の価値を高める土地利用パターンの解明を目的とする.東京都区部を対象に,A)ベースモデル(混合度考慮せず),B)エントロピーモデル,C)空間混合度モデルの3モデルによる空間的自己相関を考慮した地価の推定の結果,B)では単一の指標で混合度を表現しているため,混合度の地価への影響の解釈が曖昧である一方,C)によれば各用途の隣接度,集積度,近接度の地価への影響が明らかとなる.住宅地地価を対象とした分析から,同じ用途との混合であっても隣接,集積,近接による影響が異なることを示した.東京都区部における分析結果から,地価の観点から望ましい土地利用パターンを分布の特徴が明らかになった.
  • ポッ ソヴァンナ, 古屋 秀樹
    原稿種別: 研究論文
    2017 年 52 巻 3 号 p. 1364-1371
    発行日: 2017/10/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、2015年に実施したシェムリアップ州内における402人の国内外旅行者を対象としたアンケート調査データを用いて、来訪者の行動特性の実態と観光資源の魅力度評価の実態を把握することを目的とする。はじめに、基礎集計、クロス集計を行い、来訪者の個人属性、立寄り場所などの旅行行動に着目したところ、旅行者全員がアンコールワットのイメージを強く認識している一方、居住地によって旅行行動や訪問満足度、再来訪意向への影響要因が異なることを明らかになった。そして、個々人の趣向のばらつきを把握するために数量化3類を適用して分析を行った。その結果、来訪のためのコスト、文化的な背景を原因として、カンボジア人と欧米、アジアで再来訪意向の評価構造に差異が認められたこと、同一国籍でも評価に多様性があることが明らかになった。
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