都市計画論文集
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54 巻 , 2 号
都市計画論文集
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • Choviwatana Palin, 木内 俊克, 岡 瑞起, 橋本 康弘, 小渕 祐介, 隈 研吾
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 90-101
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,近年のコミュニティサイクル事業で非接触式ICカードや携帯端末等を用いた認証決済システムが多く利用されていることに着眼し,GPSデータのみから自転車による回遊行動の実態を推定する指標策定を試みた.具体的には,1)迂回度,2)進行方向の変化度,3)滞在時間分布を表す移動速度の3指標を定義し,大局的な目的地経由のみでなく,GPSデータの特徴である面的で網羅的な特徴を生かした細かな回遊行動の連なりを可視化し,移動過程の部分ごとの移動の質についての評価を可能にする点で新規性のある指標を提示した.また,提案指標を用いた自転車利用者の傾向分析への応用例として,自転車利用者が感じる都市への関心度合いに関するアンケートを実施し,回遊特性指標を用いた自転車利用者のクラスタ分析結果とアンケート回答の照らし合わせ,回遊特性指標と都市への関心の関連性の分析の二例を示した.

  • 指標の目的および構成の発展過程について
    山下 修平, 高見沢 実
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 102-113
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は、ブータンにおける国民総幸福度(GNH)指標の目的及び構成の発展過程を、資料解析により考察したものである。目的分析にはコミュニティ指標の類型理論及びISO9001(品質マネジメントシステム)を、構成分析には指標数・割合、主成分分析、及びコレスポンデンス分析を用いた。その結果GNH指標は、当初からコミュニティ指標及びISO9001双方の目的を網羅的にカバーしていること、並びに物質的豊かさに比べて健康・教育・民主化・地域の活力・伝統文化から得られる幸福感を注意深く観察できる構成が強化されてきたことがわかった。このように指標を考察・作成することは、幸福度向上を目指す都市がPDCAを回し追求したい価値を実現するうえで有益と考えられる。また具体例として、少子高齢化や多文化共生等に直面する都市では、従来わが国の都市計画法の主要な目的でなかった“地域の人々との関係性”を指標に配分することが想定できる。

  • 『観光の近江』に掲載された名所との関わりに着目して
    永瀬 節治
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 114-123
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は、1930年代に「遊覧都市」を標榜した大津市および周辺地域における都市計画と観光資源の実質的な関係性を明らかにするものである。1920年代までの鉄道等の交通網の形成と観光振興の動向を整理し、大津都市計画における街路網計画と風致地区の全体像を既往研究や関連史料をもとに概括した上で、同時期に滋賀県が発行した観光案内書『観光の近江』に記載された名所の分布と、街路網計画および風致地区との空間上の関係を地形図上で分析した。主要な知見として、第一に、街路網は観光資源相互を結節するとともに、公共交通機関利用後の徒歩による観光資源へのアクセスを改善する形で配置された。第二に、都市計画街路は風致地区内に存在する大半の社寺や景勝地等へのアクセスを向上させ、風致地区の公園的利用と文化財の観光資源化を促すよう計画されていたと考えられる。

  • 鵜飼 孝盛, 田中 健一, 辻 友篤, 猪口 貞樹
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 124-135
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本論文では,ドクターヘリ基地病院の配置を決定するために,変形された最大被覆問題を考える.提案モデルでは,基地病院からの距離に応じて2段階のカバーレベルを導入し,大規模な病院近くにおいては,需要は地上搬送されると想定し,これをカバー対象から除外する.このモデルを我が国の地理データに対し適用し,2種類の観点を設け,最適配置案を求める.1つ目の観点は,ヘリが配備都道府県を超えてサービスを行うか否かというものである.もう1点は,配備機数を日本全国で現状と同機数とするか,各都道府県の現状配備機数とするかというものである.これらを組み合わせた4種類の配置案と現状とを比較し,基地病院の適正な配置について論じる

  • 山崎 嵩拓, 宋 俊煥, 泉山 塁威, 横張 真
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 136-143
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    2017年の都市公園法改正により、民間活力の導入を目的に公募設置管理制度(Park-PFI)が施行された。そのため今後は、全国各地で自治体主催の公募を通じ、飲食店等の収益施設を、都市公園内に設置・管理する事業者の選定が展開される見込みを持つ。ここで事業者は、自ら施設を整備し、公園使用料を支払うことで収益事業の実施が認められる。つまり、一般の商業施設と同様に立地条件の影響を受ける事が推察される。そこで本研究は、都市公園における公募を通じ設置された収益施設の実態が、立地条件から受ける影響を明らかにすることで、Park-PFIの普及時における留意点を考察する事を目的とした。研究対象は19都市公園に設置された25の収益施設である。研究の結果、固定資産税路線価や駅からの距離等を立地条件の指標とした場合に、立地条件の良し悪しに応じて、収益施設の業種や施設計画、事業者の応募数の傾向が変化することが明らかになった。

  • 三大都市圏における自治体アンケート調査と類型別の事例分析(姫路市・豊田市・つくば市)を通じて
    山添 光訓, 蕭 閎偉, 嘉名 光市
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 144-153
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    この研究の目的は市街化調整区域の地区計画(以下、「調地区」と言う。)制度における市街化区域と市街化調整区域の区域区分制度(以下、「線引き制度」と言う。)をはじめとする都市計画上の課題を明らかにすることを目的としている。本研究は、調地区にかかる三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)の動向、府県のガイドライン、市町村に対する実態調査と特徴的な事例(兵庫県姫路市・愛知県豊田市・茨城県つくば市)の分析により構成される。その結果、1)自治体のガイドラインによる適切な調地区の活用、2)線引き制度との整合、3)都市計画と農林業との調整の重要性が明らかになった。

  • 活動量と生活満足度に着目して
    平間 尚夏, 御手洗 陽, 谷口 守
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 154-162
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    少子高齢化の進展に伴い、生活環境に応じた施設の整備や育児・介護対策が必要となっている。 本研究では、独自のアンケート調査を用いて、特に育児・介護において大きな活動の制限を受けていると考えらえる層について、その活動レベルと生活満足度を明らかにしている。 また、活動を増加させるための施策を実施した効果についても検討している。 結果として、育児・介護中に外出活動が減少していることが示された。 また、活動格差が発生する傾向があった。 また、育児と介護に関する傾向としては他に、育児中の生活満足度が高く、介護中の生活満足度が低いことが示された。 育児。介護が活動に与える影響は異なる傾向があり、同居する家族の影響は無視できないことを示している。

  • ベルリン市マルツァーン・ヘラーズドルフ団地を対象として
    馬場 弘樹, 樋野 公宏
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 163-170
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究はベルリン市東部の住宅団地を例にとり,建物除却跡地が除却計画・将来方針を通してどのように方針付けられ,現況とどのような対応関係にあるのかついて明らかにした.はじめに,跡地現況について現地調査を行い,跡地現況と建物除却計画・将来方針との対応関係を分析した.続いて,住宅,施設等の需要に関連する立地特性を踏まえ,建物除却計画・将来方針と建物除却跡地利用に有意な相関関係があるのかを定量的に分析した.結果,除却跡地は多様な現況利用がなされている点,計画早期では建物除却跡地の公的利用は期待されておらず,積極的に民間への所有者移転が検討されていた点,明確な将来方針がある場合では跡地現況も概ねそれに従うか,緑地のまま留保されている点,一旦非建蔽地利用として方針付けられた土地は,建蔽地化されないように保全されている点が明らかになった.以上より,当該除却計画・将来方針は非建蔽地の保全に努めながら,市場の変化に合わせて弾力的な運用がなされていたと考えられる.

  • 立川プロジェクトを事例として
    籾山 真人, 十代田 朗
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 171-178
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究で取り上げる、立川での一連の取り組み(以降「立川プロジェクト」)は、コミュニティFMを活用した「メディア運営」と、シャッター商店街の空き物件を活用した「拠点開発」を連携させたもので、民間有志が中心となって行われたリノベーション・エリアマネジメントの先駆的な事例ともいえる。なお、「立川プロジェクト」の事例分析を通じ、地域コミュニティの巻き込み及び、拠点開発を通じた地域コミュニティづくりの過程を明らかにすることを目的とし、マーケティング理論などを援用することで、地域コミュニティづくりにおける方法論及び有効な知見を得ることを目指した。本研究を通じて、地域コミュニティづくりにおいては、ターゲットに応じた段階的なアプローチが特に効果的であることが明らかとなった。

  • 井上 龍子, 出口 敦, 中野 卓
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 179-190
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は、全国市街地再開発協会発行の「日本の都市再開発」のデータを基に、大都市に比べ厳しい経済環境下にある地方都市の駅前地区における市街地再開発事業地区の施設のマネジメントを対象に、その組織形成のプロセス、体制、施設の用途などの観点からの調査・分析を通じ、課題を明らかにすると共に、課題への対応を提示することを目的としている。まず、市街地再開発事業の傾向を分析するとともに、事業の初動期から完了までの複雑なプロセスを整理とマネジメント組織のタイプやマネジメント方法のパタンの分類を通じ、タイプやパタンごとの課題を抽出した。その結果、都市再開発法に則って実施されることによる事業地区施設のマネジメントや持続性に関わる課題の要因を事業過程との関係から明らかにし、その改善に向けた方策と考え方を提示した。

  • ジニ係数とモラン係数による過去・現在・未来の都市空間構造
    鈴木 勉, 石井 儀光, 長谷川 大輔, 劉 俐伶
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 191-196
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本論文は,都市内人口分布構造を都市空間構造と考え,均等性と集積性の2つの観点から捉える方法を用いて,国勢調査および国土交通省の将来推計人口に基づいて,ジニ係数とモラン係数を用いて全国の自治体の人口分布構造の長期的な変化動向を把握するとともに,変化パターンを類型化し,各類型のパターンの特徴を都市規模にも着目した上で明らかにすることを目的として分析を行った.その結果,(1)均等性を示すジニ係数をみると,郊外部,地方部や山間部では不均等化が進む一方,都市部ではどちらかというと一様な市街化が進む傾向があること,(2)集積性を示すモラン係数を見ると,大都市部や山間部を持つ自治体では分散を示す一方,地方都市などでは自治体内の一部に集積を示すこと,(3)均等性と集積性の変化パターンは13の類型に区分でき,都市規模とも関連しており,概ね大都市ほど均等,地方ほど不均等を示すが,都市部と農村部を両方含む地域では集積しているが不均等を示す都市も見られることなどを明らかにした.

  • 赤澤 加奈子, 小林 剛, 根上 彰生
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 197-202
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は街並み誘導型と用途別容積型の併用地区計画導入の効果と街区変容の実態について考察している。街並み誘導型と用途別容積型の併用地区計画が導入されてから20年を迎える東京都千代田区神田佐久間町および神田和泉町を事例とし、併用地区計画導入による効果について評価をしている。両地区における街区変容の実態と地区計画導入以降、急増した共同住宅の開発実態の把握から、地区計画の効果について考察している。具体的には(1)建築計画概要書及びゼンリン住宅地図を用いた、地区計画導入以降2017年までの対象地区内の個々の敷地における建築更新実態の把握。(2)対象地区に建設された共同住宅に着目し、建築計画概要書を用い、共同住宅の形態的特徴の把握から地区計画による効果について評価している。

  • 富井 秀和, 川﨑 興太
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 203-211
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は、福島県の原子力被災11市町村における介護福祉の現状を明らかにし、今後の介護福祉体制の再構築に向けた課題ついて考察するものである。本研究を通じて、①再開及び新設施設が非常に少ないこと、②再開及び新設された介護施設のほとんどが採算性と従業員の確保に問題を抱えていること、③介護支援専門員は介護施設が少ないことにより、利用者の希望にそったケアプラン作成が困難であることが明らかになった。本研究では、今後の課題として、再開・継続・新設されている介護施設・事業所における介護人材の確保や経営継続に向けた支援の強化とあわせて、介護施設・事業所の再開・新設の促進が必要だと指摘している。また、今後の人口動向や地域構造の変容状況を踏まえつつ、市町村の行政区域を越えた広域単位でのサービス提供体制の確立について、医療サービス提供体制などと一体的に検討することが必要だと指摘している。最後に、今後は、避難指示の解除時期や復興まちづくりの状況を踏まえつつ、こうした介護福祉の課題の解決に資する都市計画を実行することが必要だと指摘している。

  • 浅野 純一郎
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 212-223
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は、高度経済成長期から当初線引き時における実質的な市街地拡大経過を、人口密度を指標として把握し、その特性を明らかにすることを目的とする。1960年時(概ね高度経済成長前期)、1970年時(高度経済成長終了期かつ当初線引き直前期)、1975年時(当初線引き完了期)の3時点の国勢調査・調査区別人口データを用いている点に特色があり、拡大経過の異なる岐阜、豊橋、和歌山、高松の4市を対象としている。市街地拡大の典型的パターン(中心の縁型及び小中心の縁型、線状型、飛び地型)とその要因、人口密度レベルと充足期間、市街地拡大における公共交通網への依存性を実証的に明らかにした上で、今日の立地適正化計画との関係を考察している。

  • 丸岡 陽, 中出 文平
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 224-236
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は、北信越地方の中核性の高い地方都市3市を対象に、昭和45年、平成2年、平成27年のDIDを構成する調査区の分析を通じて、都市構造の空間質の変容の経緯を明らかにすることである。対象の調査区を人口密度によって4種類、形成時期によって3種類にそれぞれ分類して、用途地域や土地利用現況との関係をGISで分析した。分析の結果、昭和45年に形成されたDIDでは世帯の小規模化や土地利用の変化によって人口密度が低下していた。対照的に、昭和45年から平成2年までに形成されたDIDでは住居系に特化した用途地域の指定に基づく市街化が進み、宅地化率が上昇した。今後、自治体が適切に市街化を制御できない場合、平成2年から平成27年までに形成されたDIDでも同様の宅地化が進む可能性がある。

  • 佐藤 雄哉
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 54 巻 2 号 p. 237-244
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/10/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は、防災都市づくり計画の活用実態を把握している。また、防災都市づくり計画の記述内容を地域防災計画や都市計画マスタープランの記述内容と比較した。本研究では以下のことが明らかになった。現在、防災都市づくり計画は27計画策定されており、21計画が公表されていた。6計画は都市計画区域外も計画対象区域としていたが、15計画は都市計画区域内しか計画対象区域としていなかった。袋井市では、都市計画マスタープランの見直しと同時に防災都市づくり計画も策定されており、連携が図られていた。

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