巨大自然災害に対してレジリエントな地域の推進を検討するためには、発災直後の死傷者の発生の1次被害だけでなく、復旧・復興までの中長期的な2次被害の両方の削減が重要である。本研究では、巨大自然災害に伴う1次被害と、2次被害を「生命・健康」を損なう被害と「生活環境悪化」に伴う被害に分け、それぞれについて「障害調整生存年数(Disability Adjusted Life Year)」と「生活の質により調整された生存年数(Quality Adjusted Life Year)」の余命指標を用いて、これらを同時に評価できるシステムを構築し、これを用いて評価・分析し、最後に地域のレジリエンスを高める減災策および適応策の検討手法を提案した。 本研究では、徳島県を対象に南海トラフ巨大地震が発生した場合を想定し、評価システムに適用・分析した結果、発災5日後以降は生活環境の回復が進まなくなること、生命・健康の回復量が僅かであることが分かった。最後に、減災施策の適用・評価を行い、より効果的な減災効果手法の提言を行った。