土木計画学研究・論文集
Online ISSN : 1884-8303
Print ISSN : 0913-4034
ISSN-L : 0913-4034
14 巻
選択された号の論文の108件中1~50を表示しています
  • 費用配分方式に着目して
    岡田 憲夫
    1997 年 14 巻 p. 1-16
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 不確実性と不均衡の概念を念頭に置いて
    上田 孝行
    1997 年 14 巻 p. 17-34
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 藤村 秀樹, 溝上 章志, 柿本 竜治
    1997 年 14 巻 p. 35-42
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    米国の代表的なダム開発事業であるT.V.A. で開発された費用配分法である分離費用身替り支出法のみでは, 現実の全ての費用配分問題をカバーすることは難しい. 特に, 積極的な公共基盤の整備を推進しようとする地方自治体の中には, 新たな費用配分制度の確立を望む声が強い.
    本研究においては, 委員会の合意から得られた負担ウェイトを考慮して, 事業主体間で適切な費用負担を実現出来る合意形成型費用配分法を開発し, 提案した. そして, 北九州市における具体的な事例を通して, その妥当性について考察したものである.
  • 松中 亮治, 中川 大
    1997 年 14 巻 p. 43-50
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    交通施設整備には、利用者が負担している運賃・料金などのほか、国や地方公共団体の一般財源、揮発油税など利用者が税の形で負担している特定財源など様々なものが用いられている。また、多くの主体が複雑な制度のもとで、整備を行っている。そのため、実際の事業のための財源が、それぞれどのような負担者構成になっているかということは直接的には把握できない。
    そこで、本研究では、道路, 鉄道, 空港の各交通施設を種別に細分類し、それぞれの種別ごとの実質的な負担者構成を種別間で比較が可能な形で算出し、それぞれの事業の財源面での特徴を明らかにした。
  • 西 淳二, 加藤 義明, 文野 洋
    1997 年 14 巻 p. 51-58
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 張 崎, 西村 昂
    1997 年 14 巻 p. 59-66
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文はAHPによる評価結果の正確性と精度を向上するために、一対比較行列の構築手法について検討し、そこに存在する問題を指摘した。さらに、それに対処するために、整合性の見方から、「極めて重要」という定性的程度に対して、変動的定量値という概念を提出し、理論的のみでなく、実用的に、定性的判断関係を的確に定量化するための一対比較行列の新しい構築手法を提案した。最後に、この手法の合理性と適用性を多面的に検証するために、交通経路の選択の実際事例を通じて、固有値法と対数最小二乗法という二つのウェイトの算出手法、1-9尺度、指数尺度、分数尺度及び近似尺度という四つの重要性尺度によってそれぞれ計算し、その算出結果を総合的に比較・評価して、新しい手法の有効性と適正性を説明した。
  • 寺部 慎太郎, 屋井 鉄雄
    1997 年 14 巻 p. 67-70
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、コンジョイント分析に選択肢間の類似性を直接かつ簡潔に構造化したプロビットモデルを用いることを提案した。従来のロジットモデルを用いた方法では、被験者が選択肢相互を独立に評価していない場合に、推定される効用関数が偏りを有する可能性がある。今回定式化したモデルはまだ改善の余地は残すものの、直交性が損なわれたプロファイルの場合においても適用可能であることを示した。
  • 利用形態および利用者特性に着目して
    浅対 享, 喜多 秀行, 刑部 泰郎, 西林 新蔵
    1997 年 14 巻 p. 71-78
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、海岸の自然条件が規定する “行動のし易さ” や “雰囲気の良さ” に着目して構築した海岸利用環境の評価構造が “利用形態” や “利用者特性” に依存するか否かを検証したものである。海岸の利用環境を特徴づける自然条件を提示して得た室内アンケート調査結果を両者により区分したデータを用いて共分散構造分析を行ったところ、差異の存在が確認され、「誰がどのように利用するか」を明示的に取り扱うことにより特徴ある海岸利用環境の整備計画が可能なことを示した。
  • 冨田 安夫, 寺嶋 大輔
    1997 年 14 巻 p. 79-85
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市内およびその周辺部では多数の建設工事が行われており、大量の土砂が発生しその処分地の不足や遠隔化が問題となっている。このため工事間での土砂再利用の促進が求められており、その輸送計画を策定するため、工事間土量配分モデルがいくつか開発されている。ところが、計算機の記憶容量の制約のため、設定できる対象工事数や期間数に限界があり、実用的な程度の大規模問題への適用には至っていない。
    本研究は、工事間土量配分モデル (冨田・寺嶋: 1996) に、Dantzig-Wolfeの分解原理を適用し、その時間軸階層化による計算方法を提案した。また、適用例を通してその有効性を明らかにした。この計算方法を用いることによって、モデルの実際問題への適用可能性が一層高まった。
  • ラミースディーン R., 赤塚 雄三
    1997 年 14 巻 p. 87-98
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    第2次世界大戦後にアジア諸国が採った工業化促進戦略は押し並べて成功している。これらの諸国では経済成長の帰結の一つとして地域格差の拡大に悩まされていることも事実である。こうした地域格差は開発途上国が戦略対象として誘致した先進企業がその国の中でも比較優位の特定地域に集中した局地化現象に因る所が大きい。アセアン諸国の中でも、特に、マレーシア、タイ、インドネシアおよびフィリピンではこの企業立地の局地化現象が顕著である.本研究ではこの現象に着目し、開発途上国政府が地域格差是正のために採用した製造業地方分散化政策について検討し、その過程で運輸基盤整備が地域開発に果たす役割の評価も試みる。
  • 片田 敏孝, 石川 良文, 青島 縮次郎, 井原 常貴
    1997 年 14 巻 p. 99-105
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    地域産業連関分析の視点に立つなら, 産業間の技術連関構造には地域に応じた特色があり, 地域間産業連関分析においてそれは, 地域別投入係数によって表現されている. このような技術連関構造の地域特化は, 外生需要に伴う生産誘発効果の地域帰着に影響をもたらすばかりでなく, 生産誘発効果の総量にも影響を与えることが著者らの研究によって指摘されているが, その具体的な影響構造は十分に明らかにされていない. そこで本研究では, 技術連関構造の地域特化を地域別投入係数と全国産業連関表の投入係数の差異によって定義し, それが生産誘発効果の総量と地域帰着に与える影響を明らかにした.
  • 普通名詞と固有名詞の差異に着目したLOGMAP分析
    西井 和夫, 棚橋 美佐緒, 土井 勉, 木内 徹
    1997 年 14 巻 p. 107-114
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、地域イメージ構造の計量的把握のための分析手法を開発することを念頭に置き、鉄道沿線の構成地物の言語イメージに基づく知覚マップ手法 (LOGMAP) の適用性を検討する研究として位置づけられる。ここでは、言語イメージのうち普通名詞と固有名詞に着目することにより、LOGMAPで用いるイメージ連結図および属性軸上の空間付置における差異から鉄道沿線イメージの構造的特徴 (沿線の個性・固有性) を把握する方法を検討する。その結果、具体的なケースとして取り上げた阪急と近鉄の沿線イメージを『やぼったい-おしゃれな』属性軸で評価した場合、各沿線ごとに代表的な地物を普通名詞及び固有名詞の各々について見い出すことができ、また『山』、『川』、『駅』などは各沿線のイメージの特徴を表わすような属性軸上のポジショニングがなされていること、そしてそれらとイメージ連結図との関係にも言及でき、本手法の有効性を確認できた。
  • 竹林 征三, 川崎 秀明, 野村 康彦, 鈴木 義康
    1997 年 14 巻 p. 115-119
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    土木事業や各種地域整備のプロジェクトにおいては, 地域の自然・歴史・文化・生活や人々の感性・心性に適合した地域環境・景観デザイン技術・手法が求められている. 本研究では, 地域資源や地域の風土個性 (Seeds) とひとびとの深層心理 (Depths) との関係性・相互作用を重視した風土工学的アプローチにもとつく地域整備の基本コンセプト創出プロセスの開発を試みるとともに, 実際例への適用を通じてその有用性を確認している.
  • 田中 正, 西 淳二
    1997 年 14 巻 p. 121-131
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    心理学的評価手法であるSD法を用いて、地下空間デザインの快適性評価を試みた。適用にあたって地下街を中心とした景観写真を刺激とし、各種の統計分析を適用した。平均値の推定および検定より、利用者と計画・設計者の視点の違いを論じた。また、因子分析により3つの因子成分 (視覚因子、聴覚因子、触 (感) 覚因子) で景観評価ができるとともに、3つの群の間で因子の重みがことなることを示した。さらに地下と地下の違いを因子成分を使って説明した。快適性を目的変数とした重回帰分析では、専門群は“視覚因子”、“触 (感) 覚因子”が、一般群と中間群は“視覚因子”が特に支配的であることが判った。
  • 上田 孝行, 岡田 雅美
    1997 年 14 巻 p. 133-139
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    計画案策定プロセスに関しての既存の研究では、公共デザイン代替案のように、評価をする個人が各計画案に対して利害を明確に認識しにくいような問題は扱われていない。本研究では、計画案への評価が不確定なために、他人の評価に追従しやすい複数個人からなる集団での多数決による意思決定過程をモデル化して分析した。その結果、追従性向係数が大きい場合には計画代替案の支持者数分布は不安定になり、集団意思決定としての意見の収束が難しくなることが確かめられた。また、最終採択される代替案は、各代替案が持つ潜在的な効用が最も高い代替案であるとは限らないことも確かめられた。
  • 秀島 栄三, 岡田 憲夫
    1997 年 14 巻 p. 141-148
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市拠点開発は、工場等の跡地の有効活用を図ろうとする企業の開発動機に端を発することが多い。各地権者は互いの便益に影響を与え合うことから集団的な意思決定を経て最も合理的な協同体制が形成されるものと考えられる。しかし主体間では利益得失の差異により利害対立が生じ、この過程は不安定になりやすい。開発の社会的影響は大きく、公共がこの過程に調整を行う必要性が認められる。本稿ではそのための計画情報を得ることを目的とし、複数地権者の行動決定過程を協力ゲーム理論を用いてモデル化し、仮想地区に対する思考実験を行う。これにより開発地や地権者の特性が、形成される協同体制に与える影響を分析する。
  • 高橋 顕博, 安藤 朝夫, 文 世一
    1997 年 14 巻 p. 149-156
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    阪神・淡路大震災の被害には構造物の破壊のような直接的被害のみならず産業活動の衰退のような間接的被害もみられた。本研究では産業連関表と計量経済モデルを組み合わせ、建物被害と交通被害により間接的被害を推計するモデルを構築し、実際に被害推計を行うことを目的とする。分析は被災地域として兵庫県を想定し、日本全国を (1) 兵庫県、(2) 兵庫県を除く近畿地域、(3) 近畿以東の日本及び (4) 近畿以西の日本に区分し、これに外国を加えた5地域で行われた.交通被害の影響は交易係数及び交通容量を等して分析される. 被害は所得の減少による人口流出や地域間交易 (取引) の変化で評価される・分析の結果、全国で約13兆円の経済被害が生じ、その約15%は兵庫県で生じた結果を得た。これらの推計結果は兵庫県の県民経済計算との比較により妥当であると検証された。
  • 尾崎 都司正, 木下 栄蔵, 原 敬
    1997 年 14 巻 p. 157-166
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    多数の地域開発プロジェクトの計画・推進において、不透明な施設需要量は意思決定の問題として取り扱うことが可能である。しかし、取扱いが簡単なロジットモデルは、データの入手に多大な費用を要するだけでなく、事前に因子情報を得る困難さを抱えている。
    一方、独自に発展してきた簡便な意思決定方法であるAHPは、効用比の表現の域にとどまり、ロジットモデル等の他のモデルとの関係が明らかになっていない。
    本稿は、AHPとロジットモデルの関係を検討し、AHPの効用値がそのまま集計ロジットモデルの選択確率となり、ロジットモデルにおける線形効用関数のパラメータ探索に利用できることを得た。
  • 安 時亨, 飯田 克弘, 森 康男
    1997 年 14 巻 p. 167-174
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    産業連関表が発表されていない地域について、大地域の産業連関表から、その地域に含まれ小地域の産業連関表を作成する間接的な方法としてノン・サーベイ法がある。既研究された大部分のノン・サーベイ法は、産業連関を示す指標として投入係数を用いている。しかし、大地域と小地域の投入係数の間にどの程度の関係があるのかは明らかにされていない。それで、本研究では投入係数と分配係数を対象として大・小地域間の比較分析を行った。分析は全国、近畿、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県の6地域の平成2年度産業連関表と同年度全国産業連関表速報について、比較値の平均と偏差による比較分析と相関分析を行った。その結果、投入係数の地域間関連程度は高いと認められた。一方、輸移出入の含まれた分配係数の比較結果はあまり高くない関連性が示されたが、輸移出入を除いて比較した結果は地域間の関連性が非常に高いと認められた。これは地域分割による大地域の内々流動が最も大きな原因であることも分かった。
  • 阿部 宏史, 小川 正義
    1997 年 14 巻 p. 175-182
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、多次元尺度法と重力モデルを組み合わせることによって、地域間交流データから潜在的地域間距離を推定する分析モデルを提案し、わが国の13地域を対象としたケーススタディによって手法の有効性を検討した。1970年度-1990年度の運輸省・旅客地域流動調査及び貨物地域流動調査を用いたケーススタディの結果、提案した分析モデルは潜在的地域間距離から見た地域構造の推移を検討する手法として有効であることが明らかになった
  • 後藤 忠博, 小林 潔司, 喜多 秀行
    1997 年 14 巻 p. 183-194
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都心における駐車場の整備政策は、家計の自由な商業地選択行動により発生する外部 (不) 経済性を内部化する手段として位置づけることができる。このような観点から、本研究では家計の商業地選択行動と小売業、ディベロッパー、駐車場経営主体、地主の行動を同時に考慮した市場均衡モデルを定式化した。さらに、社会的に最適な駐車場規模を決定する問題を定式化し、家計の消費行動を誘導するための望ましい駐車料金と駐車容量の関係について理論的に考察した。
  • 轟 修, 森 康男
    1997 年 14 巻 p. 195-200
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市の密度コントロール指標として土地利用比率と建築密度としての容積率に着目し、容積率が外生的に与えられた場合における土地利用比率の決定式群の導出方法について示した。具体的には敷地面積と空地面積との相対関係を容積率を介して式として帰着させた。これより容積率と対応した土地利用比率が示せ、地区における密度管理の目標を示せる可能性が生じる。さらに、この導出式の検証を目的としてケーススタディを行い、その有用性と適用の限界を得ることができた。
  • 瀬口 哲夫, 河合 正吉
    1997 年 14 巻 p. 201-212
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    日本の運河は300近くあるが、近年モータリゼーションや産業構造の変化から運河の機能と運河周辺の土地利用に変化が現れている。運河の変容過程とその要因を明らかにするとともに、運河に対する将来イメージを明らかにした。ケーススタディーとして、工業開発・交通拠点型の運河を取り上吠その建設目的、変容過程、運河周辺の土地利用変化等について明らかにした。
  • 青木 俊明, 稲村 肇
    1997 年 14 巻 p. 213-224
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、これまでの人口移動研究を整理し、その研究の系譜を明らかにした上で、各系統の研究の内容を紹介している。すなわち、人口移動研究を、移動圏域に関する研究、移動趨勢に関する研究、大規模複合目的調査に基づく研究、移動流に関する研究の4つに大別して個々にその内容を紹介している。もっとも研究が盛んである移動流に関する研究については、さらに細かく分類して説明している。また、従来の人口移動研究の問題点、および今後の展望を述べている。
  • 波床 正敏, 田中 斉, 塚本 直幸, 天野 光三
    1997 年 14 巻 p. 225-232
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、交通網整備が地域特性にどのような変化を与えたかについて明らかにするための分析方法を研究したものであり、二時点の地域指標間のバランスの変化に着目し、近年の近畿地方の実際のデータを用いて実証的分析を行った。また、交通による利便性を定量的に捉えることで、交通の整備されている地域とそうでない地域で、どのような地域格差があるのか、また、交通機関によって地域に与える影響がどのように違っているのかについて分析を行った。
  • 暢 志軍, 奥山 育英
    1997 年 14 巻 p. 233-242
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    中国内陸北部国境に位置する一民族自治区内蒙古は、面積が広大な上、地下資源が豊富であり、経済及び社会発展が著しい中国を支えている。さらに、この地域の発展は中国内陸部の振興及び経済格差の解消、社会の安定に重要な役割を果たしている。そこで、本研究はこのような中国における経済格差に焦点を絞り、内蒙古を対象とし、中国と内蒙古それぞれの第九次五力年計画を概観して内蒙古における地域開発の現状、経緯および問題点を考察し、今後の内蒙古地域開発の課題を明らかにする。
  • 土井 健司, 宮津 智文, 原 伸行
    1997 年 14 巻 p. 243-251
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    業務機能の再配置やワークスタイルの変化を伴いながら、東京圏の産業および地域構造は大きな変容を遂げつつある。本研究は、今後の都市交通政策における業務交通の重要性を認識し、産業・地域構造変化と業務交通特性との関係をマクロおよびミクロの両面から分析したものである。時系列のパートントリップ調査データを用いた分析により、業務核都市を中心とした郊外拠点地域において技術専門・事務および管理的職業の発生集中トリップ数の増加が顕著に見られ、昭和53年から63年までは一極化の傾向を強めていた東京圏の地域構造は、昭和63年以降、再び多極化への変容を見せていることを明らかにした。また、近年顕著な増加を示すミーティングトリップに着目し、昭和63年から平成5年にかけて郊外拠点を連絡する環状方向のトリップ数の増加が捉えられ、それが自動車トリップに支えられたものであることを示した。
  • 赤松 隆, 半田 正樹
    1997 年 14 巻 p. 253-257
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 容量に制約のある一般的な交通ネットワークを前提として, 通勤交通発生の原因となる都心オフィスの最大立地可能量を求める問題を考察したものである. この問題を議論するためには, オフィス立地量と交通ネットワーク上の通勤交通需要量との関係を知った上で, 各リンクにおける交通容量と需要量を比較する必要がある. 本研究では, このメカニズムを交通ネットワーク・住居立地均衡モデルによって内生化した上で, 問題を数理的に定式化し, その問題特性の解析および現実的交通網でも実行可能な計算法の開発を行った.
  • 小池 淳司, 上田 孝行, 小森 俊文
    1997 年 14 巻 p. 259-267
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, それぞれ独立に発展してきた土地利用モデルと交通需要予測モデルの理論的背景が同じミクロ行動理論にあることに着目し, これらのモデルを統合し同一のフレームでモデル化した. これによって, 土地利用の交通需要予測を整合性を正確に表現することが可能となり, 交通施設整備による交通需要・土地利用の変化を正確に捉えることが可能となる. また, ミクロ行動理論を下にモデル化しているため, 交通整備の効果を世帯の効用水準の変化 (すなわち, 等価的偏差) として簡単に定義できるといった特徴を有している. さらに, 数値シミュレーションにより, 本モデルが都市間交通整備による都市間通勤の増加を表現できることを確認した.
  • 廣瀬 義伸, 青山 吉隆, 近藤 光男, 井上 雅晴
    1997 年 14 巻 p. 269-276
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、近年の地価の急騰およびその後の下落という、地域間の地価変動の空間波及構造を明らかにすることを目的として、都道府県別の対前年平均地価変動率を指標として、多次元尺度構成法 (MDS) を用いて分析を行った。その結果、地価変動が東京都を発端として、首都圏、近畿圏、地方中枢都市を含む県、その他の地方圏へと、順に遅れを伴いながら波及したこと、商業系の地価変動が住居系に若干先行して生じていたことなどが明らかになり、従来から一般に言われていた地価変動の波及の傾向であり、既に我々が研究を行って実証した結果と一致する結果を得た。また、MDSの適用によって得られた地域の空間分布について、多変量解析による要因の検討を行い、地価変動の波及における遅れの要因が最も強く関連していることを明らかにした。
  • 柿本 竜治, 溝上 章志
    1997 年 14 巻 p. 277-284
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 土地区画整理地区を対象とした立地動向分析より, 地区内の基盤整備水準や主要街路からの距離帯などの各種要因に起因する用途ごとの立地場所の選好特性を見いだすこと, 区画整理地区内におけるミクロで詳細な立地メカニズムを表現する立地モデルを構築することを目的として研究を行った. その結果, 立地行動の視点からは, 用途によって立地場所や立地時期, 立地の増加率などに明確な違いがあること, 集散街路へのアクセス抵抗などのミクロな要因が立地行動に大きな影響を与えていることなどが明らかになった. また, 時系列相関項と立地点の近隣の土地利用状況を表す空間相互作用項を導入したミクロ立地モデルを提案し, 熊本市南部第一土地区画整理地区に適用した.
  • 長野市を対象にして
    浅野 純一郎, 瀬口 哲夫
    1997 年 14 巻 p. 285-295
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では、地方都市郊外で見られる幹線道路沿道での商業施設立地の実状とそれに対応する整備手法としての地区計画事例の検証を行った。対象地として、地方中心都市である長野市から二調査地を選び、各種資料調査、アンケート調査、ヒアリング、現地調査を行った。結論として、(1) 土地区画整理事業等による道路基盤整備の充実により、幹線道路沿道での店舗等集積が及ぼす後背地の住環境への悪影響等を防ぐことができること、(2) 地区計画の策定により、沿道建築物の用途、形態等の規制誘導が可能であること、さらに (3) まちづくりへの地元住民の意識の高いことが地区計画等を策定する上で有益であったこと、等を示した。
  • 湯沢 昭, 渡辺 愛子, 須田 煕
    1997 年 14 巻 p. 297-304
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    従来の商業活動は, 駅前周辺の商店街を中心として繰り広げられてきたが, 近年では幹線道路沿線にその中心を移動しつつある. 中でもパワーセンターと呼ばれる大規模複合商業施設の立地は, 消費者の購買行動に大きな影響を与え, また消費行動の変化が商業施設の立地に対しても影響を与えている・本研究は, 新潟県上越市を事例として, 郊外型大規模店舗の立地が消費行動に与える影響を分析し, その結果をもとに商業地選択モデルの作成を行い, 従来の都心部の商店街と郊外型大規模店舗の差別化の可能性について検討を行ったものである. その結果, 商業施設間の差別化を行うためには, 消費者の購買意識の分析と取り扱う品目の特性を十分に考慮した販売戦略が必要である.
  • 折田 仁典, 加藤 裕康, 清水 浩志郎
    1997 年 14 巻 p. 305-312
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、定期市が地域活性化の1手段となり得るとの認識のもとに、定期市が抱える問題の構造化を行い、その問題構造から定期市開催、運営上の問題の解決方策を検討した。分析は、先の研究成果を踏まえ、(1) 定期市に携わる人々の立場 (行政、開催者)、(2) 開催する場所 (道路、道路以外) の2つの視点から定期市問題の全体像を明らかにしている。その結果、定期市を活性化するためには宣伝活動といった分野にも行政支援が必要であることが示唆された。また開催場所別の分析からは、定期市の開催場所には道路が適していることが指摘された。
  • 嶋田 喜昭, 舟渡 悦夫, 本多 義明
    1997 年 14 巻 p. 313-320
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、特に地方圏の県境地域においては、過疎化等による地域活力の低下が深刻な問題となっており、広域共同プロジェクトなど県境を介した隣接市町村が行政区域を越えて互いに「連携」し、活性化を図ることが注目されている。本研究では、こうした県境地域間の地域連携のために必要とされる要素 (項目) と、その項目間の相互関係を把握するために、北陸地方の県境市町村を対象とした意識調査を行う。そして、DEMATEL法を用いた意識構造分析により、県境を越えた地域連携の方法を探ることを目的とするものである.
  • 本間 正勝, 森 健二, 木戸 伴雄, 齋藤 威
    1997 年 14 巻 p. 321-326
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、阪神・淡路大震災後を例に被災地でのアンケート調査を基に、大規模災害時の交通行動実態を把握することを目的とする。主な結果は以下の通りである。(1) 避難行動は、発災直後にピークに達するが、その後も長時間に渡って継続していた。(2) 通常の通勤通学行動の再開は、「避難しない層」と「避難した層」で異なり、約8割が再開するのに「避難しない層」では1週間、「避難した層」では2週間を要した。(3) 避難以外の最初の行動は、発災直後においては、「安否の確認」、「けが人の手当・搬送」等極めて重要な目的の交通行為が発生していた。以上の結果をもとに道路交通管理対策について考えをまとめた。
  • 藤井 聡, 北村 隆一, 柘植 章英, 大藤 武彦
    1997 年 14 巻 p. 327-332
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 大規模な地震の発生を想定し, それを十分に考慮した都市計画を検討するための基礎的な知見を得るために, 1995年1月17日の阪神・淡路大震災による生活行動・交通行動の変化を対象として分析を加えた.分析を加えたデータは, 大阪湾岸地域の居住者を対象として1993年11月, 1994年11月にそれぞれWave 1, Wave 2を, そして震災後の1995年6月にWave3を実施したパネル調査から得た. 得られたパネルデータに基づいて, 個人の生活圏についてのモデル分析を加えた結果, 意思決定構造にも震災が影響を及ぼしていることが示された. また, 時間利用パネルデータに基づくモデル分析からは, アクセシビリティ指標で表現される交通のサービス水準の変化量と, 倒壊率で表現される震災によって受けた被害の規模が一日に移動に費やす時間 (総移動時間) の変化要因であることが分かった. そして, 移動時間は, 仕事時間や宅外活動時間等の他の活動の実行時間に対して影響を与えていることが統計的に分かった.
  • 有村 幹治, 上西 和弘, 田村 亨, 杉本 博之, 桝谷 有三
    1997 年 14 巻 p. 333-340
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、地震等による広域的な地方道路ネットワークの寸断を想定し、人員・機材等の制約条件下での復旧過程に、都市間の時間距離を指標とした連結性能を定量化するアクセシビリティ指標を用い、復旧過程の定量化を行う。平常時の都市間のアクセシビリティへと、制約条件下で早急に回復する被災道路の復旧順序をGAを用い探索し、実際にケーススタディを通して構築した手法の有効性を確認した。結果としてGAを適用することにより、復旧早期での連結性の回復を期待できるスケジューリングを可能とし、より変数の多い復旧モデルへの展開の可能性を示した。
  • 前川 和彦, 岡田 憲夫
    1997 年 14 巻 p. 341-352
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    概要: 本研究では, 都市診断のための複合災害リスクの評価法について検討を行う.都市の災害リスクを「(人間の) 活動リスク」と「場のリスク」との複合併存状態のリスクと捉え, リスク要因の重なり合いを生物群集の分布解析に用いられているニッチ分析の手法を用いて評価する.重なり合いによって評価するリスクの特性としては, 「活動」同士の「共棲性」と, 活動リスク」と「場のリスク」の「集積性」に着目する.そして, 「共棲性」と「集積性」を表すの適したニッチ重なり合いの指数を提案する.さらに, ニッチ分析の手法を実在の都市に対して適用し, その適用可能性についても検討を行う.
  • 中川 大, 若山 真樹, 伊藤 雅
    1997 年 14 巻 p. 353-360
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    阪神淡路大震災は、 都市型の災害として予想を上回る規模で発生したために、 すべての活動に大きな混乱をもたらした。特に交通施設の破壊と渋滞による救援活動の遅れは、 都市における災害時の交通運用について大きな問題を投げかけたといえる。そこで本研究においては、 特に緊急物資の供給に着目して震災時の物資輸送交通シミュレーションシステムを構築し、 そこで様々な震災被害における状況をシミュレートするとともに、 交通規制や物資輸送配分に関する方策をシナリオとして提示し、 それらについてシミュレーションの結果として算出される区域的な物資の供給達成率を比較することにより、 震災時における交通対策の評価と検討を行った。
  • 李 燕, 塚口 博司
    1997 年 14 巻 p. 361-370
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    災害時に強い街路網整備の考え方として、大地震で一部分の街路が不通になっても、緊急車両がスムーズにアクセスできないようなエリアが発生しない程度の整備水準が一つの目安となると考えられる。このような視点から、本研究は、激震を受けた神戸市灘区の一部の市街地を対象とし、こうした自動車の到達不能エリアを示した上で、街路網構成の視点から防災性に関わる指標を考察し、災害に強い街路網構成に関する知見を得た。
  • 朝倉 康夫, 柏谷 増男, 高木 一浩, 藤原 健一郎
    1997 年 14 巻 p. 371-380
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    過去に災害による通行規制に遭遇した経験の有無とその際の交通選択行動および仮想的な通行規制条件下での交通選択行動について, 四国地域の一般ドライバーを対象にアンケート調査を実施した. 通行規制に遭遇しても85%のドライバーはトリップを中止することはなく, そのほとんどが迂回ルートを利用することや, 経路変更の際にはほぼ7割のドライバーがリスクの高いルートへの変更を余儀なくされていることがわかった. 通行規制時の中止・迂回・待機の行動は, 時間差や時間比によりある程度説明できることが確認できた. また, 中止行動モデルは迂回・待機モデルよりも説明力がやや低下することがわかった. 得られた行動モデルを四国地域の道路ネットワークに適用し, 交通量配分モデル構築のための基礎的検討を行った. 規制の影響を直接受けるトリップ数は全体の3%程度であったが, トリップの中止率, 迂回率はドライバーの実際の行動とよく一致することがわかった.
  • 陳 自力, 宮田 譲
    1997 年 14 巻 p. 381-392
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    中国のエネルギー問題は経済発展に伴い, 長期的な重要な課題であると言われている. 本研究は3部門逆行列分解法により, 中国における1次エネルギー, 2次エネルギー, 非エネルギー部門との相互依存関係に焦点を当て, エネルギー部門とその他の部門との乗数過程を, 従来のLeontief逆行列分析に比べ, より詳細に分析することを試みた.
  • 木俣 昇, 鷲見 育男
    1997 年 14 巻 p. 393-400
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 防災計画システムの方法論として, 交通流のミクロシミュレーションに導入したペトリネット手法の適用を試みたものである。具体的には, 地震時の阻害要因を制約型と切断型に分け, そのペトリネット表現法を提示している.次に, 車社会の今日, 軽視できない一般車両による緊急車両の走行阻害の問題を取り上げ, そのミクロペトリネットモデルを作成し, シミュレーションを実施している。最後に, これらの阻害要因ネットを組み入れた消防防災システムのマクロペトリネットを作成し, そのシミュレーションの実行を通して, 本方法論の特徴とその可能性を明らかにしている.
  • 小池 則満, 山本 幸司
    1997 年 14 巻 p. 401-408
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本格的海上空港は、その特性上、救急機能を持つ施設からの距離が長くなるため、航空機事故が発生すると多数の負傷者が現場救護所で留め置かれてしまう可能性がある。そこで、ガルーダ・インドネシア航空機火災のデータを用いて海上空港における負傷者搬送シミュレーションを構築し、航空機事故発生時の搬送活動について分析した。その結果から、中部新国際空港ではヘリコプター搬送や広域的な応援が必要であることを明らかにするとともに、海上空港に必要な施設整備・運用計画について検討した。
  • 榊原 弘之, 高野 浩一, 岡田 憲夫
    1997 年 14 巻 p. 409-419
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    水資源開発事業においては, 複数の主体が施設を共同で利用することが多い. このとき, 事業費用を参加主体間でどのように配分するかという「費用配分問題」が生じる. 広域導水事業, 流域下水道事業等のネットワークを持つ事業は, 多目的ダム事業と異なった特性を持つと考えられる. 本論文ではこのようなネットワーク型事業の特性を考慮した費用配分法についてゲーム理論を用いて検討を行う. ネットワーク型事業では, 部分提携の形成が制限されることがある. このような一部の部分提携の実行不可能性を考慮した費用配分法として, 加重シャプレイ値, 修正した費用関数によるシャプレイ値, 提携ネットワーキング配分法を取り上げ, 検討を行う.
  • 宮田 譲
    1997 年 14 巻 p. 421-432
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は北海道を対象として、廃棄物と経済との相互依存関係を動学的に分析するものである。このため動学的に拡張した応用一般均衡モデルを構築している。モデルは産業、家計、政府、道外部門、廃棄物除去活動から構成されている。家計は効用の現在価値総和を最大化するように消費、余暇、貯蓄の選択を行う。家計の貯蓄は資本蓄積となり、経済の動学プロセスが決定される。生産及び消費に伴う廃棄物は、除去活動により処理処分されるが、その際中間財、資本、労働を投入する。このモデルを用いて家計廃棄物有料化、リサイクル推進などが、経済成長に与える影響をシミュレーション分析している。
  • 加河 茂美, 稲村 肇
    1997 年 14 巻 p. 433-442
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究ではそれら環境政策の中でも最も有効であると思われる二つの排ガス規制とマテリアルリサイクルを取り上げその影響効果を定量的に評価する。この論文はSNA型産業連関表を用いて二酸化炭素排出量を推計評価するための分析手法を提案するものであり実際に基本データを用いて上述の2つのケースについて定量的に評価している。主な解析結果は以下の通りである。最終需要の成長や排ガス技術の変化により排出量が約2倍になる。1990年時に1985年の排出レベルを維持するためには40%以上の削減が必要である。マテリアルリサイクルの観点から見るとパルプ・木材・紙製品、鉄鋼製品の静脈活性化が二酸化炭素の排出削減に最も効果的である。
  • 渡辺 義則, 本田 明寛
    1997 年 14 巻 p. 443-450
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    乗用車で構成されているが、音源と受音点間の距離、法定最高速度などの変化には対処可能な騒音環境容量の算出方法は既に報告した。しかし、現実には対象地点の条件は様々で、大型車は混入し、車道端に壁がある場合もあるし、環境基準も地域の区分、時間区分で異なる。従って、これらの条件に対処する方法を考えておく必要がある。そこで (1) 前述の諸要因に対して基本となる状態を定め、その条件下での騒音環境容量を示す。(2) 対象地点の諸条件への対処方法を示す。(3) 適用例として、大型車が混入すれば、あるいは、壁を車道端に設置すれば、自動車騒音の環境基準 (B地域) を遵守可能な領域はどの様に変化するかについて検討した。
  • 徳永 法夫, 西村 昂, 日野 泰雄, 宮原 哲
    1997 年 14 巻 p. 451-458
    発行日: 1997/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市高速道路の高架橋沿道における、道路交通振動苦情に係る諸要因を明らかにするために、過去の研究成果を踏まえて、新たに実施した2種類の振動低減対策工事の前後比較を行い、さらに31家屋の振動計測と930人のアンケート結果に基づいて効果の分析を行った。この結果、2種類の振動低減対策は一定の効果をもたらしたこと、家屋の振動増幅量が大きいこと、家屋内での振動レベルピーク値が住民感覚と相関があること、現行の振動規制法に基づく測定方法による、官民境界における振動レベルVL (L10) 値は、住民感覚と一致しないこと、等がわかった。
feedback
Top