土木計画学研究・論文集
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16 巻
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  • 待ち行列モデルの応用
    桑原 雅夫
    1999 年16 巻 p. 1-17
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では、Point QueueおよびPhysical Queueを用いた累積交通量図を活用した動的なネットワーク解析について述べる。まず、車両走行軌跡を表すタイムスペースダイアグラムと累積交通量図との関係を明らかにし、Point QueueおよびPhysical Queueを用いた場合の累積交通量図の求め方を説明する。次に、それに基づいてDUO (動的利用者最適配分)、DUE (動的利用者均衡配分)、DSO (動的システム最適配分) という3種類の配分理論 (経路選択のみ扱ったもの) について述べる。最後に、経路選択とともに動的解析で重要である出発時刻選択について、これまでの理論的な研究成果をレビュー解説する。
  • 藤井 聡
    1999 年16 巻 p. 19-34
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    交通現象を理解するためには, 個々人の行動の理解, さらには, 行動の背後にある心理的傾向の理解が必要となる局面がしばしばあるものと考えられる. それらを考慮した場合, 離散選択モデルは必ずしも適切な行動モデルではない. その一方で, 行動をより深く理解することで, 政策論的に意味のある議論を展開できる可能性も存在するだろう. その様な詳細な心理的傾向を詳細に考慮した上でマクロな現象を記述する場合, シミュレーションが一つの有効な手法であろう. ただし, シミュレーションを定量的な需要予測に適用する場合には, その結果の精度の限界を踏まえた上で結果を解釈するための社会的コンセンサスが不可欠である. 一方, 一般的な定性的現象理解に適用する場合には, その基本となる行動仮説が理論的にも実証的にも妥当なものであること, ならびに, その結果に基づいた適切な政策議論が必要であることが不可欠である.
  • 林山 泰久
    1999 年16 巻 p. 35-48
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 非市場財の評価手法のみならずその評価手法の歴史的な経緯を概観し, 特に, 非市場財の存在価値を評価する手法の問題点および土木計画分野における適用可能性を示すことにより, 社会的要請とも言える社会資本整備の客観的評価理論について考察したものである.
  • 東京湾での人工なぎさの造成事業を対象として
    閑野 高広, 桜井 慎一, 横内 憲久, 岡田 智秀
    1999 年16 巻 p. 49-54
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    既に失われた, あるいは失われようとしている自然環境へのCVMの適用例は多く, それらを保全・保護することで得られる経済的価値が明確にされてきている. これに対し, 本研究は沿岸域での生物生息環境を款たに創り上げる環境創造を行うことによって得られる経済的価値をCVMによって評価するものである. 価値評価は, 東京湾での人工なぎさ造成事業という仮想的な環境創造政策を仮定し, この実施に対する支払意志額を東京湾からの距離の異なる江戸川区, 川越市, 前橋市民から推定することによって行った. その結果, 経済的価値は一世帯あたり年間6420円であること, 東京湾からの距離の相違によって価値認識には差異が生じることを捉えた.
  • 青山 吉隆, 松中 亮治, 白柳 博章, 荻野 久仁子
    1999 年16 巻 p. 55-60
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、非市場財である歴史的文化財の価値の分類を行い、歴史的文化財の価値の一部である二つの利用価値 (観光資源としての利用価値と住環境としての利用価値) を、京都の歴史的文化財をケーススタディとして経済的な観点から計測することを試みた。観光資源としての利用価値は旅行費用法によって計測を行い、歴史的文化財に対する訪問行動を考慮することにより、京都市全体および個々の歴史的文化財に対してその計測を行った。また、住環境としての利用価値はヘドニック・アプローチによって計測を行い、地価の時空間的な地価変動を考慮した地価関数モデルを構築することにより、京都市全体の歴史的文化財に対してその計測を行った。
  • 三輪 千夏, 尹 祥福, 中川 義英
    1999 年16 巻 p. 61-68
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    市民参加のまちづくりの手法が模索される中で, 市民に対するまちづくり学習の機会の必要性が問われている. 本研究は, 長期・短期視点から義務教育 (ここでは小学校) に焦点を当て, 教育課程内におけるまちづくり学習のあり方や, まちづくり学習の場の可能性, 支援体制ついて考察することを目的とする. まず取り組みに関する国内外の歴史的経緯を整理し, 特にイギリスの事例からその効果と課題の整理・考察を行なった. そして日本の現状について調査・分析を行ない, さらに学校, 行政, 保護者等の意識調査を行なった. これらの結果を踏まえてまちづくり学習のあり方に対する提案・考察を行なうと伴に, 今後の課題について明らかにしたものである.
  • 環境コンフリクト解決に向けたノルウェーの試みを中心に
    谷口 守
    1999 年16 巻 p. 69-76
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、多くの先進諸国では、環境問題への対応、合意形成プロセスの配慮、地方分権化の進展といった様々な今日的な課題に対し、行財政改革問題や組織の縦割り問題を睨みながら、プランニング制度を改変していくことで対応することが求められている。本論文では先鋭的な試みが続けられているノルウェーを対象に、1) 中央と地方の関係、2) 行政部門間の関係に着目し、環境コンフリクトの効果的な解決につながるプランニング制度を展望した。研究結果より、地方計画において「地方ルール」が実質的に「国のルール」より先行しているケースや、行政部門間の垣根を無くして計画を行うことの限界を具体的に明らかにすることができた。
  • 谷本 圭志, 榊原 弘之, 岡田 憲夫
    1999 年16 巻 p. 77-83
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    流域での水利用に対する要請は量的な側面に加え質的な側面が加わっている. これに応えるために, 流域を一体とした, とりわけ上流と下流の協力関係の構築を基にした水資源計画が求められている. どのような協力関係が構築されるかは協力関係の形成に伴う費用の配分に依存しているため, 配分ルールをいかに設計するかが大きな関心となる. このため, 配分ルールのもとでどのような協力関係が構築されるかの分析が必要となる. 流域内の特徴として上流と下流のカスケード性があり, これは一種の外部性と捉えることができる. そこで本研究では, 流域の水利用システムを対象として, 外部性がある場合の提携の自発的形成問題をゲーム理論により検討する. その結果, 費用配分ルールとしてMyersonのルールを正の外部性がある場合に適用した場合, 劣加法性の下において必ずしも完全グラフが形成されないことが明らかになった. さらに, 本研究では正の外部性と負の外部性が生じる二つの異なった代替案の選択に関する意思決定を伴う提携形成問題をモデル化し, 協力構造の安定性の判定基準を提案した.
  • 足利市を対象として
    福島 二朗, 為国 孝敏, 中川 三朗
    1999 年16 巻 p. 85-92
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    わが国では、明治維新を契機として、近代資本主義国家の建設が進められた。そのため、現在の地方都市の多くは、明治期の近代化政策の影響を受けながら、都市骨格形成の基礎が確立されたとも考えられる。しかしながら、従来交通施設の整備過程は着目されるものの、こうした地方都市の発展を支えたであろう輸送システムの成立過程については解明されていないことが多い。
    本研究では、栃木県足利市の陸運輸送に着目し、封建体制下での輸送システムから近代的な輸送システムの成立に至る展開過程について解明することを目的とした。
    その結果、従来知られていなかった足利地域の陸運会社の資料が発掘され、その資料を分析することによって、近世から近代の移行時期における足利地域の輸送システムの実態を解明することができた。
  • 実験データの再現性検討と高速道路トンネル坑口の評価
    飯田 克弘, 森 康男, 金 鍾旻, 池田 武司, 三木 隆史
    1999 年16 巻 p. 93-100
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究ではトンネル進入部における運転者の運転行動を調査するため, バーチャルリアリティ技術を応用して, 高速道路の擬似走行体験や運転行動データの収集が可能なドライビングシミュレータを開発した. そしてドライビングシミュレータ用いた室内実験で得られる運転者行動データの再現性および実験方法について検討した. その結果, 速度・アクセル使用量・注視点・トンネル進入時の速度低下について, その再現性をある程度確認することができた. さらに, トンネル坑口を変更したトンネル進入部の代替案を作成し, トンネル坑口形状と運転者行動との関係を分析した.
  • 榊原 弘之, 岡田 憲夫, 多々納 裕一, 五十部 渉
    1999 年16 巻 p. 101-111
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    水資源開発事業のように, 複数の事業主体が共同で実施する社会基盤整備においては, 事業費用や事業によって各主体に帰着した便益をどのように配分するかが問題となる. しかし, 費用に比べ便益の算定には各主体の有する情報を必要とすることが多い. 帰着している便益が大きいと判定された主体が大きな額を負担する受益者負担ルールの下では, 主体に自らの便益に関する情報を偽ろうとするインセンティブが生じる. 本論文では複数主体による社会基盤整備で便益に関する情報を各主体のみが有している状況下で, 情報の自己表明に基づいた純便益配分を実施した場合の効率性について, ゲーム理論を用いて検討する.
  • 福山 敬, 塩飽 研二
    1999 年16 巻 p. 113-119
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    環境規制が長期的に有効であるためには, その規制の下で被規制主体が自主的に環境に排出する汚染物を削減する技術改善のインセンティブを持つ必要がある. これまでに, 環境技術を所与とした規制の短期的問題である被規制主体による現存規制の遵守という問題については多くの研究蓄積がある. 一方, その規制が被規制主体に, より高度な環境技術を導入・開発する誘因を持たせるという規制の長期的問題に関してはほとんど研究がなされていなかった. 本研究では, 被規制主体として企業主体を取り上げて, 企業がより高度な環境技術を導入・開発するインセンティブと規制主体である政府の環境規制のレベル関係をモデル分析により明らかにし, 長期的に有効な規制方策のあり方を明らかにする.
  • 藤原 章正, 杉恵 頼寧, 原田 慎也
    1999 年16 巻 p. 121-128
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は交通日誌データに含まれる無回答に伴うバイアスを緩和するための方法について検討することを目的とする. アイテム無回答とユニット無回答を含む仮想データのバイアスを修正するため, 本研究ではEMアルゴリズム法を採用する. 仮想データを用いた分析の結果, 変数間の相関が強い場合にアイテム無回答に伴う変数の平均値および分散と交通需要モデルの推定パラメータのバイアスの改善にはEMアルゴリズムの適用が有効であることが確認された. また実データを用いて交通需要モデルを推定し従来のImputation法との比較を行った結果, EMアルゴリズム法が有効であることが確認された.
  • メフメット・アリ・ ツンチェル, 栗野 盛光, 小林 潔司
    1999 年16 巻 p. 129-138
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では交通ネットワーク形成による都市システムの進化過程に関するシミュレーション実験を試みたものである. 政府がネットワークの逐次的な形成過程を費用便益分析で決定した場合, 都市システムが大都市を中心とする都市システムに進化するとともに, 地理的な条件だけでなくネットワークの投資順位が都市システムの構造形成に本質的な役割を果たすことを示している.
  • 上田 孝行, 長谷川 専, 森杉 壽芳, 吉田 哲生
    1999 年16 巻 p. 139-145
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年の財政の逼迫を背景に、公共投資の判断基準として費用便益分析を適用する必要性が高まってきている。しかし、伝統的な費用便益分析では効率性基準のみに基づく評価しか行い得ない。そこで本研究では、費用便益分析に地域修正係数の概念を導入することにより効率性と公平性の双方を考慮しうる費用便益分析手法を提案する。地域修正係数は地域間公平を考慮して便益を割り増す係数であり、社会的厚生関数から理論的に導出できることを示した。また、全国の都道府県、市区町村の地域修正係数を実際に試算することにより、本手法の簡便性、実用性を示し、かつ、実際的導入に向けての原案となる地域修正係数の数値を示した。
  • 鈴木 聡士
    1999 年16 巻 p. 147-154
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    AHPの絶対評価法は、ある絶対的評価水準を設定し、それを被験者に評価させることによってその重み付けを行う。そして、このウエイトによって各評価要因に対する各代替案の評価を行う方法である。これは、相対評価法に比べて被験者の負担を軽減することが可能である。しかし、この方法においても、絶対的評価水準の重み付けのプロセスにおいて、まだ煩雑性が残こされている。そこで、本研究ではこの絶対的評価水準に着目し、精神物理学の観点から評価水準のウエイト理論を構築した。そして、この理論から得られる意味論的なウエイトを各評価水準に設定し、被験者の負担を一層軽減することが可能な意味論的評価法を新たに提案した。
  • 高橋 卓也, 岸 邦宏, 佐藤 馨一
    1999 年16 巻 p. 155-160
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    危険を伴うような観光地において、観光振興と安全性とは相反するものである。とかく観光によって生計を立てている住民と、安全性を考慮する必要のある行政では、意見の一致は難しい。
    本研究では、観光客、行政、住民のそれぞれの立場からの考えを明確化し、同時にANP (Analytic Network Process) を用いて、危険の伴う観光地のこれからの方策について検討を行うものとする。
  • 寺部 慎太郎, 屋井 鉄雄, 関 健太郎
    1999 年16 巻 p. 161-166
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、様々な公共事業に対する批判が高まり、それによって交通基盤整備プロセスのより上流側である計画段階におけるパブリック・インボルブメント (PI) の必要性が認識されている。特に長期で広域の交通計画は市民の関心を得ることが難しく、その様な交通計画策定の際のPIの意義と進め方の検討が求められている。本研究では長期交通計画に対する市民の参加意識について調査を行い、地域活動を盛んに行っている市民はPIプロセスにも積極的に参加する可能性が高いが、逆に普段よりあまり関わりたくないと感じている人々でも意識調査のような個人を対象にした手法を用いることで、意見を提出することが可能になるということを明らかにした。
  • 紀伊 雅敦, 土井 健司, 井橋 英蔵
    1999 年16 巻 p. 167-172
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    中心市街地における商業集積の成長・衰退の構造は多様であり, 影響要因は非単調性を有する可能性がある. 本研究では, 現象構造の仮説を論理式として与えるGKTの拡張として, ANNから非単調性を表現しうる論理式の獲得手法を開発した. この手法を用い東京都区部における近隣型, 地域型商業地の成長衰退に関する構造分析を行った. その結果, 複数の構造が得られ, 地域型の商業地についてはいくつかの非単調な影響を与える要因が存在することが捉えられた.
  • 酒井 弘, 東 徹, 西井 和夫, 中村 嘉次
    1999 年16 巻 p. 173-180
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 奥村 誠, 塚井 誠人
    1999 年16 巻 p. 181-186
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    休日の余暇活動需要が多様化する中で, その的確な予測手法が求められている. しかし, 休日の余暇活動は周期性や再現性に乏しく, 発生段階が様々な条件の影響を受けるので明確な法則性が確認しにくい. 本研究では, 平日の生活パターンと休日の余暇活動を一体的に観察し, その背後の平休日の時間利用に関する評価構造を, 共分散構造分析手法を用いて分析した. その結果, 生活の総合満足度に対しては家庭内の活動よりも外出が, また, 個人的な活動よりも家族での活動の方がより重要であることがわかった. したがって, 休日の外出をサポートする情報の提供や, 休日交通に関る施設整備, 平日における安心で静穏な環境の重要性が高まることが予想される.
  • 岸 邦宏, 内田 賢悦, 佐藤 馨一
    1999 年16 巻 p. 187-194
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    これまで交通運賃は原価主義で決定されることが多く、特に航空運賃について多くの人々が割高感を持ってきた。本研究は、利用者意識からみた運賃を評価する方法として、これまで商品の価格のマーケティングに用いられてきた価格感度測定法 (PSM) をもとにロジット型価格感度測定法 (KLP) を構築し、利用者の心理的評価を詳細に分析する方法を提案することを目的としている。本研究ではさらに航空機利用者を対象に東京-札幌間の航空運賃についてKLPによる調査を行い、既存の正規航空運賃に対する利用者全体の評価価格を明らかにした。
  • 喜多 秀行, 坂田 裕彦, 吉村 晋
    1999 年16 巻 p. 195-200
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 運航補助の根拠を“利用者相互間の外部経済”がもたらす均衡状態と社会的最適状態の一致に求め, 運航補助が妥当性を有する場合があるか否かを検討した. このために, 航空企業と利用者の行動を内包した航空ネットワークモデルを構築し, 航空旅客サービスの改善がもたらす地域別厚生水準の評価指標を定式化した. サービス改善方策として請願フライトを取り上げ, 数値実験により成立可能性を検討した結果, 条件によっては請願フライトの成立が可能であるとの結果を得た. また, 請願フライトの相手都市を適切に選び, 双方の都市で運航補助の共同負担を行うことにより請願フライトの実現可能性を高められることも明らかになった.
  • 小池 淳司, 上田 孝行, 冨田 貴弘
    1999 年16 巻 p. 201-206
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    高齢化は現代先進国を特徴づける現象である。特に我が国における高齢化の進行速度は世界各国の中でも最も急速であり、今後、高齢者対策としての社会資本整備は必要となってくるであろう。このような整備は高齢者に便益が帰着するが、負担はそれ以外の人々にも関わってくる。そこで、本研究では、世代重複を考慮した立地選択モデルを構築することにより、高齢者対策としての社会資本整備が国土構造に与える影響を分析した。
  • 四川省と安徽省の農村部における調査報告をもとに
    呂 兆新, 平井 松午, 山中 英生, 近藤 光男
    1999 年16 巻 p. 207-215
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    1990年代の中国における人口移動が社会全体に様々な影響をもたらしている中, 出稼ぎ労働者の送出地としての四川・徽両省を取り上げて, 農村地域における労働力移動が農業経営や農家自身にもたらしたインパクトの解明を試みた. 結論として, 農村労働力移動は現時点では, 結果的に内陸農村の経済発展に寄与しているものの, 出稼ぎ農家一非出稼ぎ農家間, あるいは同地域における先進地区-後進地区間の農家収入の格差を拡大させている. こうした収入格差がさらに拡大した場合, 出稼ぎを伴う高収入農家は将来的に農業を放棄し, 都市部への挙家型移動を行うことも予想される.
  • 小池 淳司, 上田 孝行, 三浦 光俊
    1999 年16 巻 p. 217-224
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    高等教育や研究開発 (R&D) は人的資本の形成過程であり、地域開発の視点からも一層重要性をおびている。また、高等教育機関への進学は若年層の地域間移動の最大の要因といわれ、都市間の人口分布構造を大きく左右する。現在の東京一極集中も、このことが要因の一つであると言われている。社会資本投資としての教育制度の分析は教育経済学の分野で発展し、研究がなされているが、既往の研究において空間的なモデルへの拡張は殆ど行われていない。そこで、本研究では人的資本を考慮した2都市2世代の都市群モデルを構築し、教育投資によりどのような人口分布が実現するのか、また、人口集中是正のための教育投資のあり方について検討を行った。
  • 佐々木 恵一, Noriel Christopher C. Tiglao, 田村 亨, 斎藤 和夫
    1999 年16 巻 p. 225-230
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    マニラ首都圏の人口は地方部からの人口流入によって、1980年の592万人から1995年には945万人へと増加した。現在、この人口増加はスコッター地区やスラム街の拡大を引き起こし、深刻な環境問題となっている。土 地利用政策による人口誘導のための既存の都市モデルは、開発途上国特有のデータ欠如への配慮が為されていなかった。そ こで本研究はマニラ首都圏の1986年、96年における土地利用データを用いて土地利用と人口の空間的分布について分析する。
  • 青木 俊明, 稲村 肇, 中川 隆
    1999 年16 巻 p. 231-238
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は産業構造と人口移動との関連と人口増加に大きな影響を及ぼす産業構造を明らかにすることを目的としている. FSM法という構造化手法を用いて, 人口成長状態の異なる地域毎に産業の構造化を行った. その結果を地域間・時系列比較を行うことにより, 人口増加に影響を及ぼす産業構造について検討した. 産業構造の分析において, 商業・サービス業及び産業構造の複雑さといった点に注目した. その結果, 1) 商業またはその他サービス中心の産業構造, 及び, 2) 一定以上の規模と複雑なネットワークを有する産業構造であること, が社会増加を促す産業構造であったことが分かった.
  • 神戸市東灘区東部地域を対象として
    堀切 真美, 小谷 通泰, 五十嵐 寛明
    1999 年16 巻 p. 239-246
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    阪神・淡路大震災では、12万3千棟にものぼる建物が到壊したが、被災建物の再建実態を継続的に把握することは、被災地での復興の進捗度を計るとともに再建過程で現れる様々な問題点や課題を明らかにする上で重要である。そこで本研究では、筆者らが神戸市内の一地域を対象に実施した定点調査および被災住民への意識調査結果をもとに、震災後3年間にわたる再建過程、ならびに被災建物の再建建物の特徴や震災空地の利用実態について明らかにし、建物再建を遅延させている要因について考察することを目的としている。
  • 宅地開発における公園配置
    花岡 伸也, 稲村 肇
    1999 年16 巻 p. 247-254
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は公園のような都市施設の配置問題を組合せ最適化問題と位置づけ, 等式制約を緩和した準最適化モデル (Hopfieldモデル) の, 大規模問題に対する実用性を検証したものである.最適化問題として, 土地分級結果の総和の最大化という観点から, 宅地開発における公園と宅地の配置問題を誘致圏の概念を含めて定式化した. ただし大規模問題において, 等式の面積制約条件はHopfieldモデルの収束性に悪影響を与える.その問題解決のため, 緩和した等式制約をモデルに応用した. 大規模問題での実験の結果, 本モデルは精度の良い近似解を実用的な時間内に得ることを示し, その有効性を実証できた.
  • 瀬口 哲夫, 河合 正吉
    1999 年16 巻 p. 255-263
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、名古屋市の中川運河を対象事例とし、大都市における運河がその役割を変化した場合、周辺の土地利用にどのような変化を与えるか、さらに、これに対応した計画の変化を明らかにする。中川運河は、運河の整備とその後背地の整備により、工業開発を目的として整備されもので、その周辺地区は、主に工業地域に指定された。以降中川運河周辺地区は運河を利用した原材料の搬入などを行う工業地帯として発展した。戦後モータリゼーションの発達などにより、運河の機能は著しく変化し、新しい土地利用計画が定められ、新しい使い方が模索されている。
  • 山形市を例にして
    津田 栄治, 稲村 肇
    1999 年16 巻 p. 265-272
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 行政機関の移転が周辺地域の都市機能立地に与える影響を実証的に分析することにより, それに随伴して移転する都市機能を抽出することを目的としている.行政機関の移転実例として, 山形県庁に着目し, 周辺地域の都市機能立地変化を固有名詞ベースで調査し, さらに県庁来庁者の特性を把握するためのアンケート調査を行うことにより, その影響を検討した.その結果, 県庁移転直後に, 政党県本部, 外郭団体が, 次に大手建設会社, 保険会社, 建設コンサルタント, 新聞 (建設業界新聞), そしてある程度の都市規模に達した時点で事業サービスが立地すること, その中で新聞 (建設業界新聞), 外郭団体, 事業サービス, 金融・保険・不動産, 大手建設会社の順に県庁随伴移転可能性が高いことが分かった.
  • 相浦 宣徳, 佐藤 馨一, 唐澤 豊, 角田 直登
    1999 年16 巻 p. 273-278
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文はハード面からの社会的物流インフラ配置問題解決の第1歩として、ある企業において現実に提示されている物流センター立地問題の解決、並びに多段階物流センター最適立地問題の解法の確立を目的としたものである。すなわち、輸送コストをベースとした多段階物流センタ-立地選定モデルの開発を行い、さらに製品在庫の持ち方、各物流センタ-拠点候補地における人件費、地代家賃等から発送管理費、在庫維持費等のセンター運営費を考慮した多段階立地選定モデルへの発展を図った。今後、本モデルをベースとして広域エリアにおける供給地、セントラル・ハブ、ローカル・ハブ等の社会的ハブの最適化問題へと発展させ、社会的インフラとしての最適ハブシステムの研究に取組む予定である。
  • 武藤 慎一, 上田 孝行, 稲垣 貴政
    1999 年16 巻 p. 279-287
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年, 環境問題への関心が高まるにつれ, 自然との接点を潜在的に多く持つ農村部の価値が高まってきており, その農村部の活性化を考えた地域政策に対する議論が盛んになっている. そのような政策を評価するためには, 都市部と農村部を明確に区別し, それらの相互作用を視野に入れた議論が必要となるであろう. その中でも, 農村地域の有する多面的機能が外部効果として様々な影響を与えている点が重要となってくる.そこで, 本研究では農村一都市という地域特性を考慮した社会経済モデルを構築し, 現在考えられている地域政策の有効性の議論を行なった. さらに, 都市と農村間での便益帰着における公平性の問題に対しても, 便益帰着構成表を適用した評価を試みた. また, 数値シミュレーションにより, 農村と都市間の交通改善政策の便益計測による有効性の検討とともに, 交通改善政策が地域格差是正にはあまり効果がないといった指摘に対し, 外部効果の存在が理由の一つであることを明らかにした.
  • 片田 敏孝, 浅田 純作
    1999 年16 巻 p. 289-295
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市近郊の田園地帯では蚕食状の住宅開発が進み、各地で混住化社会の形成が見られる。このような混住化社会においては、新旧住民の間に種々の葛藤や軋轢が生じやすいコミュニティが形成されることが多く、この軋轢は住民の地域に対する「住み良さ感」に大きな影響を与えていると考えられる。本研究では、こうした混住化社会を対象として、住民が抱く地域の住み良さ感の形成構造を検討する。この検討において、地域の住み良さ感が、社会基盤がもたらす居住利便性への評価と地域コミュニティに対する評価から形成されると仮定した分析を行った結果、地域コミュニティに対する評価が、より地域の住み良さ感に影響を持つことを明らかになった。
  • 近藤 光男, 花岡 憲司, 廣瀬 義伸, 青木 聡
    1999 年16 巻 p. 297-304
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、住民の買物行動を買物消費額の流動によってとらえ、地方圏において市町村間の品目別の買物消費額流動や商圏がどのように変化しているのかを明らかにした。また、買物消費額の流動モデルを用いて、買物消費額流動に及ぼす影響要因とその変化の分析も行った。その結果、日常頻繁に購入する品目においては、主に自市町村内で買物が行われていること、買回り品から高級品になるほど地域の核となる市町で買物が行われる傾向が強くなることがわかった。また、モデル分析により、年次的な変化とともに、購入先の魅力度の違いから受ける影響、時間距離の長短から受ける影響は、ともにより小さくなっていることも明らかにされた。
  • 栃木市のシンボルロード事業の事後評価
    佐野 薫, 畑中 克好, 永井 護
    1999 年16 巻 p. 305-312
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    住区内の街路事業の事後評価研究は, 道路機能の視点から評価しているものが多いのに対して, 本研究では, 中心市街地の活性化に焦点を当て, 次に示す3つの観点から大通りシンボルロード事業と蔵の街並み修景要綱について事後評価する. 1つ目は道路機能と街並み形成からみた大通り周辺整備事業の効果, 2つ目は基本計画の目標である活性化に関する大通り周辺整備事業の効果, そして3つ目は基本計画の内容を住民との合意形成を図りながら進める上での街路事業の役割である. また, 計画段階・実施段階・供用段階の各事業プロセスごとにインパクトを計測し, 大通り周辺整備事業の合意形成機能について研究する.
  • セントラルマンチェスター都市開発公社の場合
    岩本 直
    1999 年16 巻 p. 313-318
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    英国のセントラルマンチェスター都市開発公社 (以下、MC) の事業は以下の3点に特徴がある。第1にMCはTMOに比べ業務と権能の範囲が広範囲なものになっている点である。権能について具体的には、MCはTMOと違い補助金交付、開発許可権限の権限を保有していることがあげられる。第2にMCは民間事業者の資金力、能力をより有効に活用することを踏まえた補助金の交付を行っている点である。第3にMCによる貢献が非常に高い事業分野が存在することである。
  • 川除 隆広, 多々納 裕一, 岡田 憲夫
    1999 年16 巻 p. 319-326
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 従来平均値主体で評価がなされてきた環境プロジェクトの推計便益に関する信頼性の評価手法として, CECVM (Closed-ended Contingent Valuation Method) による推計便益の信頼区間について解析的な直接推定法を提示するものである. ここでは, 支払意思額の異質分散性を考慮した推計便益の推定量を定式化することで, 個人の支払意思額平均値の信頼区間および支払意思額母平均の信頼区間を直接的に推計する2つの信頼区間推定法を提示している. また, モンテカルロ法による仮想的な数値実験を行うことで, パラメータの推計精度と支払意思額の信頼区間との関連性について考察を行っている。
  • Yaeko YAMASHITA, Andre DANTAS, Pastor TACO, Koshi YAMAMOTO
    1999 年16 巻 p. 327-332
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    This paper presents a new methodology in order to give support to analyse the cyclist routes using a Geographical Information System (GIS) and Remote Sensing (RS). This methodology focus some specific cyclist travels characteristics that usually can not be considered by the measure difficulties. The topological elements such as land slope are identified from digital terrain model defined using GIS. These variables are considered in the definition of the cyclist route. In this context, GIS plays a fundamental role, fulfilling the gap of the transportation models.
  • 山口 健太郎, 多々納 裕一, 田中 成尚, 岡田 憲夫
    1999 年16 巻 p. 333-340
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    災害危険度に関する情報とは、都市内の位置と災害時における被害の程度を関連付けて参照できるようにしたものである。このような情報の提供は、防災上危険な地域に対する家計の立地選択を抑制することによって、防・減災の観点から望ましい土地利用に資する可能性が高い。本研究では、人命を脅かすほど甚大な被害を及ぼす災害を対象とした災害危険度情報の有無に関する家計の立地行動をモデル化し、災害危険度情報の提供効果を分析する。その上で、情報提供が効率的であるための条件を考察することを目的とする。
  • 村木 康行, 高橋 清, 家田 仁
    1999 年16 巻 p. 341-348
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、現行の幹線交通ネットワークにおける弱点箇所、整備優先箇所を把握することを目的として、地震の発生が交通ネットワーク及び交通流動に及ぼす影響を予測するモデルを構築した。本モデルの特徴は、各トリップの代替交通機関への転換やトリップ取りやめの可能性を考慮している点、交通流動が被る損失を貨幣タームで算出できる点である。さらに、地震が日本各地で発生する可能性を考慮したシミュレーションを行い、各リンクの途絶リスク、交通量の変動、リンクの途絶が交通流動にもたらす時間的・金銭的ロス等について現行ネットワークの耐震信頼性を評価した。その結果、災害時の交通流動変化の傾向が把握でき、東海道新幹線や東名高速道路、兵庫県湾岸の高速道路等がネットワーク上の弱点箇所であることが明らかになった。
  • 二神 透, 木俣 昇, 和田 修司
    1999 年16 巻 p. 349-356
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、はじめに都市直下型地震における車両火災の危険性を指摘し、火災実験より得られた知見を整理した。その結果、車両の延焼危険性は、市街地火災からの輻射熱による影響が大きい点に着目し、実験データから炎上車両輻射熱算定、着火算定、延焼時間算定式を提案し、車両炎上火災を考慮したシミュレーション・システムを構成した。最後に、適用事例を通して、車両の配置状態によって、道路の防災機能の役割が大きく異なることを指摘することができた。
  • 渡辺 義則, 許斐 敬史, 高村 貴洋
    1999 年16 巻 p. 357-363
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    道路沿線の減音対策として、車道部端に低い壁を設置することが考えられている。筆者らも、商店があるB地域で、アクセス機能を重視した道路沿線において、5dB程度の減音を得るのに有効な対策ではないかと考え検討してきた。本研究で得られた結果を以下にまとめて示す。
    (1) 車道部端に低い壁を設置することによる減音量を理論的に計算する方法を、本論文中の2.に示した。そして、人、自転車、車の出入のための開口部の有無にかかわらず、低い壁の減音量をこの計算方法で比較的精度良く求められることを、実車走行実験により検証した。
    (2) 受音点の高さ1.2m、車両が最も近い車線を走行する場合を想定して、2. に示す方法を用いて低壁の効用を検討した。その結果、開口部が1.5-6.0mあっても、開口部がない時の減音量からの低下は比較的小さいこと、また、高さ0.9mの低壁を設置すれば、開口部の近辺を除いて、約5dBの減音が可能であること、つまり、B地域の減音対策としての有効性が認められた。
  • 徳永 法夫, 西村 昂, 谷口 与史也, 宮原 哲
    1999 年16 巻 p. 365-370
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    道路交通振動に対する水平方向防振対策の適用範囲と、その効果を定量的に把握することを目的として、質点モデルを用いて動的解析をおこなった。パラメータ解析結果では、家屋の固有振動数と地盤の卓越振動数の組合わせによって、防振対策の効果が異なることがわかった。また、質量比2%程度のTMD設置によって、多くの場合、増幅量を2~7dB 低減できること、あるいは、水平方向剛性を2倍に上げれば家屋振動を10dB程度低減できる場合があることなどが分かった。これらの結果から、シミュレーションによる防振対策の効果予測が重要であるといえる。
  • 小池 則満, 秀島 栄三, 山本 幸司
    1999 年16 巻 p. 371-376
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    災害時の傷病者搬送活動の計画策定にあたっては、長時間搬送によって生じる傷病者への負担と集中搬送による医療機関の混乱を評価指標とすることが必要と考えられる。そこで、傷病者搬送の一般的なフローを示した後に、「搬送リスク」と「医療混乱リスク」の定量化を試みるとともに、航空機事故を想定したケースステディによって、両リスクの関係を明らかにした。さらに両リスクを用いて、空港周辺のインフラ整備が傷病者搬送活動に与える効果の測定を試み、特に道路整備によるリスク低減の可能性を示した。
  • 関根 淳, 小川 好
    1999 年16 巻 p. 377-386
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    この論文は, 関東地震規模の地震により東京23区全域が被災したという想定にもとづいて, 飲料水など水の制約や食料の制約, 生活必需品の制約を主な発生要因とする交通需要と, がれきの撤去に関連する交通需要を推定したものである。社会生活上の制約に起因する推定交通量は, 地震発生当日が約17万台, 2日目が約12万台, 1週間目が約31万台である。その推定値の約60%が自宅生活者の食料確保に起因する交通需要である。また, 推定された発生または集中交通量を, 起終点間の往復2トリップの生成交通量と仮定すると, 東京都区部の平日内々トリップと比較して, それぞれ約10%, 約7%, 約21%に相当すると推定される。
  • 有村 幹治, 上西 和弘, 杉本 博之, 田村 亨
    1999 年16 巻 p. 387-392
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    限られた予算制約の中で効果的な除雪実施位置を把握することは重要な課題である。本研究は、大規模道路網を対象とた最適除雪実施道路モデルを構築することを目的とする。そのため本研究ではドライバーの除雪による経路変更の有無を慮し、遺伝的アルゴリズムを用いた除雪位置最適選択モデルの構築を行った。また札幌都市圏道路網を対象として構築しモデルにより最適な除雪路線網の探索を行った。結果、提案したGA手法の有効性が確認された。
  • 横松 宗太, 小林 潔司
    1999 年16 巻 p. 393-402
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    人命の損失が一度生じれば, 再びもとの状態に戻ることは不可能である. また, 災害リスクは時間を通じて常に存在しており, 人間の行動のあらゆる局面にそのリスクが介在している. 本研究では家計的・生理的リスクと災害リスクという2種類の非可逆的リスクに直面している家計の長期的な消費行動モデルを定式化するとともに, 防災投資による災害リスクの軽減が家計の長期行動に及ぼす影響を分析する. さらに, 防災投資による災害リスクの軽減の経済効果を計測するための方法論を提案する.
  • 森杉 壽芳, 林山 泰久, 丹野 智之, 高木 朗義
    1999 年16 巻 p. 403-409
    発行日: 1999/09/20
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 過去に定義された不確実性下での便益定義の理論に基づき, 同一のケース・スタディを通してそれらの定義による便益を算出し, これらの便益定義の計量比較を行った.さらに, その便益の地価への帰着分とも比較検討を行い, これらの実用性を定量的に検討した.その結果, いずれの便益定義においても費用便益比は1を越え, 地価の変化分を指標とした値をヘドニック・アプローチ的な便益指標としてとらえると各種EVによる便益はその約1.2-1.4倍程度と算出され, いずれの便益定義を用いても大きな差が認めらず, 何れの便益定義においても近似的に一致することが定量的に示された.
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