土木計画学研究・論文集
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17 巻
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  • 北河 大次郎
    2000 年 17 巻 p. 1-13
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 松井 寛, 藤田 素弘
    2000 年 17 巻 p. 15-28
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 群馬県新田町の都市計画マスタープラン作成プロセスを事例として
    伊藤 将司, 柴田 貴徳, 青島 縮次郎
    2000 年 17 巻 p. 29-36
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では第一に、視覚的情報によって形成される「感じのいい都市」のイメージ形成要因を実験的に把握整理した。また第二には、個々人の潜在意識レベルでのイメージ共有化の前段となる、個人の持つイメージの再編プロセスの研究を行った。そして第三に、心理学の潜在意識把握手法 (P-Fテスト) を援用した個人的潜在意識の把握及び、合意形成後の意識情造の把握を行った。これらの基礎的研究によって得られた知見を整理しつつ、個人的潜在意識レベルでのイメージ共有化手法のための方向性を提起した。
  • 宮本 善和, 道上 正規, 喜多 秀行, 檜谷 治
    2000 年 17 巻 p. 37-46
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、流域連携による水環境保全のあり方を見出すため、まず水環境に関連する住民活動の実態を既存統計資料の整理・分析から把握した。そして、確認された活動内容から、数量化理論3類とクラスター分析で活動の傾向を分析するとともに団体を7タイプに類型化した。次に、流域連携のテーマとして「川づくり」と「水環境管理」の2つを設定し、役割連携の観点からこれらに関連する諸活動をISM法で構造化し.考察を行った、その結果.活動団体.河川管理者、地方自治体、専門家、企業、一般住民の役割の構造が明確になり、段階的な役割連携の有効性が明らかとなった。また、流域連携を促すための課題点と対処の方向性について言及した。
  • 青山 吉隆, 松中 亮治, 鈴木 彰一
    2000 年 17 巻 p. 47-55
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、歴史的文化財の有する総価値の計測を行う上で、CVMと選好顕示法を組み合わせて用いることにより、その信頼性の向上を測ることが可能であると考え、顕示選好による計測結果を利用できるような形で、CVMを実施した。すなわち、CVMにより歴史的文化財の総価値利用価値比を推計し、旅行費用法による計測結果と組み合わせることにより歴史的文化財の総価値を計測した。
  • 白柳 博章, 青山 吉隆, 中川 大, 松中 亮治, 野村 友哉
    2000 年 17 巻 p. 57-66
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、都市間交通プロジェクトの便益計測を行うため、都市間の交通利便性を表す指標である一般化費用を定義した上で、算出に必要なデータベースの構築ならびに算出システムの構築を行った。次に、全国の地点の地価を推定する時空間的波及構造を考慮した地価モデルを構築し、地価指標による便益計測システムを構築した。そして、モデルの推定精度という観点から推定地価が過誤を起こす確率を理論的に導出した上で、大規模交通プロジェクトにおいてもSma皿条件が成立していることを示し、明石海峡大橋と紀淡連絡道路をケーススタディとしてモデルの有意水準を考慮した便益計測を行った。
  • 喜多 秀行, 坂田 裕彦, 谷本 圭志
    2000 年 17 巻 p. 67-74
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 同一方向を結ぶ複数の路線をとりまとめて需要を集約する運航形態 (路線バス型フライト) を導入することにより, 需要規模がさほど大きくない都市間の航空路線を維持・開設する方策を検討したものである. 航空会社と利用者の行動モデルを用いて路線の維持・開設可能性を分析した結果, 路線バス型フライトの導入によって状況を改善できる場合があることが明らかとなった. また, 路線自体では採算がとれないが航空企業の総利潤の増加に寄与し, 維持・開設可能となる場合が存在することが明らかになるなど, 路線と運航頻度の充実により航空サービスの改善を図ろうとする地方自治体に, 新たな可能性を見出すためのひとつの方法論を提案した.
  • 張 澤永, 青山 吉隆, 松中 亮治, 栗林 大輔
    2000 年 17 巻 p. 75-82
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、所要時間短縮のみならず鉄道サービス水準向上による効果を表すことが可能な2つの広域アクセシビリティ指標を提案する。具体的には、鉄道リンクの属性を取り込むことによって、既存の都市鉄道ネットワークの結びつき強化などの効果も考慮することが可能なネットワークアクセシビリティ指標と、鉄道利用者の効用に着目することにより、利用者の身体的疲労や心理的負担を表すことが可能であるユーティリティアクセシビリティ指標である。さらに、韓国・日本における鉄道整備をケーススタディとして取り上げ、新しい広域アクセシビリティ指標を用いて地価関数の推定を行なったうえで、ヘドニックアプローチの考え方から便益を計測する。
  • 江上 雅彦, 篠原 修
    2000 年 17 巻 p. 83-88
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    木曽三川の河口に立地する東海道の要衝であった城下町桑名は、昔から洪水の多い地域であり、城下町の設計では十分にその対策を考えたはずである。しかし現在の地形を見ると本丸は東海道沿いの町人地より低く、城下町研究の定説に合致しない。この矛盾を解明するために、本論文では限られた史料の中に隠されている有用な情報を読み取ることを考え、新たな分析方法として、正保絵図を用いた微地形復原を行なった。この分析によって城郭側と街道・町人地側の高低差について精度の高い比較ができ、実は城郭の標高は街道・町人地側より1.0m程度も高かったという結果を得た。これは城下町桑名の設計論理をより合理的に説明し得るものである。
  • 山崎 隆司, 坪田 卓哉
    2000 年 17 巻 p. 89-92
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では、鉄道整備プロジェクトのJR負担分について簡便な採算性確認方法とJR側負担比率の算出方法を研究したものである。従来よりJR負担分は採算の範囲内としているが、この算定にはプロジェクトの収支計算等に多大の労力と時間を要しており、簡便な方法が求められていた。
    JR側の負担比率は、プロジェクトごとにバラバラで法則性はないが、プロジェクトの毎年の増加収入を算出し、その約10倍がJR側工事費負担限度額となることを突きとめ、これを「10倍理論」と名付けた。また、理論的にも確認した。この理論は従来逐一計算しないと出来なかったプロジェクト評価を簡単に行うことのできる画期的な理論であり、極めて使いやすく、今後の活用が期待される。
  • 家庭ゴミ分別収集システムを対象に
    福山 敬, 高橋 良平, 喜多 秀行
    2000 年 17 巻 p. 93-98
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律 (容器包装リサイクル法)」の施行をうけて多くの地域で家庭ごみの分別収集システムが実行されつつある. 家庭ごみの分別収集システムは, 多数の協力がなければ, 協力者の努力は無に帰するという社会的ジレンマを構造的に含んでいる. 本研究では, このような市民の協力を基礎とした社会インフラ・制度として, このゴミの分別収集システムに注目する. そして, 各家庭が社会全体の協力状況を勘案しつつ, ごみ分別を行なう・行なわないという行動選択を行なうモデルを構築し, 市民全員による協力の可能性などシステムの実効性をモデル分析する. さらに, 家庭を対象に行なったアンケート調査から得たデータを検討し, 協力率などシステムの実効性の現状を求め、ごみ分別推進の方策を検討する.
  • 藤原 史明, 大江 真弘, 松中 亮治, 青山 吉隆
    2000 年 17 巻 p. 99-106
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、公共事業に対する関心が高まり、事業の評価手法に関する研究が進められている。このような状況の中で建設省では道路整備事業に対して「費用便益分析マニュアル (案)」を作成し、評価指標の算出方法を示しているが、道路利用者としての三便益のみを計測対象としている。そこで本研究ではマニュアル (案) で計測されていない効果のうち、特に住民の関心が高い快適性、安全性などの効果項目を定量的に評価する。その際、住民各個人の評価は個人属性によって異なると考え、個人属性別に分析を行う。さらに本研究で算出する便益とマニュアル (案) における便益額との比較を行うために、モデルケースを設定しケーススタディーを実施し検討する。
  • 吉田 長裕, 西村 昂, 日野 泰雄
    2000 年 17 巻 p. 107-112
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年の環境問題の中でも、都市特有の熱環境は様々な規模で問題を引き起こしている。特に夏季においては、日射によって高温になった道路表面が接地層付近の過度な大気温度の上昇をもたらしているため、歩行者や沿道居住者に対して様々な不快感を与えていると考えられる。
    そこで本研究では、道路空間の熱環境を把握するとともに、道路空間における外的条件の物理量の測定と歩行者への意識調査を実施し、これらの関連性を分析することによって、道路空間熱環境の評価とその改善策を得るための課題について検討した。
  • 対比較によるコンジョイント分析を適用して
    橋本 直樹, 桜井 慎一
    2000 年 17 巻 p. 113-118
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では環境創造のひとつである人工なぎさ造成に着目し, その整備に対する市民の価値評価をコンジョイント分析により把握した。その結果, 市民はレクリエーション重視の空間よりは生物生息環境を重視した整備を望んでおり, 1000円の税負担によるレクリエーション優先の造成政策よりも、5000円の税負担をしてでも生物生息環境を基盤とした造成政策を求めていることが明らかになった。これより, 今後, 都市沿岸域で人工なぎさの造成を進めていく際には, ある程度の費用負担を前提として生物生息環境を基盤とした整備に重点を置くことが望まれるといえよう。
  • 春名 攻, 滑川 達, 伊藤 壮央
    2000 年 17 巻 p. 119-128
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、大規模整地工事を対象として、指定された工期内で工事を完了することのできる工程案の中で最も費用が安価となる、現有の土工機械系の運用計画と作業スケジュールを求めることのできる工程計画の策定方法を開発した。そこでは、本研究でのこれまでの研究成果であるカットネットワークによる工程計画問題の変換方法を理論的基礎として、ここでの単位作業である各運土作業の同時実施状態として求められる各カットの状態を、土工シミュレーションモデルを導入してよりリアルな形で表現しながら、この同時実施状態 (カット) の時間的連続構造として求められるカットネットワークの径路探索を進めることにより、所与の目的を達成し得る計画案を導出することを試みている。
  • 冨田 安夫, 徳永 大輔
    2000 年 17 巻 p. 129-134
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    工事間土砂流用計画を立案するための手法として, 数理計画手法を用いた工事間土量配分モデルが開発されてきている. しかしながら, 建設工事の開始時期・工期・土量に関する不確実性を扱うことのできるモデルは, 見波・嶋津 (1988) のモデルを除いてほとんどなく, このモデルにおいても工事開始時期に関する不確実性を考慮しているに過ぎない. そこで, 本研究では, 見波・嶋津のモデルを拡張することによって, 工事開始時期・工期・土量の不確実性を考慮したモデルを開発し, 適用例を通して適用可能性について確認した.
  • 福本 潤也
    2000 年 17 巻 p. 135-143
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    分析者が集計化された統計情報を通じてしか分析対象とするシステムを把握できない状況では, 分析の信頼性が低下し, 分析結果に基づいた意思決定の妥当性が損なわれる危険性がある. 新規の統計調査の実施などを通じた統計情報の追加はこの問題を緩和することができるが, 統計調査の実施に費用がかかることを踏まえると, 両者を比較衡量可能な分析方法が望まれる. 本研究では, 集計された統計情報しか得られない分析者が, 分析対象とするシステム内部の状態に関する確率分布を, 観測された統計情報および分析対象とするシステムが有する均衡制約条件を考慮したうえで, 逆問題として推定する方法論を提案する.
  • 中島 卓也, 青山 吉隆, 松中 亮治
    2000 年 17 巻 p. 145-154
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    各自治体では、行政機構の効率化や、住民からの信頼の獲得、行政立案能力と行政遂行能力の向上を促す有効な方法として、行政評価に関心を寄せつつあり、様々な行政評価手法の中でも、自治体の行政活動に関する指標を分野別に分類した業績評価手法やベンチマーク手法が注目されている。しかし、これらの手法には、複数の指標を同時に把握するための指標の総合化に課題があるといえる。そこで、本研究では、包絡分析法と包絡分析法を応用したウェイト最適化法を用いた指標の総合化手法を提案し、全国47都道府県を対象に提案した総合化手法の適用を試みる。
  • 名取 義和, 谷下 雅義, 鹿島 茂
    2000 年 17 巻 p. 155-162
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、パーソントリップ調査の回答誤差 (トリップの抜け落ち) とその発生要因を明らかにするために、パーソントリップ調査とアクティビティ・ダイアリー調査を同時に実施し、その比較分析を行うものである。その結果、パーソントリップ調査におけるトリップの抜け落ち率はおおよそ20%であること、主に帰宅に関連したトリップが抜け落ちやすいこと、そしてそれらは回答者がトリップとして認識していないことから生じていることなどを示した。
  • オフィスにおける業務ミーティングプロセスを考慮して
    馬場 健司
    2000 年 17 巻 p. 163-168
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, オフィス業務において, face-to-faceコンタクト (交通行動) の前後におけるコミュニケーション行動を含むミーティングプロセスを考慮した枠組みの中で, 情報通信技術 (ICT) の持つ補完性, 代替性について分析した.その結果, 既存のICT (電子メール) が補完的によく利用されているのは事前の資料送付などであること, 現在face-to-faceで行っているミーティングを新しいICT (電子会議システム [EMS]) で代替するためには, そのメリットに関する意識向上の必要性が高いこと, そのためには, ミーティングプロセスにおける既存のICTの補完的な利用の向上が重要であることなどが明らかとなった.
  • 奥田 隆明, 森杉 雅史
    2000 年 17 巻 p. 169-177
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、商取引に伴う商品情報の収集を考慮するために、情報収集活動を行う情報部門を明示的に組み込んだ応用一般均衡モデルの提案を行っている。この応用一般均衡モデルの特長は、情報通信サービスの価格低下や新しい情報通信サービスの登場が、地域連関、産業連関を通して地域経済全体に与える影響を総合的に分析できる点にある。そして、このモデルを使って簡単な数値分析を行い、新しい通信サービスの登場により鉄道サービスを利用した情報収集から通信サービスを利用したものへと変化すると、地域間交易が活発化すると同時に地域分業が一層進展すること等が明らかにされる。
  • 柏谷 増男, 佐伯 有三, 二神 透
    2000 年 17 巻 p. 179-185
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 消防・救急サービスの高度化や財政難のため要請されている施設統廃合問題をそれに伴う救急サービス施設の配置問題として定式化し, 統廃合の可能性とそれに伴う救急サービスの空間的分布の変化等を考察した. 愛媛県中部地域3市12町村をほぼ1kmメッシュに区切り, 道路ネットワーク上でのp-median問題を解いた結果, 統廃合に際して施設の適正配置が必要なこと, 全域平均所要時間距離のみを指標値とした場合に施設数を現有の19から16に削減できるが, 周辺町村の大幅なサービスの低下が生じる, すべての市町村内で現状より2割以上にサービスを低下させないとの制約を設けると中心市での施設適正配置により1施設を削減し得ること等がわかった.
  • 上田 孝行, 小森 俊文, 森杉 壽芳
    2000 年 17 巻 p. 187-194
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は、交通改善に伴う便益計測手法において実務で一般的に用いられているMarshall-Dupuit型の消費者余剰 (MD) による計測が, より厳密な便益定義である等価的偏差 (EV) に対して, 十分な近似になり得るかを実証的に検証することを意図している. 本論文では, 既にMorisugi, Ueda and Leが提案している古典的消費者行動理論に基づく交通行動モデルを用いる. そして, わが国での地域間旅客流動等の実データを用いてパラメータを推定し, その上で, 交通改善に伴う便益をMDとEVによって計測し比較分析を行った. 限定的なケースではあるが, MDが十分にEVの近似として有効であることを実証している.
  • 高木 朗義
    2000 年 17 巻 p. 195-204
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    防災投資の便益を計測するためには, 災害の特性である不確実性, 地域性を捉える必要がある. 本研究ではこのことを念頭に置き, 現場で使用できる簡便な便益計測手法を提案するものである. 具体的には, 不確実性下において社会経済モデルを構築し, Non-Contingent EVで便益を定義してその帰着形を示すとともに, 市場均衡条件から便益のキャンセル特性を考慮したショートカット形を導出した. そしてそれを近似的にかつ簡便に計測できるショートカット法を提案した. また実際の治水事業を対象に便益計測の数値シミュレーションを行い, 近似的な値が得られることを確認した.
  • 相浦 宣徳, 佐藤 馨一, 唐澤 豊, 三添 幹人
    2000 年 17 巻 p. 205-210
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文はハード面からの社会的物流インフラ配置問題解決の第1歩として、ある企業において現実に提示されている生産拠点立地問題の解決、生産性を考慮した立地選定技法の確立を目的としたものである。すなわち、操業度の高水準化を図る生産能力への生産物量の割付け方法と既存の研究で問題とされる生産拠点への供給地の割付け方法の検討を行い、生産拠点及び各生産拠点に配備される機械設備により決定される生産費用と、生産拠点に割付けられた供給地の位置関係により決定される輸送費用のトレードオフから拠点立地を求める技法を確立した。今後、本モデルをベースとして広域エリアにおける供給地、セントラル・ハブ、ローカル・ハブ等の社会的ハブの最適化問題へと発展させ、社会的インフラとしての最適ハブシステムの研究に取組む予定である。
  • 谷口 守, 武嶋 哲史, 阿部 宏史
    2000 年 17 巻 p. 211-218
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    戦後わが国では、交通・情報インフラが整備され地域間の機会均等化が進められたが、その結果、都市活動の偏在が実際に解消の方向に向かい、地域間格差の緩和が実現したかどうかを実証的に分析した。分析においては、指標として産業活動の事業所立地数に加え、都市活動の情報発信面での活性度としてホームページの開設状況を分析データとして加えた。分析の結果、製造業については分散化が進んでいること、サービス業については逆に地域特化が進んでいることが示された。また、サービス業の業種によっては情報発信面で近年さらに一極集中化が生じていること、規模の大きい事業所の方が情報発信活動が活発であることなどが明らかにされた。
  • Fauzy AMMARI, 小川 圭一, 宮城 俊彦
    2000 年 17 巻 p. 219-228
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、2段階の医療施設配置問題のモデル化と、その解法の提案を行う。ここでは、上位の医療施設として大規模病院、下位の医療施設として医療センターを想定している。提案したモデルでは、施設配置問題と利用者の配分問題はそれぞれ異なる意思決定者の行動により定められる。施設配置問題については利用者の総移動距離の最小化に、利用者の配分問題については移動距離と施設容量に基づく個々の利用者の選択行動に基づくものとする。このモデルを、インドネシア・ハルマヘラ地区の交通ネットワークに適用し、施設配置問題における空間相互作用について論じる。
  • 藤村 秀樹, 溝上 章志, 柿本 竜治
    2000 年 17 巻 p. 229-236
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 国際空港の立地問題を取り上げ, これをゲーム理論を用いて分析したものである. ゲームにおいては, 経済的・社会的背景の異なる3都市を設定し, ゲームの外部環境を変化させることによるナッシュ均衡点の推移の状況から, 各都市の最適行動を予測した. 本研究により, 以下のことが明らかとなった.
    (1) 採算性を考慮しないゲームにおいては, 各自治体はあくまで自前の空港を建設しようと行動するので, 均衡点の形成には, 各自治体に空港建設の地元負担金とアクセスの採算性を認識させるのが有効である.
    (2) ゲームにおけるナッシュ均衡点の形成には, まず都市aと都市bが提携関係を樹立することが必要であり, 次にお互いのプレーヤーによる利得の分割による提携の強化が有効であることが確認された.
  • 小池 淳司, 上田 孝行, 宮下 光宏
    2000 年 17 巻 p. 237-245
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は、新幹線整備の評価のために旅客トリップを明示した空間的一般均衡モデルのフレームを構築した。 具体的に、企業における業務トリップは企業の生産要素として、また、世帯における自由トリップは家計生産関数の概念を用いることでモデル化している。このモデル化により、旅客トリップにおける交通整備の効果を応用一般均衡分析の枠組みで捉えることが可能となる。また、本モデルを整備新幹線整備評価に応用することで、実証分析の可能性を検討した。
  • 尹 鍾進, 青山 吉隆, 中川 大, 松中 亮治
    2000 年 17 巻 p. 247-256
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    産業活動や人口の変動によって、人口減少、都市的魅力の低下や混雑など多様な都市問題が発生する。そこで、都市・地域計画を支援するためのモデルは産業活動や人口の移動を考慮する必要がある。本研究では、都市経済学の理論に基づいて、産業活動や人口の変動を考慮し、交通施設整備によるアクセシビリティの変化や企業誘致による雇用の創出がもたらす効果および産業活動や人口が減少する過程をも分析できる実用的な土地利用・交通モデルを構築する。そして、構築したモデルの有効性を実際の都市圏における適用性を通じて検討する。
  • 武藤 慎一, 上田 孝行, 高木 朗義, 冨田 貴弘
    2000 年 17 巻 p. 257-266
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市交通の整備を評価するためには, 交通体系に及ぼす影響だけなく立地変化に及ぼす影響も考慮する必要がある. 本研究では, 従来の土地利用-交通モデルあるいは交通立地モデルを, 都市経済理論に理論的基礎をおき, 実証分析への適用を意図した応用都市経済 (CUE) モデルとして再構築した. CUEモデルでは, 便益を定義することが可能であり, 特にゾーンごとに便益を計測することができるという特徴を有している. この点は, 既往研究でも示されていたが, そこではゾーン全体での便益を計測するという点での検討が十分になされておらず, 住み替えを行った人々の便益の扱いも不明瞭であった. そこで, 本研究では, 々についても考慮し得るゾーン別社会的純便益の定義を行った. そして, 数値計算結果についても明らかにし, 整備による便益の地域別帰着構造を明らかにした.
  • 奥村 誠, 福住 彰規
    2000 年 17 巻 p. 267-270
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    交通調査において, 細かな行動や意識などを含む複雑な調査が増え, 精度や回答率が低くなる問題点が指摘されている. 本研究は, この問題に対処するための各種の改善手法の効果を所定の精度を確保するための費用を用いて統一的に評価する手法を提案する. さらに, 回答者へのインセンティブ (謝礼) の精度向上効果を例に, 評価手法の適用例を示す.
  • 永久 史郎, 村橋 正武
    2000 年 17 巻 p. 271-280
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では既成市街地の中でも緊急の整備が必要とされる木造密集市街地を対象として都市整備を実現するための計画策定プロセスについて考察した。まず、考察の前提として木造密集市街地における都市整備の課題と対応方針を総括的に整理した。次に合意形成に関わる既存の研究を通して、密集市街地における計画策定で前提となる合意形成に必要な視点を抽出し、合意形成を目指した計画策定プロセスを検討した。最後に、木造密集市街地において都市基盤整備の計画を策定し、事業を実施している成功事例を対象にその妥当性を検証した。
  • 大野 裕司, 齋藤 誠二, 岸井 隆幸
    2000 年 17 巻 p. 281-286
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、線引き制度導入以降の都市成長形態と都市施設整備の関連について関東地域を対象に分析を行なったものである。分析対象都市を人口集積状況 (ストヅク) と成長形態 (フロー) で4区分しその属性を分析するとともに、成長形態 (2類型) については、判別分析を用いて、都市施設との関連を分析した。結果、1980-1990年では、1980年時点の市街化調整区域内の幹線街路密度 (ストック量)、1980-1995年では、同変化量 (フロー変化量) が、都市の類型に影響を与えていることが判明し、都市の計画的な成長を管理する上では、市街化調整区域内の幹線道路整備のあり方に十分配慮する必要があることが明らかになった。
  • 吉田 真紀, 森本 章倫, 古池 弘隆
    2000 年 17 巻 p. 287-293
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    東京都市圏において, 自動車交通の急激な増大が道路施設供給をはるかに上回り, 道路混雑の悪化を招いている. これを抜本的に解決する方法として土地利用規制, 特に容積率規制が挙げられる. 本研究では多極分散型の都市構造を目指した東京の土地利用計画に対して, 道路施設容量からみて適切であるか検討を行う. シミュレーション分析の結果, 現況の容積率と理想値はかなりの隔たりはあるものの, 計画目標としている都市構造は概ね道路混雑を緩和させる都市構造と同様であることがわかった.
  • 轟 修
    2000 年 17 巻 p. 295-300
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    公園緑地の設置基準の面積について、その理論的な根拠について知られている点は少ない。そこで本研究では我が国の公園面積に着目して既往文献を整理し、公園面積の設置基準の根拠を推定し、問題点を把握した。
    この結果、その導出過程の中で数的な根拠に曖昧な点が見られた。続けて制定当時に議論されなかった市街地密度を考慮して公園面積を算出するモデル式を構築した。その結果、市街地密度に対応する形で対地区公園面積率は可変値となった。また同時に1人当たりの必要公園面積、公園利用率等のパラメーターについての検証が重要であることが分かった。
    また緑地ネットワークにおける市街地密度とネットワーク量との関係についてもモデル式を構築した。
  • 二神 透, 大野 訓, 柏谷 増男
    2000 年 17 巻 p. 301-308
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 松山市域の交通事故を対象に, 救急医療サービスについての現状分析を行った。その結果, 曜日単位のユニットで指定されている救急告示病院のサービス水準には大きな差異があることや, 搬送時間の公平性を確保するためには消防施設の新たな配置を考慮しなければならないことを示唆することができた。さらに, 交通事故データをもとに, GISを用いて事故の時空間分布を明示するとともに, 事故確率を考慮した救急医療施設配置について言及した。最後に, 救急車の道路走行性の改善とサービス水準の関係について, 若干の考察を行った。
  • 春名 攻, 山田 幸一郎, 山岸 洋明, 立川 賢二
    2000 年 17 巻 p. 309-320
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究においては, 中心市街地活性化を目指した都市施設整備・開発計画のための地区内行動シミュレーションモデルの開発及び滋賀県大津市中心市街地を対象としたモデル分析を行なった。地区内行動シミュレーションモデルは, 地区内の人々の訪問施設選択, 交通手段選択, 施設滞在時間等の一連の行動を決定させるための行動モデル, および人々の移動を実際的に表現するための交通流シミュレーションモデル, 歩行都シミュレーションモデルによって構築され, 都市活動をより詳細に表現することが可能であり, また, 都市施設整備後の人々の行動, 整備評価等を先取り的に推測できるモデルである。実証的検討においては, 滋賀県大津市中心市街地を対象に具体的な施設整備計画のためのモデル分析を実験計画法に基づき行なった。
  • 堤 盛人, 井出 裕史, 清水 英範
    2000 年 17 巻 p. 321-325
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    地理的空間を対象とした回帰モデルの誤差項に空間的自己相関が生じている場合の対処法においては、自己相関を記述するために導入される「空間重み行列」をどのように与えるかによって、パラメータの推定結果が大きく異なる可能性が指摘されている。本研究では、実際の地価データを用いた回帰モデルを作成し、このことを実証的に確認した。次に、重み行列を決定するパラメータを対数尤度最大化に基づき同定した結果、いくつか対処法においては、通常用いられることの多い値とは大きく離れた重みパラメータの値が選択された。具体的に言えば、比較的狭い地理的範囲の影響のみを考慮した、通常の設定とは大きく構造の異なる重み行列が選択された。
  • 山口 健太郎, 多々納 裕一, 岡田 憲夫
    2000 年 17 巻 p. 327-336
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では都市経済学的アプローチを用いて、リスク認知のバイアスが災害危険度情報の提供効果に与える影響について分析を行った。災害危険度情報を利用した家計が主観的に認知するリスク水準は必ずしも正確なものになるとは限らない。したがって本研究では、そのような認知バイアスを明示的に考慮した上で家計の居住地選択行動をモデル化し、バイアスの程度によって異なる均衡土地利用状態を導出した.それらの結果を比較することにより、認知バイアスの存在下では、家計のリスク認知が正確な場合と比して災害危険度情報の提供効果が制限されていることや、認知バイアスが最適土地利用状態の競争的実現を阻害していること等を示した。
  • 岩手県川崎村を対象として
    佐々木 栄洋, 安藤 昭, 赤谷 隆一
    2000 年 17 巻 p. 337-344
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 安全かつ快適で機能的にも優れたまちづくりの観点から, 土地利用規制と地区環境評価に着目し, 住民意識調査にもとづき, 洪水に対する防災意識を分析する. そして, 内水浸水災害常襲地域の土地利用規制の有効性に対して検討を加え, 生活環境に関する評価との関係を分析し, 内水浸水災害常襲地域における土地利用の課題を探索するものである.
  • 徳永 法夫, 福島 昭則, 西村 昂
    2000 年 17 巻 p. 345-351
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    高架構造の都市高速自動車道周辺における早朝の時間帯の低周波音の実態を調査した。音圧レベルはエネルギー平均値で70~90dBであり、一般の道路沿道のレベルとほぼ同じ値であった。また、周波数特性には2~6Hzと9~16Hzの2つの帯域に卓越成分がみられた。2~6Hzの帯域の卓越周波数は支間長の逆数と非常によい相関を示した。一方、9~16Hzの帯域の卓越周波数には橋梁の支間長との関連はみられなかった。さらに、振動板の音響放射理論を用いてコンクリート板と鋼板の音響放射効率を計算した。その結果、2~6Hzの帯域ではコンクリート板の方が鋼板に比べ10~20dB音に変換されやすいことがわかった。
  • 二神 透, 財間 圭史, 木俣 昇
    2000 年 17 巻 p. 353-360
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    阪神・淡路大震災の後、密集市街地における防災街の促進に関する法律が平成9年5月9日に制定・公布された。しかし、財政の支援、制度の確立がなされても、住民のコンセンサスを如何に図るかが重要な課題となっている。そこで本研究では、シミュレーションを活用することにより、住民と行政が一体となり防災街づくりを進めるための支援システム開発を目的とする。具体的には、都市の脆弱な地域の分析に基づく地区レベルでの防災対策支援と、それらの評価を提示可能なシステムを構成する。そして、最後に松山市を事例に、構成したシステムを適用して問題点を整理する。
  • Yaeko YAMASHITA, André DANTAS, Eizo HIDESHIMA, Koshi YAMAMOTO
    2000 年 17 巻 p. 361-368
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 横松 宗太, 小林 潔司
    2000 年 17 巻 p. 369-380
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    大規模自然災害に関しては, 家計のモラルハザードや取引費用の存在により災害保険市場において効率的にリスクが配分されていない. そこで本研究は地方自治体による住民に対する強制保険のシステムを設計する. その際, 1) 中央政府が自治体間の所得移転を通じて災害リスクの地域間配分を行うシステム, 2) 各自治体が再保険市場を通じてリスクを分散するシステムに着目する. その結果, 中央政府による所得移転のシステムは社会的に最適なリスク配分を達成し, 一方, 再保険市場を通じた分権的方法は人口移動による外部経済を内部化できず, 効率的なリスク配分を導くことができないことを示す.
  • 柴崎 隆一, 家田 仁
    2000 年 17 巻 p. 381-391
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 生起確率や被害額といった各種の事故・災害リスク固有の値と, 実際に行われる防災投資の意志決定において用いられていると考えられる, 人間の認知プロセスを介した主観的な評価値との差異を, 認知バイアスとよび, 死亡リスクや地震被災リスクといった個人的なリスクを対象として, リスク固有の値と, リスクの主観的な評価に基づく意志決定の結果と考えられる行動データとから, 認知バイアスの計測を行った. その結果, 人々は実際の被害額を約2-3倍大きく評価する傾向があることや, 確率についての認知バイアスは, リスクの種類によって異なり, 死亡リスクはほぼ原確率に等しく認知するが, 地震被災リスクは原確率よりも過小評価される可能性があることなどがわかった.
  • 河田 恵昭, 柄谷 友香
    2000 年 17 巻 p. 393-400
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    自然災害や疾病をはじめとするリスクの定量的な評価をできる限り客観的・科学的な方法によって行う場合、人命の社会的価値に関する議論を避けることはできない。そこで本論文では、平均寿命とGRP (地域内総生産) との間の強い相関関係に着目し、自然災害、交通事故、疾病などに起因する大規模な人命の損失がもたらす社会的価値の損失を、それらの要因による平均寿命の低下量から評価する手法を構築した。その手法を用いて1995年の阪神・淡路大震災がもたらした社会的価値の損失を推定した。その結果、阪神・淡路大震災がもたらした初年度における社会的価値の損失は、兵庫県で約1.62兆円、全国で約1.75兆円と推定された。
  • 榊原 弘之, 土屋 哲, 岡田 憲夫, 多々納 裕一
    2000 年 17 巻 p. 401-410
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    阪神・淡路大震災においては, 家屋の倒壊とそれに伴う火災の被害が甚大であった. 家屋の更新に関する意思決定を行う際には, 自らの所有する家屋が安全であるか, 危険な状態にあるかを知ることが困難な場合が多い. 家屋の状態を正確に知るためには, 安全性診断が必要となる. 本論文では, 安全性診断が提供する情報の価値に着目し, 家屋の所有者が合理的な意思決定をする状況を想定し, その意思決定の行動メカニズムを数学的にモデル化する. 次に政府によって実施される可能性のあるいくつかの補助政策の妥当性を比較検討することにより, 社会全体の厚生を高めるためにとるべき政策について基礎的な知見を得ることを目的とする.
  • 谷本 圭志, 岡田 憲夫, 喜多 秀行, 大熊 慶之
    2000 年 17 巻 p. 411-421
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    従来想定されていない主体の参加が要請される背景の下で, 多目的ダム事業では慣用的な費用割り振り法 (慣用法) の適用可能性が問われている. その評価のための理論的準拠枠が既往の研究で提案されているものの, それを実際の多目的ダム事業における工学的な文脈においていかに解釈するかという課題がある. そこで本研究では, 慣用法が適用可能となるダム事業の費用構造を明らかにした上で, レクリエーションなど固有の貯水容量をもたない特殊な主体が含まれるダム事業を想定し, その事業における費用構造と慣用法の適用可能性について検討した. その結果, 慣用法の適用可能性はダム事業の費用関数の形状で判定しうることを明らかにした.
  • 谷口 守, 秋永 淳一郎, 阿部 宏史
    2000 年 17 巻 p. 423-430
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、地方中核都市である岡山市を対象に、快適面、衛生面、安全面、利便性、総合環境などの身近な環境評価の実態と構造についてモデル的検討を行った。さらに、既存研究のデータとあわせ、東京都・川崎市・北九州市・岡山市・北海道東藻琴村の大都市から農村に至る5都市について環境評価に関する比較検討を行い、環境評価調査を実施せずに都市での環境評価状況を知ることの可能性を示した。さらに、環境評価データに対しDEA分析法 (包絡分析法) を用いることで、総合的な環境評価レベルを効率的に改善していくために、数多くの地区や評価項目の中から改善対象を特定するための手法を提案し、その有用可能性を示した
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