土木計画学研究・論文集
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21 巻
選択された号の論文の127件中101~127を表示しています
  • 川上 光彦, 山口 高史
    2004 年 21 巻 p. 837-846
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    バス停のバリアフリーについて時刻表等の文字情報の見やすさは重要な要因である. 本論文では, 金沢市の路線を事例としてバス停の実態調査を行い, バス停施設の文字情報の実態を把握する. 次に, 時刻表を想定した文字の大きさと色彩について, 弱視者と晴眼者を被験者として評価実験を行い, 文字の大きさと色彩に関する視認性について弱視者と晴眼者で分析・比較し, バス停の文字情報のバリアフリーデザインに対する知見を明らかにする.
  • 礒崎 晶光, 吉村 充功, 奥村 誠
    2004 年 21 巻 p. 847-852
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年, デマンドバスが運行柔軟性の利点から注目されている. そこで, 都市近郊のデマンドバスの特性を明らかにするため, 同一地域にデマンドバスと幹線バスを組み合わせて導入した場合のバス運行コストと全利用者の不効用からなる社会的総費用を最小化する幹線バス, デマンドバスの最適な運行間隔を理論的に導出する. 本研究ではデマンドバスの不確実性に着目し, デマンドバスの予約方式としてバス停で予約, 利用時に予約の2つのタイプについて社会的総費用の比較を行った. 数値計算より, バス運行コストの点からは直前予約方式のほうが有利であるが, 所要時間の不確実性が大きく社会的総費用では事前予約方式に劣るケースがあることを示した.
  • 伊藤 孝祥, 廣畠 康裕, 村田 直樹
    2004 年 21 巻 p. 853-860
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 複雑なシステムにおける諸要因の影響構造の分析に適するとされる共分散構造分析の1つであるパス解析を適用することにより, 無信号交差点における車両挙動の観測データを用いて, 道路構造・交通状況等の環境特性と車両挙動との関係を考慮しつつ, 交通事故発生構造を定量的に把握することを試みている. その結果, 無信号交差点における車両挙動の実態とその影響要因の影響度を定量的に把握するとともに, 車両挙動特性と交通事故件数との関係をある程度明らかにすることができたと考える.
  • 清水 哲夫, 森地 茂, 浜谷 健太
    2004 年 21 巻 p. 861-868
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 一時停止を伴う合流部におけるギャップ選択の局面を対象に, 判断の変動に与える要因について実証的に分析を行うことを目的としている. 始めに, ドライバーのギャップに対する判断プロセスを4つの時間パラメータを導入してモデル化を行い, 時間パラメータの変動要因と交通安全対策との対応関係を考察した. モデルの妥当性検証のために, プローブカーを利用したギャップ選択実験と情報提供実験を実施し, 得られたデータを用いて時間パラメータの変動に与える要因を分散分析により抽出した.
  • 柳原 守, 李 強, 大枝 良直, 角 知憲
    2004 年 21 巻 p. 869-874
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 既に提案した通勤者の出・退勤時刻決定行動を記述するモデルに, 新たに徒歩時間と乗車時間の質, 駐車料金, 自家用車通勤特有の選好性を交通機関選択要因として組み込むことによって, 通勤交通機関選択行動に拡張することを試みるものである. 本研究では, 通勤者は明確な始業時刻と終業時刻の時間制約を基に, 一日サイクルの中で機関選択行動を行うと考え, モデルは, 通勤者が各交通機関利用時の出・退勤時それぞれにおける非効用の和が最小となる交通機関を決定すると仮定している. モデルは, 路線バスと自家用車を利用する北九州市役所職員の交通機関選択行動に適用し, 再現性を確認した. 提案したモデルにより, 通勤交通に関わる諸要因を操作したときの通勤者の交通機関選択行動の変化を予測, 評価することができる.
  • 地区道路の事故多発交差点における安全性向上に関する実験的研究
    久保田 尚, 坂本 邦宏, 崔 正秀, 武本 東, 中野 英明
    2004 年 21 巻 p. 875-884
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    2001年4月の道路構造令の改正により交通静穏化の一手法としてハンプが道路構造の一部分として法的に認められた。これまでにハンプ周辺の効果分析が行われ、設計や配置に関する指針素案を得ていたが、“慣れ”を考慮した効果は実験が難しいことも手伝い、確認されていなかった。そこで本研究では、長期公道実験を通して運転手のハンプ学習効果と住民の受容性を検証し、地区道路におけるハンプの普及可能性および有効性について検討することを目的とした。ある程度“慣れた”状態における速度抑制などの効果や住民のハンプ受容性など調査し、検討をする。
  • 山本 裕一郎, 吉田 豊, 坂本 邦宏, 久保田 尚
    2004 年 21 巻 p. 885-892
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    観光地においてTDMを検討する際は、観光客の多様性に配慮して、できるだけ多くの選択肢を用意することが望まれる。その選択肢のひとつとして、駐車場を探し回る「うろつき交通」や満車による「待ち行列」など、交通環境を悪化させる現象の削減をねらいとする「駐車場予約システム」が有望視されている。本研究では、パーク&ライドと組み合わせたパッケージ型TDMの中に「駐車場予約システム」を提案し、社会実験を通して、システムが担う需要や利用者の観光行動に及ぼす影響、システムに対する利用者の評価を分析した。
  • 森 健二, 萩田 賢司, 三井 達郎
    2004 年 21 巻 p. 893-898
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    ディーゼル乗用車に車載型の排ガス計測装置を搭載し、速度と加速度およびNOxとPM排出量の測定を行った。その結果、NOxとPMでは排出量の多い速度帯が異なり、NOxはPMに比べて高速度領域での排出量が多く、PMは低速度領域での排出量が多かった。また、速度が高く、かつ加速度が大きいと、NOxとPMの排出量がいずれも高くなる状態が出現するため、こうした走行を防止することによって両者の排出量を減らすことが可能であることが示唆された。一方、NOxの排出量だけが高い状態を改善しようと速度抑制を試みると、PMの排出量の増加に結びつく場合があることが確認された。
  • 松葉 一弘, 松本 幸正, 杉原 良紀
    2004 年 21 巻 p. 899-906
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は車両感知器データを用いた精度の高い所要時間の推定手法の開発を目的とした. はじめに個々の車両の走行軌跡を推定する手法を提案し, 従来から使われている瞬時値とタイムスライス値と比較した. また所要時間の推定精度の向上可能性について検討し, その結果をもとにセクションと時間インターバルを分割して, 分割されたそれぞれのセルに速度変動を考慮した速度データを割り当てて所要時間を推定する手法を提案した. また車線利用指数を用いて所要時間を推定する手法を提案した. その結果, 両手法ともに走行軌跡推定手法の推定誤差を大きく減少させることができた. 特に渋滞時において所要時間の推定精度を向上させることができた.
  • 飯田 克弘, 秋田 周作
    2004 年 21 巻 p. 907-914
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 先行研究で課題として示された霧発生時の情報提供の問題を改善する法を提案し, その効果を検証した. 検証に必要なデータは, 先行研究と同様, 仮想的な走行環境を3次元CGにより再現し, 室内走行実験を行うことで収集した. 得られたデータを分析した結果, 従来型ナビによる情報提供に加えメッセージで前方車両の接近情報とカーブ進入情報を提示することで,(1) 視線移動負荷が軽減され, 前もってカーブを事前に認知できるようになり, 運転操作が補助されること,(2) 前方車両をナビゲーションディスプレイで確認できるようになり, 緩やかに減速しながら接近できるようになることを明らかにした. また, オーバーヘッドモニターによって情報を提供した場合には, 少なくとも本研究で想定した普通車の構造ではディスプレイが見にくいことが原因となり問題が改善されないことも明らかとなった.
  • 平田 輝満, 飯島 雄一, 屋井 鉄雄
    2004 年 21 巻 p. 915-923
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, ドライビングシミュレータを活用し, ドライバーの意識水準 (大脳の活1生度合い) からみた都市内地下道路の走行安全性について分析を行つた. 複数の分合流部を有する全長約16 (18) の都市内地下道路を対象とし, 意識水準の評価指標としては瞬き頻度を使用した. 都市内地下道路ではトンネル内特有の圧迫感や他車との多頻度交錯によりドライバーに大きな負担を与えると考えられるが, 単調な走行条件では, 特に単路部区間において意識水準の低下が生じ, また高齢ドライバーの意識水準が低下しやすい可能性があり, 思識準の低下した状態で合流部等の交通流が乱れる地点に侵入し適切な回避行動がとれない危険性があることが実験より示唆された.
  • 飯田 克弘, 安 時亨
    2004 年 21 巻 p. 925-932
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    現地交通状況のビデオ画像解析により移動体の時系列挙動変化を計測する方法は, 人, 自転車車等の交通主体の挙動を把握するための有効な手法である. 著者らは, 既往のビデオ解析方法の問題点を整理し, その問題点を克服可能なビデオ解析システムを開発した. 本システムは既往のビデオ解析技術と3DCG技術を融合した点に特徴が有り, 2次元平面座標に高さ情報を加えた3次元座標系で移動体の軌跡が計測可能である. また複数台の連続したビデオ映像を同時に解析することで, 長区間における連続した移動軌跡の計測が可能である. 本論文では, このビデオ解析システムの基本的な考え方, 適用した座標変換方法の概要, 移動軌跡の計測手順などを説明している. また, 高速道路合流部における走行挙動の計測に適用した事例を通じて, 交通現象把握における本システムの有効性について考察している.
  • 藤田 素弘, 雲林院 康宏, 杉浦 裕幸, 野田 宏治
    2004 年 21 巻 p. 933-940
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    高速道路の集中工事は, その実施中の交通規制により渋滞が発生し道路ネットワーク全体へ大きな影響を及ぼしている. そこで本研究では, 名古屋高速道路でH14に実施された交通行動調査・交通実態調査に基づいて, 集中工事に伴う道路交通状況や交通行動について分析・考察した。また, 時間帯別均復配分モデルを集中工事時の状況を再現した道路ネットワークに適用した結果, 精度よく交通量等を推計でき調査から得られた交通行動変更を考慮することの妥当性も検証できた。このモデルを利用して集中工事時の交通管理に対して, 迂回路への誘導対策等による交通需要コントロール対策といった交通施策を考えた場合の効果を分析した.
  • 宇野 伸宏, 杉本 一走, 飯田 恭敬, 山田 憲浩, 中川 真治
    2004 年 21 巻 p. 941-949
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    高速道路を中心とする都市間道路ネットワークの拡充に伴い, 情報提供を主とする交通コントロール手法の重要性は高まりつつある. 今後の交通情報提供方策を考える上で重要な点として, 本研究では 1) 高齢化社会の到来と情報提供方策のあり方に関する検討, および 2) 情報提供方策の高度化を念頭に置いた利用者の経路選択分析を行う. 都市間高速道路の複数ルート区間を対象として, 情報利用実態調査ならびに情報提供下のSP経路選択調査から成るアンケート調査を行った. アンケートデータに対するクロス集計結果より, 高齢ドライバーは他の年齢階層のドライバーと比較しても積極的に情報を利用している傾向が見いだされた. 経路選択モデルの推定結果からは, 渋滞の増減傾向に関する情報提供がドライバーの決定に影響を及ぼす可能性が示唆されている.
  • 陶山 貴之, 奥嶋 政嗣, 秋山 孝正
    2004 年 21 巻 p. 951-960
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    緊急時は交通情報提供が与える交通流動変化の影響が大きく, 道路網の効率性に関して十分な配慮が必要となる. 本研究では, 現実的な都市道路網を対象とした緊急時の効率的な情報提供方法を提案した. 文字情報板による交通情報提供方法を前提とし, 交通情報の空間的配置について最適な交通情報提供パターンの導出を行った. また, 4種類の判断指標を提案することで, 現実的なネットワークにおけるODペアごとの経路の多様性に配慮しつつ, 緊急時情報提供の簡便な運用手順により導出可能とした. これにより, 実際の情報提供方法に関しても, 本研究で提案した簡便な運用方法が適用可能であることを示した.
  • 藤井 聡
    2004 年 21 巻 p. 961-966
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, 人々がTDMの賛否判断を行う際の意思決定フレームには, 倫理的フレームと取引的フレームの二種類があるものと仮定し, かつ, TDMの賛否判断についての質問にTDMの公的説明の文言が含まれていれば倫理的フレームによって賛否判断を行う傾向が増進するという仮説を立てた. 仮説検証のために, 日本国内6都市の居住者の計1500名を対象に, 個別面接形式でロードプライシングや流入規制, ナンバープレート規制の3TDMに対する受容意識の調査を行い, 仮説検証を行ったところ, 本研究の仮説が支持された.
  • 村瀬 満記, 秋山 孝正, 奥嶋 政嗣
    2004 年 21 巻 p. 967-976
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    交通事故多発交差点における交通安全対策策定のためには、交通事故多発交差点の的確な交通事故要因の把握が必要不可欠である。交通事故多発交差点は、規模、形状、交通状況など多様な要素が複雑に関連しており、交通事故要因の把握のためには、これらの項目相互の関連性および交通事故発生との因果関係を、交通事故要因に関わる知見として蓄積する必要がある。本研究では, 交通事故多発地点での交通事故関連データベースを作成するとともに、交通事故要因分析システムを構築することにより、交通事故要因に関して分析する。また、交通安全対策効果を計測可能な交通事故推計モデルを構築し、分析システムを利用した交通安全対策の立案方法を示す。
  • 池田 武司, 高宮 進, 森 望, 堤 敦洋
    2004 年 21 巻 p. 977-982
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, 交差点を対象として道路・交通環境と事故等の危険事象との関係を分析した. ここで, 分析を行う上では, 道路・交通環境がどのように車両やドライバーに作用し, 危険事象に至ったかを把握することが重要と考え, 「ヒヤリ地図」を活用することにより, これを把握した. また, 危険事象指摘箇所での道路構造や交通状況に関する調査を併せて実施し,(1) 縦断勾配区間やカーブ付近への交差点の設置は, 右折車両や無信号交差点における非優先道路側車両の視認鯛を制限し, 十分な判断時間を確保できない結果となるため, 避けるべき,(2)(1) に対し十分な判断時間を確保するために走行車両の速度を抑制することも必要であることを明らかにした.
  • 古屋 秀樹, 池田 武司, 土屋 三智久, 太田 剛, 森 望
    2004 年 21 巻 p. 983-990
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 沿道路外施設への出入り時に公道上で発生する事故を対象として, マクロ的実態把握を行うとともに, 個別事故事例を踏まえた詳細分析を行い, これら事故の抑制策検討を日的とする. マクロ分析において, 平成13年に約5.7万件の沿道施設出入りに関連した死傷事故の発生が概算された. 特に, 単路部の件数が多く, 出会い頭や右左折時の構成比率が高かった.また, つくば周辺地域を対象としたミクロ分析では, 2輪車との接触が大きな割合を占め、人的要因と道路・交通環境要因が影響していることが明らかとなった. さらに, 個別事故毎にバリエーションツリーを作成し、不適切な行動の排除を考慮した対策メニューの提案を行った.
  • 本間 正勝, 鹿島 茂
    2004 年 21 巻 p. 991-996
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、我が国で一般的に運用されていない新たな信号現示も視野に入れ、交通容量拡大を意図したより効率的な信号現示について検討することを目的とする。研究の方法は、現在実際に問題となっているボトルネック交差点の中から、信号現示の改良により容量拡大が図られる可能性のあるパターン化された模擬交差点を対象に交通流再現シミュレーションを用いて信号現示の検討を行った。その結果、新たな信号現示の導入により、既存の改善では不可能であった交通容量拡大の可能性について明らかにした。
  • 片岡 源宗, 吉井 稔雄
    2004 年 21 巻 p. 997-1003
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 右折車が後続車の通行を妨げることで生ずる交差点容量の低下現象に着目し, 右折車による後続車のブロッキング現象を明示的に考慮した形で信号制御パラメータ, 右折率, 対向直進交通量等を用いて交差点容量を推計する方法を提案するものである.
    本稿ではまず最も単純な対象・対向アプローチの途切れない場合の3枝T字型信号交差点容量の推計式を, 次に対向アプローチのみが途切れる場合の推計式を, 更に右折専用車線が整備された場合の推計方法をそれぞれ構築した後, その妥当性の検証を行った.
  • 岡田 良之, 森川 高行, 三輪 富生
    2004 年 21 巻 p. 1005-1010
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, リアルタイムかつ広範囲における様々な情報を習得できるプローブカーから得られる旅行速度データに着目し, 道路ネットワークへの自動車交通需要の配分モデルに適用されるリンクコスト関数の推定を行った. 推定結果について, パラメータのばらつきの要因や道路特性との相関関係について考察した. より精緻なリンクコスト関数の推定のためには, 交通容量を観測交通量と照査した上で設定する必要があることが分かった. また, 信号サイクルの影響による旅行時間データのばらつきを抑えるためには, 推定区間をある程度長く設定する必要があることが分かり, 各車両の走行軌跡を有するプローブカーデータを用いることの有用性を示した.
  • 小学校教育プログラムへの適用事例
    谷口 綾子, 萩原 剛, 藤井 聡, 原 文宏
    2004 年 21 巻 p. 1011-1018
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、様々な教育現場において自主的に学校教育プログラムとして採用できる程度に低コストのTFPを開発することを目的とし、札幌市の公立小学校5年生4クラスを対象に、従来型TFP (以下アドヴァイス法) とその代替手法である行動プラン法を用いたTFPをそれぞれ2クラスずつ適用し、教育効果を一定に保持しながらコストの縮減が可能であるか否かの検討を試み急その結果、行動の変化は行動プラン群のみ有意に自動車利用が減少していることから、行動プラン法の優位性が示されるとともに、二つの方法の長所と短所が具体的に明らかにすることができたさらに、児童や保護者、教諭からの意見感想より、今後のプログラム運営に関する改善点をいくつか把握できた.
  • 有村 幹治, 高野 精久
    2004 年 21 巻 p. 1019-1026
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    交通調査の新しい観測技術の導入は, モニターの属性や位置情報, 乗降車記録等の個人情報を取り扱うこと, また第三者による監視を連想させることから, 調査に参加する被験者の心理的負担感を増大させることが考えられる.新しい調査手法の導入に対する理解を得るためには, セキュリティの確保はもちろん, 調査への参加に対する抵抗感, 不安感を取り除き, 被験者にとってより良い調査環境を実現する手法を構築する必要があるものと考えられる.本研究では, GPS携帯端末やPHS等, 詳細に個人の交通行動を観測できる交通調査手法の導入において問題となるプライバシーとモニターの参加意識についてアンケート調査を実施し, 技術的, 制度的なプライバシー保護方策が, 今後の調査インフラとして必要性なことを考察した.
  • 萩田 賢司, 森 健二
    2004 年 21 巻 p. 1027-1034
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    運転者の視線を考慮して、歩行者が横断中に発生した事故を分析した。昼夜別・横断方向別に事故を分析した結果、左折時事故を除いて、昼間は道路の左側から、夜間は道路の右側から歩行者が横断している事故が多く発生していた。この理由として、運転者は昼間には右側からの横断歩行者が見えやすく、回避余裕があるが、夜間には右側からの横断歩行者が非常に見にくいためであると考えられる。また、夜間には注視方向からの歩行者の事故が昼間と比較して少なくなっていると考えられた。四輪車の進入方向から横断する歩行者は、防護柵等が設置されている地点や広幅員道路では認知されにくいことが想定された。
  • 高宮 進, 池田 武司, 森 望
    2004 年 21 巻 p. 1035-1040
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    交通安全対策の実施に際しては (1) 対策を実施すべき箇所の特定と,(2) その箇所での対策立案が行われる.対策立案の際には, 交通事故等の問題状況に至る過程と要因を知る必要がある.本稿では, 「ヒヤリ地図」に着目し,(1) 要対策箇所の特定と (2) 対策立案の両観点から, ヒヤリ地図の作成と活用に関する課題やそれらへの対処法について検討した.ヒヤリ地図の作成においては, 回答者の回答を単純にとりまとめるのではなく, 危険事象に至った過程や要因を明確化することを念頭におきつつまとめることが必要である.また道路施設等による対策の実施に向けては, 危険事象の中から道路側対策で解決できる部分を読みとり, 対処を図ること力必要である.
  • 石田 東生, 鯉渕 正裕, 岡本 直久, 甲斐 慎一朗, 古屋 秀樹
    2004 年 21 巻 p. 1041-1048
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    道路交通のサービスレベル評価の一指標として, 道路利用者の主観的渋滞判定や満足度評価の利用が考えられる.本研究では, 先行研究により構築された渋滞判別モデルについて, 被験者の個人属性や渋滞意識収集方法が渋滞判定へ与える影響について分析を行い, 渋滞判別モデルの汎用可能性の検証を行った.
    個人属性としては居住地を考え, 都市部から地方部までの3地域の居住者である学生に対し, 映像実験を行い, 渋滞判別モデルを作成した結果, 居住地間の渋滞評価構造に大きな差がないことが示唆された. さらに, 渋滞定義の有無や渋滞意識の収集方法の違いによる渋滞評価への影響が小さい可能性が定量的に示唆された.
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