本研究では, 先行研究で課題として示された霧発生時の情報提供の問題を改善する法を提案し, その効果を検証した. 検証に必要なデータは, 先行研究と同様, 仮想的な走行環境を3次元CGにより再現し, 室内走行実験を行うことで収集した. 得られたデータを分析した結果, 従来型ナビによる情報提供に加えメッセージで前方車両の接近情報とカーブ進入情報を提示することで,(1) 視線移動負荷が軽減され, 前もってカーブを事前に認知できるようになり, 運転操作が補助されること,(2) 前方車両をナビゲーションディスプレイで確認できるようになり, 緩やかに減速しながら接近できるようになることを明らかにした. また, オーバーヘッドモニターによって情報を提供した場合には, 少なくとも本研究で想定した普通車の構造ではディスプレイが見にくいことが原因となり問題が改善されないことも明らかとなった.
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