土木計画学研究・論文集
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23 巻
選択された号の論文の123件中1~50を表示しています
  • 赤松 隆, 長江 剛志
    2006 年 23 巻 p. 1-21
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 福本 潤也
    2006 年 23 巻 p. 23-38
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 青木 一也, 貝戸 清之, 小林 潔司
    2006 年 23 巻 p. 39-50
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 橋梁管理者がライフサイクル費用評価に基づいて, 多くの橋梁を同時に管理する問題をとりあげた. その際, ライフサイクル費用評価法として, 平均費用評価法と割引現在価値法という2つの方法をとりあげた. 橋梁の劣化過程をマルコフ連鎖モデルにより記述するとともに, これら2つのライフサイクル費用評価法が橋梁システムの劣化・補修過程に及ぼす影響をモンテカルロ法によりシミュレートした. その結果, 橋梁システムを長期間にわたって管理した定常状態において, 平均費用評価法を用いて個別橋梁の補修政策を検討することにより, 橋梁システム全体の総ライフサイクル費用の割引現在価値を低減化できることを示した.
  • 金融オプションを活用したヘッジ戦略の分析
    高橋 啓, 赤松 隆
    2006 年 23 巻 p. 51-58
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本稿では, 金融オプションを用いてグローバル企業の参入・撤退リスクをヘッジする戦略について分析を行った. この結果, 期待効用最大化の結果得られる地主の最適ヘッジ戦略は, 完全ヘッジ戦略に一致することが示された. また, 1) 金融オプションを用いた場合, 2) 撤退に対しペナルティを課す場合, 3) 何も用いなかった場合, の3つの戦略を比較した場合, 金融オプションを用いた場合が必ずしも最適な戦略ではないことが明らかになった. さらに, 金融オプションを用いてほとんどパレート改善は達成されないことも明らかになった.
  • 小池 淳司, 右近 崇, 宮下 光宏, 佐藤 尚
    2006 年 23 巻 p. 59-66
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年, ワルラス体系を忠実に再現した応用一般均衡分析 (以下, CGE分析) は, 交通整備事業に代表される社会基盤計画の評価手法として広く用いられてきている. そこで本研究では, 将来の社会経済変化を経済理論と整合的に考慮することが可能であるというCGE分析の特徴を生かし, 将来における人口減少および東アジア地域の経済成長を対象といった将来の社会経済環境変化 (以下, 将来社会経済シナリオ) を考慮した道路投資の便益評価の感度分析を行うことを目的としている. 具体的には, 従来の空間的一般均衡モデルにこれら将来社会経済シナリオの影響をどのように整合的にモデル化を行い, そして, 実証分析を実施するのかの方法論を提案する.
  • 川合 史朗, 所 功治, 大野 栄治
    2006 年 23 巻 p. 67-77
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市公園は, 防災・減災, 環境保全, 交流・休憩、景観向上など多面的な機能を有している. しかし今後は, ほかの社会基盤と同様に, 利用者の満足度を高める観点から, そのあり方を検証し, 限られた財源を有効活用する必要がある. 本研究は, コンジョイント分析を用いて都市公園の立地環境と都市公園の機能別の支払い意思額 (WTP) との関係を分析した. その結果, 地域の緑被率の「高, 低」と, 公園が有する緑地空間や自然環境に対するWTPの「高, 低」との間には負の相関があること, また, 同じ公園の機能でも, 地域住民は、市街化の状況, 公園面積, 到達距離の違いにより, 経済価値が異なるものとして評価していることが得られた.
  • 榊原 弘之, 木寺 和司, 桐島 健朗, 高瀧 大介
    2006 年 23 巻 p. 79-89
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, 政策コンフリクトにおいて, 仲介者などを通じた当事者間のコミュニケーション促進が, 合意の形成にもたらす効果について, 実験ゲーム的手法により分析を行った. 仮想的なコンフリクト・シナリオに基づいて実験参加者に当事者の役割を演じることを求め, 行動の選択を観察した. その結果, コミュニケーションによって, 全く譲歩しない行動が抑制され, 当事者間に譲歩の機運が生じたほか, 協調的な帰結に至る参加者の比率が増加した. これは, 現実の斡旋・調停において, 仲介者が当事者たちが置かれている立場を整理・構造化して示すことが, 当事者の自発的な合意を促進していることを示すと考えられる.
  • 羽鳥 剛史, 川除 隆広, 小林 潔司, 夏目 卓生, 藤崎 英司
    2006 年 23 巻 p. 91-102
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 公共プロジェクトを対象とした討論過程のプロトコル分析を通じて, 討論参加者間の認識のイー致を検証するための方法論を提案する. 具体的には, 討論参加者の発言をファセット理論に基づいて分類することによって, 参加者間の認識の不一致や意見対立状況, および討論過程における会話パターンを明確化する. その際ある公共プロジェクトの是非をめぐる討論会議の速記録を分析の対象として取り上げ一連の分析手法の有用性について検討する. 最後に, 本分析手法を実際の公的討論過程に実践する上での留意点につじて取りまとめる.
  • 杉浦 伸, 木下 栄蔵
    2006 年 23 巻 p. 103-110
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, AHPを適用した通学バス利用意識調査について述べる. 通学バス利用意識調査には, AHPにおける4つのモデルを適用させた. 従来型AHPを用いた結果, さらにAHPの発展モデルであるANP, 重み一斉法, 総合評価値一斉法を用いた適用事例である. AHPの発展モデルを適用させた事例はあまり無く, 特に重み一斉法や総合評価一斉法を適用させた事例はこれまでに無く, 本稿が初めてであると考えられる.
  • 木下 栄蔵, 田地 宏一, 杉浦 伸
    2006 年 23 巻 p. 111-116
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, AHPにおいて代替案の視点によって評価基準の重みが異なる場合に, 順序性を考慮して評価基準の重みを修正する手法として重み順次法を提案する. 従来の評価基準の違いを修正する手法であるANP (Analytic Network Process) や重み一斉法の違いを示し, 重み順次法の構造を説明する.
  • MM参加率の効果的向上方策についての基礎的検討
    萩原 剛, 太田 裕之, 藤井 聡
    2006 年 23 巻 p. 117-123
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    人々の自発的な交通行動変容を促すコミュニケーション施策である「モビリティ・マネジメント」を実務的かつ広範に展開していくためには、なるべく多数の人々と、なるべく安価に接触できるようなコミュニケーション技術を検討する必要がある。この認識の下、本研究はアンケート調査の「回収率」に着目し、回収率の向上に影響を及ぼす要因について分析を行った。その結果、配布方法や報酬の提供方法によって、回収率が大きく異なることが示された。また、これらの方策に要するコストを算出することで、より効率的・効果的なアンケート回収率向上方策について検討した。
  • 猪井 博登, 新田 保次, 中村 陽子, 谷内 久美子
    2006 年 23 巻 p. 125-132
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    効率の高い移動を確保する交通システムの提案に向けて、バスが利用できず、移送サービスを必要とする者の推計を行うことが必要である。しかし、移送サービスを利用したことがないものに「移送サービスが必要か」と質問することは回答が困難であるほか回答が不可能である恐れがある。そこで、日常動作行動を質問することにより利用可能な交通サービスを推計する方法の開発を行った。その結果、4つの日常生活行動を質問することにより利用可能な交通サービスを推し量ることができることを示した。
  • 渡辺 公次郎, 近藤 光男
    2006 年 23 巻 p. 133-140
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、植生の大気汚染ガス吸収量を制約条件に用いた市街化シミュレーション手法を開発することを目的とする。まず、セルオートマトン (CA) 市街化予測モデルを開発し、次に、既往研究で提案されている、植生の大気汚染ガス吸収量推計モデルを用いて、セル単位で大気汚染ガス吸収量を推計した。これらのモデルを用いて、4つの開発規制に関するシナリオを設定した場合と、大気汚染ガス吸収量を制約条件とした場合の1997年から2007年までの市街化シミュレーションを行った。その結果、未線引き区域を調整区域にした場合、その区域では一定程度の大気汚染ガス吸収量の増加が見込まれたが、対象地域全域では大きな変化はなかった。
  • 塚井 誠人, 村橋 正武, 川島 崇
    2006 年 23 巻 p. 141-146
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、都心居住者の今後の都心居住の継続性を明らかにすることを目的として、居住期間モデルを用いて将来の都心居住期間の定量化を行った。推定された居住期間モデルから、世帯属性別、前居住地別、住宅種別、年齢層別に、今後の居住意向期間を算出した。分析の結果、都心居住意向期間の長い層は、25~29歳の分譲/持家層と55歳以上の賃貸層であり、都心居住意向期間の短い層は、40歳以下の賃貸層であることが明らかとなった。今後は、定住層の居住環境ニーズを満たすと共に、流動層が求める住宅環境ニーズを満たすことによって、都心居住の継続性が高まると考えられる。
  • 松中 亮治, 谷口 守, 板垣 大介
    2006 年 23 巻 p. 147-153
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 廃棄物処理費用の最小化を目的とし, 最適な廃棄物収集・運搬経路探索及び施設の最適配置の問題を同時に探索することが可能なシミュレーションシステムを構築した.そして, 複数のシナリオを設定し, 廃棄物の処理システムと都市形態の相違が処理費用だけでなく, 収集・運搬経路及び施設の配置に及ぼす影響について比較・考察した. その結果, 廃棄物処理費用は, 大型の施設を導入することや, 中継輸送を導入することによってもまた, 大きく異なることが示した. また, 処理システムによって, 収集車両の燃料消費量は大きく異なり, 施設数の削減や, 中継輸送の導入は燃料消費量の増大に繋がる可能性を示した.
  • 北九州市生活幹線道路整備事業を事例として
    末久 正樹, 外井 哲志, 坂本 紘二, 鳶那 幸治, 中原 圭太
    2006 年 23 巻 p. 155-162
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本稿では、北九州市における住民参加をとり入れた生活幹線道路整備事業を紹介し、その中で事業が比較的スムーズに進行した地区の事例を取り上げ、ルート案決定までのプロセスを整理した。さらに事業効果に対する住民の評価や住民参加に対する意識を知るために住民アンケート調査を行った。調査の結果、事業着手の実現には、(1) 公園整備や地域の行事を積極的に行い、地域への愛着を養い住民参加への意欲を醸成するとともに多様な情報伝達手段を活用して一般住民へ情報を浸透させること、(2) 住民代表組織や行政担当者が慎重で粘り強く地権者と接し、買収可能な土地内でルート案を工夫し目標を達成する方法を模索することが重要であると考えられる。
  • 秦野市TDM推進計画における取り組み
    谷口 綾子, 平石 浩之, 藤井 聡
    2006 年 23 巻 p. 163-170
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    学校教育におけるMMの重要な課題として教育現場の受け入れ態勢や, 授業をどのような枠組みに位置づけるかといった問題が挙げられている. これらを解決するため, 時間的制約の大きい教科学習の時間に導入することも可能で, 担当教諭にも取り組みやすい, 短期間で簡易なMM授業プログラムの構築が急務である. 本研究では, 秦野市における学校教育MMの全市的な拡張を目指した短期間かつ効果的な授業カリキュラムの構築を目的とした授業実践の報告とその短期的・中期的な効果分析, そしてさらなる改善案の提案を行うものである.
  • 都市階層・構造への影響に関する考察
    安藤 亮介, 谷口 守, 松中 亮治
    2006 年 23 巻 p. 171-177
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    高速道路や新幹線など、空間抵抗を解消するインフラ整備は都市階層や構造を現在までに大きく変えてきた。今後はIT化が都市階層・構造の変化に及ぼす影響が大きいと考えられるが、その実態は全く明らかにされていない。本研究ではサイバー空間上に進出している店舗を実際に抽出し、その実空間上での立地場所を特定することで、IT化が店舗立地を通じて都市階層・構造の変化に及ぼす可能性を明らかにした。分析の結果、全体の傾向としてはむしろ一極集中が進むことや、現在までは立地が考えられなかった遠隔地に店舗立地が見られるケースもあることを具体的に明らかにした。
  • 小池 淳司, 川本 信秀
    2006 年 23 巻 p. 179-186
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市部での自動車交通による交通渋滞は慢性化しており, 長期的な経済成長にまで影響すると予測されている. 伝統的な交通需要予測法に基づく渋滞シミュレーションにおいては交通以外の要因に関しては外生シナリオとして扱っており渋滞が経済成長に及ぼす影響を知ることが不可能である. 本研究では, 交通渋滞が引き起こす経済活動への影響を定量的に把握し, さらに経済活動の立地変化を内生的に表現するために集積の経済性を考慮した準動学SCGEモデルを提案する. 準動学SCGEモデルを用いることで規模の経済性による複数均衡解の問題を排除でき, 時間経過にともなう経済状態を定量的に評価することが可能となる.
  • 坂本 将吾, 杉田 浩, 谷下 雅義, 鹿島 茂
    2006 年 23 巻 p. 187-194
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    世帯タイプによって立地・交通行動が異なることが明らかにされてきているが, 同じタイプの主体が異なる都市圏でも行動・選好が共通かどうかはあまり検討されていない. 本研究は同一の関数型・変数の土地利用・交通モデルを都市構造が異なる3都市圏に適用し, 主体の行動・選好を推定されたパラメータでとらえ, 世帯タイプ間・都市圏間での比較を行った. その結果, 世帯員数が少ない世帯タイプは車保有の割合が低く, 利便性や公共交通機関を重視して居住地を選択する傾向があること、同じ世帯タイプでも人口分布・規模や交通施設の状況によって選好が異なることなどを明らかにした.
  • 木暮 俊之, 杉田 浩, 谷下 雅義, 鹿島 茂
    2006 年 23 巻 p. 195-202
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    多くの土地利用交通モデルは, 単一の時点データに基づきパラメータが推定されている. また, 多くの場合, パラメータが時間的に安定しているか検討されず, 評価に利用されている. 本研究では, 仙台都市圏の3時点のデータを用い, モデルのパラメータを推定し, その時点比較を行った. また, シミュレーション計算によりモデルの時間移転可能性を検討した. その結果, モデルのパラメータは時点により変化しているが, それは世帯や車保有タイプで異なること, また, パラメータを変化させず, シミュレーションした場合, 世帯数は商業従事者数より精度高く, また, 20年先より10年先の方が精度高く, 推計できることが確認された.
  • 小池 淳司, 西尾 明子
    2006 年 23 巻 p. 203-209
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年わが国では中央・地方政府の慢性的な財政悪化から公共事業の効率化が求められている. より正確な意思決定を行うためには, 費用構造の明確化のみならず, その便益の地域間帰着構造をより正確に把握する必要がある. 本研究では, 社会資本整備による影響を考慮可能な空間的応用一般均衡 (SCGE) モデルを用いて, わが国の47都道府県ごとに社会資本整備を行ったとき場合の帰着便益を定量的に計測し, その結果から地域公共事業による便益の空間的構造を分析する. なお, 分析の際には, 社会資本ストックがどの程度生産性に寄与しているかを (1) 全国で同じ (2) 全国9地域ごとに同じ (3) 47都道府県ごとの3つのケースを想定してシミュレーションを行った.
  • 宮澤 俊治, 高木 朗義, 秋山 孝正, 大森 貴仁
    2006 年 23 巻 p. 211-220
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 筆者らが開発したファジィ立地均衡モデルを拡張し, より現実的で詳細な立地分布およびその変化を予測可能とするモデルを構築した. 具体的には,(1) 詳細な空間分析を行うためにGISデータを利用する,(2) 都市の人口構造変化を分析するために世代別に区分してファジィ推論ルールを作成する,(3) 住民の立地行動をより忠実に捉えるために, ある時点を起点とした立地変化量を推計可能とする, という3つの改良を行った. また, 治水対策と洪水リスク認知促進策の評価を行い, モデルの適用性を確認するとともに, 洪水リスク認知促進策を実施していくことの意義を示した.
  • 山中 英生, 田村 英嗣, 村橋 大輔
    2006 年 23 巻 p. 221-228
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    様々な公共事業のコミュニケイティブな計画を進めるため, 地域住民や関係者に対して, ワークショップ, 説明会などを通じたコミュニケーションは重要性を増しており, 最近は, 3次元CGなど視覚情報を駆使した試みが多く見られる. このプロセスでは, 事業内容について偏りのない情報を共有し, 事業への関心を促すとともに, 情報に対する信頼を確立して, 事業課題の解決に向けた参画を促す, といった説得的コミュニケーションが重要とされる.本研究は, 事業説明や視覚情報の呈示順序に関する知見を得ることを目的としている.具体的には, 地方都市部での鉄道高架事業の説明会を想定したシナリオ実験を用いて. 事業のメリット・デメリット情報と, 3次元CGによる動画情報を組み合わせた両面呈示を構成したWEBアンケート実験によって, 呈示順序が被験者の事業内容想像容易性, 事業関心度, 情報信頼性, 事業賛同意向といった態度に与える影響を分析し, コストに関する情報を動画より早期に示すことが望ましいことを明らかにした.
  • 徳永 幸之, 久保田 恒太, 成田 幸久
    2006 年 23 巻 p. 229-236
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    生活環境の変化によって生活行動にも地域間及び個人属性間の格差が生ずるものと考えられる. 本研究では, 公共交通サービス水準と商業変化によって地域区分を行い, 免許の有無や居住開始時期といった個人属性の違いによる生活行動の変化と満足度の格差について分析を行った. その結果, 都心近郊地域においても地域間や個人属性間で大きな格差があること, 満足度に現在の生活環境の影響が大きいこと, 免許非保有者は生活環境が悪化した都心近郊でも不満を感じながら生活していることなどが明らかになった.
  • 引地 博之, 青木 俊明
    2006 年 23 巻 p. 237-242
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、まちづくりのプロセスに対する参加行動の規定因とその地域差を明らかにすることを目的とする。大都市、地方都市、郡部を対象に質問紙調査を行った結果、以下の知見が示唆された。1) まちづくりイベントに対する手続的公正感は参加意向を向上させる。2) 手続的公正感は、事業への関心の高さ以上に参加意向を向上させる。3) まちづくりイベントに対する認識や参加意向の形成過程には地域差が存在する。4) 郡部では参加を検討する際に、都市部に比べて行政との関係性を重視している。5) まちづくりイベントへの参加促進には、日頃の行政活動を通じて手続的公正感を向上させることが最も重要である。
  • 松田 曜子, 岡田 憲夫
    2006 年 23 巻 p. 243-252
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 近隣での損害が及ばないレベルの災害体験やメディアを通じた災害の目撃を, 災害の間接的経験と呼び, これと地震の事前対策の実施との間の関連性を明らかにする. 著者らは, 2004年に発生した様々な災害を間接的経験となる災害として列挙し, これらを機に実施した対策の内容や意識の変化を調査した. これをもとに, 間接的経験の特徴 (被災地との距離, ハザードの種別) と対策の実施, および地震に対する意識変化と事前対策の実施の関係を検証する. 分析の結果, 1) 多くの人々は身近で体感する災害を機に事前対策を実施したと回答し, 2) ある種の事前対策は間接的経験により実施に要する広義の費用を低下させることを示した.
  • 小川 圭一, 塚口 博司, 中村 真幸, 本郷 伸和
    2006 年 23 巻 p. 253-264
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、多数の文化遺産が市街地に点在し、幅員の小さい道路が多く存在する歴史都市において、文化遺産防災のために重要となる道路リンクの抽出をおこなった。具体的には、典型的な歴史都市である京都市を対象に、文化遺産の分布状況と消防施設の配置状況、それらを連結する道路ネットワークの整備状況をもとに、文化遺産防災においてとくに重視すべき道路リンクや区域の抽出をおこなった。その上で、それらの重要道路リンクや区域における道路ネットワークの整備や震災時の交通管理を検討するため、道路ネットワークの視点からみた文化遺産の安全性評価との比較や、震災時に想定される交通需要との比較をおこない、その特性を把握した。
  • 田村 大輔, 松本 昌二, 佐野 可寸志
    2006 年 23 巻 p. 265-272
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 中越地震における被災市町村の避難所への救援物資の物流について、市町村、新潟県、自衛隊、その他機関等の対応を記録データ及びヒアリング調査によって明らかにし, 特に市町における食料の需給バランスを分析し、地方自治体の対応の問題点を検討することを目的とする。救援物資の物流経路は、被災市町村に直接届いた物資のルートと, 県災害対策本部を経由して届いた物資のルートに大別され、保存可能な食品・雑貨と保存不可能な食料によって経路が異なる。県による食料の一括要請、自衛隊の活動が食料の確保に貢献した。被災市町、新潟県とも予想を超える多量の救援物資の受取・保管に忙殺され、物流情報のシステム化が課題である。
  • 小池 淳司, 大田垣 聡
    2006 年 23 巻 p. 273-280
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    2004年12月に発生したスマトラ沖地震の被害では, 直接的な人的・物的被害に加え長期的な経済的被害が懸念されている. 特に経済的被害は, 被災国経済だけに留まらず, 広く世界各地に拡大していると考えられる. しかしながら, その経済的被害を直接的に計測することは困難である. そこで, 本研究では空間的応用一般均衡分析を用いてスマトラ沖地震の経済的被害を評価する手法の提案と実証分析を目的としている.具体的には, 被害状況を被災国の経済に対して, 物的被害による生産効率性の低下および資本初期保有量の減少, 人的被害による労働初期保有量の減少とモデル化を行い, 経済的被害の空間的帰着を実証分析により明らかにした.
  • 西川 薫, 高木 朗義, 篠田 成郎, 永田 貴子
    2006 年 23 巻 p. 281-289
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    環境改善施策を評価する場合, 施策による市場経済への影響と環境改善効果の両者を把握する必要がある. 近年, 水環境改善施策の環境評価は, GISを用いて詳細に行なわれており, これに合わせた詳細な経済評価が求められている. そこで本研究では, 流域GISを援用した流域環境評価モデルと整合した流域経済評価モデルを開発することにより, 総合環境評価モデルを構築することを目的とする. 具体的には, 評価対象地域である長良川流域を6地域に分け, 施策の影響が大きい農林水産業部門を細分化するとともに, 環境の影響を受ける産業を抽出して, 各地域の35部門地域産業連関表を作成し, CGEモデルを構築した. この総合環境評価モデルを用い, 実際に想定される水環境改善施策に対する評価を行い, モデルの適合性を確認した.
  • 岩橋 佑, 平松 敏史, 塚井 誠人, 奥村 誠
    2006 年 23 巻 p. 291-297
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, 水害リスクが地価や土地利用へどの程度影響を与えているかを分析する. 水害により支障が出るようなタイプの経済活動は, 水害リスクの高い地点に立地しないはずである. それに対応して, 本来付けられるべき地価も実現せず, 土地がより低い値で取引されると考えられる. そこで, 水害リスクを含めたヘドニックモデルを用いて地価や土地利用を分析することにより, 水害の経済的影響を把握することを試みた. 本論文では, 水害リスクを考慮したヘドニック分析を行う際に, 計測地点が限定されている地価データに加えて, より多く取得できる土地利用データを統合的に用いる方法を提案する.
  • スーマン ランジャン センサルマ, 岡田 憲夫
    2006 年 23 巻 p. 299-308
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では智頭町・市瀬集落の災害リスク軽減問題に伴うコンフリクトの時間的展開のプロセスを理解することを目的として、当該コンフリクトを二段階 (1985-2002, 2002-2005現在) に分けてモデル化する。各段階のコンフリクトは静的な構造とみなして、それをGMCRモデル (Graph Model for Conflict Resolution) により定式化し、分析を行った。ついで、第一段階と第二段階の間のごく短期間に構造変化が発生したと定性的に解釈した。そのような構造変化が結果として生じたのには、社会的な衝撃が関与していたと考えた。すなわち自然災害のインパクトに、地方行政主体における政治的な転換が相乗的に関係したと推測されることを定性的に分析した。このように二つの分析法を組み合わせた方法論を提示することにより、本研究で取り上げたような静的・動的構造特性を有した実コンフリクトをシステム論的に記述することが有用であることを示した。
  • 川嶌 健一, 多々納 裕一, 畑山 満則
    2006 年 23 巻 p. 309-318
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    安全な自律的避難を実現するためには, 状況を適確に認知するための「情報」, 状況を識別するための「知識」, さらには, 識別した状況に応じて適切な邉灘行動を選択するための「多様な避難行動代替案」の獲得が不可欠であろう。本研究では人々の水害時の邉灘行動を規定する避難メンタルモデルを仮定し, その中に多様な避難行動代替案の形成を図るため, 水害リスクコミュニケーション支援システムの開発を行った。愛知県清須市で行われた支援システムの検証実験では, 地域住民の持つ水害状況に対する認知や避難行動の代替案集合の多様化が見られ, その効果が確認された。
  • 谷口 守, 松中 亮治, 山本 悠二
    2006 年 23 巻 p. 319-324
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    「環境正義 (Environmental Justice)」という用語が, 計画関連する分野で最近かなり一般的に用いられている. しかしその反面, その内容や定義自体はっきりしていないというのが実情である. 本稿では, ウェブ検索および関連専門書の文献調査に基づき, 実際に環境正義という概念がどのように使われ, 計画に取り込まれているかを明らかにする. 分析の結果, 米国においては人間間 (人種間) の公平性・平等性を実現するための主概念として使用されていた. また, いくつかの国では, 既に環境正義概念に立脚する様々なツールや仕組みが導入されつつある. 米国のスコアカード, 英国の環境法廷, その他にも既にいくつかの国で導入されている環境警察を取り上げ, その内容と実態について計画プロセスの体系に沿った整理を行った.
  • 二神 透, 木俣 昇, 末廣 文一
    2006 年 23 巻 p. 325-334
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本稿では、樹木の防火効果に着目し、従来の緑地網の評価から、1本単位の樹木の効果を動的に評価可能なシステム開発を行った。そのために、火災延焼モデルをメッシュ型からポリゴン型とし、比較シミュレーションを実施し、大きな乖離がないことを確認した。適用事例では、自主防災組織が結成された地域を対象として火災リスクの提示と、防火樹木配置による効果をダイナミックに提示することができた。
  • 金井 昌信, 片田 敏孝, 望月 準
    2006 年 23 巻 p. 335-344
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 土砂災害を事例に防災教育のあり方を検討するとともに, 住民主導型の自主避難体制の確立に向けた取り組みを実施し, その取り組みを通して生じた住民の態度・行動変容を計測した. また, このような一地区を対象とした社会実験の効果を効率的に他地域へ波及させることを目的として, 取り組みを実施したことによる効果の波及の実態を把握した. 分析の結果, まず取り組みを実施した地区の住民については, 災害対応に関する意識に大きな改善がみられ, また自助・共助レベルでの行動変容があったことが確認された. 一方, その効果の波及についても, 意識面・行動面で効果が波及していたことを確認することができた.
  • 桑沢 敬行, 金井 昌信, 細井 教平, 片田 敏孝
    2006 年 23 巻 p. 345-354
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 地震発生後における住民の津波避難の意思決定構造に着目し, 実態調査をもとに避難の意思決定に関する予測モデルを構築することで, 津波襲来時の人的被害最小化を図る施策について検討した. さらに, 構築した予測モデルを災害総合シナリオ・シミュレータに導入することで防災教育効果を犠牲者数からの検証を行った. 分析の結果, 津波避難の意思決定は, 住民の津波災害に対する意識との連動性が高いことが明らかになった. また, 住民意識が改善された場合でのシミュレーションを実施したところ, 避難行動が促され, 犠牲者数が大幅に削減される結果となった. このことから, 防災教育による意識改善の有効性が示された.
  • 長田 基広, 渡辺 由紀子, 柴原 尚希, 加藤 博和
    2006 年 23 巻 p. 355-363
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、中量旅客輸送機関 (モノレール、AGT、LRT、GWB、BRr) を対象に、LCA (Life Cyde Assessment) を適用して、そのインフラ建設や車両製造段階をも含めた環境負荷 (CO2、SOx、NOx、CH4、N2O) 排出量の推計を行い、鉄道との比較を行っている。さらに、CO2については需要量による感度分析を行い、需要量ごとに排出量が最小となる輸送機関を明らかにしている。また、評価範囲を自家用車による走行の削減にまで拡張し、各輸送機関の整備による自家用車からの転換がSyLC-CO2の削減に及ぼす影響を推計し、実現可能な転換量で削減が十分可能であることを示している。
  • 土屋 哲, 多々納 裕一, 岡田 憲夫
    2006 年 23 巻 p. 365-372
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震を事例として取り上げ, その経済的影響を評価するために空間的応用一般均衡モデル (SCGEモデル) を構築し, 高速道路や高速鉄道といった地域間の基幹交通網の損傷, 被災地企業における生産資本の損傷が地域経済に及ぼす影響の分析を試みた. 時空間フレームの考慮や交通・ライフライン・ネットワークとの統合は, 一般均衡に基づくアプローチを災害の文脈に適用する際の本質的な課題であるといえ, 本論文では, 災害時における短期均衡の前提, また, 発生する被害の一部が企業に帰着する状況を仮定した分析の枠組みを提示し, 経済被害の推計を行った.
  • 田中 尚人, 秋山 孝正, 伊藤 宏匡
    2006 年 23 巻 p. 373-379
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近世城下町以来の都市基盤を持つ岐阜市は, 近代都市形成において電気軌道網がその骨格を成した. 本研究は電気軌道網による都市形成過程を検証し, 今後の都市計画, 都市施設整備, 公共施策に活かすことを目的とする. 史料から電気軌道網の敷設経緯, 都市形成を整理した上で代表的な都市施設の立地の傾向や展開から都市活動について分析を行った. さらに岐阜市内4駅を対象にケーススタディを行い, 空間利用や景観の変遷から駅空間が都市形成に及ぼした影響について考察した. 結論として, 近代岐阜市においては電気軌道網が駅空間を軸に都市と有機的に結びつき, 都市の魅力を生み出し回遊性を担保して都市活動を支えてきたことが分かった.
  • 岡田 幸子, 樋口 明彦, 仲間 浩一
    2006 年 23 巻 p. 381-388
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    維持管理の時代である今、再使用やリサイクルされる建設材料が増えている。建設材料である石材は、石垣や路盤舗装材などに使われてきた。しかし、文化財などの石造構造物の研究はあるが、石材の流通や再使用に焦点をあてた研究は少ない。本研究は、土木事業における石材の流通や再使用に着目し、北九州市では西鉄路面電車の敷石の生産から利用技術及び別用途での再使用に到る経緯を調査したものである。
    その結果、併用軌道における舗装技術と舗装に関する歴史的な経緯・過程、敷石の生産・流通・施工・補修の技術、ある時代の流通やストックの方法の全貌を解明した。また、現在77ヵ所 (39ヵ所確認) で再利用の情報を把握した。
  • 木村 一裕, 清水 浩志郎, 三浦 大和
    2006 年 23 巻 p. 389-397
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、歴史的遺産や町並みに対する関心の高まりから、都市の歴史と文化の重要性が徐々に認識されるようになった。現在の都市のありようはこれまでの歴史の積み重ねによって形作られたものであり、今後のまちづくりを考える際にも都市の歴史を理解したうえで、継承し、展開することが重要であると考えられる。
    本研究は、文献調査によって、近世秋田の都市の構造とその形成過程を歴史的な視点から把握することを目的とする。
    研究の結果、秋田市は防御、景観および経済活動の面からコントロールされ、計画的に形作られていた。また、経済、娯楽、まちづくりなどそこに住む人々の活動とともに都市の構造は徐々に変化していったことがわかった。
  • 日比野 直彦, 森地 茂
    2006 年 23 巻 p. 399-406
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 既存の統計データを組み合わせ1970年以降の国内観光動向を整理している. また, この結果を踏まえ, 「国民の観光に関する動向調査」, 「余暇活動に関する調査」 の結果を用いて, 観光行動の性年齢層別時系列分析を行っている. 各項目に対する特徴的な点を列挙するとともに, 「時代」, 「年代」, 「世代」の中で, どの影響を受けているのかの整理を行った. 特に 「世代」 という視点で時系列変化を分析していることは, 本研究の特徴である. 以上の分析を通して, 今後の観光施策を検討する上では, 世代毎の特徴を考慮し, それらを踏まえたマーケティング分析が重要であることを示唆している.
  • 田中 尚人, 二村 春香, 秋山 孝正
    2006 年 23 巻 p. 407-415
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 水辺を基盤として発展してきた都市形成におけるコミュニティの成立構造, 変化のプロセスについて考察し, 水辺のインフラストラクチャーとコミュニティのあり方について考察したものである.具体的には, 岐阜市中心部長良橋周辺を対象として, 文献資料から都市基盤整備の概要を把握, 特に水防と水辺利用の要として整備されてきた陸閘に着目し現地調査を行った.さらにヒアリング調査により, コミュニティの変遷と現況を整理し, 水辺に対する意識や工夫, ルールを抽出した.本論文の成果として, 水辺のコミュニティが自ら継承してきた水防システムを保持している場合適切な水辺利用が可能となり, 水防と水辺利用のバランスを保つシステムの運用には, 地域住民のインフラストラクチャーに対する理解が重要な要素となることが明らかとなった.
  • 南 正昭, 青山 佑介, 安藤 昭, 赤谷 隆一
    2006 年 23 巻 p. 417-422
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年, 中心市街地の活性化が都市計画上の重点課題として掲げえられ, 個性あるまちづくり, 街路歩行空間の創出が望まれている.本研究では, 街路歩行空間の空間構成と歩行者挙動の相互関係に着目し, 盛岡市内の性格の異なる3つの街路を対象にした観察データをもとに, 街路歩行空間上の歩行者通行軌跡, 進行方向変更確率, 占有時間およびデッドスペースの詳細な分析を行った.その結果, 歩行者の歩道中央への集中傾向, 滞留の発生箇所, 歩行者の上下流動の分離, デッドスペースの定常的な発生が観察され, 街路の個性によって歩行者挙動に異なった様相が生じることを明らかにし, 対象街路の個性に対応した歩行空間設計上の指針を観察データに基づき導出することが可能になることを示した.
  • ラオタナチョンクン パイロート, 佐野 可寸志, 松本 昌二
    2006 年 23 巻 p. 423-432
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    貨物車OD交通量は都市内物流施策を評価する際には必要なデータであるが, これまでは貨物車交通量を乗用車交通量と同時に推定する研究はあまりなされてこなかった.そこで本研究では, 確率的利用者均衡配分手法とGAアルゴリズムを用いて, 車種別のOD交通量を推定する手法を提案する.数値計算の結果, 本研究で提案した手法は既存の手法に比べてより良い結果を得ることができたが, 初期OD交通量との差を目的関数に含めないときに特に有効な手法であることが確認できた.
  • Wisinee WISETJINDAWAT, 佐野 可寸志, 松本 昌二
    2006 年 23 巻 p. 433-440
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 個々の顧客の荷主選択行動を集計することにより, 都市内の物資流動の分布貨物量を推定するモデルを提案する.本モデルは非集計選択モデルの枠組み用いているが, 荷主の企業規模等の荷主属性や, 顧客と荷主間の距離や, 顧客周辺の同業者が当該荷主を選択する確率等を考慮して, 顧客は荷主を選択すると仮定してモデル化を行う.東京都市圏物資流動調査のデータを用いてモデルの推計を行った結果, 顧客間の相互作用を考慮したモデルは高い推計精度を持つことが確認され, これは顧客の荷主を選択するという意志決定は他の顧客の影響を受けているという仮説を支持するものであると考えられる.
  • 中村 俊之, 吉井 稔雄, 北村 隆一
    2006 年 23 巻 p. 441-446
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 複数の経路を集約し主として細街路における道路網を表現する集約リンクと, 1本の道路に対応する形で主として幹線道路を表現する幹線リンクを考案し, これら性質の異なる2種類のリンクから構成される単純化ネットワークを提案した.単純化ネットワークは, 全道路を表現するネットワークとの比較において非常に少数のリンクで構成することが可能である.さらに, 幹線リンクで囲まれた1つのエリア内に起終点を持つODに関して「全てのドライバーについて, 起終点間を結ぶ全経路の認知旅行時間は等しい」との仮定を置くこと, 加えて経路選択モデルに用いる経路効用が分割可能, すなわち複数に分割した各経路区間の効用の和で算出可能となるように効用関数を設定することで, 単純化ネットワーク上での配分が全ての経路を対象とする配分と同等となりうることを示した.
  • 遠藤 弘太郎, 近藤 真哉, 新倉 淳史, 土居 厚司, 藤井 聡, 兵藤 哲朗
    2006 年 23 巻 p. 447-454
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, 社会心理学の態度理論に基づいて, 何らかの交通施策を行った場合の交通需要の変化を予測する手法として藤井, ヤーリングによって提案されている行動意図法 (BI法) を, 鉄道新線 (みなとみらい線) の需要予測に適用した。そして, その予測結果を開業後の実際の需要と比較することにより, BI法の鉄道新線需要予測への適用可能性を検証した結果, 鉄道新線の簡便な需要予測手法として, 特に, 短期的で影響範囲が限られるような場合にBI法が有効であることを示すことができた。また, BI法による予測において重要となる「行動一意図一致率/不一致率」の検証を行い, 新たな知見を得ることができた。
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