土木計画学研究・論文集
Online ISSN : 1884-8303
Print ISSN : 0913-4034
25 巻
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  • 清水 英範, 井上 亮
    2008 年 25 巻 p. 1-15
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は、統計GISの発展と利活用には統計データの視覚化手法の進展も必要であるとの問題意識の下、地図を敢えて変形させることによって統計データの空間分布の特徴を視覚化する、カルトグラムという視覚化手法の潜在的な魅力と可能性に着目し、その合理的かっ実用性の高い作成手法を構築した。手法構築の基本的方針は、(1) 作成手法の全体像を単純かつ明快にするため、作成問題を最小二乗法で記述すること、(2) 不必要な地図変形を抑制するため、カルトグラム上の地点間の座北方位角を地理的地図上の方位角に可能な限り近づけるという正則化条件を導入すること、の2点であり、この方針に基づいて三種類のカルトグラムの作成手法を提案した。また、幾つかの事例分析を通して、統計データの視覚化手法としての提案手法の有効性を例示した。
  • 青木 一也
    2008 年 25 巻 p. 17-35
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 羽鳥 剛史, 小松 佳弘, 藤井 聡
    2008 年 25 巻 p. 37-48
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 土木計画における公共受容や合意形成の問題を考える上で, 個人の心理的傾向性として「大衆性」に着目した. そして, オルテガの政治哲学理論を踏まえ, 行政行為が一切変化しない状況でも, 公衆が大衆化することで公共事業に対する合意形成が困難となるであろうという仮説を理論的に措定した. そして, アンケート調査を通じてその仮説を実証的に検証した. その際, 大衆社会論の代表的古典であるオルテガ著「大衆の反逆」(1930) を基にして構成された個人の大衆性尺度を用い, それら尺度が, 政府・行政や公共事業に対する態度に及ぼす影響を分析した. その結果, 本研究の仮説が支持され, 大衆性が公共事業に対する合意形成を阻害する可能性が示された.
  • 水野 絵夢, 羽鳥 剛史, 藤井 聡
    2008 年 25 巻 p. 49-57
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 公共事業に対する人々の賛否意識に影響する心理要因を明らかにすることを目的とする. この目的の下, 既往研究を踏まえて, 全国の都道府県の世帯を対象とした調査データ (N=15316) を用いて, 人々の賛否意識とその規定因との因果関係について実証的に検討した. その結果, 公共事業の賛否意識を規定する重要な影響要因として,「認知世論」,「他者の意見」,「公共事業の論点認知」,「マスコミ賛否」が存在することが確認され, 既往研究で示された心理的因果構造が全国的な規模で成立している可能性が示唆された. それに加えて, 本研究で新たに検討した要因である「公共事業関係者の誠実性の信頼」が, その心理的因果構造の重要な構成要素になり得ることが示唆された.
  • 佐藤 徹治, 樋野 誠一, 稲垣 雅一
    2008 年 25 巻 p. 59-66
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では、実際の交通プロジェクト評価に用いられている従来型の地域計量経済モデルと空間的応用一般均衡 (SCGE) モデルの仮定や分析結果の違いから実務の現場で混乱を来していることを踏まえ、地域間産業連関を考慮した多地域計量経済モデル、新経済地理学 (NEG) の概念を取り入れたNBG型の空間的応用一般均衡モデルを構築し、同一のデータセットを用いた実証分析 (高速道路整備の影響分析) の比較を行っている。この結果、両モデルによるシミュレーション結果が概ね同様の傾向を持つことが示された。さらに、両モデルの特徴および実証分析の結果を踏まえ、今後の実用的な交通プロジェクト評価の方法を提案している。
  • 内海 泰輔, 中村 英樹
    2008 年 25 巻 p. 67-76
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    我が国の道路は, 実現する交通性能を十分照査することなく過去に定められた仕様に基づき計画設計されている. 今まで以上にコスト・パフォーマンスの高い道路が求められる現在, 筆者らは仕様型ではなく性能照査型の道路計画設計の必要性を提唱している. 本論文では, 時間交通需要の変動を考慮し計画設計道路の交通性能を推計する手法を構築し, これを用いた性能照査型の道路計画設計法を提案した. これにより, その道路の機能に応じて求められる性能を確認し道路を計画設計することができる. また予算, 空間等の制約条件の下で, 代替案を比較検討することができ, 合理的な道路構造と交通運用の組合せを選択することも可能となる.
  • 佐々木 邦明, 西井 和夫, 次田 和弘
    2008 年 25 巻 p. 77-84
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は公共交通のサービスレベルの認知にバイアスが存在するのか, また存在するとしたらどの程度かということを, 甲府都市圏パーソントリップ調査を用いて分析したものである. 具体的には駅・バス停へのアクセス距離と運賃を対象として分析を行つた. その結果, 駅・バス停へのアクセスはそれぞれ1.34倍と1.15倍に認識されていることが明らかとなった. その認知はゾーンの道路整備特性にも影響を受けていることも示された. また運賃については, 鉄道の運賃が比較的正確に認知される一方, バスの運賃は非常にばらついて認知されていることが明らかとなった.
  • 山崎 祐輔, 天王 嘉乃, 高木 朗義
    2008 年 25 巻 p. 85-92
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, 先行研究で実施されたアンケート調査に基づいて, 洪水災害に対する住民の備えを表す自主防災行動モデルを作成した. 自主防災行動モデルは, あいまい性と論理性を考慮できるファジィ推論を用いて住民の属性から洪水災害に対する15種類の備えのレベルを予測するものである. この自主防災行動モデルを用いて7種類の自主防災促進策について検討した結果,「学校で行われる防災訓練に参加」という施策が最も効果的であることが示された. また, 施策への参加率を変化させた想定での効果分析を通して, 施策への参加世帯を有効に選択することで, より効果的な施策効果を見込めることがわかった.
  • 松中 亮治, 谷口 守, 板垣 大介
    2008 年 25 巻 p. 93-99
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, 一般廃棄物処理費用の最小北を目的とし, 最適な廃棄物の収集・運搬経路及び施設の最適配置を同時に探索可能なシミュレーションシステムを構築した. そして, 岡山市及び玉野市を分析対象として複数のシナリオを設定し, 処理費用の観点から, 一般廃棄物処理計画における最適な収集・運搬計画を探索するとともに, 各シナリオの環境負荷量 (CO2排出量) について比較考察した. その結果, 岡山市及び玉野市における一般廃棄物処理は, 広域化することで費用の低減が可能であることを示した. また, 中継輸送の導入は, 本研究で分析対象とした都市においては, 費用の点からも環境負荷 (CO2排出量) の観点からも, 有効な施策ではない可能性があることを示した.
  • 末岡 真純, 木村 一裕, 羽田野 和久
    2008 年 25 巻 p. 101-108
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では、高速道路事業においてアウトカム指標であるCSに関する調査の位置づけ、調査の概要、分析結果、事業計画との関連、今後の課題について論じた。この結果次のようなことが明らかになった。情報関連項目はCSへの影響度が大きくかつCS値が低いので事業を優先的に行うことによりCS向上に結びつく可能性が大きい。CS調査結果から顧客のニーズに適合した重点施策を選択できPDCAサイクルに基づく事業実施を行うことができる。web調査についてはスクーリングによってでも限界があるので他のアンケート調査とも組み合わせながら精度を向上していく必要がある。
  • 栄徳 洋平, 溝上 章志
    2008 年 25 巻 p. 109-119
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, アマルティア・センのcapabilityアプローチの考え方に基づき, 交通施設のサービス水準に関して, QoM (Quality of mobdity) を定義し, 効率性と公平性の視点から交通施設整備の効果を評価する手法を提案した. この手法は移動可能性と移動選択性からなるモデルで構成されている. この手法を用いて, 地方都市である山鹿市における2種類の道路整備シナリオに対する効果の評価を行った. その結果, 今後, 地域全体のQoMは低下し, 格差が拡大すること, 地域間幹線道路と地域内道路の整備による格差の改善効果には違いがあることを明らかにした.
  • 鈴木 俊之, 杉浦 聡志, 高木 朗義
    2008 年 25 巻 p. 121-127
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, 道路舗装の補修時に生じる迂回費用と, 舗装の劣化によって生じる安全性・快適性の低下を道路利用者のユーザーコストとして定義し, LCCと最適補修戦略に与える影響について分析した.
    安全性・快適性の評価には, コンジョイント分析を用いることにより, 特にMCIが5.0以下では, 同一のMCIであっても, 劣化の状態 (ひび割れ率, わだち掘れ量) によってWTPが異なることを示した. また, 仮想道路ネットワークを用いた試算により, 交通量の少ない状況下ではLCCについて補修費用が支配的となるものの, 交通量が多い都市部などにおいては最適補修水準が上昇し, 補修戦略に影響を与える可能性があることを示した.
  • 馬場 美智子, 吉田 禎雄, 能島 暢呂, 奥寺 敬
    2008 年 25 巻 p. 129-140
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本稿では、施設立地や交通ネットワークを考慮した広域災害時のシミュレーションモデルを構築し、静岡市を対象としたケーススタディを行い、救急搬送や医療機関での情報やトリアージの有無で表現される指揮命令系統による効果を分析し、救急医療搬送システムを検証した。本シミュレーションモデルは、医療機関や道路等の施設の空間的な整備状況を入力情報として、医療搬送や救急医療搬送システムを評価することが可能となっている。シミュレーション結果から、救急医療搬送や医療機関での処置時間短縮における情報共有の重要性や、トリアージによる時間ロスを短縮するための情報共有の重要性等が明らかになった。
  • 氏原 岳人, 谷口 守, 松中 亮治
    2008 年 25 巻 p. 141-146
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、環境的な視点から都市・地域計画を評価・検討していくことの重要性が各所で議論されている。一方で、それら都市・地域は多種多様な特性を持つ地区から構成されており、それら地区において、どの程度の環境負荷を発生させているのかについての研究は数少ない。そこで本研究では、近年注目されているエコロジカル・フットプリント指標を用い、岡山市を対象として地区レベルでの環境負荷超過率の検討を行った。分析の結果、市中心部や鉄道沿線だけでなく郊外部の幹線道路沿道においても環境負荷超過率が100倍以上の地区が存在することを明らかにした。その一方で、山間部や農村部においては1.0以下の地区も存在することを明らかにした。
  • 塚井 誠人, M. N. B. JAAFAR, 小林 潔司
    2008 年 25 巻 p. 147-154
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    インドネシアのカリマンタン島, スマトラ島では, 乾期に大規模な森林火災が起こると, 周辺諸国に広がる煙害につながるため, 煙害予測・警報システムによってその影響を最小限に食い止める必要がある. 本研究は, 筆者らが既往研究において開発してきた実用的な煙害予測・警報システムのサブモデルとして, スマトラ島の森林火災規模を予測できる統計モデルの開発を目的とする. 具体的には, 出火地点周辺の時間的・空間的な特性を考慮した生存関数モデルを提案した. 実データに基づいてモデルの適用可能性を検証したところ, 森林火災継続モデルの精度は良好である一方, 森林火災発生モデルの精度は不十分であり, 改良が必要なことが明らかとなった.
  • 大西 正光, 小路 泰広, 小林 潔司
    2008 年 25 巻 p. 155-164
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では建設市場における仕様発注契約, 性能発注契約ゲームを定式化し, 発注形態が請負業者の新技術導入に対するインセンティブやモラルハザードに対する誘因に及ぼす影響を分析した. その結果, 性能発注は, 工事ごとに異なる技術的ニーズとそれに最も応える請負業者をマッチングさせるメカニズムを有していることを理論的に明らかにした. さらに, 請負業者の技術開発が促進されることも明らかになった. また, 性能試験が信頼性を犠牲にした過度な建設コスト削減に対する請負業者のモラルハザードを阻止する役割を指摘した.
  • 三輪 富生, 新井 秀幸, 山本 俊行, 安藤 章, 森川 高行
    2008 年 25 巻 p. 165-174
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    ロードプライシングは都心部の道路交通問題を解消するための効果的な政策であることが知られている. しかしながら, ロードプライシングは社会的受容性が低く, その実施が極めて困難である. そこで, ロードプライシングに代わる新たな道路課金施策と考えられる駐車デポジットシステムについて, 社会的受容性に関するロードプライシングとの差を分析する. 名古屋市都心部への来訪者を対象としたアンケート調査データを用いてロードプライシングおよびPDSへの賛否選択モデルを構築し, 社会的相互作用下での施策賛成率の変化について分析した. 分析の結果, PDSがロードプライシングと比較して受容性を大きく緩和できる可能性を示した.
  • 轟 朝幸, 須永 貴之, 近藤 和宏
    2008 年 25 巻 p. 175-183
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、鉄道駅利用者を対象とした郵送回答方法およびWeb回答方法 (PCおよび携帯電話) でのアンケート調査を実施し、そのサンプルの特性と信頼性について分析を行っ為また、アンケート調査の依頼時に回答方法を指定する方法をいくつかのパターンに分けて行い、Webアンケートの効果的な活用方法を明らかにした。分析結果・考察をまとめると、鉄道駅利用者などの不特定多数を対象とする交通アンケート調査では、Web回答方法を適切に活用すれば、回収効率の向上やサンプルの信頼性の確保が可能であることがわかった。ただし、母集団を反映したサンプルをとるためには、アンケート調査を行う際に母集団の構成も把握し、調査サンプルと照らし合わせ、信頼性確保を検討する必要があることも示唆された。
  • 金 希津, 新田 保次, 本村 信一郎
    2008 年 25 巻 p. 185-192
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    地球のサステイナビリティの維持を維持するために、様々な部門でサステイナビリティ言平価に関する研究が行われている。交通部門でサステイナビリティを目指すためには、交通部門をめぐる地域の現状を知ることが必要である.本研究では、都市レベルにおける交通部門のサステイナビリティ評価を行うための評価指標を抽出する.第一に、サステイナビリティ評価および交通部門のサステイナビリティ評価指標研究の事例をレビューし、サステイナビリティ評価指標研究の到達点を探る.第二に、収集した事例を参考にしながら、交通部門のサステイナビリティ評価指標を整理する.
  • 森尾 淳, 杉田 浩
    2008 年 25 巻 p. 193-200
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本稿では、ライフステージに着目して地域間移動の変化について分析を行った。ライフステージに着目するために、1970年、1980年、1990年、2000年の過去4回の国勢調査の人口移動集計を用いて、都道府県間の年齢階層別の人口移動の集計を行った。集計結果から、都道府県別の人口移動の最大転出先の経年変化、進学・就職における人口移動の経年変化について示した。さらに、大都市圏から地方圏への転入超過のピーク世代が25-29歳、60-64歳にあることを明らかにするとともに、上記の人口移動を想定した地方圏における地域の活性化の政策の方向性について示した。
  • 河野 達仁, 野添 孝敬, 岸 昭雄
    2008 年 25 巻 p. 201-212
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    環状線整備などの郊外部の交通施設整備は都心空洞化の主な要因の一つとされている. しかしながらこの主張の理論的根拠は十分に示されていない. そこで本研究は, 交通施設整備と商業の都心空洞化の関係性を都心と郊外からなる立地均衡モデルを構築して理論的に分析を行う. その結果郊外と都心を結ぶ放射線整備を行った場合には必ず都心商業が繁栄する一方, 郊外同士を結ぶ環状線整備を行った場合には, 都心空洞化が進行する場合とそうでない場合があることを示す. 後者のケースは上記に示した従来の主張の反例となっており, 郊外環状線整備が必ずしも都心空洞化を引き起こすわけではないことを示す.
  • 堀 倫裕, 小濱 健吾, 貝戸 清之, 小林 潔司
    2008 年 25 巻 p. 213-224
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    下水道処理施設のアセットマネジメントにおいては, 点検・補修を実施するために処理池の排水が前提となる. 点検・補修時には, 一時的に下水上処理池の機能を停止せざるを得ず, 点検・補修作業の迅速性が要求される. このため, 点検時に損傷が発見されれば, 直ちに補修が実施される. また, 処理池コンクリート版の劣化状態に関する情報を獲得することは容易ではなく, 損傷タイプ別の補修工事量 (損傷面積に関する情報) のみが利用可能な場合が少なくない. 本研究では, このような特性を持つ下水処理施設の劣化過程を集計的マルコフ過程としてモデル化するとともに, 期待ライフサイクル費用を最小化する点検・補修間隔を求めるための最適点検・補修モデルを提案した. さらに, 現実の下水道処理施設を対象とした適用事例を通じて, 予防保全政策の有効性を例示した.
  • 鈴木 温, 矢嶋 宏光, 岩佐 賢治, 屋邦 鉄雄
    2008 年 25 巻 p. 225-232
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、現在、英国の各地域で改訂作業が進められている地域空間戦略 (Regional Spatial Strategy: RSS) に着目し、計画の概要、制度改正のポイント、最新の策定状況、制度の運用状況を整理したうえで、1) 個別計画の整合性がどのように図られているか、2) 個別プロジェクトが上位の空間計画の中にどのように位置づけられているのか、3) 国と地域がどのような役割分担で計画を検討・策定しているのか、4) 計画プロセスにおいて、利害関係者や一般市民がどのように参画し、手続きの正当性をたかめているかという4点に着目し、RSSにおける工夫や課、題を整理し、我が国への示唆について論じた。
  • 福本 潤也, 後藤 雄太
    2008 年 25 巻 p. 233-244
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    2002年に創設された構造改革特区制度は規制改革を促進する上で有効な制度である. しかし, 最近は, 提案件数の減少や大胆な提案の減少といった問題を抱えている. 本研究では, それらの問題を生み出している原因が, 特区制度を構成する複数のプロセス間に働く外部効果にあることを指摘する. さらに, 特区制度のメカニズムを不完備情報ゲームとして定式化する. そして, 制度を構成するプロセスの変更が制度の有効性に及ぼす影響についてのモデル分析を行う. 分析結果に基づき, 審査機関の意思決定権の強化や審査機能の強化は制度の有効性を向上させるが, 所管省庁へのペナルティの付加は制度の有効性を損なう可能性があることを指摘する.
  • 織田澤 利守, 赤松 隆, 山崎 周一
    2008 年 25 巻 p. 245-254
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 地域間移住を考慮した2地域モデルにおいて, 不確実な経済環境下での社会的最適資源 (DSO: Dynamic Social Optimal) 配分状態を明らかにし, それに基づき厚生分析を行う. 新経済地理学モデルにおける厚生分析は, 静学的な枠組みを用いた既存研究は散見されるものの, 地域間移住ダイナミクスを考慮した動学的な枠組みでは行われていない. 本研究では, 地域間人口配分のDSO状態を求め, それに基づく最適制御ルールを導出する. その上で, 財の輸送費用の不確実性の度合いや移住費用などパラメータの変化がDSO配分状態に及ぼす影響を明らかにする. さらに, 動学的な均衡モデルと比較し, 経済厚生の改善をもたらす政策のあり方について検討する.
  • 中野 一慶, 多々納 裕一
    2008 年 25 巻 p. 255-266
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、中間財、および最終財を生産する2つの産業部門を有する経済成長モデルを構築し、産業間の相互依存性を考慮した自然災害による経済被害の整合的評価方法について理論的に検討を行った。その結果、災害がある場合とない場合の各産業部門のキャッシュフローの差額の現在価値を単純に足し合わせたものを企業部門で評価することで、帰着側である家計部門の被害と一致するため、発生側・帰着側のどちらで評価しても経済全体の被害額として整合的となることが明らかとなった。また、災害による1次的な被害額とカスケード効果が生じることによる被害の変化額を分離して推計する方法を構築し、カスケード効果が生じることによる被害の変化を分析した。
  • 松本 幸正, 古井 良典, 松井 寛
    2008 年 25 巻 p. 267-275
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 暮らしやすさに対する評価と個々の生活環境要因に対する評価の関係を分析するため, 評価の非対称構造を捉えるとともに, 満足度を同時に考慮可能な分析手法を示した. 満足度を指標化するにあたっては,「満足」と「不満足」のみならず,「どちらでもない」を明示的に考慮した新たな考え方を示した. これらの方法を愛知県の旧岡崎市における市民意識調査結果に適用して, 暮らしやすさ評価へ及ぼす影響の形態に基づいて生活環境要因を分類した. さらに, 分類ごとの評価構造を用いて暮らしやすさ評価と生活環境要因の関係を数量化理論II類を用いてモデル化し, 暮らしやすさへの評価向上を目指す場合には, 両反応型の生活環境要因への対策が最も効果的であることを明らかにした.
  • 北詰 恵一, 崎野 恵
    2008 年 25 巻 p. 277-283
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では、プリンシパル・エージェント問題の基本的な手法を用い, 民間発案によるPFI事業の実施がなかなか進まない状況に対する報酬に基づくインセンティブの枠組みを検討した。民間企業がプロジェクトを発案するインセンティブと, その事業に対して, 自己の利益だけではなく, 公共の便益を高めるように努力するインセンティブを与える方法として, 最適な報酬の組合せがあることを確認した.
  • 吉田 護, 多々納 裕一
    2008 年 25 巻 p. 285-291
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 公共工事における設計照査の委託に伴うモラルハザードを防ぐ枠組みとして, 検査結果に基づく報酬スキームについてモデル化, 分析を行った. 一社に委託する場合に関して, 不備を発見した場合に追加的な報酬を与えることがより効率的な報酬スキームであることが示された. また, 二社に委託する場合に関して, 報酬と罰則を適切に組み合わせた報酬スキームを組むことがより効率的な報酬スキームであることが示された. さらに, 社会的損失が非常に大きい場合には, 二社による検査を実施した方が社会的に望ましいことが数値実験の結果として示された.
  • 香川 太郎, 藤井 聡
    2008 年 25 巻 p. 293-298
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 自動車来訪者と非自動車来訪者間における消費金額の差異を確認することを目的として, 東京都目黒区自由ヶ丘商店街の来訪者に対してヒアリング調査を行った, その結果, 両来訪者群問で一日消費金額の平均値には有意差は認められなかった一方で, 来訪頻度を加味して推定した年間の消費金額合計値については, 非自動車来訪者群の方が大きいことが示された. その原因を分析したところ, 自動車来訪者群の中で来訪頻度が極端に小さい来訪者において消費金額が大きいものの, 来訪頻度が一定程度以上の来訪者の消費金額は小さいことが, その原因となっている様子が示された.
  • 山崎 俊夫, 秀島 栄三
    2008 年 25 巻 p. 299-310
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    住民の多くは自らが住む地区の問題点を知っている. しかし, 空間構成に関する具体的な議論になりにくい.心の中に描かれた空間イメージは, 人によって異なるため, 議論に齟齬を来たし, 合意形成に至ることが難しい. 本研究では, 主に地区住民を対象とした空間構成を再現する実験を通じて, 日頃見慣れている空間であっても, 自らの記憶の中にある空間構成を再現したものは, 実際の空間構成と異なっていることを明らかにした. また, 視覚情報を提示することにより空間構成への理解が深まり, 空間の再現性が高まること, 実写映像よりもCGムービーを提示した方が空間の再現性が高まることを明らかにした.
  • 谷口 守, 松中 亮治, 芝池 綾
    2008 年 25 巻 p. 311-318
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、コミュニティ機能の再生においてその重要性が指摘されているソーシャル・キャピタルに関して、住民のまちづくりに対する重要度意識との関連を明らかにした。これにより、ソーシャル・キャピタル形成度合いが高い人では、まちづくり施策に対する重要度も高いという一般的な関係があることがわかった。また、参加活動よりも地域に対する誇りや信頼度がまちづくり重要度意識との関係が深く、参加活動よりも地域をどうとらえているかということがより強くまちづくりに対する意識と結びついていることを明らかにした。
  • 崔 瑛, 小場瀬 令二, 岡本 直久
    2008 年 25 巻 p. 319-328
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年においては, 地域経営においてもマーケティングからならつた民間の戦略的なマネジメント手法が導入されつつあり, 本研究の対象である地域ブランドの構築もその一例としてあげられる. そこで本研究は, 市単位自治体を対象とするアンケート調査を行い, 地域ブランド関連施策の現状把握を試みた. まず, 対象自治体の施策の実施実態を把握し, 実施状況と地域属性との関連性を把握した. また, 施策の実施自治体を対象に, その特徴によるタイプ分類を行い, 具体施策の内容と施策の取り組みプロセスにおける差を分析した. これらの結果から, 今後の施策推進における課題及び方向性の設定に必要な知見を得ることを目的とした.
  • 木梨 真知子, 金 利昭
    2008 年 25 巻 p. 329-338
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本稿では、茨城県日立市をケーススタディとし、防犯まちづくりの前段階として防犯環境設計からみた日立市の現状を把握するとともに、ひったくり犯罪を対象として環境的要因の分析により犯罪が発生しやすい市街地特性を明らかにすることを目的とする。数量化理論II類分析より、犯罪発生に影響する要因は、世帯密度、人口密度、金融機関、鉄道駅、警察署であることを示し、更に前面が空き地の街路や歩道のない街路が選定されていることを確認した。また、クラスター分析より犯罪タイプを4分類し、各犯罪タイプの市街地特性を明らかにした。
  • 今井 洋人, 星野 裕司, 小林 一郎, 毛利 洋子
    2008 年 25 巻 p. 339-347
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    道路の線形改良や拡幅、バイパス整備の道路改良工事で生じる残地は、自然発生的でいびつな形状を有し、立地や面積の操作が困難であるといった特徴を持つ。このような扱い難い空間のため、残地は利活用の着眼点が見出せず、有効に活用されていない可能性が高い。そこで、本稿ではこの残地に着目し、有効活用可能な空間として再び都市へ位置づける必要があると考えた。具体的には、残地の特徴 (形成過程、空間構成) や整備と周辺環境の関係を分析することで、残地整備における着眼点の抽出を試みた。
  • 奥村 誠, 塚井 誠人
    2008 年 25 巻 p. 349-355
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 観光圏形成上, 連携すべき観光地の特性を明らかにするため, 周辺地域の観光資源の存在が, 観光旅客流動や地域の宿泊容量に及ぼす影響を統計的に分析した. その結果, 博物館・美術館は, 自地域および周辺地域の観光旅客数と宿泊容量の増加をもたらすことが明らかとなり, 地域間連携上, 重要な観光資源と考えられる. 国立・国定公園および特別歴史風土地区は, 集客効果の大きい観光施設と連携することにより, 周辺の宿泊ストックを活かした滞在型観光圏が形成する可能性がある. 一方温泉は, 近接した地域間で宿泊容量が競合する傾向が見られるため, 同一の観光圏とする場合には注意が必要である.
  • 鈴木 春菜, 藤井 聡
    2008 年 25 巻 p. 357-362
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    地域愛着のインパクトについての研究はこれまで, 主として環境心理学をはじめとする他領域の中で各種の分析が進められてきたため, 土木計画に直接かかわる諸変数に対する地域愛着の影響は, 十分に検討されているとは言い難いものであった. 本研究では, このような背景のもと, 地域愛着と地域への協力行動をはじめとする土木計画にかかわる諸変数との間の統計的関係を質問紙調査の結果をもとに分析した. その結果, 地域愛着が高い人ほど, 町内会活動やまちづくり活動などの地域への活動に熱心で, 行政を信頼する傾向が示された.
  • 川田 圭吾, 廣畠 康裕, 宮田 譲, 中西 仁美
    2008 年 25 巻 p. 363-372
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    地域計画において, 将来的な経済性および都市構造を加味することが不可欠である. 現在, 県境地域連携が活発に行われている三遠地域では, 経済性, 土地利用など様々な観点からの評価を踏まえた計画が重要となる. 本論文では三遠地域の地域計画に大きな影響を及ぼすと思われる幹線道路整備に着目し, その整備効果計測のための経済波及効果モデル開発を行った. さらに複数の整備計画案を対象に整備効果を計測することによって, 道路整備が対象地域にどの程度の経済波及効果をもたらすのかを試算した.
  • 出口 近士, 清田 浩介, 吉武 哲信, 松山 茂
    2008 年 25 巻 p. 373-384
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    宮崎市では平成17年7月~平成19年3月まで「駐車場共同利用システム」の社会実験が行われ、平成19年4月からは試行実験が継続されている。本研究は、社会実験から試行実験までのプロセスをプロジェクトマネジメント視点から整理・分析し、「駐車場共同利用システム」の事業化への課題を検討したものである。
    その結果、1) 社会実験期には第3者が関与した委員会等が主体となってシステムを総合監理する必要がある、2) 社会実験の立ち上げと実施監理にプロジェクトマネジメント技法が有効である、3) 社会実験実施と委員会での検討・改善のPCDAサイクルを確保することが “人” や “情報” の監理に効果があることを明らかにしている。
  • 榎本 拓真, 中村 文彦, 岡村 敏之
    2008 年 25 巻 p. 385-394
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 近年, 導入が進む大型SCの公共サービス機能の導入の中で, 特にアクセス公共交通導入に着目し, アクセス費用のモード問比較, 買物行動の実態評価を通じ, 郊外大型SCのアクセス公共交通導入実態と, 郊外大型SCへの公共交通乗り入れによる地方都市における買物行動の手段転換可能を明らかにした. 結果として, 郊外大型SCへのアクセス公共交通は, 多様な導入形態があり, 高いLOSを担保する事例も確認した. さらに, 買物行動の実態分析と自動車とのアクセス費用比較から, アクセス公共交通の優位性は認められず, チョイス層でも買物行動時の自動車利用が固定化し, 所要時間が公共交通より長くても自動車を選択する傾向を示し, 手段転換が困難であることを示した.
  • 木澤 友輔, 高見 淳史
    2008 年 25 巻 p. 395-402
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は, 多摩ニュータウン初期開発地区を対象に, 徒歩アクセシビリティの観点から「歩いて暮らせる街づくり」について検討したものである. 第一に,“自宅から歩いて行きやすい範囲に多様な目的地が存在する”程度を表す総合的アクセシビリティ指標を提案し, それが幅広い属性の個人にとって高い地区と低い地区を抽出して, その空間的特徴を把握した. また, その指標と住民の交通行動との関係を分析し, 総合的アクセシビリティの高さが徒歩移動の多さと関連付けられることなどを示した. 第二に, アクセシビリティの低い愛宕地区を対象に, 近隣センターの再配置やバスサービスの導入などアクセシビリティ向上策の効果や必要性について考察した.
  • 戸川 卓哉, 林 良嗣, 加藤 博和, 清水 一大
    2008 年 25 巻 p. 403-413
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 少子高齢化に伴う世帯構成の変化によって深刻化が懸念される住宅ストックの需給ミスマッチを緩和する住宅供給方策を検討するフレームワークの提案を行った. フレームワークの特徴としては,(1) 都道府県の範囲を対象とし市区町村を分析単位として需給ミスマッチの分布を分析できること (2) 住宅市場モデルを導入することにより社会的余剰の観点から最適供給方策を考察できる点である. 愛知県に適用し2025年を対象とした分析を行った結果, 今後必要な住宅整備の主な方向として, a) 全域における, 家族向け住宅から高齢世帯向けへの既存住宅ストックの転換促進, b) 都心部における, 単身の高齢世帯向けの新規住宅供給を挙げることができた.
  • 西村 悦子, 今井 昭夫
    2008 年 25 巻 p. 415-421
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    10,000TEU容量を超える超大型船が登場する中、これらが寄港する港湾で取り扱いの大部分になるであろうトランシップ貨物のみに着目し、当該船が寄港するコンテナターミナルでのコンテナ配置計画を取り上げ、解法の提案を行った。ここでは超大型船からフィーダー船への一方向での計画のみを扱った。計算の結果より、フィーダー船の待ち時間を考慮したサービス時間は提案する方法が最も短くなることが分かった。また荷役時間のみを最小化する場合や超大型船を優先にコンテナ配置を行う場合と比べ、その効果の大きさは、超大型船の到着時期、ターミナル形状や混雑状況によって異なることを示すことができた。
  • 竹内 伝史, 古田 英隆
    2008 年 25 巻 p. 423-430
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 田辺 建二, 山田 忠史, 谷口 栄一
    2008 年 25 巻 p. 431-439
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    商品のサプライチェーン全体で生じる現象を記述するモデルとして, サプライチェーンネットワーク均衡 (SCNE) モデルに注目し, 製造業者・卸売業者・小売業者・消費市場の4主体で構成されるSCNEモデルの定式化を示し, モデルの性能の妥当性を検討した. モデルを用いて, 仮想ネットワークに対して, 都市内配送効率化や流入規制などの物流施策の効果を比較分析した. また, 複数の流通段階の利用が可能なSCINEモデルを用いて, 複数の流通段階をもつサプライチェーンネットワークの特性について, 輸送費用やEコマースとの関係の観点から基礎的な評価検討を行った. その結果, 物流施策の影響は施策実施箇所のみならず, SCN全体に波及する可能性が示唆された.
  • 阪井 清志
    2008 年 25 巻 p. 441-450
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では可地方都市の都心部と郊外をシームレスに繋ぐ優れた軌道系交通システムとしてドイツを中心として周辺諸国で導入が進みつつあるトラムトレインを対象として、日本への導入を想定した場合の今後の検討事項を明らかにするため可文献調査及び現地調査を実施し可主要な課題として、計画・事業調整の枠組みと推進のための取組み、並びに鉄道と路面電車 (LRT) の規格の相違点とその克服のための技術開発を抽出し、ドイツ及びフランスにおける具体的な課題の内容と解決の方向性を明らかにした。
  • クレシ・ アリ, 谷口 栄一, 山田 忠史
    2008 年 25 巻 p. 451-462
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    都市内の貨物の集配送において、顧客の到着時刻指定の相違が、集配コストや環境に異なる影響をもたらす可能性がある。本論文では、到着時刻指定の種類のうち、ハードとセミソフトタイプの二種類の時間指定に注目し、双方が環境にもたらす影響の相違を考察した。分析に際しては、従来使用されてきた近似解法ではなく、時間枠付き配送計画問題の厳密解法を用いた。実際の道路網、および、そのリンク情報を用いたケーススタディの結果、到着時間指定がセミソフトのケースは、ハードのケースと比較して、配送費用を抑制できるだけでなく、環境負荷の抑制に効果的であることが示された。
  • 赤倉 康寛, 柴崎 隆一, 渡部 富博, 金子 彰
    2008 年 25 巻 p. 463-470
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文では, データの取得方法が明らかな国公式統計に着目し, アジアを中心とした世界の主要国の公式の公表ベースの港湾貨物統計について, 国際海上コンテナに係るデータ取得方法や項目・内容等を把握し, その相違点を確認した. また, 二国間のコンテナ流動量を, データの前提条件を合わせて, 輸出側と輸入側のデータを比較し, これらによりデータ精度について定性的・定量的分析を行った. さらに, これらを基に, 主要国の港湾貨物統計の利用にあたっての留意点や, 今後のあり方について考察した.
  • 大喜多 梨加, 内田 敬
    2008 年 25 巻 p. 471-477
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    超高齢化社会の到来、ライフスタイルの多様化が進む中で、都市の利用者や利用目的が多様に変化している。こうした社会変化に伴い、ターミナル地区では多様な人々が様々な目的を持って移動することが予想される。大規模地下街は自分の現在位置が認識しづらい場所として着目し、一般的な誘導方法であるサインを用いて移動の円滑化に努めることを目的とする。本研究では、サインシステム (出口番号を体系的に整理したルール) を提案する。画像実験を用いてサインシステムを比較し、移動する際の人々の傾向を知ることができた。
  • 鈴木 美緒, 屋井 鉄雄
    2008 年 25 巻 p. 479-486
    発行日: 2008/09/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 日本の都市部での自転車配慮型道路の整備にあたり, 自動車の進入を許可する運用方法の自転車共用通行帯を導入する可能性を, ドライビングシミュレータ実験で得た自動車走行特性から検討した. その結果, 十分な幅員の余裕がない車道に自転車を走行させる場合, 自動車進入可能な自転車共用通行帯を, 優先的に幅員を与えて導入することで, 自動車と自転車に適切な距離が保たれ, 自動車の速度も上昇することがわかった. また, 交差点では, 歩道より車道の自転車の方が対処されやすいことが明らかになった. さらに, 交差点や駐車車両, 自転車同士の追い越しなどでの自動車の挙動より, 自転車配慮型道路に求められる課題も見出せた.
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