Journal of MMIJ
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特集号
140 巻, 11 号
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論文
  • 大内 隆成, 赤石 謙太, 上村 源, 岡部 徹
    2024 年 140 巻 11 号 p. 157-169
    発行日: 2024/11/30
    公開日: 2024/11/30
    ジャーナル オープンアクセス

    チタン (Ti) スクラップのリサイクルを推進するためには、Ti スクラップ中の不純物酸素 (O) を効率良く低濃度まで除去できる新技術の開発が不可欠である。しかし、Ti の脱酸は熱力学的かつ技術的に極めて困難である。本研究では、高温で高い蒸気圧を有する希土類金属の一つである Yb を利用して Ti 中の固溶 O を直接除去する新しい脱酸技術に関して実験的な検証を行った。LiCl や LiF などのハライド塩フラックス中で金属 Yb を用いて Ti 試料を脱酸すると、520-1400 mass ppm の低 O 濃度の Ti が得られることを実験的に示した。この O 濃度は Yb/Yb2O3 平衡における Ti 中の O 濃度よりも低かった。これは脱酸生成物である Yb2O3 がフラックス中に溶解することで、脱酸生成物の活量が低下したためであると考えられる。一方、気相を介して金属 Yb 蒸気およびハライド塩蒸気を Ti 試料に供給した時、Yb/Yb2O3 平衡とほぼ同程度までTi 試料の脱酸が進行した。したがって、脱酸 限界は Yb/Yb2O3 平衡により制御され、ハライド塩蒸気の供給による脱酸限界低下への効果は確認されなかった。提案した脱酸方法は、Ti スクラップのリサイクルの規模を拡大し、資源の効率的な利用を可能とすると期待される。

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