舗装工学論文集
Online ISSN : 1884-8176
ISSN-L : 1884-8176
6 巻
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  • 増山 幸衛, 草刈 憲嗣, 小柴 朋広
    2001 年 6 巻 p. 1-10
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    排水性舗装の透水能力を測定するために用いられている現場透水量試験は、試験方法や試験器自体に問題があると指摘されている。そのため、現場透水量試験において、測定誤差が発生する原因を明確にした。また路面と平行に流れる横方向の透水係数を測定する方法を開発し、現場透水量試験の結果と比較を行った。その結果、現場透水量試験によって透水係数を測定できないことを確認した。同時に、透水量によって透水能力を測定するための試験器と測定方法について提案した。
  • 堀 浩明, 古里 典久
    2001 年 6 巻 p. 11-18
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    排水性舗装は, 雨天時の視認性の向上と騒音低減効果により, 全国で施工されてきている. しかしながら積雪寒冷地では, 圧雪残留時間が長い等の問題が指摘されており, 騒音低減効果については性能発注にみられるように, より高性能で安定した効果が求められている. 筆者らはこれまでに, 凍結抑制を目的としてギャップ粒度アスコン中にゴム粒子を混入した舗装をはじめとして, ゴム粒子を使用した各種舗装の開発および適用を行ってきており, これらの実績を踏まえより多機能な舗装に着目し, ゴム粒子を用いた排水性舗装の開発を行った. 本報文ではゴム粒子の影響と効果について報告し, 新しいゴム粒子を用いた排水性舗装を提案する.
  • 大道 賢, 光安 正純, 山之口 浩, 丸山 暉彦
    2001 年 6 巻 p. 19-28
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    ポーラス舗装におけるトップコート工法の透水性能向上や粉塵物質の空隙詰まり抑制効果について解明してきたが、施工上の基本となる樹脂散布作業における樹脂硬化前の界面特性も「空隙詰まり」に関係することがわかった。本研究では先に求めた施工後の硬化樹脂材と水との濡れ (水との界面張力、γsl) のほかに、施工時の硬化前樹脂材とアスファルト混合物表面との界面特性 (付着濡れ仕事量、Waなど) から検討することで、排水性トップコート工法の施工時空隙詰まり防止と施工後の粉塵物質回復性能 (防塵機能) を解明し、本工法のより適切な施工方法に向けて検討した。
  • 吉中 保, 根本 信行
    2001 年 6 巻 p. 29-38
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    道路舗装に代表されるアスファルト舗装は, 太陽光の日射エネルギーを吸収し易く, 特に夏期においては路面温度が高くなりやすい. 都市部においてはヒートアイランド現象を含めた都市環境対策として, また, 歩行者に対する歩道空間の熱環境を改善する対策方法として, 路面温度の上昇を抑制する機能を有する舗装の開発が期待されている. ここでは, 吸水・蒸発特性など保水能力に優れた保水性舗装と, 太陽光の日射などによるエネルギー入射量を制御できる技術を応用した遮熱性舗装について, 日照時間や降雨量が異なる時期に屋外における測定を実施した結果, 両舗装は路面温度の上昇抑制に有効であり, 路面からの長波放射量や顕熱輸送量の低減に寄与できることが確認できた.
  • 小島 逸平, 佐沢 昌樹
    2001 年 6 巻 p. 39-46
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    特殊な高吸水性ポリマーを舗装体に固定することによって、凍結防止剤を舗装体内に貯留でき、この貯留した凍結防止剤が滲み出てることによって路面凍結を抑制し、凍結防止剤が次第に流出して凍結抑制機能が低下した時には、凍結防止剤を路面に再散布することによって、再び凍結抑制機能を回復することができる、機能回復型凍結抑制舗装を、平成10年から実路に適用してきた。本報告は、その特徴と3年間の追跡調査から判ってきた効果や問題点と、更に改良技術について報告する。
  • 上田 真一, 臺丸谷 政志, 小林 秀敏, 千葉 達彦, 山野内 寿江
    2001 年 6 巻 p. 47-53
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    本研究は、スパイク舗装道路の開発に必要な基礎的資料を得ることを目的としている。スパイク埋め込みすべり止め舗装体は、スパイクとゴムチップ成形板から構成される。この舗装体を路面に取り付け、車両荷重が負荷されると変形強度の違いによりゴムチップ板のみが大きく変位し、変位量の小さいスパイクが突出する機構になっている。この突出したスパイクによって、すべり止め効果を発揮するとともに通過車両による氷層の破砕、除氷・除雪効果が期待できる。昨年度の舗装工学論文集においては、車両のタイヤ負荷によるスパイク舗装部の変形を解明するための測定法および数値解析の検討結果について報告した。本報では、それらの基礎的データを基に設計・試作したスパイク舗装体を屋外に敷設し、実車による走行試験を行った実証試験結果について報告する。
  • 沈 菊男, 紺野 路登, 高橋 光彦
    2001 年 6 巻 p. 54-60
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    SUPERPAVEで用いられているDSRおよびBBRにより再生アスファルトの評価を実施した。再生アスファルトは、供用後の性状に着目し、グレードの異なる3種類の新規アスファルトの混合物の練り落とし時の針入度を目標に回復を行ったものである。これらの評価結果を基にSUPERPAVEバインダ仕様に基づいたPG (Performance-Graded) 分類を行った。この結果、再生アスファルトと新規アスファルトのPG分類はほぼ同じであることが確認され、ここで用いた再生用添加剤を用いることで新規アスファルトと同PGの再生アスファルトが製造できることが確認された。
  • 古里 典久, 石川 洋, 小澤 光一
    2001 年 6 巻 p. 61-68
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    高粘度改質アスファルトの高耐久化、多用途化など多彩な改質アスファルトが求められてきている中で、現行の高粘度改質アスファルトの評価は従来の改質II型等と同様な方法で行われている。しかしながら高粘度改質アスファルトは改質II型などに比べ従来の評価方法では性状を適切に評価できない場合がある。そこで本研究では、バインダー性状の評価法の検討を行い、さらにそれらの混合物評価結果に及ぼす影響について検討を行った。その結果、G*/sinδと動的安定度、G*・sinδとカンタブロ損失率との間に高い相関関係があり、高粘度改質アスファルトのDSR試験によって混合物性状が予測できる結果が得られた。
  • 村山 雅人, 姫野 賢治
    2001 年 6 巻 p. 69-76
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    改質アスファルト混合物中の化学現象と物理現象を結びつけると考えられる中間的なレベルの微細構造であるポリマー改質バインダ (PMB) 皮膜と粗骨材表面のマイクロテクスチャについて実験的検討を行った。
    結果として、PMBのモルフォロジーはベースアスファルトのコロイダル・インスタビリティー・インデックス (Ci) とSBSのメルトインデックス (Mi) に依存して変化するため、厚膜での粘弾性測定は適切ではなく、20μmという薄膜でのG*/sinδ測定結果が、排水性混合物の流動変形抵抗性と良い関係があることを示した。
    また、粗骨材のマイクロテクスチャをフラクタル次元で表現し、排水性混合物の高温時の流動変形や締固め特性と高い相関関係があることを示した。
  • 高橋 茂樹, 大野 滋也, 本松 資朗
    2001 年 6 巻 p. 77-83
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    高機能舗装の橋梁部への導入に伴い、コンクリート床版への防水対策の重要性が増しており、橋面防水工を施工することで現在対応している。これに対し、舗装でも基層 (レベリング層) の水密性を高め防水性を増すことを目的に、砕石マスチックアスファルト混合物 (SMA) の適用性について、室内試験と現地試験施工を通じて検討を行った。その結果、混合物の水密性は空隙率と舗装厚に大きく依存するが、現地においては床版上全面に渡る十分な水密性の確保は通常の施工条件では困難であることがわかった。よって、SMA を使用する場合でも防水工は必要であり、レベリング層の水密性を現地で確保するためには、さらなる検討が求められる。
  • 伍 石生, 八谷 好高, 杉本 浩一
    2001 年 6 巻 p. 84-93
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    アスファルトコンクリートの再生は、天然資源利用節約、コスト縮減、省エネルギが可能となることから、わが国においてはますます主要な補修方法となってきている。本研究では、東京国際空港での廃アスファルトコンクリートを4種類の路盤、すなわち粒状材、セメント安定処理材、セメントアスファルト乳剤安定処理材、加熱混合アスファルト安定処理材、として使用する場合の可能性について評価した。室内試験の結果から 1) 用いた廃アスファルトコンクリートは上層路盤ならびに下層路盤として使用可能であること、 2) 再生路盤材料は温度ならびに水分の影響を受けることが明らかになった。
  • 向後 憲一, 加藤 義輝
    2001 年 6 巻 p. 94-99
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    通常の再生骨材は、劣化の程度を回収アスファルトの針入度により評価し、再生利用の可否を判定する。一方、排水性舗装発生材から回収した高粘度改質アスファルトは、抽出回収操作の過程で性状が変化するため、回収アスファルトの性状により劣化の程度を正しく評価することは難しい。
    本検討では、排水性舗装発生材の劣化の程度をカンタブロ試験により混合物の状態で評価し、再生利用の可否の判定および再生添加剤量の決定を行う方法を提案した。さらに、その方法で配合を定めた再生排水性混合物が新規混合物と同等の性状および耐久性を有することを確認した。
  • 松井 邦人, マイナ ジェイムス, 董 勤喜, 小澤 良明
    2001 年 6 巻 p. 100-109
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    道路や滑走路のような舗装の表面に輪荷重のような鉛直荷重と制動荷重のような水平荷重が同時に作用する状態を想定している。舗装は多層弾性構造でモデル化できるものと仮定して、変位ポテンシャルを用いて理論的に解を誘導している。プログラムGAMES (General Analysis of Multi-layered Elastic Systems) を開発している。また、層と層の境界にはせん断ばねの形ですべりを導入することも可能である。理論構築は、重ね合わせの原理を用いており、鉛直分布荷重に対する解と水平分布荷重に対する解をそれぞれ求め、足し合わせている。作用荷重の最大数は100、考慮できる層数は100、応答を計算できる着目点数は10000である。
  • 董 勤喜, 坪川 将丈, 八谷 好高, 松井 邦人
    2001 年 6 巻 p. 110-116
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    FWD試験では荷重のピーク値とたわみのピーク値を用いて逆解析する静的法と荷重とたわみの時系列データを用いて逆解析する動的法がある。しかし、時系列データを用いて逆解析するなら、速度データあるいは加速度データを測定することも考えられる。たわみデータを測定するためには不動点が必要になるが、速度・加速度データではその必要もない。また、たわみに比べこれらの方が測定量の絶対値が大きいため、測定精度管理が有利であると思われる。本研究では、速度あるいは加速度データが測定されたものとして、それらに対応する逆解析法を示し、その結果について考察する。
  • 上浦 正樹, 大石 浩晶, 阿部 長門, 関根 悦夫
    2001 年 6 巻 p. 116-121
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    小型FWD装置において重錘の運動エネルギーが衝撃力となって地盤のたわみとなると仮定して、このFWD装置と地盤の全体の系をバネマスモデルとした。このモデルにより重錘の落下直後を原点とする座標系から重錘の変位を推測する式と地盤を原点とする座標系から地盤のたわみを推測する式に関する連立微分方程式を作成し解を導いた。次に地盤として弾性係数が容易に求められるゴム板を使用してモデルによる重錘の変位と地盤のたわみを計算した。 また、小型FWD装置の重錘に加速度計を取り付け、ゴム板上に載荷をした。測定された加速度を2回積分して求めた重錘の変位と測定結果と比較した。同様に地盤に砕石を用いて計算と実測の比較を行った。以上によりモデルから導かれた解の妥当性を確認できた。
  • 小澤 良明, 松井 邦人, 松枝 冨士雄
    2001 年 6 巻 p. 122-131
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    舗装の非破壊試験法の1つとしてSASW (Spectral Analysis of Surface Wave) 試験が良く知られている。この研究は1980年以降テキサス大学を中心として活発に行われてきた。この試験法は、表面波の伝播速度から分散曲線を求め舗装構造を評価しようとするものである。しかし、わが国では舗装に関してこの種の研究は皆無に近い。表面波試験から舗装構造の評価システム構築を目指し、本研究では、その基礎的研究を行っている。まず、分散曲線を求めるのに必要な4種類の数値解析法を比較している。つぎに、弾性係数を入れ替えた2つの2層モデルを用いて、層構造の違いと位相速度・周波数との関係を調べている。さらに、層厚と弾性係数比が分散曲線にどのように影響するかを明らかにしている。
  • 皆木 孝英, 上浦 正樹, 関根 悦夫, 木幡 行宏
    2001 年 6 巻 p. 132-137
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    本研究は載荷エネルギーや路盤内のひずみが非常に小さい弾性波に着目し、地盤内の弾性係数を求めようとするものである。対象を一般的に用いられている砕石とし、事前に室内試験で弾性波の発生方法や検知方法を土槽により試験をし、求めた弾性係数の妥当性を小型FWDの載荷・たわみの結果から判定した。これらに基づき現場試験を行ない、得られた弾性係数は室内試験と同様の結果が見られた。以上から、本研究の有用性が確認できた。
  • 武市 靖, 平河内 雄也
    2001 年 6 巻 p. 138-146
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    本研究では、路面全体を把握できるようにデジタルカメラを用いて路面状態を面としてとらえることに注目し、画像処理解析による判別方法について検討した。この判別方法は、路面状態によって異なる輝度分布を確率密度関数で表し、コントラスト、歪度、尖度などの統計学的パラメータによる解析及び、フーリエ変換による自己相関関数とパワースペクトルを用いた周波数分析に基づくものである。各種路面の判別結果は、ファジィ理論により各路面状態について的中率の検証を行った。さらに、乾燥/雪氷などの複合路面の位置的な分布を把握する手法としてウェーブレット解析を試みた。
  • 小関 裕二, 唐 伯明, 丸山 暉彦
    2001 年 6 巻 p. 147-154
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    本論文は、コンクリート舗装の構造評価にFWD (Falling Weight Deflectometer) を使用した研究について、過去の内容と問題点を述べ、特に温度勾配によって生じるコンクリート版のそり変形がたわみに与える影響が大きいことを示した。そこで、コンクリート版下の路盤支持力が低下した場合に、温度勾配によるたわみの変化が、荷重を載荷する位置によってその傾向が異なることをFEM の解析結果で示した。その解析結果からコンクリート版の載荷位置別の限界たわみ量を温度勾配、版厚および幅員から算出する式を導いた。また、ネットワークレベルでは限界たわみ量と荷重伝達率の限界値からコンクリート舗装を評価し、プロジェクトレベルでは構造評価式を用いて評価をする方法を示した。
  • 竹内 康, 小梁川 雅, 西澤 辰男, 遠藤 桂, 久保 和幸
    2001 年 6 巻 p. 155-166
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    コンクリート舗装の荷重応答特性を検討するために、1997年8月に建設省土木研究所 (PWRI) で実物大コンクリート舗装を用いた載荷実験が実施された。そして、この実験結果から繰返し載荷に伴う路盤面の残留変形が確認された。本研究では、路床材料と粒状路盤材料の繰返し3 軸試験結果とから、弾性理論に基づいた簡易な残留変形の推定方法を提案し、PWRIでの載荷実験結果と路盤面の残留変形解析結果の比較を行った。その結果、測定値と解析値は非常に良く一致しており、本研究で提案した推定式の妥当性が証明された。
  • 東本 崇, 小関 裕二, 濱田 秀則, 西澤 辰男
    2001 年 6 巻 p. 167-175
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    ホワイトトッピングは、既設アスファルト舗装上にコンクリートを薄層でオーバーレイするものである。しかしながら、ホワイトトッピングの設計には、アスコン層とコンクリート版の付着を考慮する必要があり、それらが十分解明されていないため、設計方法が確立されていない。そこで、本研究では各種コンクリートを用いたホワイトトッピングの試験施工を行い、載荷試験によって舗装内部に発生するひずみを測定し、その挙動を調査した。また、測定ひずみと2層平板FEM モデルによって解析されたひずみを比較することによって、層間の付着の程度を表すパラメーターを検討し、付着の程度を示すばね定数と付着率を導いた。さらに、FWD 試験によってたわみを測定し、弾性係数の推定および目地の荷重伝達機能の評価を行い、FWDによりホワイトトッピングの構造評価ができることを示した。
  • 西澤 辰男, 村田 芳樹, 中川 達裕
    2001 年 6 巻 p. 176-185
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    薄層ホワイトトッピング工法の設計法の基本的な考え方は、コンクリート版の疲労解析である。疲労解析には交通荷重による応力とともに、コンクリート版上下面の温度差によるそり応力を算定する必要がある。本研究では、試験舗装の温度測定とFWD解析結果に基づいて、3DFEMによる応力解析を実行し、コンクリート版厚、路盤の剛性、目地感覚がコンクリート版のそり応力に及ぼす影響について考察した。
  • 八谷 好高, 坪川 将丈
    2001 年 6 巻 p. 186-195
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    コンクリート舗装の養生方法では、初期養生として希釈した養生剤の塗布を行い、後期養生として散水マットを用いた散水養生が行われている。本研究では高濃度の被膜養生剤を塗布することによる初期・後期一貫養生の適用性を明らかにするために、まず室内試験で乾燥収縮量、曲げ強度、水分損失量を把握した後、現場試験において乾燥収縮量、日射・外気温による温度変化を把握した。その結果、乾燥収縮量は初期養生期で散水養生よりも大きいが、長期的には散水養生の90%程度であること、曲げ強度は材齢28日以降で散水養生の90%以上が確保が可能なこと、初期養生期における一日の温度変動、版内の温度勾配が散水養生の場合よりも大きなことが認められた。
  • 鎌田 修, 山田 優
    2001 年 6 巻 p. 196-201
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    橋面舗装において、舗装体内での滞水がポットホール発生の原因になると考えられる。そこで、実験室内で舗装模型を作製し、舗装の下方から水を供給しながら舗装上に試験輪をポットホールが発生する状態になるまで走行させ、発生メカニズムとそれへの影響要因を調べた。実験要因は、上層のアスファルト混合物の配合、下層材料、境界層の違い、粗骨材の種類、剥離防止剤の有無などである。
  • 西川 隆晴, 西形 達明, 原 富男
    2001 年 6 巻 p. 202-208
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    クラックの入った既設舗装やコンクリート舗装の上にアスファルト混合物をオーバーレイする工法は一般的によく施工されている。しかし、既設舗装のクラックやコンクリート舗装の目地がオーバーレイ層にリフレクションクラックとして早期に発生し、供用性を低下させることがある。
    本研究においては、比較的簡易に施工が可能な不織布を用いたリフレクションクラックの抑制工法について適正タックコート量の設定方法およびその耐久性と防水効果について室内実験を行うとともに実施工現場の追跡調査結果からその耐久性を評価した結果を報告するものである。
  • 八谷 好高, 坪川 将丈
    2001 年 6 巻 p. 209-217
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    半たわみ性材料を用いた空港アスファルト舗装のオーバーレイに関する現場施工試験を行ってその施工性について検討した。その結果、200mm厚までのオーバーレイが十分可能であることがわかった。また、施工後航空機荷重による繰返し走行載荷試験を行って耐荷性についても検討した。その結果、この舗装は1,000回程度の航空機荷重の繰返し走行に対して十分な耐荷性を有すること、目地を設けることによる影響はほとんどみられないことがわかった。これを受けて、この材料を用いたオーバーレイの構造設計に関する基本方針をまとめた。
  • 鍋島 益弘, 山田 優
    2001 年 6 巻 p. 218-224
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    我が国の福祉をめぐる現状としては、国内的には、かつて経験したことがない急速な高齢化社会が進行中であり、また国際的には、障害者が積極的に社会参加のできる環境を構築することが急務となってきている。
    そのため本研究は、高齢者や障害者とともに生活する環境を整備するために、基本的な歩道環境の中から「歩道舗装面におけるすべり抵抗」を再検証し、
    (1) 最低限歩行に必要なすべり抵抗値についての適正な範囲
    (2) 歩きやすいすべり抵抗値についての適正な範囲
    (3) 道路勾配部の歩行に必要なすべり抵抗値についての適正な範囲
    について、一般歩行と高齢者歩行の2つの立場から検討を行うものである。
  • 井原 務, 井上 武美
    2001 年 6 巻 p. 225-230
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    排水性舗装の更なる低騒音化として、粗骨材の小粒径化や2層排水性等が効果的であることが明らかにされてきた。しかし、低騒音化に関する路面凹凸との関係が明らかにされていることが少ないといった問題が残されていた。本研究では、これまでに得られたタイヤ/路面騒音とその測定した箇所の路面凹凸のテクスチャに関する評価値との関係を検討した。その結果、タイヤ/路面騒音と良好な関係となる新たなテクスチャの評価値をみいだすことができた。また、砕石の粒径範囲とテクスチャのパワースペクトル密度の変化についても検討した。さらに、低騒音化を目的とした砕石選定や混合物の配合等の検討にテクスチャの測定が有効であることも示した。
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