舗装工学論文集
Online ISSN : 1884-8176
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  • 安倍 隆二, 田高 淳, 日色 徳彦
    2008 年 13 巻 p. 1-8
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    積雪寒冷地の空港では, 冬期間, 滑走路の路面状態が雪氷等によるすべり摩擦係数の低下より, 航空機が着陸できない状況が発生し, 利用者の利便性を低下させている. 滑走路のすべり摩擦抵抗の改善を目的に, 舗装表面が粗面である機能性SMAに着目し, 滑走路用の表層用混合物としての適用性について室内試験や試験施工を行い検討した. 室内試験, および試験施工の結果, 機能性SMAは, 路面状態がスラッシュやブラックアイス時にすべり摩擦係数の改善効果が見られた. また, 積雪寒冷地特有の凍結融解や耐久性等を評価する室内試験においても空港用の標準表層混合物である密粒度アスコン (20F) と比較し, 同等以上の性能を有し, 空港舗装における冬期路面対策の一手法として, 効果があることが確認された.
  • 富山 和也, 川村 彰, 石田 樹, 高橋 清
    2008 年 13 巻 p. 9-15
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 路面平たん性に対する利用者許容度の体感評価において, 統計的に必要な被験者数を検定力分析により算定する事である. 被験者数は, 統計的有意水準, 母集団効果量, 検出力の関数となるが, 効果量については, 個々の研究に委ねられる. そこで本研究では, ドライビングシミュレータによる体感評価試験から, 平たん性評価における効果量を算出した. その結果, 中から大の効果量は, 車両上下加速度実効値 0. 35m/s2以上の低減が見込める場合であり, この場合 20名以上の被験者数でよい事がわかった. 一方, 加速度実効値の差が 0. 3m/s2以下の小さな効果量では, 400名以上の被験者を要する場合がある. 必要人数に満たない試験では, 統計的信頼区間を求め, 路面評価における体感試験結果の一般化を避けるべきである.
  • 石田 樹, 川村 彰, Alimujiang Yiming, 富山 和也, 中辻 隆
    2008 年 13 巻 p. 17-24
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 路面の乗り心地評価のための定量的かつ客観的指標の開発である. ドライビングシミュレータを用いて乗り心地の主観評価を行うとともに, 平坦路および凹凸路において, ストレスの定量的・客観的評価に有効とされる心拍数変化を計測した. 平坦路に比べ凹凸路面走行時の被験者の心拍数は有意に増加した. 上下加速度が増加するに従い心拍数の増加量は増加し, 心拍数増加量が大きいほど主観による乗り心地評価は悪化する傾向が見られた. 被験者ごとのに回帰分析により, 心拍数増加量により主観評価を説明するモデルを提案すると共に, 被験者の振動刺激への感受性を考慮することが重要であることを示した.
  • 重原 大二朗, 西澤 辰男, 中源 達雄, 平野 誠志
    2008 年 13 巻 p. 25-30
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/01/19
    ジャーナル フリー
    ニューラルネットワークを用いてアスファルト舗装のわだち掘れの進行を予測するためのモデルを開発した. 北陸地方の高速道路の舗装管理データにおけるわだち掘れ量の測定データを用い, 高速道路のIC 区間, 路床構造, 車線の種類, 表層材料の種類および累積大型車交通量を入力とし, わだち掘れ量を出力とする3層モデルである. 学習結果から導き出された大型車交通量とわだち掘れ量の関係は, 実測結果と非常に良い対応を示した. このモデルの予測に基づいて, 北陸地方のアスファルト舗装のわだち掘れ進行過程について考察した.
  • 上杉 直樹, 橋本 孝二, 金森 雅裕, 新井 俊隆
    2008 年 13 巻 p. 31-38
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/01/19
    ジャーナル フリー
    横浜市は, 約7,400kmにおよぶ道路を管理している. その中で, 高度成長期に大量に整備された道路構造物の多くが, 今後一斉に更新時期を迎えることによる維持管理費の増大は市政にとっての大きな負担となることが予想される. それらの対策の一環として舗装においても効率的効果的な維持管理手法の確立に向けてアセットマネジメントシステムの構築に関する様々な検討を平成17年度から実施してきている. 本論文では, 横浜市が管理している全道路網の9割, 6,500kmにもおよぶ生活道路に着目し, 目視による路面の評価方法 (路面の目視評価マニュアル), アセットマネジメントへの利用を前提とした点検結果のデータベース化手法 (集計および評価方法) について検討した結果を報告するものである.
  • 久利 良夫, 佐藤 彰紀, 鎌田 修, 芳賀 潤一, 児玉 孝喜
    2008 年 13 巻 p. 39-46
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    供用下での舗装の温度は, 夏期には60℃にも達する. アスファルト混合物のスティフネスは, レジリエントモデュラス試験や一軸圧縮試験で測定が行われるが, 60℃のような高温域では未だ測定方法が確立されていない. また, 高温域の実験では, 供試体形状も測定に大きく影響を与える. このことから, 高温域でのスティフネスの測定を一軸圧縮試験を用いて検討した. この結果, 60℃での計測が可能なスティフネスの測定方法と供試体形状とを見いだし, 密粒度アスファルト混合物, ポーラスアスファルト混合物, SMA 混合物, グースアスファルト混合物それぞれのスティフネスを測定することができた.
  • 黒瀬 雅詞, 福島 祥夫, 内藤 和也, 鈴木 拓雄, 田口 仁
    2008 年 13 巻 p. 47-54
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    アスファルト混合物は骨材を強化材とした複合材料である. 複合材料のマトリックス強度は骨材に影響を受けることから, アスファルト混合物を粒子強化複合材料として考え, 骨材の位置や粒子径による応力やひずみ分布を実験と解析によって調べた. 実験は自作した粒子強化複合材料で行い, 解析は有限要素法で骨材の個数によるマトリックスの縦弾性係数を複合則に従って求めた. さらに, 骨材の配置や寸法, 力学定数をパラメータとして, 骨材間のマトリックスのひずみが小さくなるような最適化シミュレーションを行った.
  • 稲垣 正晴, 池谷 公一
    2008 年 13 巻 p. 55-62
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    筆者らは, これまでに, 排水性舗装の空隙づまり程度の判定に対し, 電磁波干渉法がベクトルダイヤグラムの利用によって有効であることを明らかにした. しかし, 同一定義でも, 複数の異なる状態が考えられることで, ベクトルダイヤグラムの効用に懸念が生じた. シミュレーションによる検討の結果, 重大な違いは示さないものの, 判定に少し不確定性が生ずる場合のあることがわかった. また, 実用性を念頭に置いた試験測定を行った. 施工直後から数ヶ月までの舗装で, 経時変化が有意に捉えられることを示した. また, 施工1年後の舗装では, 健全からほぼ完全づまりまでの多様な状態が観測され, 1ヶ月程度の期間では, それぞれ空隙づまり状態に急激な変化がなく, 再現性は実用上十分にあることが示された.
  • 森石 一志, 大西 有三, 西山 哲, 矢野 隆夫, 小関 裕二
    2008 年 13 巻 p. 63-70
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    現在, 透水性舗装の設計方法における透水設計は, 適用箇所に応じて要求される透水能力を満足するように, 使用する舗装材料と舗装厚を試算し, 構造設計で求められる構造と比較して決定されるが, その際の透水性能は飽和透水係数で評価している. しかし透水性舗装において, 雨水は舗装体内部が不飽和の状態で浸透していくことから, 不飽和透水係数などの浸透特性を把握する必要がある. よって本論文では, 透水性舗装を構成するアスファルト混合物層, 路盤層および路床の不飽和浸透特性を実験的に求め, さらに, この不飽和浸透特性が透水性舗装の機能にどのような影響を与えるのかを検証した.
  • 川上 篤史, 新田 弘之, 加納 孝志, 久保 和幸
    2008 年 13 巻 p. 71-78
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    舗装の再生工法は, これまで広く行われてきており, 物質のリサイクルとしての役割は十分に果たしてきているが, CO2排出をはじめとした環境負荷については不明な点もあり, 特に資材の調達から輸送, 施工, 廃棄のサイクルを通じた環境負荷量は明らかになっていないのが現状である. そこで, 一般的な舗装補修工事 (新材・再生骨材を用いた場合) と, 路上再生工法について環境負荷量を試算した. その結果, 新材を用いた舗装補修工事よりも再生骨材を用いた方が環境負荷は小さく, 路上再生工法ではさらに環境負荷が小さくなることが分かった. しかし, 路上再生工法に使用する施工機械の輸送距離が長くなると, 環境負荷が大きくなる場合もあるので, 環境負荷を十分考慮して工法を選定する必要があることが分かった.
  • 新田 弘之, 西崎 到
    2008 年 13 巻 p. 79-86
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    近年, 資源の有効活用, 最終処分場の枯渇などを背景として, 再生資材の開発が盛んであり, 中でも舗装用として他産業からの再生資材の開発が多く行われている. しかし, これらの他産業再生資材は, リサイクルにはなっているものの, 製造時から廃棄に至るまでの全過程での環境負荷低減に寄与しているかが不明なのが現状である. そこで, 廃タイヤ, 廃プラスチックについて, 舗装へ利用した場合の資源消費量や, 環境負荷について試算を行い, LCA 評価を行った. その結果, 舗装関連部分だけでは環境負荷が増大する場合もあるが, 舗装以外での利用を考慮すると, トータルでの環境負荷が減少する可能性があることが分かった.
  • 上野 千草, 田高 淳, 安倍 隆二
    2008 年 13 巻 p. 87-95
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    積雪寒冷地で使用されているストレートアスファルトに対し, 現在のアスファルト再生骨材の旧アスファルトの規格下限値である針入度20 (1/10mm) の条件で繰り返し再生を行い, アスファルトの性状を検討した.
    その結果, 北海道で用いられているストレートアスファルト80-100は, 本州等で用いられているストレートアスファルト60-80よりも, 劣化, および再生添加剤の影響を大きく受け, 化学性状, および物理性状に大きな変動が見られた.
    また, ストレートアスファルト80-100に対する繰り返し再生利用を想定した検討の結果, 再生添加剤の選定により添加量の抑制, 物理性状, および化学性状の変動の抑制を図れる可能性のあることを確認した
  • 新田 弘之, 西崎 到
    2008 年 13 巻 p. 97-105
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    再生ポーラスアスファルト混合物の配合設計法はいくつか提案されており, カンタブロ試験で行うものや抽出回収によるものがあるが, それぞれ課題がありまだ確立していないのが現状である. 本研究では, 抽出回収せずに様々な性状を評価して配合できる方法として, アスファルトモルタルの性状から添加剤等の量を求める配合設計法の検討を行った. その結果, アスファルトモルタルの性状はアスファルトの性状に関係が深く, 様々な温度域でアスファルトと同じ試験が可能であることが分かり, 再生アスファルトモルタルを使用して配合設計を行うことにより, 供用中の温度域での性状だけでなく, 施工時の温度域での性状も考慮できる上に, 比較的労力が小さくなることなどが分かった.
  • 海老澤 秀治, 五傳木 一, 鬼倉 一展, 冨澤 健, 金井 利浩
    2008 年 13 巻 p. 107-114
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    近年, 地球環境保護・保全への意識の高まりから, 現位置で舗装を再生する路上路盤再生工法のひとつである, セメント・フォームドアスファルト (CFA) 安定処理路盤工法が注目されている. しかし, 施工にあたってはセメントが散布および混合時に飛散することがあり, 施工従事者や周辺環境に及ぼす影響が懸念されている. そこで, 本検討ではセメントをスラリー化して利用する工法を考案し, 配合の検討や施工機械の開発を行った. また, 交通量区分N3 相当の試験ヤードを構築し実物大の促進載荷試験を実施した. その結果, セメントスラリーを用いたCFA 安定処理路盤に関して, 路面性状, 舗装支持力ならびに材料特性の観点から良好な耐久性を確認できたので報告する.
  • 石垣 勉, 渡邉 真一, 尾本 志展, 太田 秀樹
    2008 年 13 巻 p. 115-123
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    静的締固め粗粒材料における有効応力に基づく弾塑性構成モデルの適用性の検討を目的に, 大型等体積単純せん断試験機を試作し, 多段階圧密等体積単純せん断試験を実施した. 試料にはクラッシャランと粒度調整砕石を用いた. その結果, 1) 静的締固め粗粒材料のe-logσ’v 関係は直線性を示し, 2) 正規圧密状態における応力-ひずみ関係と有効応力経路は限界状態に至るまでの小ひずみ領域において, 飽和粘土の非排水せん断挙動と類似していることがわかった. そこでSekiguchi and Ohta (1977) による弾塑性構成モデルを用いた数値計算結果と実験結果を比較した結果, 本モデルは正規圧密状態の静的締固め粗粒材料における小ひずみ領域の等体積単純せん断挙動を概ね再現できることを示した.
  • 石川 達也, 亀井 威彦, 関根 悦夫, 大西 有三
    2008 年 13 巻 p. 125-132
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    本研究では, 多層走行路構造の適切な数理モデル化方法を確立するために, 粒状路盤・路床系の支持力試験のシミュレーションを不連続変形法と有限要素法で行い, 路床・路盤系の数理モデル化や路床剛性や路盤厚の違いが粒状路盤の支持力挙動に及ぼす影響について検討するとともに, 模型試験結果と解析結果を比較してその適用性を検証した. その結果, 本研究で用いたDDA 解析が, 多層走行路構造の有用な解析手法の一つであることを示し, その解析精度を維持するには, 粒状路盤の構成粒子の粒子特性を考慮するだけでなく, 連続体的に変形する路床の挙動再現に適した不連続体モデル化方法を, その材料特性に応じて採用することが重要となることを明らかにした.
  • 西澤 辰男
    2008 年 13 巻 p. 133-140
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/01/19
    ジャーナル フリー
    3次元有限要素法に基づき, ブロック舗装の構造的特質を考慮した構造解析プログラムパッケージ (BlockPave3D) を開発した. 表層の個々のブロックをソリッド要素で分割し, 目地や敷砂層を境界面要素によって置き換える. このことによって, ブロックの配置パターンやブロック形状の影響を考慮することができる. このモデルにおいて重要な目地や敷砂層の境界面要素のばね係数の値を, 小型FWDによるたわみから推定する方法を開発した. ばね係数の組み合わせとたわみの関係をニューラルネットワークによって学習させ, たわみを入力すると対応したばね係数の組み合わせを出力するモデルである. 実際に施工されたブロック舗装のばね係数を推定し, この値を用いていくつかのブロック舗装について応力解析を行った.
  • 尾関 孝人, 西澤 辰男, 加藤 浩司
    2008 年 13 巻 p. 141-148
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    空港コンクリート舗装の構造設計においては, 版に生じる温度応力が重要となる. 版厚の厚い空港コンクリート舗装においては, 版内の温度分布が非線形となり, この非線形温度分布により生じる温度応力は, 線形温度分布で算定したものとは異なってくる. そこで, 本研究では, 1年間を通して計測されたコンクリート舗装版の温度・ひずみ計測結果より温度応力を算定し検討を行った. また, 熱伝導解析によりコンクリート舗装版における温度分布を算定し, コンクリート舗装版の非線形温度分布特性について検討した. さらに 3DFEM により温度応力解析を行って, 版厚の影響を調べた.
  • 篠原 裕貴, 小澤 良明, 松井 邦人
    2008 年 13 巻 p. 149-156
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    舗装の構造評価は, FWD試験で測定した時系列データから荷重とたわみのピーク値を用いて, 通常静的逆解析を行い各層の弾性係数を推定している. 推定した弾性係数は色々な誤差の影響を包含しており, 誤差の影響度が報告されている. FWD試験は衝撃載荷試験であるので, 動的逆解析が適切である. しかし, 動的逆解析については誤差の影響について検討されていない. 本研究は, 数値シミュレーションを用いて測定誤差やモデル誤差が各層の弾性係数に及ぼす影響, さらに同期の誤差が逆解析結果に及ぼす影響を明らかにする. さらに, 静的逆解析と動的逆解析でこれらの誤差が逆解析結果に及ぼす影響度の違いについて, 比較し検討する.
  • 前川 亮太, 坪川 将丈, 菅野 高弘, 中澤 博志, 水上 純一
    2008 年 13 巻 p. 157-162
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    空港が震災を受けた際, 地盤の液状化が滑走路等の空港施設に及ぼす影響の把握を目的として, 液状化現場実験を実施した. その際, 液状化前後における舗装の変形およびFWDによるたわみを測定したので報告する. アスファルト舗装とコンクリート舗装それぞれについて, 予め液状化対策としての地盤改良を実施した区域と実施しない区域を設け, 液状化前後の舗装の変形およびたわみの変化状況を比較した. 路面の変形について, 液状化による地盤沈下に伴って, 液状化対策実施区域と未実施区域の路面高さの差は30cm となり, その変形は液状化後数時間で収束することが確認できた. FWDたわみについて, 液状化対策の有無にかかわらず, 液状化前に比べて液状化後にたわみが大きくなり, 7日間程度かけて液状化前の水準に戻る傾向が確認できた.
  • 安倍 隆二, 田高 淳, 久保 裕一
    2008 年 13 巻 p. 163-170
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    舗装の構造設計に理論的設計法を導入する際の第一プロセスは, 舗装各層の弾性係数とポアソン比を設定することであり, この値はその後の多層弾性解析に大きく影響する. しかし, 積雪寒冷地である北海道では, アスファルトの針入度や, 路盤の粒度などに積雪寒冷地独自の材料規格があり, 舗装各層の弾性係数は温暖な地域と異なる傾向を示す可能性がある. 本研究は, 積雪寒冷地における多層弾性理論の確立を目指し, 試験舗装や道内主要国道におけるFWD試験の計測結果から, 北海道おけるアスファルト舗装各層の弾性係数の範囲について検討したものである. 積雪寒冷地におけるアスファルト混合物層における温度と弾性係数の関係や, 設計に用いるべき路盤の弾性係数の範囲などについて報告する.
  • 神谷 恵三, 風戸 崇之
    2008 年 13 巻 p. 171-178
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/07/30
    ジャーナル フリー
    高速道路舗装の補修設計の開発に向けて, コア採取を要さない効率的な損傷評価方法の開発を試みた. FWDデータと現場コアを分析した結果, たわみ差 (D0-D90) をアスファルト層厚さで除した指標の可能性が確認された. また, 当該指標とコアの物理試験の分析結果から, 高機能舗装の基層にはレジリエントモデュラスと共に圧裂強度が大きくする等の混合物要件が得られた
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