ペット栄養学会誌
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13 巻, 1 号
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原著論文
  • 大畑 素子, 有原 圭三, 石川 伸一, 伊藤 良
    2010 年 13 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2011/03/30
    ジャーナル フリー
    鶏肉あるいは鰹肉といった畜魚肉を原料としたペプチド性素材を添加したキャットフードの嗜好性を検討した。畜魚肉をパパインで分解したものをペプチド性素材、パパイン処理しない未分解のものを未分解素材として、ネコ用総合栄養食基準 (成ネコ期) に基づいた原料に各素材を10%添加してドライフードを調製した (ペプチド性素材添加フード、未分解素材添加フード)。雑種ネコを対象に、食べ残し量比較試験、採食量比較試験および食いつき試験によりペプチド性素材添加フードの嗜好性を評価した。その結果、基本原料のみからなるフードからペプチド性素材添加フードに切替えた際、食べ残し量が著しく減少した (切替え前 : 平均12.6g/day, 切替え後 : 平均3.0g/day)。また、ペプチド性素材添加フードと未分解素材添加フードを並べて給餌させた結果、採食量に差はなかったが、20頭中16頭はペプチド性素材添加フードから採食を開始し、ペプチド性素材添加フードの方がネコの食いつきが良いことが判明した。
  • 古田 洋樹, 中瀬 彩, 柚原 亜紀, 佐伯 香織, 小田 民美, 三木 陽平, 水越 美奈, 呰上 大吾, 石岡 克己, 吉田 達行, 左 ...
    2010 年 13 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2011/03/30
    ジャーナル フリー
    マウスにおいて、甘味・うま味物質に対して嗜好性や神経応答に系統間で異なると報告されている。また、苦味物質である塩酸キニーネと甘味・うま味物質の混合溶液によって、甘味・うま味の行動応答が調査されている。しかし、ペットにおいて甘味・うま味の嗜好性についての調査はあまりされていない。そこで、ビーグル犬の人工甘味料サッカリンに対する行動応答を調査するとともに、甘味感受レセプターT1R3の発現について検討した。ビーグル犬6頭を用いて苦味物質である塩酸キニーネと蒸留水で選択飲水を行い、濃度依存的に苦味による忌避行動を確認した。12時間絶水したのち0.1 mM塩酸キニーネ単独溶液と0.1 mM塩酸キニーネと1 mMあるいは3 mMサッカリンの混合溶液を20分間呈示し、選択飲水を行った。0.1 mM塩酸キニーネ単独溶液の飲水量は68.1±14.7 g、1 mMサッカリンは45.5±21.3 g、3 mMサッカリンは10.4±5.3 gであった。ビーグル犬はサッカリンを好まない可能性が示唆された。また、マウスと同様に苦味物質と甘味物質の混合溶液で甘味嗜好調査が可能であると考えられた。ビーグル犬の舌の先端部、中央部、基底部分からバイオプシーにより組織を採取し、Total RNAを抽出した後、逆転写酵素によりcDNAを作製した。リアルタイムPCR法により各部位における甘味感受レセプターT1R3の発現量を相対定量により調査した。各部位に発現量に差はあるものの、舌全体でT1R3の発現が認められた。
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