ペット栄養学会誌
Online ISSN : 2185-7601
Print ISSN : 1344-3763
ISSN-L : 1344-3763
13 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
原著論文
  • 佐伯 香織, 小田 民美, 三木 陽平, 清沢 好男, 板橋 由起子, 森 昭博, 石岡 克己, 左向 敏紀
    2010 年 13 巻 2 号 p. 57-62
    発行日: 2010/10/08
    公開日: 2011/04/15
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能低下症は犬の代表的な内分泌疾患の一つであり、主な症状は元気消失、徐脈、低体温、脱毛等である。治療にはサイロキシン (T4) 製剤の投与が行われ、T4製剤は食事と共に投与されることが多い。甲状腺ホルモンの作用は多岐に亘るが、中枢神経系および循環器系の機能維持には血中濃度が適切に維持されていることが重要である。しかしながら、経口投与されたT4製剤の血中動態に食物摂取が及ぼす影響については充分明らかではない。今回我々は、健常なビーグル犬 5 頭にT4製剤 (10 μg/kg) を経口投与し、食事の有無による総サイロキシン (TT4)、遊離サイロキシン (FT4)、トリヨードサイロニン (T3) および甲状腺刺激ホルモン (TSH) の血中濃度の変化について比較した。空腹時にT4製剤のみを経口投与すると、血中T4およびFT4濃度の有意な上昇が認められ、血中T3およびTSH濃度には有意な低下が認められた。一方、食事と共にT4製剤を経口投与すると、血中T4およびFT4濃度に有意な変化は認められなかったが、血中T3およびTSH濃度は有意に上昇した。これらの結果から、T4製剤を食事と共に経口投与すると、空腹時にT4製剤のみを経口投与した場合と比較して血中T4濃度の上昇が抑えられることが示唆された。
  • 戸田 典子, 宮川 優一, 遠藤 博明, 高橋 真理, 竹村 直行
    2010 年 13 巻 2 号 p. 63-68
    発行日: 2010/10/08
    公開日: 2011/04/15
    ジャーナル フリー
    軽度から中程度 (ISACHCクラス Ia~II) の慢性心臓弁膜症罹患犬12頭に対し、心臓病用療法食 (療法食) を12週間にわたり給与した。療法食開始前、そして療法食開始4、8 および12週間後にナトリウム (Na)、アルドステロン (Aldo)、心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP) およびN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド (NT-proBNP) の血漿濃度を測定し、さらに胸部X線検査および心エコー検査を実施した。その結果、Naは療法食開始後に軽度に低下する傾向がみられたが、有意な変化ではなかった。療法食開始後のAldoは 4 週間後に上昇したが、有意な推移ではなかった。ANPおよびNT-proBNPの血漿濃度、加えて、胸部X線検査および心エコー検査の数値にも有意な変化は認められなかった。以上の結果から、軽度から中等度の慢性心臓弁膜症罹患犬に療法食を導入しても、神経体液ホルモンは活性化せず、心形態は変化しないことが確認できた。
総説
解説
  • ―施行 1 年の現状と今後―
    大島 誠之助
    2010 年 13 巻 2 号 p. 74-80
    発行日: 2010/10/08
    公開日: 2011/04/15
    ジャーナル フリー
    ペットフード安全法が施行されて1 年あまりが経過した。北米でのメラミン事件を反面教師にして、本法がわが国に誕生したことは画期的なことである。法の施行以前より行政も業界事業者も法の啓蒙活動や対応を進めている。しかし、飼い主をサポートする動物病院などに対しては、情報提供不足があるのかも知れない。これら関係者すべてに対して法の理解を深めていくことも、ペットフードの安全確保、ひいては動物の福祉向上、動物愛護に通じるものと思われる。
技術情報
紹介記事
ペット栄養管理士コーナー
エッセー
feedback
Top