ペット栄養学会誌
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14 巻 , 2 号
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原著論文
  • 福永 航也, 鈴木 あゆみ, 志賀 俊紀, 藤井 洋子, 朝見 恭裕, 石井 珠理, 折戸 謙介
    2011 年 14 巻 2 号 p. 61-67
    発行日: 2011/10/11
    公開日: 2011/12/16
    ジャーナル フリー
    イヌの心疾患や腎疾患の治療において、心臓や腎臓の負荷を軽減するためタンパク質含有率の異なる食餌を摂取させることがある。ラットを用いた基礎研究やヒトの臨床研究において、食餌中のタンパク質含有率の違いが薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)に影響を与えることが報告されている。しかしイヌの臨床において、食餌中のタンパク質含有率の違いがCYP活性に影響を与える可能性については研究されていなかった。本研究では、ビーグル犬においてタンパク質含有率の異なる食餌の摂取時に、イヌのCYP2Dで代謝されるプロプラノロールを投与し、その血中濃度を測定することでCYP2D活性を評価した。その結果、低タンパク食摂取時に比べ、高タンパク食および中タンパク食摂取時のプロプラノロールの血中濃度-時間曲線下面積は減少し、クリアランスは上昇した。以上の結果より、タンパク質含有率の異なる食餌はCYP2D活性に影響を与えることが示唆された。
  • 宇田川 智野, 鄭 英和, 市東 正幸, 河上 剛, 多田 尚美, 落合 和彦, 石岡 克己, 土田 修一, 近江 俊徳
    2011 年 14 巻 2 号 p. 68-75
    発行日: 2011/10/11
    公開日: 2011/12/16
    ジャーナル フリー
    ミトコンドリア脱共役蛋白質(uncoupling protein;UCP)は、ミトコンドリア内膜での酸化的リン酸化反応を脱共役させ、エネルギーを熱として散逸する機能を有している。UCP2遺伝子とUCP3遺伝子は、UCPファミリーに属する分子でイヌでは21番染色体にタンデムに位置している。我々は、今回ビーグル犬由来の骨格筋よりイヌUCP2とイヌUCP3の5,非翻訳領域および翻訳領域のcDNA単離を試み、UCP2 cDNA 1251bp(GenBank Accession No. AB611704)およびUCP3 cDNA 1301bp(GenBank Accession No. AB611705)の塩基配列を決定した。また、イヌゲノム構造およびヒトのUCP遺伝子構造との比較解析により、ヒト同様にイヌUCP2遺伝子は8つのエクソンをまたイヌUCP3遺伝子は7つのエクソンで構成されていることを明らかとした。27種類の組織由来のtotal RNA(市販品)を用いたRT-PCR法による遺伝子発現解析では、両遺伝子はこれまで報告されている通り、組織での遺伝子発現パターンに差異が認められた。ヒトにおいては、UCP2UCP3UCP1と共に、肥満や糖尿病に関連している事が明らかになっている。今回の結果は、イヌにおけるエネルギー代謝のバランスに両遺伝子がどのような影響を及ぼしているのかを分子遺伝学的に解析するために必要な基礎的知見と考える。
  • 小田 民美, 森 昭博, 佐伯 香織, 栗島 みゆき, 三村 可菜, 野澤 聡司, 石岡 克己, 左向 敏紀
    2011 年 14 巻 2 号 p. 76-83
    発行日: 2011/10/11
    公開日: 2011/12/16
    ジャーナル フリー
    糖尿病犬はしばしば尿路感染症や歯周病などの感染症に羅患しやすいことが知られている。またヒトの糖尿病患者において、歯周病は血糖コントロールを悪化させるという報告が数々ある。本研究では糖尿病犬に歯科処置を行い、血糖コントロールにどのような影響を及ぼすかを検討した。本学で飼育している糖尿病犬4頭を用いた。血液サンプリングは歯科処置前と歯科処置1、2、3、4週間後に行った。測定項目は、空腹時血糖値 (FBG) と長期血糖コントロールマーカーとして用いられる糖化アルブミン (GA) を測定した。また、炎症マーカーとして腫瘍壊死因子-α (TNF-α) 、CRP、生体内酸化ストレスマーカーとして酸化ストレス度を示すd-ROM、抗酸化力を示すBAPを測定した。GAとCRPは歯科処置前に比べ4週間後で有意に低下した。しかし、FBG、TNF-αには処置前後で有意な変化は認められなかった。d-ROMは処置前後で有意な変化は認められなかったが、BAPは処置前に比べ処置後4週間で有意に上昇していた。以上より、歯科処置が口腔内炎症を抑制し、血糖コントロールを良化させたと考えられる。さらに、炎症の抑制や血糖コントロールの改善が、生体内における抗酸化力を増加させたことが示唆された。
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