ペット栄養学会誌
Online ISSN : 2185-7601
Print ISSN : 1344-3763
ISSN-L : 1344-3763
20 巻 , 2 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
原著論文
  • 清水 いと世, 舟場 正幸, 松井 徹
    2017 年 20 巻 2 号 p. 99-113
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2017/12/25
    ジャーナル フリー

    維持期におけるイヌ用レシピを、飼い主へのアンケート調査(n=63)ならびにイヌの手作り食の成書(n=145)から収集した。日本食品標準成分表等を用いて各レシピの栄養素含量を算出し、AAFCO養分基準(2016)の最小値を上回る場合を充足とし、最大値を上回る場合を過剰とした。ほとんどのレシピにおいて、粗タンパク質と必須アミノ酸は充足していた。一方、カルシウム、カルシウムとリンの比、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、リボフラビン、ビタミンB12の不足しているレシピは多かった。また、一部のレシピではn-6とn-3系脂肪酸の比、カルシウム、リン、カルシウムとリンの比、ヨウ素、セレン、ビタミンAやビタミンDが過剰であった。AAFCO養分基準を満たすように手作り食を調製するには、上記の不足しやすい栄養素を多く含む食材を用い、過剰となりやすい栄養素を多く含む食材の使用量に注意する必要があることが示された。

  • 小田 民美, 小野沢 栄里, 生野 佐織, 森 昭博, 左向 敏紀
    2017 年 20 巻 2 号 p. 114-121
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2017/12/25
    ジャーナル フリー

    GLP-1およびGIPは共に血糖依存的にインスリンを分泌させる他、様々な臓器で多様な作用を持ち糖代謝に深く関与している消化管ホルモンである。本研究では栄養組成の違いがネコのインクレチン分泌におよぼす影響について検討することを目的とした。日本獣医生命科学大学で飼育管理されている健常猫5頭に、コントロール食、高炭水化物食、高脂肪食、高繊維食の4種を給与し、血糖値、インスリン濃度およびインクレチン濃度を測定した。GLP-1濃度変動は4種の食事で差はなかった。この結果は、ヒトでは炭水化物と脂質がGLP-1分泌に大きく影響をおよぼしているという報告とは異なるものであった。これはネコの食性や消化管構造の違いによる影響と考えられた。一方、GIP濃度変動はコントロール食と比較し高脂肪食で有意に高値を示した。また、食事中の脂肪含量が多いほどGIP濃度も高値を示した。本研究により、ネコにおいて栄養組成の違いがGIP分泌におよぼす影響について明らかとなったが、GLP-1分泌については今後さらなる検討が必要である。

  • 上田 香織, 浅見 真帆, 山田 詩織, 佐伯 香織, 小田 民美, 丸山 夏輝, 生野 佐織, 秋山 蘭, 早川 典之, 森 昭博, 左向 ...
    2017 年 20 巻 2 号 p. 122-127
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2017/12/25
    ジャーナル フリー

    糖尿病猫の食事には血糖値を緩やかに上昇させる炭水化物の使用が好ましいが、炭水化物の違いが血糖変動に与える影響を検討した報告は少ない。そこで本研究では、異なる炭水化物(グルコース:Glc、マルトース:Mal、トレハロース:Tre、コーンデンプン:Corn)を健常猫4頭に給与し、血中グルコース、インスリンおよびNEFA濃度に与える影響を検討した。グルコース曲線下面積(Glucose-AUC0-10h)は、Tre食、Corn食と比較してGlc食、Mal食で有意に高値を示した。Insulin-AUC0-10hは全ての群間で有意差は認められなかった。また、NEFA-AUC0-10hは、Glc食、Mal食と比較してTre食で有意に高値を示したが、Corn食では有意差は認められなかった。コーンデンプンは血糖上昇およびインスリン分泌が緩やかであり、また、血中NEFA濃度の上昇が認められなかったことから、炭水化物代謝の不得手な猫にとっても利用率が高い有用な炭水化物源となることが示唆された。

  • 小田 民美, 佐伯 香織, 森 昭博, 左向 敏紀
    2017 年 20 巻 2 号 p. 128-134
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2017/12/25
    ジャーナル フリー

    糖尿病猫はしばしば感染症に罹患しやすいといわれており、またストレス性の高血糖を生じやすく、血糖値を降下させるのも不得手な動物種である。このような特性をもつ猫の糖尿病管理においては、血糖コントロールを悪化させる原因が数々存在するため、糖尿病猫の入院管理は時に困難をともなう。そこで本学に来院した、慢性感染症を併発した猫、入院によるストレスで血糖コントロールが困難となった猫、食事変更が必要となった猫について、その問題と対策について検討した。症例によってストレスを感じる事象は様々あり、その対処も大きく異なるものであった。同時に、院内で起こる特有の問題からの学びもあり、退院後の自宅でのケアに生かすことができた。病院という制限ある集団管理においても、可能な限りその個別性を大切に、それぞれに合った生活環境を整える工夫ができるかが動物看護師の重要な仕事であると考える。

  • 大楠 千暁, 鈴木 馨
    2017 年 20 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2017/12/25
    ジャーナル フリー

    フェレットフードの夜間不断給餌で飼育されてきたヨツユビハリネズミ(1歳9ヶ月齢、雄2個体、雌3個体)について、1日1回夕刻20分間の制限給餌へ食餌時間を4週間かけて変更し、その後の4週間でハリネズミフードへの食餌内容の転換を試みた。フェレットフードの不断給餌を制限給餌に変更したところ、体重は5.2~16.4%減少し、肥満傾向が改善する個体もみられた。ハリネズミフードはフェレットフードより明らかに嗜好性が低かったものの、ほとんどの個体でハリネズミフードに転換できた。ハリネズミフードを1日1回夕刻20分間の制限給餌から夜間不断給餌にして4週間観察しても体重の増加はみられなかった。 肥満がしばしばみられるハリネズミの体重管理には、食餌時間の管理とハリネズミフードの給餌が有効であることが示された。

  • 吉田 達行, 太田 能之, 天尾 弘実, 古田 洋樹
    2017 年 20 巻 2 号 p. 141-144
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2017/12/25
    ジャーナル フリー

    草食性の動物においての甘味と苦味の感受性調査はほとんどされていない。そこで、草食動物であるハタネズミを用いて3mMキニーネと0.3、1.0、3.0、5.0mMサッカリンに3mMキニーネを混合した溶液の2瓶法によって飲水調査を行なった。サッカリンとキニーネの混合溶液の飲水量はキニーネ単独溶液に比べ減少傾向にあったが、草食性のハタネズミではマウスで行なわれている甘味物質と酢酸キニーネとの組み合わせによる行動調査は難しいと考えられる。

総説
解説
ペット栄養管理士コーナー
診療室便り
訂正
feedback
Top