ペット栄養学会誌
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28 巻, Suppl 号
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日本ペット栄養学会 第26回大会
シンポジウム 機能性脂質の応用展開:脂質メディエーターがもたらすペットの健康
市民公開講座
一般演題
  • 友永 省三, 山本 未羽, 近都 夏望, 上迫 のどか, 川瀬 貴博, 白石 純一
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_25-suppl_26
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    我々が以前行った市販イヌ用総合栄養食における遊離低分子代謝物質濃度の網羅的半定量分析から、製品間において顕著な含量の差異が生じる代謝物質としてタウリンが同定された。動物中に存在するタウリンは、遊離型だけでなく結合型の存在も認められており、ペットフード中のタウリンはこれらを合わせた総タウリンとして求めることが推奨されている。一方で、ペットフードの材料となる食肉では遊離型が9割以上であり結合型を考慮しなくてよいとする意見も認められる。これらに基づき、本研究ではイヌ用総合栄養食における総タウリン含量分析の検討を行った。イヌ用総合栄養食3種類を粉末化して等量混合および加水分解処理後のタウリン含量を求めた結果、加水分解の加熱時間依存的にタウリン含量が増加した。また、総タウリン中に結合型は約4割存在することが推測された。以上より、市販イヌ用総合栄養食における総タウリンにおいて、結合型のタウリンはある程度存在し、タウリン栄養の観点から考慮する必要性が示唆された。

  • 秋山 蘭, 笠 真実, 鈴木 菜奈香, 五木田 紅葉, 小田 民美, 森 昭博
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_27-suppl_28
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    維持期の成犬を対象とした手作り食として、日本食品標準成分表から選定した食品を使用した。さらに、手作り食で不足しがちなCaおよびZnを補うために、犬用ミルク、サプリメントを添加し、AAFCO養分基準(2016年版)を満たす手作り食レシピを3種類作成し、栄養素量の計算値、実際の調理後の実測値、AAFCO養分基準の比較を行った。すべてのレシピのCa、Znの実測値において、AAFCO養分基準を満たすことができた。その他の栄養素においては、1種類のレシピのみ、ヒト用食材の選定や調理方法によるレチノール、K、Iの過不足が生じたため、すべての栄養素のAAFCO養分基準を満たしたレシピは2種類のみであった。これらのことから、犬用ミルクおよびサプリメントは犬の手作り食において栄養素を安定的に補うことができる有用な食材であることが示唆された。

  • 石倉 叶望, 小林 夕希子, 堀江 あゆみ, 楊 金緯
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_29-suppl_30
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    本研究はイヌにおける黒ウコン(Kaempfeia parviflora)抽出物SIRTMAX の脂質代謝改善効果の評価を目的とした。5歳または8歳の健康な雄ビーグル犬に、通常食または通常食にSIRTMAX 5mg/kg/日を混合したものを28日間与えた。その結果、SIRTMAX を摂取した群において血中アディポネクチン濃度の平均値に顕著な上昇が確認された。また、有害事象は見られず、安全性評価項目に関して変化は認められなかった。本研究の成果はSIRTMAX をイヌに経口投与することでイヌの脂質代謝への負担を軽減できる可能性を示唆している。

  • ─食事、年齢、性別、犬種との関連性
    辻本 綾子, 辻本 義和
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_31-suppl_32
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    血中トリグリセリド(TG)濃度は食事の影響を受けるが、大規模調査はあまり行われていない。今回、3922例におよぶ血液生化学検査を実施した。12時間以内に食事を摂取した個体において血中TG濃度が正常値(31〜92mg/dl)内であった個体は50.7%であったが、94.2%の個体で血中TG濃度が300mg/dlを超えることはなかった。血中TG濃度が高値であった個体に対し、12時間以上の絶食を指示したうえで、再検査をすると16例中8例が正常値であった。本研究からも血中TG濃度を評価するにあたり食事の影響を考慮する必要があると言えた。性別による差は認められなかったが、避妊去勢による差は有意に認められ、避妊去勢個体では血中TG濃度が上昇する結果となった。加齢によっても血中TG濃度は有意に上昇した。高TG血症の好発犬種であるミニチュア・シュナウザーについて他の犬種と比較すると、有意に血中TG濃度が上昇する結果となった。

  • 佐藤 恵美子, 堀 甲二, 細見 晃司, 國澤 純, 米澤 智洋
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_33-suppl_34
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    腸溶型ラクトフェリンのネコへの安全性および動態を観察するため、健康なネコを対象に単回投与・反復投与試験を実施した。腸溶型ラクトフェリンの安全性が認められ、ラクトフェリンは血液循環には入らず腸で作用を示すことが示唆された。

  • ─食事中のタンパク質源を変更したことで腎数値の改善がみられた3症例
    辻本 綾子, 辻本 義和
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_35-suppl_36
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    獣医療において臨床現場での栄養学に関するエビデンスは乏しい。腎機能を評価するには糸球体濾過量(GFR)が重要であるが、簡便性の点から1次診療施設では血中尿素窒素(BUN)やクレアチニン(Cre)、シスタチンC、SDMA(対称性ジメチルアルギニン)などによってGFRを評価している。今回、BUNは正常値であるが、Creが高値であった個体において、栄養指導を行った結果、腎数値の改善がみられた3症例を経験した。いずれの症例においても、療法食への変更や投薬をすることなく、手作り食のメインとなるタンパク質源の変更、フードにトッピングする食材の変更をしたことで腎数値の改善がみられた。

  • ─未利用資源を活用したOne Healthを目指して
    中東 淳, 岩井 聡美, 岩本 禎彦, 小林 英司
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_37-suppl_38
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー
    我々は2024年にみかんの皮(MOP)粉末を用いて老犬の認知症症状改善に関する試験的研究を公表した [1]。本発表では、これらの研究結果の概要を紹介した上で、現在、製品化検討を通じて、エア・ウォーターグループで取り組んでいる未利用資源を活用した One Health(ペットと飼い主の双方のWellWell-beingを目指し、伴侶動物とヒトの疾患を同等に研究する観点)の活動について紹介する。
  • CB. Marasigan, Y. Otani, T. Ichikawa, S. Maeda, Y. Momoi, T. Yonezawa
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_39-suppl_41
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    The high metabolic activity and lipid content of the brain make it prone and vulnerable to oxidative conditions which may result in neurodegeneration. Exogenous docosahexaenoic acid (DHA) supplementation has shown promising results in its ability to prevent apoptosis and inflammation in several human and rat models. In this preliminary assessment, we investigated the effects of DHA supplementation against oxidative stress on canine glial- and neuron-like cells. When exposed to oxidative conditions, DHA-enriched cells had higher survivability based on the data we obtained from cell viability studies, gene expression analyses, in situ TUNEL staining, and immunocytochemistry. Our data suggests that DHA enrichment in canine glial- and neuron-like cells can protect the cells against oxidative stress-induced cytotoxicity through its anti-apoptotic actions and its potential involvement in neuronal membrane signaling mechanisms.

  • 井上 瑞菜, 山口 千春, 田中 良紀, 森戸 暁久
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_42-suppl_43
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    本研究は、イヌの腸内菌叢に対するプロバイオティクスの効果を明らかにするため、プロバイオティクスとしてBifidobacterium bifidum(B. bifidum)およびLactobacillus acidophilus(L. acidophilus)を用いてイヌの腸内環境に与える影響を評価した。その結果、B. bifidumおよびL. acidophilusの継続摂取によって、腸内菌叢の変化(β 多様性の変化)、腸内代謝産物である酪酸の増加、腸内腐敗産物であるフェノールの減少および糞便の臭気強度の低下が確認された。これらの結果から、B. bifidumおよびL. acidophilusの継続摂取はイヌの腸内環境を改善し、イヌの健康維持に役立つ可能性が示唆された。

  • 栗原 みなみ, 福田 結夏
    2025 年28 巻Suppl 号 p. suppl_44-suppl_45
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/07/10
    ジャーナル フリー

    当院では飼い主からGoogleフォームを使用して栄養管理に関する相談を募集している。収集された相談内容の傾向を分析したところ、「偏食」や「フード選択について」に関する悩みが多く、疾患別に分類したところ腎疾患、皮膚疾患、消化器疾患を持つ症例の割合が高かった。診察時だけでは補きれない食事に関する悩みに対し、愛玩動物看護師の関与は重要である。

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