ペット栄養学会誌

ミニブタにおけるMEの簡易測定法に関する研究

尿中N 量による測定

小牧弘, 宮澤悦子, 白草菜穂子, 中谷真実

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 1-2
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_1

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MEは餌のGEから糞と尿中GEを減じて求めているが,尿のGE測定には尿を減圧乾燥する必要があり,尿中GEの測定には時間と経費がかかり,MEの簡易測定法が望まれていた。近年,餌の成分やCP,DCPからMEを算出する試みがあるが,ミニブタのMEを示した報告は少ない。また餌の質や各種動物の代謝状態により尿中窒素量が異なるため,尿の分析を行う必要がある。尿組成の大半は水分と窒素であることから,尿中の窒素(N)量に着眼した。尿中のN量より1日の尿中CP量を求め,従来の方法によるGEとの相関を調べてME算出の可能性を明らかにした。また報告の各種ME算出式によるME値との比較検討をした。本実験で得たMEの算出式〔ME=DE-[3.0789×尿中CP(g/day)-9.7829]〕は,従来の方法で求めたM E との間に差を認めなかった。ME/DE(%)は93.5%±2.32であった。ミニブタの維持エネルギー要求量(MER) は131.5±21.6×BW0.75(kcal/day) であり,この簡易測定法の実用性を示唆した。

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ミニブタにおける脂肪酸カルシウムの利用性に関する研究

久世尚大, 岸昌生, 矢野史子

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 3-4
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_3

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ルーメンバイパス油脂として反すう家畜に利用されている脂肪酸カルシウムの,ミニブタでの利用性を検討した。脂肪酸カルシウムを飼料に添加して消化試験を実施したが,粗脂肪消化率は低い値になった。粗脂肪の分析に酸分解ジエチルエーテル法を用いたことが,糞中粗脂肪の過剰評価につながったと考えられた。そこで,ミニブタに静脈カテーテルを装着し,脂肪酸カルシウム給与後の血中トリグリセリド含量の経時的変化を検討した。基礎飼料だけの区に比べて脂肪酸カルシウム給与後の血中トリグリセリド含量は増加し,消化吸収されていることが推察された。

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ドワーフハムスターにおける嗜好性

森本ゆり, 宮本浩徳, 古瀬充宏

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 5-6
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_5

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ドワーフハムスターであるジャンガリアンハムスターとロボロフスキーハムスターにおいて,食の嗜好性に違いがあるか否かについて調査した。まず,飼料の色に対する嗜好性を調べたところ,ジャンガリアンハムスターは緑色の飼料を好んで摂食した。次に,実験動物用ペレット,ニボシ,ヒマワリの種およびカボチャの4種類に対する選択摂取テストを行った。その結果,カボチャを摂取する割合が最も高かった。また,ほとんど摂食しなかったニボシに対して,嗜好性が高かったカボチャの風味に対する反応テストも行った。結果として,嗜好性が低い食物であっても,好んで摂食するものの風味付けにより摂食量が増加することが示唆された。さらに,水分を多く含むキュウリとキャベツならびに水分の少ないヒマワリの種とクルミの4種類に対する選択摂取テストを行った。どちらのハムスターも水分含量が多い食物を多くの割合で摂食した。

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酪酸生成菌Butyrivibrio fibrisolvens の経ロ投与による実験的繊維肉腫形成の抑制

大河原壮, 古谷英樹, 長島康祐, 浅沼成人, 日野常男

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 7-8
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_7

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酪酸生成ルーメン菌Butyrivibrio fibrisolvensの経口投与による,繊維肉腫形成の抑制効果について調べた。本菌をマウスに経口投与したところ,発癌物質の皮下投与により誘発した繊維肉腫の形成が抑制された。本菌の投与区では,脾臓中のNKおよびNKT細胞が増加していたので,このことが繊維肉腫の抑制に寄与した可能性が考えられる。また,脾臓中のTh1/Th2バランスを調べたところ,本菌の経口投与によりTh1/Th2バランスがTh1側に傾くことを示す結果が得られた。以上の結果から,Butyrivibrio fibrisolvensをプロバイオティクスとして利用することにより,動物の自然免疫を高め,腫瘍形成を予防・抑制できる可能性があると考えられた。

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大腸内でのButyrivibrio fibrisolvensの増殖のためのタンパク・アミノ酸補給の必要性

吉澤仁雄, 浅沼成人, 日野常男

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 9-10
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_9

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生理活性物質である酪酸および共役リノール酸の生成能が高いButyrivibrio fibrisolvens をプロバイオティクスとしてイヌの腸管内に導入した場合に,その増殖にとってタンパク( アミノ酸) 源の供給が不足しないかどうかを調べた。煮沸滅菌したイヌの全糞を唯一のアミノ酸給源として,Butyrivibrio fibrisolvensの type I およびtype IIの菌株を培養したところ,どちらの菌株もトリプチケース(細菌にとって利用し易いアミノ酸給源)をアミノ酸給源として培養した場合よりも有機酸生成量が多かったことから,増殖量も多かったと考えられた。従って,摂取したタンパクののうち,小腸で消化・吸収されないで大腸まで流下してくる部分もかなり多く,Butyrivibrio fibrisolvensが利用できるタンパクもかなり多いと考えられた。

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スフィンゴ脂質の経ロ投与がマウスの免疫系に及ぼす効果

古谷英樹, 大河原壮, 長島康祐, 浅沼成人, 日野常男

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 11-12
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_11

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イヌ・ネコの免疫機能の増強を目的として,マウスを用いたモデル実験によりスフィンゴミエリン(SM)とグルコシルセラミド(GluCer)の経口投与の効果を調べた。SMを投与した区では,7および14日間のどちらの投与期間においても腸管内のIgA量が増加した。また,GluCerを投与した区では,7および14日間のどちらの投与期間においても脾臓のナチュラルキラーT(NKT) 細胞の割合が増加した。従って,SMおよびGluCerの投与は免疫機能の増強効果を持つ可能性があると考えられる。

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ドライキャットフードのbase excess値がストルバイト関連因子に及ぼす影響

佐々本奈津子, 高場友佳, 金子政弘, 舟場正幸, 入来常徳, 波多野義一, 阿部又信

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 13-14
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_13

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ドライキャットフードのbase excess(BE)値がストルバイト結晶化関連因子に及ぼす影響を調べた。尿中ストルバイト結晶数は高BE値のフードを摂取することによって増加した。尿沈渣中の塩酸可溶画分量も高BE食区で高い値を示したのに対して,ストルバイト結晶の核となり得る有機成分を含む塩酸不溶画分量には区間で差がなかった。

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ネコとイヌの尿成分の比較:予備的検討

大石亮, 金子政弘, 入来常徳, 朝見恭裕, 舟場正幸

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 15-16
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_15

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成ネコと成イヌの尿成分を比較した。尿p H はイヌの方が高かった一方,尿浸透圧はネコの方が2 倍程度高かった。尿沈渣をSDS-PAGEにより電気泳動したところ,ネコではTHP様蛋白質の存在が明確に確認されたのに対して,イヌでは検出されなかった。尿中窒素化合物の排泄に関してネコとイヌの間に大差はなかった。

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ドライフードの嵩比重が成ネコの摂食量,見かけの消化率および水分出納に及ぼす影響

松本圭代, 金子政弘, 舟場正幸, 入来常徳, 朝見恭裕, 阿部又信

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 17-18
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_17

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ドライフードの嵩(カサ)比重が成ネコの摂食量,見かけの消化率および水分出納に及ぼす影響を調べた。嵩比重の異なる2種類( 低比重区:263g/cm³; 高比重区:593g/cm³)のドライフードを調製し,成雄ネコ8頭を供試して,クロスオーバー法により出納試験を行なった。その結果,高比重区の方が低比重区に比べ摂食量は有意に多かった。また,低比重区におけるDMおよびCPの見かけの消化率は高比重区に比べてわずかではあるが有意に高い値を示した。高比重区の糞量は低比重区よりも多く,糞水分含量も高比重区の方が高かったので,糞水分排泄量は有意に増加した。しかし,尿量は両区間で差が認められなかった。以上の結果,ドライフードの嵩比重は成ネコの摂食量,および糞中水分排泄に影響を及ぼすことが明らかになった。

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ドライフードあるいは缶詰フードを摂取した成ネコの水分出納,血漿浸透圧および血漿抗利尿ホルモン濃度

末政奈津美, 加藤由佳, 金子政弘, 舟場正幸, 朝見恭裕, 入来常徳

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 19-20
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_19

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市販ドライフードあるいは缶詰フードを摂取した成ネコの水分出納ならびに水分出納に関連する項目を調べた。経口水分摂取量は缶詰区が65%多かった。尿量は缶詰区の方が多かったが,糞への水分排泄量はドライフード区の方が多かった。その結果,見かけの水分保持は両区間に差はなかった。血漿および尿浸透圧ならびに血漿抗利尿ホルモン(ADH)濃度も両区間に差はなかった。以上の結果より,缶詰フードの給与によって水分の排泄経路は糞から尿にシフトしたが,この尿量の変化に対してADHを介した経路の関与は小さいと考えられた。

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インスリン刺激性の異なる炭水化物の投与が犬の食後脂質代謝に及ぼす影響

伴武, 梅田智重, 大川雅之, 大辻一也

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 21-22
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_21

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各種炭水化物を含む試験食をビーグル犬に給与し,食後の血中インスリン濃度および脂質代謝関連物質濃度の変動を調べた。その結果,ハイアミロースコーン(HAC)を含む試験食で,食後のインスリン上昇が顕著に抑制された。また中性脂肪,遊離脂肪酸(NEFA),総ケトン体濃度が高値となった。以上の結果から,HACは食後のインスリン刺激性が低く,脂質代謝を亢進させる可能性が示唆された。

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慢性腎疾患のイヌ及びネコの糸球体濾過率に対する食餌療法の長期的影響

宮川優一, 岡部絢乃, 熊谷肇, 佐藤朗, 山口明日香, 竹村直行, 廣瀬昶

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 23-24
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_23

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イヌおよびネコの慢性腎疾患において,食餌療法が病態の進行を抑制できるかどうかを調査した。血漿イオヘキソール・クリアランスにより測定した糸球体濾過率(GFR)を腎疾患の病態の指標とした。その結果,調査した全例(ネコ1頭,イヌ3頭)で食餌療法によってGFRの低下が長期間抑制されていた。

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心因性多飲症と診断したイヌに対する治療について

戸田典子, 竹村直行

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 25-26
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_25

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心因性多飲症と診断されたイヌ3頭に対し,低用量のサイアザイド系利尿薬の内服と低ナトリウム食の併用による治療をおこなったところ,飲水量の有意な低下がみられた.

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犬と猫における慢性小腸性下痢

2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 27-32
発行日: 2006/07/13
公開日: 2012/09/24

DOIhttps://doi.org/10.11266/jpan1998.9.Supplement_27

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