くすりと糖尿病
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5 巻, 1 号
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原著論文
  • 朝倉 俊成
    2016 年 5 巻 1 号 p. 60-70
    発行日: 2016/06/20
    公開日: 2016/08/03
    ジャーナル 認証あり
    インスリン自己注射は,注射の煩雑さや針に対する恐怖感,痛みなどの心理的障壁があることで導入が難しい.注射針の針基は,針管を固定している基部が凸状になっている注射針(以下,A針)に対して,海外では平面接触構造を有する注射針(以下,B針)がある.2つの注射針(針基)の形状が使用者にとって視覚的にどのような印象を与えるのかを調査した.インスリン自己注射未経験者2,004名を対象とし,インターネットにて調査した.針が怖いと思う割合はA針が46.1%でB針が38.4%,痛そうと思う割合はA針が55.5%でB針が50.8%であった.注射針が注射するときに曲がりやすいと思う割合はA針が50.0%でB針が18.9%,注射針が注射するときに折れやすいと思う割合はA針が43.9%でB針が21.0%であった.最終的に「もし注射を行うとしたら使用したい」と思う割合は,A針が28.3%でB針が59.5%と有意にB針の方が多かった(p<0.001).本調査では,注射や自己注射に関する印象が針基の形状で大きく分かれ,それが使用感以外に安全性に関連した印象で有意に差が生じた.B針であるNovoFine® Plus 32G 4mm needleは,今回の調査から使用者の安心感を高める注射針と言える.
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