【目的】日本において小児軽症頭部外傷に対して実施されたCT検査数とその検査理由を明らかにする.
【対象と方法】2022年4月~2023年3月の社会保険診療報酬支払基金の外来レセプトを対象として6歳未満児の頭部外傷に対して実施されたCT検査数と検査理由を調べ,それらと関連しているかについて4つの因子(患者の性別・年齢や受診した医療機関の規模・都道府県)を検討した.
【結果】日本全国で6歳未満児の軽症頭部外傷に実施されたCT検査は年間15,066件で,その検査理由の10,000件(66.7%)は「家族等の希望」であった.「家族等の希望」で実施されたCT検査は年長児ほど多く,医療機関規模が大きくなるほど減少した.1県あたりのCT検査数が多いほど「家族等の希望」で実施される検査が増える正の相関関係がみられた.
【考察】日本では「家族等の希望」を理由として実施されるCT検査が非常に多かった.医療被ばくを低減するためには診断アルゴリズムの活用を更に推奨しなければならない.小児軽症頭部外傷はクリニックから大病院などさまざまな医療機関で診察されていたので,診断アルゴリズム推奨の情報は多方面に発信する必要がある.
【結論】日本では小児軽症頭部外傷に対して本来の必要性より「家族等の希望」でかなり多くのCT検査が行われる実態があり,医療放射線被ばく量軽減の観点からも適切なCT検査の実施になるように更なる対策が求められる.
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