Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
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ISSN-L : 0385-1559
19 巻, 3 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
  • Anjana SRIVASTAVA, Kishan Chand GUPTA
    1994 年 19 巻 3 号 p. 145-149
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Tralkoxydim 除草剤の水-土壌系における残留性について実験室条件で調査した. Tralkoxydim の水からの消失速度は水のみの系よりも土壌を含む場合のほうが大きく, 二相の一次反応に回帰された. 水, 土壌における消失速度はそれぞれ除草剤処理後3, 7日まで大きく, その後小さくなった. 初期相における半減期は水, 土壌でそれぞれ1.6~2.6, 3.7~3.9日で, 後期相のそれらは8.4~10.8, 13.1~15.7日であった. Tralkoxydim が完全に検出限界 (<0.01μg/ml or g) 以下となったのは低濃度処理 (0.8μg/ml or g) では処理後45日, 高濃度処理では (1.6μg/ml or g) であった.
  • 高尾 久, 村井 啓三郎, 安冨 範雄, 後藤 武司, 梅津 憲治, 堀江 徳愛
    1994 年 19 巻 3 号 p. 151-156
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    2,6-ジ置換4-(N,N-ジ置換) アミノメチル-2H-ピラン-3(6H)-オン類 (マンニッヒ塩基) を合成し, それらのグリーンハウス内ポット試験におけるナミハダニ成虫に対する殺ダニ活性について調べた. 活性はピラン環上の4位アミノメチル基の影響を大きく受け4-ピペリジノメチル基が最も活性を増大させた. 2-アルキルおよび6-アルコキシ基はそれらの置換基の炭素鎖長に応じて活性を増加させたが, その他の2または6位の置換基は活性を低下させた. 最も高活性な化合物は6-イソプロピルオキシ-2-n-ヘキシル-4-ピペリジノメチル-2H-ピラン-3(6H)-オンであった. この化合物はカンザワハダニやミカンハダニ成虫に対しても活性を示し, また, 上述の3種ハダニの次世代の抑制効果も優れた.
  • Jing ZHAI, William H. ROBINSON
    1994 年 19 巻 3 号 p. 157-162
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    雄のチャバネゴキブリを用い, 殺虫剤処理面から脚のふ節盤を通して致死量の薬剤を取り入れるのに要する時間と噴霧薬液滴の大きさ, 密度および薬剤の濃度の関係について調べた. ふ節盤への直接処理とガラス板に処理した薬液残渣の上を歩かせる間接処理を行なった. ふ節盤のガラス面への接触面積とガラス盤上でのゴキブリの移動速度を測定した. 薬剤処理ガラス板からふ節への薬剤の移行量をゴキブリの1分間の移動距離, ふ節の接触面積, 平方センチメートル当りの薬剤量から計算で求めた. 直接処理の結果から計算すると, 0.1%の cypermethrin を噴霧した場合, 50%のゴキブリが致死するためには感受性のVPI系で33滴, 抵抗性のRHA系で3174滴の残渣に触れなければならない. 10μg/cm2の cypermethrin を処理したガラス面でのKT50はVPI系で5.4分, RHA系で15.6分であった. 0.049μg/cm2の処理面でのKT50はVPI系では8.4分であったが, RHA系では24時間以上になった.
  • 舩城 衛介, Walter Curl DAUTERMAN, 本山 直樹
    1994 年 19 巻 3 号 p. 163-168
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    交差抵抗性パターンの異なるイエバエ系統を用いて, ミクロゾームのレベルでMFOの fenvalerate と diazinon に対する基質特異性を比較した. その結果,fenvalerate の分解は diazinon の添加によって著しく影響を受けることが明らかになった. しかし, diazinon の分解は fenvalerate によって影響されず, 両殺虫剤基質の分解に関与するP450は必ずしも共通ではないことを予想させた. また, イエバエ系統間でCO差スペクトルの吸収極大波長に明らかな違いが認められた. これらのことより, イエバエのミクロゾームには両殺虫剤に対する特異性が異なる複数のP450分子種が含まれていることが示唆され, 益子系においてはとくに fenvalerate を分解するP450の活性が高いことが推察された.
  • 小川 邦彦, 井橋 義夫
    1994 年 19 巻 3 号 p. 169-179
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    非標識およびピラゾール環3位を14Cで標識したテブフェンピラド, N-(4-tert-butylbenzyl)-4-chloro-3-ethyl-1-methylpyrazole-5-carboxamide, のラット肝臓ホモジネートの9000×g上清を用いた in vitro 系およびラット In vivo 系における代謝物の解析を行なった. in vitro 系における主代謝物はエチル基のω-1位の水酸化 [I] によるN-(4-tert-butylbenzyl)-4-chloro-3-(1-hydroxyethyl)-1-methylpyrazole-5-carboxamide[OH-M] と tert-butyl 部分のメチル基のカルボキシル化 [II] によるN-[4-(1-carboxy-1-methylethyl)-benzyl]-4-chloro-3-ethyl-1-methylpyrazole-5-carboxamide[M-CA] であった. In vivo 系における主代謝物は [I] および [II] の反応が組み合わさって生成したN-[4-(1-carboxy-1-methylethyl) benzyl]-4-chloro-3-(1-hydroxyethyl)-1-methylpyrazole-5-carboxamide[OH-M-CA] (投与した14Cの30.9%) で主に尿中に排泄された. これに次ぐ主要代謝物は [M-CA] (6.2%) およびN-[4-(1-hydroxymethylethyl) benzyl]-4-chloro-3-(1-hydroxyethyl)-1-methylpyrazole-5-carboxamide の硫酸抱合体 (tert-ブチル部分のヒドロキシメチル基上のOH-M-OSO3Hが5.7%, ピラゾール環の1-ヒドロキシエチル基上のHO3SO-M-OHが7.0%) で, 主に糞中に排泄された. 他にN-脱メチル化, エチル基上のケト化およびエチル基のω位の水酸化とカルボキシル化された化合物も検出された. しかし, アミド結合またはベンジルメチレン炭素-窒素結合部分の開裂はわずかであった.
  • 松本 均, 手林 慎一, 桑原 保正, 松山 茂, 鈴木 隆久, 藤井 宏一
    1994 年 19 巻 3 号 p. 181-186
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    アズキゾウムシの産卵刺激物質としてアズキ種子煮汁よりD-カテキン (2S,3S)-3,5,7,3′,4′-ペンタヒドロキシフラバン をすでに同定しているが, 今回, アズキ種子の冷水抽出物よりタキシフォリン (3,5,7,3′,4′-ペンタヒドロキシフラバノン) を活性物質として単離し, 夾雑して得られた不活性なケルセチン (3,5,7,3′,4′-ペンタヒドロキシフラボン) とともに, 機器分析および誘導体化-機器分析により同定した. 3化合物は化学構造が類似するが, D-カテキン (ガラスビーズ1個当り0.2~2ngで活性)>タキシフォリン (同2ngで活性)>ケルセチン (不活性) とB環部分の違いが活性発現に影響することがわかった.
  • ピリミジニルサリチル酸系除草剤の作用機構 (第2報)
    清水 力, 中山 礎, 中尾 徹, 阿部 洋
    1994 年 19 巻 3 号 p. 187-196
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    エンドウ黄化幼植物茎葉からアセト乳酸シンターゼ (ALS) を精製したところ, 分子量の相違する2種のALSが検出されたが, 酵素的性質および精製中の挙動から判断して, 分子量の小さな分子種は大きな分子種から制御中心がはずれて生成したものと結論された. したがって, エンドウのALSは一種でありアイソザイムは存在しないものと考えられる. このALSはこれまでに報告されていない次のような性質を示した. (1) 基質である2分子のピルビン酸の間には協同性が認められない. (2) 分岐鎖アミノ酸によるフィードバック阻害は負の協同性を示す. (3) バリンによる阻害とイソロイシンによる阻害は拮抗的である. (4) フィードバック阻害の阻害形式はピルビン酸濃度に依存して変化する. (5) 分岐鎖アミノ酸によるフィードバック阻害はSH基阻害剤やATPにより脱感作されない.
  • Tariq MAHMOOD, 本山 直樹
    1994 年 19 巻 3 号 p. 197-207
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    パキスタンで採集したイエバエ系統 (PK) は, 標準的感受性系統 (CSMA) と比べて, p,p′-DDTに抵抗性であるがピレスロイドには超感受性であり, 負相関関係を示した. 局所施用した14C-DDTの皮膚透過性, ミクロゾームによる14C-DDTの分解, および神経のDDTに対する電気生理学的反応に関しては系統間に有意な差がなかった. 一方, PK系の可溶性画分はGSH添加条件下でのDDE生産がCSMA系に比較して何倍も高く, DDT脱塩酸酵素によるDDTの解毒分解能力の増大がPK系におけるDDT抵抗性の機構であることを示唆した. PK系のピレスロイドに対する超感受性の機構については, 局所施用した14C-フェンバレレートの in vivo 動態の比較により, 皮膚透過性の増加とフェンバレレート代謝活性の低下という二つの要因の組合せに基づくことが明らかになった. フェンバレレート代謝活性の違いは, in vitro における解毒分解実験の結果から, PK系のチトクロームP450モノオキシゲナーゼ系のピレスロイド分解活性が低いことに由来することが推察された. 同酵素の阻害剤であるピペロニルブトキシドによる共力効果がCSMA系で大きく, PK系で小さいということもこの推察を支持した. PK系で見られたDDT抵抗性とピレスロイド抵抗性の間の負相関関係はおのおの独立したメカニズムによってもたらされていることから, 真の負相関ではなく, みかけの負相関関係であるといえる.
  • 渡辺 克二, 谷口 栄二
    1994 年 19 巻 3 号 p. 209-219
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    新規な骨格を有する生理活性物質の検索を目的として, 合成例が少ないイソクロマン-3-オンの合成と植物生理活性を検討した. 1-置換イソクロマン-3-オンは2-アシルフェニル酢酸の還元・環化により, 1位に置換基を有しないイソクロマン-3-オンはフェニル酢酸の6位の選択的なクロロメチル化もしくはヒドロキシメチル化により合成した. ラクトン環状に置換基を有する化合物が高い生理活性を有していた. 1-ベンジル, 1-フェニル化合物で活性が高く, これらはレタスの幼根の徒長と幼茎の伸長抑制を誘導した. 幼根の徒長は抗オーキシン作用により, 幼茎の伸長抑制はオーキシンの移動阻害によるものと推察された.
  • フェンバレレート異性体の作用機構に関する研究 (第5報)
    永田 啓一, 宮田 正
    1994 年 19 巻 3 号 p. 221-223
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    昆虫の中枢神経系は神経被膜によって血リンパからの物質の侵入が調節されていることが知られている. われわれは先にフェンバレレート立体異性体間で神経組織への透過量に違いがあることを報告した. そこで二対のフェンバレレートの diastereomer の混合物である, (R,S)-Sおよび (R,S)-Rに対してチャバネゴキブリ神経被膜が薬剤の透過量を減少させるかどうか検討した. 神経被膜を除去した腹部神経索への薬剤の透過量には正常神経と有意差は見られず, 神経被膜がフェンバレレートの透過を妨げることはないと考えられた. また立体異性体間で見られた正常神経での透過性の違いは, 神経被膜の透過性の違いによるものではないことが示された.
  • 平井 勝義
    1994 年 19 巻 3 号 p. 225-227
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    トビイロウンカの殺虫剤感受性を飛来波別, 地域別および年次別に微量局所施用法で検討した. 1988年に長崎県諫早市で採集した4波の飛来波間で感受性に差異は見られなかった. また1990年に長崎県と兵庫県で採集した3個体群間で感受性の地域差は見られなかった. 諫早市で1988年から1991年の4年間採集された個体群の感受性の年次変動はほとんど見られなかった.
  • 平井 勝義
    1994 年 19 巻 3 号 p. 229-232
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    兵庫県小野市で採集したセジロウンカの殺虫剤感受性を微量局所施用法で1984年から7年間検定した. 1967年の結果と比較して有機リン剤に対して明らかな抵抗性の発達が観察された. とくにマラソンとフェニトロチオンで高い抵抗性比を示した. またカーバメイト剤に対して約4倍の抵抗性の発達が観察された. 調査期間を通して, LD50値はほぼ安定していて, その後の抵抗性の発達は観察されなかった.
    感受性の地域差について1985, 1986, 1987, 1989年に行なった比較では, 採集した個体群間では全く差異が見られなかった.
  • Tariq MAHMOOD, 本山 直樹
    1994 年 19 巻 3 号 p. 233-235
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    主としてKDRタイプのメカニズムによってもたらされるチャバネゴキブリのピレスロイド抵抗性の遺伝について調べた. S系, R系両親, その交雑によって得られるF1. ならびに戻し交雑によって得られるB1世代にフェンバレレートを局所施用し, 薬量-死亡率反応を観察した. S系, R系親の正逆交雑による二つのF1世代のLD50値はほとんど一致したので, 本種のピレスロイド抵抗性の遺伝は性連鎖していないことを示唆した. 優性度 (D) はおのおの-0.070と-0.025であり, 遺伝様式は不完全劣性であった. B1世代の薬量-死亡率曲線は単一の主働遺伝子の場合に予想される線からずれていたが, これはR系に存在する複数の抵抗性メカニズムの影響を反映しているものと推察された.
  • 宮崎 昭雄
    1994 年 19 巻 3 号 p. 237-242
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 寺岡 徹
    1994 年 19 巻 3 号 p. 243-244
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 青木 篤, 西田 〓, 安藤 満, 吉川 博治
    1994 年 19 巻 3 号 p. 245-247
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 土岐 精一, 内宮 博文
    1994 年 19 巻 3 号 p. S95-S100
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 雅志
    1994 年 19 巻 3 号 p. S101-S106
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 宮崎 昭雄
    1994 年 19 巻 3 号 p. S107-S114
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 寺岡 徹
    1994 年 19 巻 3 号 p. S115-S123
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 青木 篤, 西田 〓, 安藤 満, 吉川 博治
    1994 年 19 巻 3 号 p. S125-S131
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 武田薬品工業株式会社アグロ事業部 , 農薬開発部開発第三グループ
    1994 年 19 巻 3 号 p. S135-S140
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ミルディオマイシンの安全性評価のため各種の毒性試験を実施した. 急性経口毒性 (LD50値) はラット雄で4300, 雌で4120, マウス雄で5060, 雌で5150mg/kgであった. 眼一次刺激性および皮膚一次刺激性が認められたが, 皮膚感作性は認められなかった.
    ラットを用いた亜急性毒性試験では2500ppm以上の用量群に体重増加抑制, 飼料摂取量の減少, 淡黄~淡褐色尿, 臓器重量の減少, 脂肪組織の発育不全, 肝実質細胞およびリンパ組織の萎縮が認められた. 最大無作用量は雄で42mg/kg/day, 雌で41mg/kg/dayと判断された. マウスを用いた亜急性毒性試験では雄の100ppm以上, 雌の1000ppm以上の用量群に, 体重増加抑制および食餌効率の低下が, 高用量群 (3000ppm) に血小板および脾重量の増加, 肛門周辺の腫脹, 肛門および直腸の粘膜壊死, 前胃の腺胃移行部粘膜肥厚, 腎尿細管萎縮, 慢性膀胱炎, 脾の髄外造血亢進像が認められた. 最大無作用量は雄で3.24mg/kg/day, 雌で40.6mg/kg/dayと判断された. ラットおよびウサギを用いた催奇形性試験から, ミルディオマイシンによる催奇形性は認められなかった.
    細菌を用いたDNA修復試験および復帰変異試験においてミルディオマイシンは陰性であったが, チャイニーズハムスターの培養細胞を用いた試験では中用量において軽度な陽性を示した.
    薬理試験では, ミルディオマイシンの大量投与により運動機能の低下, 中枢神経系に対する抑制作用, 呼吸・循環器系および血液凝固に対する影響が認められた.
    ミルディオマイシンは昭和56年8月に非食用作物用の殺菌剤として登録された.
  • 株式会社エス・ディー・エス バイオテック農薬対策室
    1994 年 19 巻 3 号 p. S141-S145
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    プロジアミンはラットおよびマウスの急性経口毒性試験でのLD50値がいずれも5000mg/kg以上であること, および, ラットの急性経皮毒性試験でのLD50値が2000mg/kg以上であることからきわめて毒性の低い物質であると考えられた. 本剤の65WDG製剤はウサギの眼に対して刺激性があるものの, 原体は眼に刺激性がないと考えられ, 皮膚に対しては原体および65WDGともに刺激性がないと考えられた. 皮膚感作性は原体では認められなかったが, 65WDG製剤では弱い感作性があると考えられた. 亜急性経口毒性試験において, プロジアミンは高用量において体重増加の抑制, 血液学的および血液生化学検査項目のわずかな変化がみられた. しかしながら, 中および低用量ではほとんど変化を認めなかった. プロジアミンはラットおよびウサギにおいて催奇形性は認められず, また, 変異原性試験においても陰性の結果を得た. プロジアミンは1991年に登録され, ゴルフ場における除草剤として有用である.
  • デュポン株式会社農業用製品事業部企画・開発部
    1994 年 19 巻 3 号 p. S147-S150
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    メトスルフロンメチルについて, 各種毒性試験を実施し, 安全性を評価した. その結果, ウサギを用いた眼一次刺激性試験において, 弱い刺激性が認められたのみで, 経口/経皮毒性も非常に低く, 急性中毒の発現を示唆する有意な症状も認められず普通物に該当した. ラットを用いた亜急性毒性および一世代繁殖試験において, ラットの高用量群で体重増加量の減少や血清中の総蛋白量の低下が認められたがその他特記すべき毒性症状は認められなかった.
    催奇形性においても特記すべき毒性症状の発現は認められず催奇形性は認められなかった. 変異原性は in vitro における染色体異常誘発性のみ陽性であると判断されたが, DNA修復性, 遺伝子突然変異原性および in vivo における染色体異常誘発性は陰性であった.
    メトスルフロンメチルは魚毒性も低く, その使用方法および一般的注意事項を遵守すれば, 環境および作業者への安全性の高い薬剤である.
  • 武田薬品工業株式会社アグロ事業部 , 農薬開発部開発第三グループ
    1994 年 19 巻 3 号 p. S151-S157
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    フェリムゾン原体の安全性を評価するため各種毒性試験を実施した. フェリムゾンはラットおよびマウスにおける急性毒性は低く, 毒・劇物でないいわゆる普通物に該当する.
    フェリムゾンは眼に対し強度の刺激性を有するが, 洗眼により症状は軽減された. 皮膚一次刺激性試験では, 擦過皮膚に対しては強度の刺激性を有するが, 正常皮膚に対しては軽度であった. 皮膚感作性は認められなかった.
    ラット, マウスおよびイヌを用いた亜急性および慢性毒性・発がん性試験では検体投与による影響として体重増加抑制, 小葉中心性肝細胞腫大, 肝重量対体重比の増加, 肝細胞への色素沈着, Ht, Hbおよび赤血球の減少, AIPの増加等が認められたが, いずれの動物種においても催腫瘍性は認められなかった.
    ラットを用いた繁殖性に及ぼす影響試験, ラットおよびウサギを用いた催奇形性試験では, 繁殖性に対する影響および催奇形性は認められなかった.
    細菌を用いた復帰変異試験, DNA修復試験および培養細胞を用いた染色体異常試験では, いずれにおいても変異原性は陰性であった.
    薬理試験において, 高用量群では中枢神経系, 呼吸・循環器系, 自律神経系, 消化器系, 平滑筋に影響を及ぼしたが, 低用量群では影響は認められなかった.
    フェリムゾンは平成3年11月1日に稲のいもち病剤として登録を取得した. フェリムゾンは, 定められた使用基準を遵守することにより安全性を確保できる農薬であるとともに, 有用な農業資材の一つとして好評を得ている.
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