Journal of Pesticide Science
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20 巻, 4 号
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  • Streptomyces sp. NK10958が生産する新規植物生長調節物質ピロネチンに関する研究 (第4報)
    小林 伸一, 土屋 耕一, 小林 賢司, 錦織 隆昭, 中川 泰三, 嶋田 信義
    1995 年 20 巻 4 号 p. 447-451
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    放線菌の培養液より単離した新規植物生長調節物質ピロネチンは, 温室内の試験において小麦に対して有意な茎長の矮化を示した. またピロネチンはセミフィールド試験において出穂5日前に10アール当り100gを処理することにより, イネの生長を13.4%抑制した. ピロネチン処理時のジベレリン添加がピロネチン単独処理によるイネの生長抑制を回復しなかったことにより, ピロネチンの作用機作はジベレリン生合成系の阻害とは異なることが推定された. ピロネチンの作用機作は植物細胞分裂の阻害に関与しているものと推定された.
  • 村井 重夫, 芳賀 隆弘, 坂下 信行, 中村 裕治, 本多 千元, 本澤 彰一, 木村 史雄, 辻井 康弘, 西山 隆三
    1995 年 20 巻 4 号 p. 453-462
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    長年にわたるピリジン系スルホニルウレア化合物の研究の結果, ピリジン核3-位に置換カルバモイル基を有する新規化合物群がトウモロコシに対してきわめて安全であることを見出した. カルバモイル基上の置換基と活性ならびにウレア鎖に直結した置換複素環の構造と活性について検討した結果, 2-(4, 6-dimethoxypyrimidin-2-ylcarbamoylsulfamoyl)-N, N-dimethylnicotinamide (SL 950, Nicosulfuron) がもっとも活性が高く, 40~80g a. i./haというごく低薬量で多年生イネ科を含むイネ科, カヤツリグサ科, 広葉雑草に対して有効であると同時にきわめて幅広い殺草スペクトルを有していることを確認し, 現在石原産業株式会社で開発中である. 本研究の新規ピリジルスルポニルウレア系化合物の合成のための鍵中間体である2-アミノスルホニル-N-置換-ニコチンアミドに関して, 4種類の合成法を確立した.
  • 田代 茂喜, 山元 章裕, 杉田 紀夫, 岡田 嘉之
    1995 年 20 巻 4 号 p. 463-470
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ピラクロボス (ボルテージ) のベンゼン環14C-標識体を用いて, キャベツにおける吸収, 移行性および代謝分解性を実験室条件下で検討した. キャベツの葉面上に2μg/cm2の割合で14C-ピラクロホスを塗布処理すると, ピラクロホスは半減期約1週間の速度で減少した. 葉面塗布処理30日後の14C-放射活性 (14C) の大部分は処理部位から検出され, 非処理部へ移行した量は少なかった. 葉部中におけるピラクロホスの主要代謝経路はP-O-aryl結合の開裂による1-(4-chlorophenyl)-4-hydroxypyrazole (CHP) の生成, およびCHPとグルコースあるいはマロニルグルコースとの抱合体の生成であった. 親化合物は葉部の処理部位にわずかに認められたが, 非処理部からは検出されなかった. 14C-ピラクロホスを濃度10ppmの割合で混和処理した土壌を用いてキャベツを30日間栽培したとき, 処理した14Cの大部分は処理土壌中に認められた. 植物体へ移行した14Cはわずかであり, そのほとんどは根部中に認められた. 一方, 地上部中へ移行した14Cはごくわずかであり, 親化合物は検出されなかった.
  • 村上 学, 高木 聡子, 高橋 巌, 徳山 龍明, 佐藤 幸治, Johannes Willem VONK, 若林 攻
    1995 年 20 巻 4 号 p. 471-477
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    1, 3, 5-トリアジン系化合物を用いて畑土壌中での硝酸化成抑制効果 [pI50 (soil)] を求めた. さらに, このpI50 (soil) を Briggs の土壌吸着を考慮して, pI50 (soil-water) に換算した. 次に, 作用部位を明らかにするために Nitrosomonas europaea ATCC 25978株に基質として, (NH4)2SO4とNH2OH・HClを用いて, それぞれの亜硝酸生成量を測定し, 抑制効果のみられた (NH4)2SO4基質ではpI50 (cell-suspension) を求めた. それぞれのpI50値は疎水性パラメータ (logP) との間に2次式での良好な相関関係がみられ, 最適logPが求められた. また, N. europaea ATCC 25978株を用いた抑制試験では基質にNH2OH・HClを用いた場合には, まったく亜硝酸生成を抑制せず, (NH4)2SO4を用いた場合のみ, 抑制作用を示したことから, N. europaea ATCC 25978株の Ammonia monooxigenase が作用部位であることが示唆された.
  • 深井 裕司, 右内 忠昭, 石川 莞爾, 遊佐 義男, 和田 信英, 手塚 雅勝, 岡田 昌二
    1995 年 20 巻 4 号 p. 479-486
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    KIH-2023 [Sodium 2, 6-bis (4, 6-dimethoxypyrimidin-2-yloxy) benzoate] の, ベンゼン環-U-またはピリミジン環-2-14C標識体をF344ラットに5ないし100mg/kg単回経口投与した. 投与14C-放射活性 (14C) の90%以上が, 投与96時間までに尿糞中に排泄された. 投与後の血中14Cは雄で投与2時間後, 雌で1時間後に最高値 (Cmax) を示し, 以後C1/2時点まで急速に減少した. C1/2時点に比べ, 投与96時間後の臓器・組織中の14Cは低濃度に減衰した. 胆汁中の14Cの大部分は未変化のKIH-2023とそのグルクロン酸抱合体であった. また, 尿糞中14Cの大部分は未変化のKIH-2023であった. 非標識体を15日間反復投与後, 14C-KIH-2023を5mg/kg単回経口投与した結果, 14Cの排泄, 臓器・組織分布および代謝は単回投与の場合とほぼ同様の結果であった.
  • 松田 一彦, 居原田 晃司, 鈴木 浩之, 山下 美由紀, 沖本 浩, 西村 勁一郎, 上野 民夫, 駒井 功一郎
    1995 年 20 巻 4 号 p. 487-492
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    神経作用性殺虫剤であるピレスロイドの作用点を解明するために, 蛍光発色団を有する光反応性化合物, KUP-1, を合成した. KUP-1の蛍光はタンパク質の蛍光より長波長側に極大値を示した. アメリカザリガニおよびワモンゴキブリの神経軸索標本を用いて膜電位に対する効果を測定したところ, KUP-1はピレスロイドと同様に脱分極性後電位を誘起し, 静止膜を脱分極させた. また, 化合物はアメリカザリガニの神経軸索標本で測定したナトリウムイオン電流に対してもピレスロイド様の電流変化を引き起こした. これらの結果から, KUP-1はピレスロイドの標的タンパク質を同定するための光反応性プローブとして用いることができるものと考えた.
  • 植食性ハダニ類のヘキシチアゾクス抵抗性に関する研究 (第2報)
    山本 敦司, 米田 渥, 波多野 連平, 浅田 三津男
    1995 年 20 巻 4 号 p. 493-501
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    殺ダニ剤ヘキシチアゾクスを用いて, 静岡県榛原郡の日本曹達 (株) 榛原農業研究所内の柑橘園から採集したミカンハダニ (Panonychus citri MCGREGOR) の抵抗性および感受性への室内淘汰を行なった. 17回の圃場における淘汰後6回の抵抗性への室内淘汰で, 無淘汰系統および室内淘汰の親世代と比較しLC50値の抵抗性比が, それぞれ23,000および4450の非常に高いレベルの抵抗性が発達した. 一方, 5回の感受性への淘汰で, LC50値の感受性比が0.59の, 淘汰前よりも感受性が高い集団が得られた. 抵抗性系統では, すべての発育ステージおよび雌成虫に対する不妊活性において, ヘキシチアゾクス抵抗性のレベルが高かった. 抵抗性系統に対し, ヘキシチアゾクスにピペロニルブトキサイドを混用し, 殺卵活性と不妊活性を調べたが, 協力作用は認められなかった. 20種類の殺ダニ剤に関してヘキシチアゾクス抵抗性系統に対する効力を検討したところ, クロフェンテジン, フルフェノクスロンおよびフルサイクロクスロンの効力が低かった.
  • 柏田 祥策, 持田 和男, 尾添 嘉久, 中村 利家
    1995 年 20 巻 4 号 p. 503-512
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    汽水湖である宍道湖および中海から採集した優占動物プランクトン (それぞれ Sinocalanus tenellus およびOithona davisae) を含む5種の動物プランクトンの有機リン殺虫剤7種 (cyanophos, salithion, malathion, phenthoate, fenitrothion, diazinon および dichlofenthion) に対する耐性および分解能を評価するとともに, 春・秋期における両湖水のこれら殺虫剤の消失速度定数および両湖の動物プランクトン個体密度を用いて, 両湖水における殺虫剤消失に対する動物プランクトンの寄与率を算出した. S. tenellus および O. davisae の phenthoate および diazinon に対する耐性は, 試験したほかの農薬に対するそれらよりも低かった. 供試した5種の動物プランクトンによる農薬の分解は, 動物プランクトン種および農薬の種類によりそれぞれ異なるが, いずれの動物プランクトンでも malathion および dichlofenthion に対して高い分解能を示した. 両湖水中における殺虫剤消失に対する動物プランクトンの最大寄与率は, 春期の fenitrothion, malathion および salithion の消失に対して, 宍道湖でそれぞれ0.4, 8.1および3.4%, 中海でそれぞれ0.1, 0.1および1.9%, 秋期の fenitrothion, cyanophos および diazinon の消失に対して, 宍道湖でそれぞれ0.6, 4.6および0.8%, 中海で0.1, 2.7および1.2%であり, 有機リン殺虫剤消失に対する動物プランクトンの寄与は高くないことがわかった.
  • 植食性ハダニ類のヘキシチアゾクス抵抗性に関する研究 (第3報)
    山本 敦司, 米田 渥, 波多野 連平, 浅田 三津男
    1995 年 20 巻 4 号 p. 513-519
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    静岡県榛原郡榛原町の柑橘園から採集し, ヘキシチアゾクスで室内淘汰を繰り返したミカンハダニ (Panonychus citri MCGREGOR) における, ヘキシチアゾクス抵抗性の遺伝様式を分析した. LC50値がそれぞれ0.462ppmと8000ppm以上の感受性系統 (Haibara-S) と抵抗性系統 (Haibara-R) との正逆交配および戻し交配の結果から, 卵におけるヘキシチアゾクス抵抗性は, 不完全劣性の単一主働遺伝子に支配されていると推定された. ヘテロ接合体をもつ卵の優性度 (D) は, -0.40 (SR) および-0.59 (RS) と計算された.
  • 植食性ハダニ類のヘキシチアゾクス抵抗性に関する研究 (第4報)
    山本 敦司, 米田 渥, 波多野 連平, 浅田 三津男
    1995 年 20 巻 4 号 p. 521-527
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    静岡県榛原町の柑橘園から採集し室内淘汰を行なったヘキシチアゾクス抵抗性 (RR) ミカンハダニ (Panonychus citri MCGREGOR) と, 起源を同じくする感受性 (SS) ハダニおよびその交雑 (SR, RS) ハダニにおいて, 個体群増殖に及ぼす生活史パラメータを比較した. 25℃における内的自然増加率 (rm) の遺伝子型による違いは小さかったが, その値はSS (0.2110), SR (0.2098), RS (0.2042), RR (0.1996) の順で減少した. 35℃におけるrmはSSで0.1187, RRで0.0123とその差が大きかった. また, 25℃と35℃でミカンハダニのどの日齢においても, 遺伝子型RRの繁殖価 (Vx/V0) は遺伝子型SSのそれに劣った. 25℃と35℃の抵抗性系統における内的自然増加率と繁殖価の減少は, 雌成虫の寿命と産卵力の有意な減少によるものと考えられた.
  • 生体内変換
    斎藤 幸一, 金子 秀雄, 冨ヶ原 祥隆, 中塚 巌, 山田 宏彦
    1995 年 20 巻 4 号 p. 529-540
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    新規ピレスロイド系殺虫剤イミプロスリン [2, 5-dioxo-3-(2-propynyl)-1-imidazolidinyl] methyl (1R)-cis, trans-chrysanthemate の trans および cis 体のアルコール側14C標識体を雌雄ラットに1および200mg/kgの割合で一回経口投与した. その結果, すべての投与群で14Cは, 速やかに, 投与後7日目までにほぼ完全に尿, 糞および呼気中に排泄され, 組織残留量も全般的に低値を示した. 14C排泄率および14C組織残留に顕著な性差は認められなかった. cis体のアルコール側14C標識体を用いて尿中から単離, 構造決定した代謝物を用いて同定された排泄物中の代謝物より, 代謝反応として1) エステル結合の開裂, 2) イミドメチレン結合の開裂, 3) イミダゾリジン環の水酸化, 4) 2-プロピニル基の脱離, 5) 酸側イソブテニルのメチル基の酸化を認めた. イミプロスリンの両異性体の代謝物に顕著な性差は認められなかった.
  • 曽根 信三郎, 服部 ゆみ, 坪井 真一, 大津 悠一
    1995 年 20 巻 4 号 p. 541-543
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    イミダクロプリドは, クロルニコチニル系の新規化合物で, ウンカ・ヨコバイ類に対し卓効を示す薬剤である. イミダクロプリドが, 日本各地で広範囲に使用される前に, ヒメトビウンカにおける薬剤感受性を検定した. 日本各地で採集されたヒメトビウンカにおいて, 有機リン剤・カバーメート剤に対する低感受性を示す系統が認められ, また, ピレスロイド剤に対し感受性の低くなった系統が認められたが, イミダクロプリドに対する低感受性は認められなかった. 当研究室にてマラソン, プロポキサーで淘汰している系統において, イミダクロプリドに対し若干の感受性低下が認められたが, 実用濃度の4分の1濃度で100%の死虫率を示した. これらのヒメトビウンカにおける感受性検定は, イミダクロプリドの抵抗性を検討する基礎となろう.
  • 本間 環
    1995 年 20 巻 4 号 p. 545-551
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 三菱化学株式会社炭素アグリカンパニー生物化学品部
    1995 年 20 巻 4 号 p. 555-558
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    テブフェンピラドの安全性評価を行なうための各種毒性試験を実施した.
    テブフェンピラドのラットに対する急性毒性は低かったが, マウスに対する急性経口毒性値は劇物相当であった.
    テブフェンピラドは皮膚刺激性はなく, 眼刺激性は軽度であり, また皮膚感作性もみとめられなかった.
    亜急性毒性, 慢性毒性および発癌性試験において, ラット高用量に肝重量の増加および肝細胞肥大がみとめられた.
    繁殖性に及ぼす影響, 催奇形性および変異原性はみとめられなかった.
    テブフェンピラドは平成5年4月に農薬登録を取得し, 登録保留基準は果実 (イチゴを除く) 0.5ppm, 茶2ppm, キュウリ0.5ppm, ナス0.5ppm, イチゴ1ppmと設定された.
    テブフェンピラドは定められた使用基準を遵守すれば, 安全性が高い薬剤であり, 農業資材の一つとして有用であると考えられる.
  • 根本 久
    1995 年 20 巻 4 号 p. 561-562
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 小野 仁
    1995 年 20 巻 4 号 p. 563-566
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 勲
    1995 年 20 巻 4 号 p. 567-570
    発行日: 1995/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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