Journal of Pesticide Science
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22 巻, 2 号
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  • 時枝 正則, 小澤 道弘, 小林 茂, 五明 健
    1997 年 22 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    新規殺虫剤アセタミプリド (E)-N1-[(6-chloro-3-pyridyl)-methyl]-N2-cyano-N1-methylacetamidine およびその植物代謝物である脱メチル体 (IM-2-1), 6-chloro-3-pyridylmethanol (IM-0), 6-chloronicotinic acid (IC-0) およびIM-0のグルコース抱合体の作物残留分析法を検討した. その結果, 作物中のアセタミプリドおよび代謝物をメタノールで抽出した後アルカリ加水分解および過マンガン酸カリウムによる酸化を行なうことによりIC-0に変換し, さらにジアゾメタンによってメチル化した誘導体IC-0-Meに変換してカラムクロマトグラフィーにより精製した後ECD-GCにより定量する方法を確立した. 検出限界は0.01ppmであり, 添加回収率 (0.2ppm) は74~92%であった.
  • 利部 伸三, 赤木 俊夫
    1997 年 22 巻 2 号 p. 84-89
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    イミダクロプリドと関連化合物の基底状態と励起状態をAM1法や ab-initio 法で求めた. シングレット励起状 (S1) のエネルギー差はニトロメチレン<ニトロイミン<シアノイミンの順序であり, ニトロメチレン誘導体の容易な光分解性を裏づけた. HOMOは主としてイミダゾリジン環上窒素原子を含むグアニジンやアミジン部位に存在し, LUMOはニトロ基やシアノ基まで広がっていることから, 紫外線吸収によりπ電子が供与体から受容体に遷移することがわかった. したがって, イミダゾリジン誘導体より電子供与性のチアゾリジン誘導体が長波長にシフトする. ニトロ基とアミジンあるいはグアニジン部位とはいずれも基底状態では共平面上にあるが, トリプレット励基状態 (T1) においてニトロアミジンではニトロ基が共平面から大きくねじれるのに対して, ニトロイミンではほぼ共平面性が保たれるため, T1においても後者の二重結合性が十分に保持されることが予測される. 以上のように, HOMO-LUMOのエネルギー差と励基状態での結合強度の差がニトロメチレン, ニトロイミノそしてシアノイミノ基を含むクロロニコチニル系殺虫剤分子の圃場での光安定性を決定している.
  • SSF-126の放出制御製剤に関する研究 (第3報)
    田島 繁, 久米 龍一, 松本 公平, 安藤 巌, 提内 正美, 白石 友紀
    1997 年 22 巻 2 号 p. 90-94
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    SSF-126, (E)-2-methoxyimino-N-methyl-2-(2-phenoxyphenyl) acetamide の放出制御粒剤を水田に施用した場合, 田面水, 土壌および稲体中のSSF-126の濃度推移は通常の粒剤 (非放出粒剤) に比べその立ち上がりが緩やかであるが, 濃度の減衰速度も小さく, また, 田面水, 土壌水, 土壌および稲体のいずれにおいても時間的経過に伴って濃度の逆転, すなわち放出制御粒剤区での濃度が通常の粒剤区より高くなった. 逆転は, 粒剤処理後田面水では約10日目, 土壌深5cm水で約40日目, 土壌深10cm水で約72日目, 稲体で20~35日目であり, 稲体での変化は土壌深5cm以内の挙動を反映していると考えられた. 以上の結果から, 放出制御粒剤により稲体中のSSF-126濃度が効果的に制御できることが示され, これにより, イネいもち病に対するSSF-126の残効性を高めることが十分に期待された.
  • 大氣 新平, 笠原 勇太, 村上 学, 宮本 美子, 徳山 龍明, Johannes Willem VONK, 佐藤 幸治, 若林 攻, 高 ...
    1997 年 22 巻 2 号 p. 95-101
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    1,3,5-トリアジンのハロメチル置換基が硝化細菌の硝酸化成作用に及ぼす影響について調べることを目的として, 26種のハロメチル-1,3,5-トリアジン系化合物を用いて試験を行なった. 1,3,5-トリアジン系化合物の硝酸化成抑制効果は二つの実験方法によって測定した. 畑土壌を用いたアンモニアから硝酸 (NO3--N) への酸化と, Nitrosomonas europaea ATCC 25978の細胞懸濁液を用いたアンモニアから亜硝酸 (NO2--N) への酸化を測定した. その結果, トリクロルメチル基を有する化合物は畑土壌と菌体の両方において, 部分的に塩素化されたメチル基 (CH2ClおよびCHCl2) をもつ化合物よりも強い硝酸化成抑制効果を示すことが判明した. トリブロモメチル基をもつ1,3,5-トリアジン系化合物は N. europaea ATCC 25978の細胞懸濁液では非常に強い抑制効果を示したが, 土壌試験においては弱い抑制効果しか示さなかった. また, N. europaea ATCC 25978を用いた試験では基質として (NH4)2SO4を用いた場合には抑制効果がみられたが, NH2OH・HClを用いたときにはみられなかった. したがって, 検討したすべてのハロメチル-1,3,5-トリアジン系化合物の作用点はアンモニアからヒドロキシルアミンへの酸化過程にあると推測された.
  • 堀田 康司, 渡辺 圭太郎, 田中 徹, 竹内 安智, 近内 誠登
    1997 年 22 巻 2 号 p. 102-107
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    最近, 低濃度の5-アミノレブリン酸 (ALA) が, 高濃度における除草活性とは逆に, 成長促進を中心とする多様な植物成長調節作用をもつことを見出した. これらの活性を明らかにするためイネ, トウモロコシ, インゲンおよびハツカダイコンの幼苗を用いて, ALAの処理方法と処理濃度が, 苗の初期生育に及ぼす影響について検討した.
    その結果, ALAの効果は, 処理方法や処理濃度により異なることを明らかにした. また, 適正な処理は, 無処理比110~150%と苗の生育を促進し, その適正濃度は, それぞれ根部浸漬処理で0.1~1ppm, 茎葉処理で30~100ppm, 土壌処理で10~100g/10aと処理方法により異なった. 高濃度処理によるALAの殺草活性については, 植物種によりその活性が異なるとの報告があるが, 低濃度における生育促進活性では, 単子葉, 双子葉植物の間に顕著な差は認められなかった. さらに, ALAは, 土壌中において速やかに分解されると考えられた.
  • 倉橋 良雄, 坂和 慎二, 金原 太郎, 田中 桂子, 利部 伸三
    1997 年 22 巻 2 号 p. 108-112
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    カルプロパミド (KTU 3616) は浸透性で優れたいもち病防除剤として見出された. その基礎活性と生物的特性について in vivoin vivo で検討した. カルプロパミドは Oomycetes に属する菌類に弱い活性を示すものの, その他の植物病原菌類の菌糸生育にはほとんど抗菌力を示さない. さらにいもち病菌の胞子発芽, 付着器形成を阻害しない. しかしながら培養試験において多くの菌類のコロニーの色を変化させ, またいもち病菌の付着器のメラニン化を強く阻害した. そして本剤は非常に低い濃度でいもち病菌のイネへの付着器侵入を阻害するが, 一度付着器侵入が始まった後にはその効果は劣った.
  • 小林 裕美子, 有江 力, 柴崎 正勝, 山口 勇
    1997 年 22 巻 2 号 p. 113-118
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    4-Allyl-2-azetidinone (B-143) は抗菌活性を示さない物質であるが, 滅菌していない培土 (クレハ園芸培土) に灌注 (100μg/ml, 0.5mg/g土) すると Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinum によるキュウリ (Cucumis sativus) つる割病の発病を抑制した (ポット試験). しかし, 培土をオートクレープ (121℃, 40分) 滅菌処理したものではB-143灌注による発病抑制効果が失われた. そこで培土中に存在する微生物が本抑制効果発現に関与していると考えられたため, 分離を試みたところ, Penicillium simplicissimum No. 8 が分離された. 同菌を, 滅菌処理した培土に戻し接種した後にB-143を灌注したところ, 発病抑制効果が再現された. P. simplicissimum No. 8 およびB-143による発病抑制効果はトマト (Lycopersicon esculentum) 萎ちょう病, キャベツ (Brassica oleracea) 萎黄病, ストック (Matthiola incana) 萎ちょう病に対しても認められた. すなわち, B-143とP. simplicissimum No. 8は協力的に土壌伝染性フザリウム病に対して発病抑制効果を示すと考えられた.
  • 伊藤 篤史, 最勝寺 俊英, 熊沢 智
    1997 年 22 巻 2 号 p. 119-125
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    水稲種子消毒剤であるイプコナゾール, (1RS, 2SR, 5RS; 1RS, 2SR, 5SR)-2-(4-クロロベンジル)-5-イソプロピル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル) シクロペンタノールの有効成分である2種類のジアステレオ異性体5a, 5bと他の2種類のジアステレオ異性体 (1-RS, 2RS, 5RS)-5c, (1RS, 2-RS, 5SR)-5dを合成し, それらの殺菌および植物生長抑制活性を調べた. In vitro 試験でのイネばか苗病菌, イネごま葉枯病菌, イネいもち病菌に対する各ジアステレオ異性体の殺菌活性の比較では, 5a, 5bおよび5dが高い活性を示した. In vivo 試験では, 5dの活性が, 5a5bの活性より少し低下し, 活性の差がみられた. イネ種子処理による植物生長抑制活性試験では, 5dに弱いながら節間伸長抑制活性がみられた. 5a5bの光学異性体間の in vitro 試験での殺菌活性比較においては, 各 (-) 体はそれぞれの各 (+) 体に比べ活性が高かった.
  • 伊澤 宏毅
    1997 年 22 巻 2 号 p. 126-128
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 時枝 正則, 飯吉 要, 杉岡 克己, 五明 健
    1997 年 22 巻 2 号 p. 129-132
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    新規殺虫剤アセタミプリド (E)-N1-[6-chloro-3-pyridyl methyl]-N2-cyano-N1-methylacetamidine の作物残留分析法を検討した. その結果, 作物中のアセタミプリドをメタノールで抽出後, 液々分配およびカラムクロマトグラフィーにより精製した後, ECD-GCにより定量する方法を確立した. 検出限界は果物・野菜類で0.005ppm, 茶で0.05ppmであり添加回収率 (0.1ppm) は80~104%であった.
  • Pentyl 2-Chloro-4-fluoro-5-(3,4,5,6-tetrahydrophthalimido)-phenoxyacetate(Flumiclorac Pentyl, S-23031)のラットにおける代謝 (第3報)
    松永 治之, 冨ヶ原 祥隆, 金子 秀雄, 中塚 巌, 山根 節夫
    1997 年 22 巻 2 号 p. 133-135
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    [Phenyl-14C]S-23031を雄ラット10匹に500mg/kgの割合で3日間連続経口投与し, 糞および尿を分別採取した. 尿中代謝物のメチル化物 (mixture) に, 合成標品SAT-4-OH-IMCA-MEとTLC上一致するスポットが検出された (糞中には認められなかった). 当該スポット部分を分取精製し, HPLCでの合成標品との同時クロマトグラフィーおよびLC-MSによる比較を行なうことにより, 本代謝物はSAT-4-OH-IMCAと同定された. この結果から, S-23031はラットにおいてテトラヒドロフタルイミド基の>C=C<の還元反応を受けることが示され, またそれはcisタイプであることが示唆された.
  • 宮崎 昭雄
    1997 年 22 巻 2 号 p. 136-155
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 桑野 栄一
    1997 年 22 巻 2 号 p. 156-164
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 林 茂, 前野 真一郎, 木本 隆啓, 永田 俊浩
    1997 年 22 巻 2 号 p. 165-175
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 吉成 正親, 久保田 豊, 稲見 俊一, 藤田 高
    1997 年 22 巻 2 号 p. 176-184
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 中村 完治
    1997 年 22 巻 2 号 p. 185
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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