Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
26 巻, 1 号
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  • 細川 明美, 山田 昌宏, 鈴木 清一, 池田 修, 米山 弘一, 直原 哲夫
    2001 年 26 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    除草活性を有するスルホンアミド系化合物の研究の過程において, オキシラン環を有する化合物4, N-dimethyl-N-(2-phenyloxiran-2-ylmethyl)benzenesulfonamide が除草活性を有することを見いだした. しかし, この化合物は保存安定性に欠けていたため, 化合物の保存安定性と除草活性の向上を目的として, 化合物の構造改変を行った. その結果, 十分な安定性とリード化合物に勝る活性を有する化合物N-[2-(3-chlorophenyl)oxiran-2-ylmethyl]-4-cyano-N-methylbenzenesulfonamide を見出した. またオキシラン環をブロモヒドリンに変換したN-(3-bromo-2-hydroxy-2-phenypropyl)-4-chloro-N-difluoromethyl-3-methylbenzensulfonamide も同様に十分な安定性と高い活性を有していた. 両化合物は水田の禾本科雑草全般および一部の広葉雑草に対し強い活性を示し, かつ移植水稲に対しては薬害を示さなかった.
  • 細川 明美, 桂田 学, 三上 恵美子, 池田 修, 南 紀子, 直原 哲夫
    2001 年 26 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    オキシラン環を有するスルホンアミド化合物の研究過程において, エポキシプロピル基の2位にピリジン環を有する化合物が強い除草活性を示すことを見出した. これらの化合物の構造改変を行った結果, 広い殺草スペクトラムを有する4-chloro-N-[2-(6-chloropyridin-2-yl)oxiran-2-ylmethyl]-3,N-dimethylbenzenesulfonamide とイネ-ヒエ間に高い属間選択性を有するN-[2-(6-chloropyridin-2-yl)oxiran-2-ylmethyl]-N-methyl-5,6,7,8-tetrahydronaphtalene-2-sulfonamide を見いだすに至った. 両化合物は水田の禾本科雑草全般および一部の広葉雑草に対し強い活性を示し, かつ移植水稲に対しては薬害を示さなかった.
  • 田村 廣人, Moritz KNOCHE, 林 幸之, Martin J. BUKOVAC
    2001 年 26 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    農薬製剤に含まれる界面活性剤 Triton X-100 のトマト果実由来エピクチクラワックス成分の可溶化機構について再構成モデル系を用いて検討した. Triton X-100 は, エピクチクラワックス成分のうち不飽和炭化水素の hexacosene, tritriacontadiene およびテルペン類のα, β-amyrin を臨界ミセル濃度以上で選択的に可溶化した. 一方, 飽和炭化水素成分は, 使用したいずれの濃度でもトレース量かまたは検出されなかった. この Triton X-100 による選択的可溶化現象は, エピクチクラワックス成分のlog P値では説明できなかった.
    従って, この可溶化には, ミセルとエピクチクラワックス成分との電子的相互作用, van der Waals 力および分子自体のコンフォメーション等の他の要因の関与が推測された. さらに, 界面活性剤によるエピクチクラワックスの可溶化は, 農薬の茎葉吸収機構の一因である可能性のあることが示唆された.
  • 池口 雅彦, 澤木 雅彦, 前田 和之, 菊川 弘司
    2001 年 26 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    タイヌビエ用除草剤である3-[[1-(7-クロロベンゾチアゾール-2-イル)-1-メチル]エチル]-2,3-ジヒドロ-6-メチル-5-フェニル-4H-1,3-オキサジン-4-オン (MI-3069) の合成において, 重要中間体である1-(7-クロロベンゾチアゾール-2-イル)-1-メチルエチルアミン (VII) の実用的合成法を種々検討した.
    その結果, 2, 3-ジクロロニトロベンゼンから誘導した2-ニトロ-6-クロロチオフェノールを接触還元して得られる2-アミノ-6-クロロチオフェノールと2-アミノ-2-メチルプロピオニトリルを環化させることにより, 高収率で目的とする中間体 (VII) を合成する事ができた.
    本製造法は, 従来の方法と比較し安価な原料を使用し, かつ反応段数も少なくより実用的で効率の良い製造方法である.
  • 乾 秀之, 塩田 憲明, 本射 由季子, 井戸 由子, 井上 友美, 児玉 卓也, 大川 安信, 大川 秀郎
    2001 年 26 巻 1 号 p. 28-40
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    構造と作用機構の異なる50種の除草剤とその他7種の化学物質の代謝を11種のヒトP450分子種をそれぞれ発現した酵母ミクロソーム画分を用いて試みた. その結果, 27種の除草剤と6種の化学物質がCYP1A1, CYP1A2, CYP2B6, CYP2C9, CYP2C18, CYP2C19, CYP2D6, CYP3A4により代謝されることが判明した. その中でも, 27種の除草剤と6種の化学物質の代謝物の構造が推定され, アトラジン, クロロトルロン, ピリブチカルブ, シマジン, シメトリン, フェニトロチオン, メトキシクロールは代謝物の一部が同定された. これらの結果をもとに, 除草剤代謝に重要な役割を果たしている3種のP450分子種CYP1A1, CYP2B6, CYP2C19をバレイショに発現することを試みた. その結果, トランスジェニックバレイショT1977は14Cラベルしたクロロトルロン, アトラジン, ピリブチカルブ, メトキシクロールを速やかに水溶性の高い代謝物に代謝することが判明した. このような植物は, 除草剤に耐性を示すだけでなく, 低農薬残留性作物, 残留農薬の環境浄化に有効であると考えられる.
  • 細川 明美, 四家 豊彦, 桂田 学, 池田 修, 南 紀子, 直原 哲夫
    2001 年 26 巻 1 号 p. 41-47
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    除草活性を有するアリール置換オキシラン化合物の研究において, 構造中にインダンジオン骨格を導入することにより, 畑地及び水田の禾本科雑草に対する活性が向上することを見出した. 更に周辺化合物の構造改変を行った結果, 水田の禾本科雑草全般および一部の広葉雑草に対し強い活性を示す化合物インダノファン; 2-[2-(3-chlorophenyl)oxiran-2-ylmethyl]-2-ethylindan-1,3-dione を見いだした. インダノファンは水田の強害雑草であるヒエに対し卓効を示し, 0.10~0.15kg a. i./haの薬量でヒエを完全に防除し, しかも移植水稲に対して薬害を示さなかった. インダノファンは三菱化学 (株) にて初中期水田用一発処理剤として開発され, 1999年に農薬登録を取得した.
  • 都築 学
    2001 年 26 巻 1 号 p. 48-54
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Modified Watson 法を用いた熱力学手法により, 様々な化学構造のカーバメート系およびチオカーバメート系農薬の蒸気圧を, 化学構造のみから推算する方法を開発した.
    各農薬の蒸気圧として, Donovan (1996) のガスクロ法によって算出した値を用い, 現行の Modified Watson 法の推算値と比較したが, ほとんどの農薬について推算値の方が高値を示した. そこで, Modified Watson 式の定数mの最適化を行った結果, Sugden's parachor を使用した場合m=0.811, McGowan's parachor の場合m=0.790が最適であった. さらに, 蒸気圧にとって分子間に形成される水素結合の影響が重要なファクターであることから, 最適化した Modified Watson 法に分子構造中の水素結合部位数 (NW) の概念を導入した結果, 分析 (ガスクロ法) による蒸気圧値との差がさらに著しく減少した.
    最適化過程に使用していない農薬を用いて, 本法の検証を行ったところ, ガスクロ法の誤差範囲内で文献値とほぼ一致した. 本法により, カーバメート系およびチオカーバメート系農薬について, 分析を必要とせず, 化学構造のみから10-5~101Paの範囲の蒸気圧を推算できることが示唆された.
  • 桐山 和久, 岩屋 和子, 利部 伸三, 西村 勁一郎
    2001 年 26 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    イミダクロプリド関連のニトロメチレン型化合物のN-アルキル置換体を合成し, 殺虫活性と, 神経興奮および遮断活性を測定した. まず, 注射法によるワモンゴキブリに対する殺虫試験では, 活性は代謝阻害剤の併用でさまざまな程度に上昇した. この条件では一連の化合物の中ではNH体が一番高く, イミダクロプリドの活性に匹敵した. N-置換体はそれらよりも低かった. 一方, ゴキブリ中枢神経を用いた神経興奮および遮断活性はいずれもNH体が同系統内で最も高かったが, イミダクロプリドにはおよばなかった. 一連の化合物についての興奮活性値と遮断活性値の間には直線関係は見られなかった. 代謝阻害剤を併用した時の殺虫活性値は, 神経興奮活性値よりも遮断活性値とに有意な定量的関係があった. 昆虫体内での薬物の移動や, 受容部位との相互作用に影響すると思われる疎水性の効果をlog Pの項として加えてさらに解析すると, このような相関関係は有意に改善された.
  • 汲田 泉, 丹羽 淳
    2001 年 26 巻 1 号 p. 60-66
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    種々の目的で合成された化合物ライブラリーについて in vitro 抗菌試験を行い, 1,2,4-オキサジアゾール誘導体の2化合物が T. mentagrophytes に対し比較的高い抗菌活性を示すことを見出した. これらの化合物は顕微鏡観察において菌糸の縮れた特徴的な形態変化を伴う生育抑制を示した. さらに, 薬剤を処理した Candida 菌体のステロールの分析をガスクロマトグラフィーにより行うと, スクワレンの顕著な蓄積がみられ, スクワレンエポキシダーゼを阻害しているものと思われた. これらの化合物をリード化合物として合成展開を図り, 3-(2,6-ジクロルフェニル)-5-フェニルアミノ-1,2,4-チアジアゾール類を見出した. これらの化合物は T. mentagrophytesB. cinereraに対して高い抗菌活性を示すと同時に, それに対応した強いスクワレンエポキシダーゼ阻害活性を示した. 新しく見出されたチアジアゾール誘導体は第3のタイプのスクワレンエポキシダーゼ阻害剤であり, リード化合物としてさらに興味がもたれる.
  • 矢野 智行, 岡野 夏子, 鵜飼 貞行, 堀 正大, 平井 憲次
    2001 年 26 巻 1 号 p. 67-75
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    一連の新規な3-(5-アルコキシ-2,4-ジハロフェニル)-5-アルキリデン-1,3-イミダゾリジン-2,4-ジオン誘導体を合成し, 種々の雑草に対する除草活性を調べた. 除草活性はベンゼン環上の置換基により変化し, 5-アルキニルオキシ-4-クロロ-2-フルオロフェニル基を有する化合物が相対的に高い除草活性を示した. 単環性イミダゾリジンジオン誘導体においては, イミダゾリジンジオン環5位にイソプロピリデン基を, そして1位に低級アルキル基を導入することが, 活性を高めるのに最も効果的であった. 二環性イミダゾリジンジオン誘導体では, 5,6-ジヒドロイミダゾ [1,5-a] ピリジン誘導体が, テトラヒドロイミダゾ [1,5-a] ピリジン誘導体より高い選択性を有していたことより, 二重結合の存在が作物安全性にとって重要であると考えられた. 合成した全ての化合物の中で, 二環性イミダゾリジンジオン誘導体である2-(4-クロロ-2-フルオロ-5-プロパルギルオキシフェニル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1,3[2H, 7H]-ジオンがトウモロコシ用除草剤として, 最も期待できる候補化合物であると考えられた.
  • 合成とアズキゾウムシに対する忌避効果
    李 〓鐘, 安藤 哲
    2001 年 26 巻 1 号 p. 76-81
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    抗潰瘍あるいは殺虫活性を有する物質として, Zingiberacea 科植物から1′-acetoxychavicol acetate (1a) が同定されている. 今回, 1aとその位置異性体を hydroxybenzaldehyde から合成し, Chiralpak AS またはADを備えたキラルHPLCにより分割し光学活性体を得ることができた. これらエナンチオマーの絶対立体配置は, 対応する1′-hydroxy 誘導体を用いて決定された. すなわち (S)-および (R)-MTPAエステルの1H NMRデータを比較する改良 Mosher 法により, 早く溶出する右旋性化合物にRの, 遅く溶出する左旋性化合物には天然型1aと同じSの絶対配置を帰属した. アズキゾウムシに対して, 各化合物の二つのエナンチオマーは同様な殺虫活性を示した. 一方, 忌避効果に関して, 雄のアズキゾウムシに対する立体異性体間の差は認められなかったが, 雌に対しては (S)-体が (R)-体より強い活性を示した. アズキへの産卵数は (S)-体を処理した場合明らかに少なくなり, 特に (S)-1aの処理で顕著に減少した.
  • 遠藤 正造, 鶴町 昌市
    2001 年 26 巻 1 号 p. 82-86
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    1989~1992年に東南アジアと日本で採集したトビイロウンカとセジロウンカの感受性を比較した. トビイロウンカ: 1989, 1990年に採集したマレーシア個体群のマラソン感受性は日本のそれの約1/7と低く, ダイアジノン, カルボスルファン感受性も若干低い傾向が認められた. また1992年の検定結果では, ベトナム南部及びタイ個体群のマラソン感受性は, 日本及びベトナム北部のそれより若干低かった. しかし, 他の薬剤に対する感受性はこれらの個体群間で大きな差はなかった. セジロウンカ: 1989~1990年個体群の薬剤感受性を比較した結果, マレーシア個体群のマラソン感受性は日本のそれの約1/6と低かった. しかし, 他の薬剤に対する感受性はこれらの個体群間でほとんど差はなかった. また, 熱帯地域においてもこれら2種のウンカは1977~1992年の間に各種薬剤に抵抗性が発達したことが確認された.
  • 金 仁恵, 豊村 望, 桑野 栄一
    2001 年 26 巻 1 号 p. 87-90
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    アミノ基をもつ種々の2,2-ジフェニルプロピオネート誘導体を合成し, 蚕, ハスモンヨトウ, コナガ, トビイロウンカ, ツマグロヨコバイ, ナミハダニに対する生物活性を検討した. 数種の化合物が, 500ppmでコナガとナミハダニに対して100%の致死活性を示した. これちの殺虫活性と蚕幼虫に対する成育阻害活性との間には相関関係はなく, 蚕の成育に影響を与えなかった5-(4-エチルピペラジン-1-イル)ペンチル2,2-ジフェニルプロピオネート等が殺虫活性を示した. 供試化合物の中で, 5-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)ペンチル2,2-ジフェニルプロピオネートが最も高い殺虫活性を示し, コナガに対し50ppmで100%の致死率であった. しかし, その殺ダニ活性は弱かった.
  • 西脇 寿, 中川 好秋, 上野 民夫, 西村 勁一郎
    2001 年 26 巻 1 号 p. 91-92
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    クロロニコチニル系化合物の6-クロロ-3-ピリジルメチル基を置換ベンジル基に変換した化合物のイエバエに対する殺虫活性を, 共力剤としてプロパルギルプロピルフェニルフォスフォネート (NIA) 単独, およびNIAとピペロニルブトキシド (PB) とを併用した条件で測定した. その結果, 標準化合物であるアセタミプリドを含む約半数の化合物はNIAにPBを加えても活性はほとんど上昇しなかったが, 他の化合物においてはNIAのみで求めた活性を3~40倍高めた. また, イエバエ頭部より調製したニコチン性アセチルコリン受容体に対する結合親和性は, NIAのみを用いて求めた殺虫活性より, NIAとPBとを併用して求めた殺虫活性とよりよく相関し, 殺虫活性を測定する場合は共力剤としてNIAとPBを共に用いる方が良いことが明らかとなった.
  • 清田 洋正, 清水 由布子, 折谷 隆之
    2001 年 26 巻 1 号 p. 93-95
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    シクロヘキシミドに代表されるグルタルイミド系抗生物質は, 一般に強い抗真菌活性を示す他, 抗腫瘍, 抗原虫活性などを有するが, 反面選択性も低いことから, 新規な類縁体が求められている. アクチケタールは新規なベンゾフラン型グルタルイミド系抗生物質として Streptomyces pulveraceus subsp.epiderstagenes から単離された. 今回, その全合成に成功したので報告する. 5,7-ジメチルベンゾ [b] フランとグルタコン酸ジメチルをPd (II) を用いて酸化的にカップリングして炭素骨格を形成した. ジカルボン酸部分をイミドへと変換し, フラン部分の二重結合を選択的にオスミウム酸化することで, 目的とするアクチケタールの合成を達成した. 全収率は6工程で11.4%であった.
  • 清田 洋正, 小池 貴徳, 東 栄美, 佐藤 靖, 折谷 隆之
    2001 年 26 巻 1 号 p. 96-99
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ジャスモン酸メチルは植物の成長抑制に働くアブシジン酸様の植物ホルモン様物質である. その代謝不活性化は, 11位或いは12位の水酸化から始まると推定されている. 実際, 単離或いは合成された11-(或いは12-) 水酸化体は不活性である. この代謝をブロックし, より高活性なアナログを開発する目的で, 11位のモノフルオロ置換体を設計した.
    合成 (ラセミ体) は, 既に報告した12-OH体の合成経路に準じ, ノルボルネンを出発原料として用いて行った. 鍵段階のフッ素化反応にはDASTを用いた.
    イネ芽生えの第二葉鞘伸長阻害試験では, このアナログはジャスモン酸メチルの約10分の1の活性であった. ハツカダイコン芽生えの根伸長阻害試験でも活性は弱かったが, 低濃度では逆に伸長を促進した. 12-OH体も同様の効果を示すことが知られている. これらの結果から, 導入したC-F結合は, 望むC-H結合のミミックではなく, C-OH結合のミミックとして働き, 活性が低下したものと考えた.
  • 田母神 繁
    2001 年 26 巻 1 号 p. 100-103
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 都築 学
    2001 年 26 巻 1 号 p. 104-112
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 満井 喬
    2001 年 26 巻 1 号 p. 113-114
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 新世紀の植物保護に向けて
    小田原 賢児
    2001 年 26 巻 1 号 p. 115-116
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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