Homophthalic acids およびその合成中間体を用いて, 3-acetoxy-4-acetylisocoumarins, 3-methylisocoumarins, 4-ethoxycarbonyl-3-methylisocoumarins, 4-carboxyisocoumarins の計20種の誘導体を合成した. 得られた化合物を用い, 大根, 稲, ヒエ
Asp. niger に対する作用を検討した結果, 興味ある活性が見いだされた. すなわち, 1) A環に電子吸引基をもたない 3-methylisocoumarins が
Asp. niger に対して, 生育阻害作用をもつこと, 2) 6または7位が塩素置換された 4-carboxyisocoumarins が稲, 大根に高濃度では生育を阻害するが, 低濃度では生育促進的に働くこと, 3) 4-ethoxycarbonyl-3-methylisocoumarins が, 4-carboxyisocoumarins と同様に, 生長調整的に働くことを見いだした. とくに4-ethoxycarbonyl-6-chloro-3-methylisocoumarin は0.1ppmの低濃度においても, 稲の根の伸長を阻害した. また, 7-chloro-4-carboxyisocoumarin は10ppmで, 稲の不定根の分化を阻害し, 主根の伸長を促進するという, ジベレリン様活性を示した.
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