ヒューマンファクターズ
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28 巻, 1 号
ヒューマンファクターズ
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研究論文
  • 市来嵜 治, 三浦 万侑花, 篠田 心治
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 28 巻 1 号 p. 6-15
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/05
    ジャーナル オープンアクセス
    組立工程の設計において、やりやすい組立順序および組立動作系列を決定することは重要である。組立順序の導出に関しては有効な先行研究があるが、組立動作系列の導出に関しては、導出の過程で人による判断が必要になったり、部品数が多い場合に適用が困難になったりするなどの課題がある。本論文は組立順序と、作業場レイアウトから両手による基礎的な組立動作系列を導出する方法を考案した。はじめに、組立順序から導出できる主要状態を明らかにし、前後の主要状態の比較により動作系列のパターンを作成した。そして、これらを活用した基礎的な組立動作系列の導出方法を考案した。考案した導出方法を2製品のデータに適用することで有効性を検証した。
  • 佐々木 泰斗, 奥村 光希, 濵口 孝司, 橋本 芳宏
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 28 巻 1 号 p. 16-28
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/05
    ジャーナル オープンアクセス
    システムの安全性は、サイバー攻撃の影響で脅かされることを考慮しなければならない.システムがセキュアに開発されたとしても、日々、サイバー攻撃に悪用できる脆弱性が増え続けるため、予期していなかった脆弱性が存在する場合でも、開発したシステムにおけるセーフティを確保できるように、システムのリリース後も継続して対応できるような仕組みが必要となる.そのためには、システムライフサイクル全体における脆弱性の管理体制も想定した上で、システム開発の初期から、システムライフサイクルを通じたセーフティとセキュリティの管理を同時に検討するための仕組みが必要となる.そこで、本研究では、セーフティ担当とセキュリティ担当が設計プロセスから連携して安全分析、セキュリティ分析を行いながら開発するため、データフローダイアグラムをベースとする共通モデルや品質機能展開を活用し、脆弱性発生に対する対応をモジュールごとに管理しやすくするため、セーフティの観点からモデル上でクリティカルポイントを特定し、段階的にプロセスや情報を遡ることで構造化を行う方法を提案する.
  • 鷲見 碧, 濵口 孝司, 橋本 芳宏
    原稿種別: 研究論文
    2023 年 28 巻 1 号 p. 29-45
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/05
    ジャーナル オープンアクセス
    サイバー攻撃の脅威は高まっており、工場の安全も脅かされている.サイバーセキュリティはIT 技術者の問題、安全はOT技術者の問題、そのようには簡単に切り分けられない状況になっている.プラントの安全は独立防護層で多重に守られているが、第2 層のコントローラ、第3 層のアラーム、第4 層の安全計装、さらに第7 層、第8 層の通報システムはサイバー攻撃の対象になりうる.サイバー攻撃は多重に行われることが想定されるため、従来の安全対策で守り切れるとは考えづらい.よって、IT技術者とOT技術者の連携による対策が必要となるが、その認識はまだ進んでいないと考えられる.サイバー攻撃の脅威を学べて、自分たちがとるべき行動を理解でき、さらに、そこに存在する課題を認識できるインシデント対応演習IMANE-X を提案した.演習中に参加者が気づいた課題、提案を陽に書き留め、他部署とも共有し、それらを定期的に見直すことで、セキュリティ対策のスパイラルアップ推進活動につなげることを想定している.この演習を実施するための方法を、HSEEPのExercise Cycle に従って整理した.企業の組織的対応能力を高めるための取り組みとして、提案するインシデント対応演習が広く実施されるようになることを期待する.
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