新規13族元素含有シルセスキオキサンPhB[(Me
3SiO)(
c-C
5H
9)
7Si
7O
11] (
1) および[PPN]
+{Ga[(Me
3SiO)(
c-C
5H
9)
7Si
7O
11]
2}
- (
3b) を新たに合成した。さらに, これらの新規シルセスキオキサン, および[HNEt
3]
+{Al[(Me
3SiO)(
c-C
5H
9)
7Si
7O
11]
2}
- (
2), [HNEt
3]
+{Ga[(Me
3SiO)(
c-C
5H
9)
7Si
7O
11]
2}
- (
3a), [C
14H
18N
2H]
+[(
c-C
5H
9)
7Si
7O
12GaCl]
- (
4) 等を723~923Kで焼成することによって, 約5.1Å径で均一に制御されたミクロ細孔のみからなり, 330~520m
2g
-1の比表面積を示す多孔質固体酸性酸化物を得た。これらの酸化物の物性の詳細な検討により, 細孔構造が前駆体シルセスキオキサンにほとんど依存しないのに対して, 固体酸性は前駆体分子の構造や含有される13族元素, および対カチオンの影響を大きく受けることを明らかにした。中でもアルミニウムおよびガリウム架橋型シルセスキオキサン
2, 3aおよび
3bを乾燥空気気流中, 823K付近で焼成することによって, 比表面積が大きく, 酸点を豊富に有する酸化物が得られた。特に,
3aから得られた酸化物は強酸点を有するが,
2および
3bを前駆体とした場合には弱~中程度の強度の酸点を豊富に有する酸化物が得られた。しかし, コーナーキャップ型のガリウム含有シルセスキオキサン
4を前駆体とした場合には, ほとんど固体酸性を示さなかった。酸化物中の13族元素の分散性が前駆体分子に依存することを見い出したが, これらが固体酸性の差異の一因として考えられる。
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