高圧条件における気液2相流挙動の研究として, 実験およびモデル予測を行った。実験は, 管内径106.4 mmのテストループに窒素ガスと水を使用し, テスト区間の傾斜角度を0, 1, および3度として実施した。各傾斜角度における81回の流動実験で得られた液体ホールドアップの解析によって流動様式を確定した。
低圧条件で構築したメカニスティックモデルを高圧条件に対応して修正した。モデル計算では, まず流動条件における流動様式を予測し, それに基づいて液体ホールドアップおよび圧力損失を計算する。分散気泡流については, 流動様式の予測基準として臨界気泡サイズのメカニズムが適用できること, 液体ホールドアップの予測にはスリップモデルが実験データによく適合することが確認された。高圧条件における層状流の領域は, 低圧における場合よりも高い液体流量域に広がっている。層状流と非層状流の遷移判別には, Taitel-DaklerおよびBendiksen-Espedalの基準式の逐次的適用が有効であり, Lockhart-Martinelliの相関式が層状流の液体ホールドアップ予測に有効である。高圧における伸長気泡流の流動領域は, 液体流量の増加に伴い, 分散気泡領域に直接遷移する。液体ホールドアップおよび圧力損失の計算結果に関する誤差分析によって, モデルの計算精度が高いことが確認された。
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