種々の金属 (M; M = K, Al, Cr, La, Ce, およびMn) 酸化物を含むMO
x-20 wt% Co-0.5 wt% Ir-SiO
2触媒をアルコキシド法で調製し, これを用いてスラリー相でのFischer-Tropsch合成を試み, 金属酸化物添加がCO転化率や生成物への選択率に及ぼす影響について検討した。Kを添加した触媒では活性が低下した。AlまたはCrを添加した触媒では, CO転化率は未添加触媒とほとんど変わらなかったが, CH
4選択率がやや増加した。LaまたはCeを添加した触媒では, C
5+炭化水素選択率が低下した。これに対し, Mnを添加した触媒では, CO転化率やC
5+炭化水素選択率が増加することが認められた。10 wt% Mnを含む触媒では57% の転化率と高いα値 (反応中間体CH
xの連鎖成長確率) が得られたが, それ以上添加した触媒では, 活性劣化が著しかった。選択率と添加物特性との関係を調べたところ, 選択率と添加した金属酸化物 (MO
x) の標準生成熱 (-Δ
Hf0) との間には直線関係が見い出された。すなわち, 標準生成熱の増大とともにCH
4への選択率が単調に増加した。
抄録全体を表示