多点探索法の一つである繰り返しラテン超方格法(ILHS)を対象として,主変数の平均情報量(エントロピー)を用いた収束判定基準を提案した。ILHSでは解探索の進展に伴い,主変数のサンプル区間の距離が最適解周辺で徐々に小さくなる。本研究ではこの特徴に着目し,サンプル区間のエントロピーを計算することで解探索の収束を評価した。具体的には,正規化したエントロピーと2値エントロピー関数(BEF)の差を計算し,
dηが閾値(いきち)を下回ったとき最適化計算を終了する。提案した収束判定基準をCO
2地中貯留における坑井配置の最適化問題に適用することで,その有効性を検証した。基準の導入により,目的関数の値を維持しつつ,評価回数を約70~80 %まで低減することが可能となった。加えて,収束挙動の異なる連続変数や2値変数を同時に含む最適化問題についても,提案基準は有効であるという知見を得た。
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