Journal of the Japan Petroleum Institute
Online ISSN : 1349-273X
Print ISSN : 1346-8804
ISSN-L : 1346-8804
59 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
一般論文
  • 澤井 直, 米原 貴大, 佐野 誠, 鈴木 俊光, 三宅 孝典
    原稿種別: 一般論文
    2016 年 59 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    テレフタル酸と種々のカチオン(Cr3+, In3+, Al3+, Cu2+ および Zn2+)からなる金属有機構造体(MOF)を水熱あるいはソルボサーマル法で調製し,XRD,窒素吸脱着等温線,TG-DTAおよびFE-SEMで分析した。調製したMOFは,結晶性かつ高純度であると示唆された。MOFをカラム充填剤とし,アルキルベンゼン類のクロマト分離を検討した。その結果,MOFがアルキルベンゼン類の沸点や分子サイズの違いを識別できることを見出した。MOFのミクロ細孔中の拡散の活性化エネルギーは25~60 kJ mol−1と計算された。空気雰囲気下でのプログラム昇温中のXRD測定から,MOFの構造は230 ℃までの温度で拡張も収縮もしないことが明らかとなった。
  • 喜多 晃久, 小林 公之輔, 三浦 豊和, 岡村 好子, 秋 庸裕, 松村 幸彦, 田島 誉久, 西尾 尚道, 中島田 豊
    原稿種別: 一般論文
    2016 年 59 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    海洋底泥を固定化担体および耐塩性酢酸資化性メタン生成菌源として,3 %の塩濃度条件下での固定床型リアクターを用いた酢酸からのメタンの超高速生産を試みた。連続培養試験において,16.2 d−1の希釈率および3 %の塩濃度下で750 mM d−1の最大メタン生産効率が得られた。その際の酢酸除去率は77 %であった。走査型電子顕微鏡による観察の結果,グラニュールの形成およびMethanosaeta様の糸状微生物,Methanosarcina様の球菌が確認された。これらの結果から,海洋底泥は耐塩性メタン発酵の微生物源としてだけではなく,酢酸からの超高速メタン生産を可能とする固定化担体としても優れていることが示唆された。
  • 佐伯 貴紀, 津田 健作, 大北 博宣, 角田 範義, 水嶋 生智
    原稿種別: 一般論文
    2016 年 59 巻 1 号 p. 16-23
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    CeO2担持Ni–Cu触媒のNi : Cu比と金属担持量が還元挙動やエタノール水蒸気改質における触媒性能に及ぼす効果について検討した。単一金属系NiおよびCu触媒と比較すると,二元金属触媒中のNiOとCuOは低温で還元されてNiCu合金結晶を形成した。反応温度673 Kにおいて,Ni/CeO2はCu/CeO2よりも高いH2収率を示したが,大量のCH4と析出炭素を生成した。これらの副生成物はNiの一部をCuに置換することによって著しく抑制された。NiとCuがそれぞれ5 wt%のとき,H2収率は最高となり,高い炭素析出抑制効果が得られた。これに対し,同組成の物理混合触媒はH2収率が低く,大量の炭素を析出したことから,二元金属触媒の高い還元性と合金化は触媒性能を改善する重要な因子となっていることが示唆された。
  • 松橋 博美, 船木 大地
    原稿種別: 一般論文
    2016 年 59 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/03/01
    ジャーナル フリー
    チタンテトライソプロポキシドを酢酸エチル溶液から水酸化カルシウム表面に析出させ,773~1073 Kで3時間分解して,表面を5~20 mol%のTiO2で被覆したCaO固体塩基触媒(TiO2/CaO)を合成した。773~973 Kで加熱した触媒は,塩基触媒反応であるジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)の逆アルドール反応に,299 Kで高活性を示した。773 Kで加熱した10 mol% TiO2/CaOは,これまでに著者らが合成した金属酸化物被覆CaO触媒のうちで最も高活性を示した。被覆していないCaOと同様に,1073 Kで処理した触媒は不活性であった。ジアセトンアルコールに5 wt%の水を加えたところ,TiO2/CaOは活性を失ったが,アセトンでの洗浄により回復し,水に対し良好な耐性を持つことが確かめられた。被覆した触媒では,Ca2+の溶出は見られなかった。
レター
feedback
Top