チタンテトライソプロポキシドを酢酸エチル溶液から水酸化カルシウム表面に析出させ,773~1073 Kで3時間分解して,表面を5~20 mol%のTiO
2で被覆したCaO固体塩基触媒(TiO
2/CaO)を合成した。773~973 Kで加熱した触媒は,塩基触媒反応であるジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)の逆アルドール反応に,299 Kで高活性を示した。773 Kで加熱した10 mol% TiO
2/CaOは,これまでに著者らが合成した金属酸化物被覆CaO触媒のうちで最も高活性を示した。被覆していないCaOと同様に,1073 Kで処理した触媒は不活性であった。ジアセトンアルコールに5 wt%の水を加えたところ,TiO
2/CaOは活性を失ったが,アセトンでの洗浄により回復し,水に対し良好な耐性を持つことが確かめられた。被覆した触媒では,Ca
2+の溶出は見られなかった。
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