石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
25 巻, 6 号
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  • 早川 孝, 秋元 正道, 越後谷 悦郎
    1982 年 25 巻 6 号 p. 343-348
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    Mo-Ti系酸化物触媒を用いてブタジエンを気相酸化し, 無水マレイン酸の収率と触媒構造との関連および第三成分の添加効果について検討した。まずMo-Ti二元触媒の最適組成を調べたところ, Mo-Ti (1:1) 触媒が最も活性や選択性にすぐれていた。次に第三成分としてBaを添加したところ無水マレイン酸合成能はさらに増大し, Mo-Ti-Ba(1:1:0.05) 触媒では430°Cにおいて無水マレイン酸収率55.7%, 同選択率57.4%が得られた。これらの結果から, Mo-Ti二元触媒へのBaの添加は生成した無水マレイン酸の逐次酸化を抑制するものと思われた。さらに触媒の酸化還元特性をESRを用いて検討した。
  • n-ブテンと塩化パラジウム水溶液の反応
    入内島 眞
    1982 年 25 巻 6 号 p. 349-354
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    ワッカー法によるn-ブテンからの工業的メチルエチルケトン製造の可能性をさぐるため, 室温, 大気圧下でn-ブテンのカルボニル化反応および金属パラジウムの酸素による酸化反応を行った。1-ブテンのカルボニル化反応は塩化パラジウム濃度の2乗に比例し, 塩酸濃度の4乗に反比例することから, 反応中間体として[PdCl2]2•[n-C4H8]2 2核錯体を経てカルボニル化反応が進行していることが考えられる。金属パラジウムの酸素による酸化も室温で反応が進行することを認め, 触媒液の組成の反応速度におよぼす影響について知見を得た。
  • 的場 康浩, 山下 裕己, 浦部 信治, 石井 康敬, 小川 雅弥
    1982 年 25 巻 6 号 p. 355-359
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    4-ビニル-1-シクロヘキセンの位置選択的酸化反応は種々の多官能性誘導体の合成に有用である。そこで, Mo(VI) やSe化合物を触媒とする酸化反応を試み, 反応における位置•立体選択性および従来の過酸法による結果と比較検討した。反応は, 溶媒と酸化剤の混合溶液に触媒を加え, 基質を徐々に滴下して種々の条件でかくはん反応させた。その結果, エポキシ化反応では, シクロヘキセン環エポキシドを好収率で与え, 高い位置選択性でもって反応が進むことが明らかとなった。一方, 触媒によるヒドロキシル化反応では, 同様に位置選択的にシクロヘキセン環ジオールを与えたが, この際の立体選択性は過ギ酸を用いた場合とは異なることが明らかとなった。
  • フィッシャー•トロプシュ合成における鉄のグラファイト層間化合物触媒の選択性
    菊地 英一, 小泉 明正, 荒西 康彦, 森田 義郎
    1982 年 25 巻 6 号 p. 360-363
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    鉄を触媒活性成分として含む, 一連のグラファイト層間化合物 (LCG) を用いて, 一酸化炭素の接触水素化反応を研究した。反応は固定床流通反応装置を用いて400°C, 20atmの条件で行った。鉄LCG触媒は低級炭化水素の合成に活性があり, 二酸化炭素の生成が少なく, 一酸化炭素を有効に炭化水素に転化する2)。この反応における触媒活性中心は層間内の鉄であると考えられるが2), グラファイト表面に析出した鉄であるとの反論3)もある。著者ら4)は炭化水素合成に活性を示した鉄LCG触媒の磁化率測定を行って, 強磁性を示す鉄粒子が存在しないことを示し, 活性点はグラファイト層間にあることを主張した。
    本報ではまず塩化第二鉄 (FeCl3)LCG触媒を水素還元して得た触媒の活性と選択性を比較して, 還元条件の影響を調べた (Table 1)。塩化第二鉄を還元すると主に塩化第一鉄 (FeCl2) に還元され, 一部は金属鉄まで還元される。還元温度の上昇,還元時間を長くすることにより層間内の塩化第一鉄の量が減少し, それにともなって活性が低下し, 生成物分布が低分子量側に移行することがわかった。塩化第一鉄はグラファイトの層間を広げ, 反応物や生成物の拡散を容易にするスペーサーとして作用することが示された。この結果は活性中心がグラファイトの層間に存在するとする著者らの結論を支持する。
    グラファイトの層間に鉄以外の, もう一成分の金属塩化物を挿入したLCG触媒を調製して, その活性と選択性を調べた (Table 2)。調製方法は Croft5) の方法に準じた。まず第二成分の塩化物を400°Cで挿入し, ついで塩化第二鉄を300°Cで挿入した。塩化マンガンは生成物分布を高分子量側に移行するとともに, オレフィン生成を促進することが示された。他の添加物ではむしろメタンの占める割合が増加した。塩化マンガンのLCG自体は活性が低く, 硝酸マンガンを鉄LCGに担持しても効果がないことから, 塩化マンガンが効果を示すにはグラファイト層間に鉄と共存させることが必要であると結論された (Table 3)。鉄と塩化マンガンが共存したLCG触媒を高温還元すると, 活性は低下したが高分子量炭化水素の生成が抑制された。その結果生成物分布の幅が狭くなり, C2~C4炭化水素の合計は Schulz-Flory 分子量分布から予測される最大値 (55%) よりわずかではあるが大きくなった。
  • 野村 正勝, 西村 真琴, 吉川 彰一
    1982 年 25 巻 6 号 p. 364-370
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    太平洋炭, Big Ben 炭, Indian Ridge 炭からえた各石炭抽出物 (Tables 1, 2) を等重量のZnCl2, ZnCl2-CuCl(3:2mol) およびZnCl2-KCl(3:2mol) 各溶融塩系の共存下で水素化分解を行った。
    反応温度350°C, 水素初期圧100kg/cm2, 反応時間3hrでの太平洋炭抽出物の反応結果から抽出物と触媒を機械的に混合した場合, ヘキサン可溶部の収率が低下した (Table 3-A) ので以後触媒はベンゼン-メタノール溶液から抽出物に浸漬担持した (Table 3-B)。 ZnCl2-CuClではガスとBIの収率が高く, ZnCl2-KCl系はガスとBIの生成を抑え最も高いヘキサン可溶部収率を与えた (67.9%)。抽出物の水素化分解におよぼすZnCl2-KCl系塩の組成変化の影響 (Fig. 1) を調べるとKClのmol%が20~40のとき最も高いヘキサン可溶部収率が達成されることがわかった。
    ヘキサン可溶部の元素分析値, 分子量および構造パラメーター (Table 4) から酸素%, 分子量およびfaはZnCl2-KCl(4:6>5:5>6:4>7:3>8:2)>ZnCl2>ZnCl2-CuClの順で減少し, H/Cはこの順で増加することがわかる。Table 5はヘキサン可溶部のオイル, レジンAおよびレジンBの分布を示し, ZnCl2-KCl系のKCl含量が減少するとレジンA量が減少し, Table 6は酸素%が減少することを示す。IRスペクトルの結果 (Fig. 2) はこのことを一層明確に示している。
    Big Ben 炭および Indian Ridge 炭の抽出物を同様に水素化分解したところ (Table 7), ZnCl2-KCl (6:4, 7:3mol) はZnCl2に比べいずれも高いヘキサン可溶部収率を与え, ガスとBIの生成を抑えることがわかった。Big Ben 炭抽出物で最も高いヘキサン可溶部収率 (70.6%, 70.4%) が達成されたのは出発の抽出物のHaru/Carが低く, 芳香族部の縮合度が小さいことまたもともとヘキサン可溶部の含量が高いことと関連して説明できよう。
  • 含硫黄球状炭素上でのプロピレンの熱分解
    勝木 宏昭, 小川 泰樹, 林 隆介, 江頭 誠, 川角 正八
    1982 年 25 巻 6 号 p. 371-375
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    含硫黄球状炭素粒子 (直径90-140μm) 上に炭素繊維を密生させてウニ状炭素とするためのプロピレンの熱分解条件を検討した。最適条件は, 温度975-1,000°C, 濃度25-37.5% (水素中), 反応時間60分以上であった。この条件で, 直径3.5-5μm長さ80-150μmの繊維が250-1,000本/粒子の生成密度で粒子上に放射状に生成した。これより低温では直径1μm以下の曲がりくねった微細な繊維が, 一方高温ではフィルム状やすす状炭素の生成が優先した。繊維生成状況はプロピレン濃度にも依存し, 濃度増加とともに繊維は太くなり, かつ生成密度は減少し, 50%以上では繊維は生成しなかった。
  • 中村 鉄太郎, 高浜 彰吾, 広中 清一郎
    1982 年 25 巻 6 号 p. 376-379
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    水溶性潤滑剤の耐荷重能をシエル式高速四球試験機を用いて検討した。高級脂肪酸のカリウム塩 (カリウム石ケン) と, カリウム石ケンを含む市販の水溶性潤滑剤3種類の焼付荷重を, 全油分濃度をかえて測定した。
    全油分濃度の変化により, いずれの場合にも焼付荷重に極大が現れ, 石ケン単独あるいは, 水溶性潤滑剤の臨界ミセル濃度(cmc) と, それらの極大値を示す濃度がほぼ一致した。
    界面化学的な考察として, 表面張力とpHの測定を行い, それらが焼付荷重の変化傾向と対応していることを確認した。
    試験の回転速度と焼付荷重の関係を Fig. 2に示し, 全濃度(油分を含む) と焼付荷重の関係を Fig. 3に示した。Fig. 3より, 水溶性潤滑剤は1%前後, カリウム石ケンは0.1%付近に焼付荷重の極大値を持つことがわかる。同時に Fig. 4の表面張力図 Fig. 5のpH図からも, Fig. 3に焼付荷重極大濃度に対応したcmc濃度およびpHの極大を示す濃度がそれぞれ観測された。
    今回の測定により, 低濃度における水溶性潤滑剤の耐焼付性は, 石ケンの金属面への吸着の濃度特性および, その吸着膜中の油分に, 大きく依存していることが推定された。
  • 酸化鉄メディアに対する酸化還元サイクルの挙動
    村上 雄一, 宮本 明, 上斗米 真二, 倉橋 克夫, 小崎 幸雄
    1982 年 25 巻 6 号 p. 380-388
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    スチーム•オキサイドプロセスとは Fig. 1に示したように, メディアと呼ぶ金属酸化物 (MnOm, MnOm-1) の酸化還元サイクルを利用して低品位還元性ガスと水蒸気から高濃度水素を得る方法である。すなわち, まず低品位還元性ガスでメディア (MnOm) を還元し, 還元メディア (MnOm-1) を得る。ついで, これにH2Oを導入して高濃度水素と酸化メディア(MnOm)を得る。M=Feの場合には, 本プロセスはスチーム•アイアン法として古くから知られ, IGTにおいて工業化に向けての研究がなされているが1)~4), 基礎的な研究はほとんど報告されていない。本研究の目的はスチーム•アイアン法に用いられている酸化鉄メディアの酸化還元サイクルにおける基礎的挙動を明らかにすることである。
    実験は Fig. 2に示した周期的パルス反応装置により行った。ただし, 低品位還元性ガスとしてはArで希釈した水素を用いた。つまり, Fig. 3に示したように, 希薄水素パルス(パルス幅, TH) とH2Oパルス (パルス幅, TW) を交互に酸化鉄メディアに導入し, H2Oパルスの時に生成する高濃度水素量 (VH2) を測定する。なお, 高濃度水素の収率 (YH2) は希薄水素のうち高濃度水素に転換された割合を表す。さらに, 酸化過程, 還元過程の速度測定のため高速ガスクロマトグラフを活用した。つまり, 反応器から出てくるガス中の水素濃度 (CH2) を高速ガスクロマトグラフにより連続的に測定した。H2の反応速度 (RH2), H2の転化率 (XH2), H2Oの転化率(XH2O) はCH2をもとにEqs. (1)~(3) で計算した。なお, 入口水蒸気濃度 (C0H2O) はEq. (4) で与えられる。負符号のRH2OはH2の消費速度を, 正符号のRH2はH2の生成速度を表す。
    Fig. 4に示したように, VH2は酸化還元回数により変化しないので, 酸化鉄はメディアとして機能し, しかも劣化はほとんどない。Fig. 5(a) はVH2THの関係を示す。VH2THとともにほぼ比例的に増加するが, YH2Fig. 5(b) に示したようにTHによらずほぼ一定である。Fig. 6に示したように, VH2あるいはYH2TWにほとんど依存しない。希薄水素ガス中の水素濃度 (C0H2) とともに, VH2はほぼ比例的に増加するが〔Fig. 7(a)〕, YH2C0H2によらずほぼ一定である。Fig. 8VH2, YH2と反応温度の関係である。反応温度の低下とともにVH2, YH2は著しく低下し, 400°Cでは高濃度水素はほとんど得られない。X線回折の結果, H2Oにより酸化された後のメディアはFe3O4の状態にあり, 希薄水素により還元されたメディアはFeOとFeの混合物である。Fig. 9はFe3O4の状態にある前酸化メディアと希薄水素の反応についてのXH2, -RH2の結果である。700°Cでの反応については反応の初期においてXH2は約60%であるが, 時間とともに20分まで徐々に減少し, その後は一定値に達する。500°CでのXH2, -RH2の値は700°Cでの値に比べて著しく小さい。300°Cではメディアはほとんど還元されない。
    Fig. 10はC0H2=20%と10%の場合の結果を比較したものであるが, 両者のXH2はほとんど変わらない。Fig. 11はあらかじめ希薄水素で還元した酸化鉄メディアとH2Oとの反応におけるXH2ORH2の結果を示す。
  • COMの安定性に及ぼす添加物の影響 (I)
    竹下 寿雄, 前田 滋, 今吉 盛男, 満尾 良弘, 徳村 宏
    1982 年 25 巻 6 号 p. 389-397
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    200メッシュ通過80%, 120~200メッシュ20%程度の石炭と, アラビアンライト蒸留残さ油から, 同量程度の混合比でCOMを製造する場合の, 添加剤, 水分, 炭種の影響について研究した。太平洋炭を用いた実験で, 添加剤としてはソフト型のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムほか3種の界面活性剤が有効であること, 水分は4%のものが安定性が一番大きいという知見を得た。上記添加剤0.1%と水分4%を用いて各地産の石炭と重質油からCOMを製造して安定性を試験した結果, 太平洋, 幌内, 三池, 産地不詳豪州, ビグベン, サウスブラックウォーター, キャンモアの各石炭および石油コークスから安定なCOMを製造することができた。
  • 広中 清一郎, 荻原 通弘
    1982 年 25 巻 6 号 p. 398-400
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    ヒンダードフェノール•タイプの酸化防止剤が2,6-ジ-tert-ブチルフェノール, iso-ノニルフェノール, およびパラホルムアルデヒドの縮合反応生成物として合成された (Fig. 1)。この酸化防止剤のスクワランおよびジ-2-エチルヘキシルセバケートに対する酸化防止性が示差熱分析によって検討された。昇温法 (昇温速度, 50℃/min, 空気中) による試験では, 1wt%添加により, Fig. 2に示すようにスクワランおよびジ-2-エチルヘキシルセバケートの酸化はかなり抑制された。また市販のZn-ジアルキルジチオホスフェートおよび2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールとの比較でも, 合成された2,6-ビス (3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)-4-ノニルフェノールの添加効果は同等以上で, 酸化による発熱ピーク出現温度は幾分高めに現れた (Table 1)。
    等温法 (155°C, 185°C) による分析では, 酸化発熱ピークが現れるまでの時間 (誘導期間) が検討され, 合成酸化防止剤が市販のものよりも優れた効果を示し, 特に合成油であるジ-2-エチルヘキシルセバケートに対して顕著な酸化防止性を示した (Table 2)。さらに試験後の試料の外観の比較 (Table 3) からも合成物は効果的な酸化防止剤として期待される。
  • 大勝 靖一, 吉野 健司, 鶴田 禎二
    1982 年 25 巻 6 号 p. 401-403
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    アセトフェノン (α-メチルベンジル) ヒドラゾンは容易に酸素酸化されてα-メチルベンジルアルコールとアセトフェノンを与える。この反応にキラルなコバルト錯体 [(1R, 2R)-N, N'-ジサリシリデン-1, 2-シクロヘキサンジアミナトコバルト(II), 以下Co(II)(sal)2(R-CHXDA)] を触媒として用いると, (S)-(-)-α-メチルベンジルアルコールが優先的に生成することが見い出され, これに対して二つの可能な反応機構 (Eqs. (1) および (2)) を提案した。
    本報文では, プロピオフェノン (α-メチルベンジル) ヒドラゾンの, Co(II)(sal)2(R-CHXDA) の存在下における自動酸化の結果から, 不斉自動酸化の反応機構を議論する。
    Table 1は酸化反応系の酸素分圧の, 酸化反応生成物の分布に及ぼす影響を示す。また Fig. 1は得られたα-メチルベンジルアルコールの旋光度の, 酸素分圧に対する依存性を示す。高酸素分圧では, 酸化生成物が多く生成し, アルコールは負の旋光度を示した。しかし, 酸素分圧が低下するにつれて旋光度が正の値を示すようになった。これは従来知られていない全く新しい現象で, アルコールを与える反応活性中間体が酸素分圧に依存して異なる構造を有していることを示唆した。
    Fig. 2はCo(II)(sal)2(R-CHXDA) によって活性化された酸素 (O2-) の, ESRによるシグナルの高さを酸素分圧に対してプロットした図である。もちろん測定は酸素分圧を除いてすべて同一の条件下に行った。この曲線はEq. (3) を考慮することにより理論的なEq. (5) で説明できた。
    ここで Figs. 1及び2を比較すると, 両方の曲線が良い対応関係にあることがわかる。このことは多量のCo(III)-O2-の存在下には (S)-(-)-アルコールが, 一方少量しかそれが存在しなくなるにつれて (R)-(+)-アルコールが生成することを示唆している。このことより, 高酸素分圧では a), および低酸素分圧では b) の反応機構が推定される。
  • 石油学会製品部会ガソリン分科会オクタン価要求値専門
    1982 年 25 巻 6 号 p. 404-410
    発行日: 1982/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    本調査は1981年型国産乗用車のオクタン価要求値分布を把握することを目的とし, 石油連盟の依頼により実施された。試験はJPI-6R-6-77に準拠し, 低速法でのオクタン価要求値分布を正標準燃料および全沸点型標準燃料(混合系) の計2種で, 試験車15車種120台を対象に実施した。統計は1980年度の調査結果のうち仕様変更なく引き続き販売されている15車種97台を加えて処理した。その結果, 正標準燃料における低速法オクタン価要求値分布は50および90%充足率でそれぞれ90.0および94.7オクタンであった。これは前年度に比べ, 50および90%充足率で0.2~0.3オクタンとわずかに低い値を示した。
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