石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
27 巻, 5 号
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  • 重質油の迅速組成分析法
    山本 洋次郎, 川野辺 武
    1984 年 27 巻 5 号 p. 373-377
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    常圧残油, 減圧残油, および水素化分解生成油について, 水素炎イオン化検出-薄層クロマトグラフィー (FID-TLC) による迅速組成分析法を検討した。その結果, n-ヘキサン, トルエン, およびテトラヒドロフランを用いた3重展開によれば, 飽和分, 芳香族分, レジン分, およびアスファルテン分の4成分を精度よく分離定量できることがわかった。シリカゲルカラムクロマトやアルミナゲルカラムクロマトを用いる従来のSARA分析法との比較の結果, 各成分の分離はFID-TLC法によるのが最もよいことが明らかになった。本法の繰り返し精度は, 標準偏差1wt%以下, 変動係数10%以下と良好であり, 分析所要時間も10試料当たりで約2時間と短い。
  • 河合 是, 山崎 康男, 西川 昌憲
    1984 年 27 巻 5 号 p. 378-384
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    テルペノイド系化合物の基本原料として重要な6-メチル-5-ヘプテン-2-オンの前駆物質である6-メチル-1,5-ヘプタジエンを2,3-ジメチル-2-ブテンと1,5-ヘキサジエンとの共不均化反応により合成することを目的として検討を行った。反応はCsNO3-Re2O7-Al2O3触媒を用い常圧下, 液相流通系で行った。最適合成条件は反応温度25°C, 接触時間3.5g-cat•hr/mol, モル比 (2,3-ジメチル-2-ブテン/1,5-ヘキサジエン) 1であり, このときの1,5-ヘキサジェン, 2,3-ジメチル-2-ブテンの転化率はそれぞれ60%, 37%であった。また, 6-メチル-1,5-ヘプタジエンは43%の選択率で得ることができた。
  • 添加剤の吸着および脱着におよぼす極性物質の影響
    田村 邦光, James T. TSE, Arthur W. ADAMSON
    1984 年 27 巻 5 号 p. 385-391
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    潤滑油添加剤は現実の系では酸化劣化などの影響のため極性物質の存在下で作用することが多いと考えられる。第1報でカーボンブラックへのDNNSの吸着現象におよぼす極性物質の影響を報告した。本報告では金属表面へのDNNSなどの吸着現象におよぼす極性物質の影響をエリプソメトリー法で調べた。金属としては金のほかに, クローム, 鋳鉄も用いた。溶媒については無極性溶媒としてn-ヘキサンを用い, また極性溶媒としてアセトン, 1-プロパノールその他を用いて検討した。
    BaDNNSはn-ヘキサン溶液から金表面に速やかに吸着し, Fig. 2に示すようにこの吸着膜はn-ヘキサンによる洗浄では脱着し難い。しかしアセトンにより脱着する。さらに Table 1のように1-プロパノールその他の極性溶媒によっても脱着することがわかった。他の添加剤について試みた結果 Table 2のようにCaDNNSはBaDNNSと同一傾向を示した。しかしコハク酸イミド系無灰型分散剤は強固に吸着し極性溶媒によっても脱着し難い。以上の傾向は Tables 3および4のようにクロームおよび鋳鉄に対しても同様であった。
    アセトンはn-ヘキサン溶液からのBaDNNS吸着膜を脱着させたが, 次にアセトン溶液からのBaDNNSの吸着性を調べたところ予想に反し吸着が起こった。これはFig. 3のようにアセトンで脱着する膜と脱着しない膜の二つから成ると推定された。この現象は Table 5に示す吸着表面の水の接触角測定から, 溶媒としてn-ヘキサンを用いた場合とアセトンを用いた場合とではFig. 5のように吸着するBaDNNSのオリエンテーションが異なることが一因と推察された。
    他方, 1-プロパノール溶液からはBaDNNSの金表面への顕著な吸着は観察されなかった。そこでn-ヘキサン/1-プロパノール混合系からの金表面への吸着を試みた結果, Fig. 4のようにBaDNNSの吸着量は1-プロパノールの濃度に反比例した。これに対してカーボンブラックへの吸着では1-プロパノールの低濃度域から既にBaDNNSの吸着が阻害された。
    以上のように吸着表面の種類によってもBaDNNSの吸着に対する極性溶媒の影響は異なることがわかった。
  • 太平洋炭液化油の水素化分解反応の機構
    加部 利明, 仁藤 修, 金 守鉉, 川上 章
    1984 年 27 巻 5 号 p. 392-398
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    太平洋炭をテトラリン中で熱分解して得たSRCをヘキサン可溶分, ベンゼン可溶-ヘキサン不溶分およびテトラヒドロフラン可溶-ベンゼン不溶分に分離し, その各成分およびSRCを, 400°C, 水素初圧60kg/cm2, Ni-Mo-Al2O3触媒存在下, トリチウムでラベルしたテトラリン溶媒中で水素化分解した。反応に伴う各生成物量, 溶媒から気相および生成物へのトリチウムの移行量, テトラリンの脱水素量およびナフタリンの再水素化量を求めた。その結果SRC中の各成分の水素化分解は重質成分ほど優先的に進行しており, 触媒によるテトラリンからの水素移行反応およびナフタリンの再水素化反応は重質成分ほど阻害効果が大きいことが示された。
  • 留出油収率と分解残油の性質
    冨永 博夫, 辰巳 敬, 吉田 肇, 須原 真一郎, 井堀 周作, 中須賀 章
    1984 年 27 巻 5 号 p. 399-405
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    4種類の代表的な原油, すなわち, 大慶, アラビアンヘビー, カフジ, イラニアンヘビーの常圧残油のビスブレーキング反応を行い, 油種や水素, テトラリンを共存させた場合の効果, 反応生成物の性状等について検討した。
    反応は高圧流通式反応器を用い, 420~460°C, 50kg/cm2, LHSV=1の条件下で行った。各常圧残油の性状を Table 1に示す。分解により主として灯油, 軽油留分からなる留出油(343°C-) がえられるが (Fig. 4), その収率から見ると, 大慶<アラビアンヘビー<カフジ<イラニアンヘビーの順にビスブレーキングの反応性が増大し, 各原油の蒸留の際の留出油得率との間によい相関が見られた (Figs. 2, 3)。水素やテトラリンは低温では分解を抑制し, 高温では分解を促進する傾向があった。460°Cでは留出油収率は15~25wt%に達した。
    分解生成油の残油の性状についていえば, 比重は大慶の場合を除いて反応温度の上昇とともに次第に増加する (Fig. 5)。粘度は大慶, カフジにおいて明らかに減少した (Fig. 6)。流動点はおおむね低下し, イラニアンヘビーにおいて著しい(Fig. 7)。コンラドソン炭素は次第に増加し, その傾向は窒素下で顕著である (Fig. 8)。GPCによる分子量分布からみると, 重量平均分子量 (Mw), 数平均分子量 (Mn) とも次第に減少するが, 前者の減少の程度が大きく (Fig. 9), 比較的大きい分子の減少の割合が大きいことを反映している。Fig. 10に見られるように, 分子量1,200以上の分子の減少の割合が大きく, このことからビスブレーキング反応は生成物の分子量を触媒細孔径に比して適切な価3)以下に低下させることができ, 水素化脱硫等の触媒プロセスの前処理工程としての意味が大きいことが示された。また, テトラリンは生成する残油の分子量の低下を促進する効果を有した。
  • アラビアンヘビー常圧残油の構造解析と反応機構
    吉田 肇, 石川 啓一郎, 須原 真一郎, 辰巳 敬, 冨永 博夫
    1984 年 27 巻 5 号 p. 406-412
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    アラビアンヘビー常圧残油のビスブレーキング反応を行い, 生成油の構造解析にもとづいて, 反応の機構や共存する水素, テトラリンの効果について検討を加えた。原料および生成油はFig. 1に示すように, 留出油 (D), 残油 (343°C+, AR) に分別後, ARを, 飽和分 (Sa), 単環芳香族分 (MA), 二環芳香族分 (DA), 三環芳香族分 (TA), 多環芳香族および極性分(PP), アスファルテン (As) に分離した。硫黄分の反応による変化をみると, 生成油全体としては大きな変化はないが, 反応の進行とともに, ARでは増加, Dでは減少する傾向がうかがえ, 分解の初期に生成するDが多くの硫黄分を含んでいることがわかる (Fig. 2)。Sa, MA, DA, TAの収率はビスブレーキングによって減少し, PPでは初期に減少, 後期に増加する(Fig. 3)。分子量はすべてのフラクションにおいて減少する。外周炭素 (Cp), 不飽和数 (USN) の値から, MA, DA, TAは芳香環を炭素鎖がブリッジした Fig. 6のような重合体を含むことが示唆された (Figs. 5, 7)。ビスブレーキング反応は例えば Fig. 6の矢印で示すような最も弱い結合の切断により開始すると考えられる (Table 3)。一方, アスファルテンは反応の進行に伴い増加するが, その分子量は顕著に減少する。その際, 単位シート構造の大きさには大きな変化がなく, 分子量の減少は重合度mの低下によるものである (Fig. 8)。PP等のフラクションに含まれるプレアスファルテンの脱水素, 縮合, アルキル側鎖の切断によりアスファルテンが生成するため, その量は増加するが, テトラリンはその生成を抑制する効果がある。これらのことから, Fig. 9に示すようなビスブレーキング反応のスキームが導かれた。すなわち, 反応初期には解重合(a), ナフテンの脱水素およびアルキル側鎖の切断 (b-1), やパラフィンの分解 (b-2) が起こる。テトラリンや水素の存在はラジカル濃度を減少させるため, 分解留出油収率はそれらにより低下する。反応後期においてはアルキル側鎖の切断(b-1), パラフィンの分解 (b-2), 重縮合 (c) が主として起こる。とくに重縮合は水素供与体が不足の場合に起こりやすく, 解重合およびそれに伴う留出油生成に優先するため, 留出油収率はN2<H2<テトラリンの順に増加する。
  • 佐藤 芳樹, 伊牟田 和敏, 山川 敏雄
    1984 年 27 巻 5 号 p. 413-419
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    大平洋炭の液化反応を500mlの小型オートクレーブを用い, 赤泥-硫黄系触媒または無触媒, 溶剤としてテトラリンまたは吸収油, 反応温度440°C, 水素初圧85kg/cm2•Gおよび反応時間30分の条件で行い, 溶剤と石炭の重量比を変化させた場合の生成油の組成変化を中心に検討した。その結果, 石炭からの生成油成分分布は反応条件の相違にもかかわらずほぼ類似しており, 主成分はフェノール類, メチルナフタレン類, ジメチルインダン類, メチルテトラリン類およびn-パラフィンであった。しかし無触媒反応では溶剤テトラリンの消費率が触媒反応の約1.5倍高かった。吸収油を溶剤とした反応では, 溶剤中のアセナフテンの存在量が反応によって低下した。
  • バイモーダルな細孔分布をもつ脱硫脱金属触媒の反応性と経時挙動
    鈴木 忠, 小沼 和彦
    1984 年 27 巻 5 号 p. 420-428
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    100Å以下のミクロ細孔と100~500Åのメソ細孔を有する種々のバイモーダル型重質油水素化処理触媒を固定床高圧流通反応により評価した。その結果本触媒が脱硫活性, 脱金属活性および脱アスファルテン活性にすぐれた性能を有することが確認された。またメソ細孔の位置をかえた場合に性能に与える影響を検討し, 細孔が大きくなるに従い, 脱金属, 脱アスファルテン活性も上昇する一方脱硫活性の経時低下も大きくなることがわかった。また触媒の経時劣化挙動についても検討したところ, 本触媒は金属分の蓄積量が非常に多いにもかかわらず, 残存活性は高いレベルを維持していることがわかった。
  • 横野 哲朗, 河野 太郎, 小原 寿幸, 真田 雄三
    1984 年 27 巻 5 号 p. 429-432
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    本研究では石炭の液化反応および炭化反応における金属塩化物触媒の役割を明らかにするための基礎研究として, 高温ESRを用いてピッチと金属塩化物触媒の相互作用をラジカルの挙動に着目して in-situ でモニターした。また, ピッチのモデル化合物としてアントラセンと塩化物触媒の反応についても検討した。
    ZnCl2, SnCl2触媒はピッチのラジカル濃度を著しく増加させるが, AlCl3, SbCl3触媒は顕著な増加を示さなかった (Fig. 1)。その作用機構の違いの一端を明らかにするためにアントラセンと金属塩化物触媒の相互作用をESRで検討した。アントラセン/AlCl3, アントラセン/SbCl3系からはカチオンラジカルが生成することが判明した (Fig. 2)。しかし, アントラセン/ZnCl2系から生成するラジカルの超微細構造は, 単なるカチオンラジカルとは異なるESRスペクトルを示した (Fig. 3)。しかし, アントラセン/ZnCl2系のラジカルの詳細な構造は明らかではないが, このラジカル中間体の構造の差がピッチ/金属塩化物系のESRのラジカル濃度の変化の差として現れるものと思われる。実際アントラセン/SbCl3系では, カチオンラジカルが反応中間体であることが Fig. 4によって明らかになった。
  • 生成油組成に及ぼす水素化処理条件の影響
    佐藤 芳樹, 請川 孝治, 近藤 輝男, 松村 明光, 小口 勝也, 中村 悦郎
    1984 年 27 巻 5 号 p. 433-439
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    豪州ワンドアン炭を液化して得られた液化油の中質油留分を試料として, Co-Mo-Al2O3およびNi-Mo-Al2O3触媒の存在下で水素化反応を行い, 得られた生成油の組成と反応条件との関連性を検討した。実験は触媒充てん量20mlの小型高圧流通式反応装置により350~390°C, 水素圧25~100kg/cm2およびLHSV 1hr-1の条件下で行った。その結果, Ni系触媒の方が芳香核の水素化活性が高く, 反応温度および圧力が上昇する程水素化反応性は高くなる。さらに水素化活性への影響は, 本実験条件下では, 反応圧力の方が効果的であった。メチルナフタレンおよびフェナンスレンなどについては, その水素化反応性と反応条件の関係を詳しく検討した。
  • 石油系中質油留分との混合水素化処理
    請川 孝治, 近藤 輝男, 松村 明光, 小口 勝也, 中村 悦郎
    1984 年 27 巻 5 号 p. 440-444
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    石炭液化油中質油留分と石油系中質油留分の等量混合油の水素化処理実験を行った結果, 反応条件が厳しくなるに伴って生成油の脱窒素率, H/C比は増加し, 比重, 粘度は低下した。混合油の脱窒素率およびH/C比は, 石炭液化油中質油留分あるいは石油系中質油留分を単独で水素化処理した場合の脱窒素率およびH/C比から計算したそれよりも大きく, 石炭液化油中質油留分を石油系中質油留分と混合して水素化処理することにより脱窒素反応および水素化反応が促進されることが明らかになった。また, 石油系中質油留分としては, アラビアン•ライト軽油留分の方がミナス軽油留分よりその効果が大きかった。
  • 山本 洋次郎
    1984 年 27 巻 5 号 p. 445-451
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    常圧残油 (AR) や水素化分解生成油 (HCRP) 等の重質油の13C-NMRによる構造解析法を確立する目的で, 芳香族炭素について, 標準試薬の化学シフトデータとカラムクロマトを用いて分別したARおよびHCRPの単環, 二環, 多環の各芳香族の13C-NMRスペクトルから水素化炭素, 内部炭素, および置換炭素の分類を検討した。その結果, それぞれをARについては, 110~130ppm, 130~135ppm, 135~160ppm, HCRPについては, 110~131.5ppm, 131.5~137ppm, 137~160ppmの範囲に分類できた。このデータをもとに, 従来法より正確に芳香族性指数 (fa), 芳香環縮合度指数 (CP/CA), 置換指数 (σ) 等の構造パラメーターを求め得た。
  • 堀井 清之, 村田 逞詮
    1984 年 27 巻 5 号 p. 452-455
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    ナビエ•ストークスの方程式を解くと, ら旋流を形成する, という解がでてくる。
    著者らは低圧の状態における気流のら旋流に対し, 液•固体を挿入することによりら旋流を形成させ, かつ強化•維持することができた。この時, このら旋流は, 単相の気流にみられない, いくつかの顕著な現象が観察できた。
    この現象の説明のため, ら旋流に対し新しい概念を著者らは提案したい。
    また, ら旋流による, 輸送, 乾燥, 破砕, 化学反応などへの利用が予見できる。したがって, ら旋流の応用は石油産業, 化学工業などにおける, ガス•石油などの混相流体の輸送, タールサンド, 石炭, プラスチックの輸送, 流動層による反応など, 広い分野に貢献しうると著者らは考える。
    ら旋流による諸現象は, 通常の空気搬送にみられる脈動現象がない。コンタミネーションを起こしても閉そくにいたらない。被搬送物体が搬送パイプの中央に集中するので, パイプ内壁の摩耗が少ない, などの利点を確認した。
    またら旋流利用の可能性は, 乾燥, 潮汐現象による破砕, ら旋中心たる低圧場における化学反応において, 大であると思われる。
    これらの諸現象は, ら旋流の特性に基因すると考えられるので, ここに新しいら旋流の概念を提案したい。
    ら旋流は, 孤立系の場をつくり, 場を分け, その内と外では, 時•空間およびエネルギーが固有となる。その意味で, ら旋流内場は独立した小宇宙である。
  • 石油系軽油留分との相溶性
    請川 孝治, 近藤 輝男, 松村 明光, 小口 勝也, 中村 悦郎
    1984 年 27 巻 5 号 p. 456-458
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    石炭液化油中質油留分を7種類の石油系軽油留分あるいはn-ウンデカンと混合したときに生成するスラッジの量と液化油混合比の関係について検討した結果, 石油系軽油留分の種類が異なるとスラッジ生成率は異なるが, 最大のスラッジ生成率を示す液化油の混合比はいずれの軽油留分あるいはn-ウンデカンでも30vol%と一定であった。石油系軽油留分中の飽和分含有量 (FIA 分析による) とスラッジ生成率の間には良好な相関関係が認められ, 飽和分含有量の増加に伴ってスラッジ生成率が増加することが明らかになった。
  • 山田 幾穂, 森 秀樹, 朴 永海, 吉田 誠, 平岡 節郎
    1984 年 27 巻 5 号 p. 459-462
    発行日: 1984/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    石油精製および石油化学工業の各所に活用されているフラッシュ蒸留および平衡分縮操作に対して, 外部からの熱負荷を指定した場合の新しい簡明な解法を提出する。そのアルゴリズムは, 正規化θ法にもとづく缶出液組成の修正ループのみからなっており, 従来提出されている解法での, 煩雑な式の導出および余分な収束計算ループが不必要となった。また, 数値計算例によって, 一般に困難とされている非理想系混合物に対する問題にも安定解を与えることが示され, 本解法の有用性が実証された。
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