三種類の市販Co-Mo/Al
2O
3触媒および一種類の市販Ni-Mo/Al
2O
3触媒を用いて軽油の深度脱硫反応を行い, メチルベンゾチオフェン類 (MBTs), ジベンゾチオフェン (DBT), モノメチルジベンゾチオフェン類 (C1-DBTs) およびジメチルジベンゾチオフェン類 (C2-DBTs) の挙動を追跡した。軽油の水素化脱硫反応は以下の条件下で行った: 300~410°C, 30atm, LHSV 4h
-1, Gas/Oil 120N
l/l。Co-Mo/Al
2O
3触媒を用いた場合では, 2,3,7-トリメチルベンゾチオフェンを除き, ほとんどのメチルベンゾチオフェン (MBTs) が350°C以下の温度において除去された。4-メチルジベンゾチオフェン(4-MDBT) 以外のC1-DBTsの転化率は無置換のDBTの転化率に大変近いものであった。4,6-ジメチルジベンゾチオフェン (4,6-DMDBT) 以外の三つのC2-DBTsの転化率は4-メチルジベンゾチオフェン (4-MDBT) の転化率に大変近いものであった。これらの結果は4位および6位における置換のみが軽油中のジベンゾチオフェン類の水素化脱硫反応を阻害するということを示唆した。350°C以上で, 4,6-DMDBTの水素化脱硫反応速度はCat. C(深度脱硫用)>Cat. B(CoO 4.5wt%, MoO
3 17.0wt%)>Cat. A(CoO 3.8wt%, MoO
3 12.3wt%)の順に低下した。Ni-Mo/Al
2O
3触媒を用いた場合では, すべての含硫黄化合物の転化率が高められ, 含硫黄化合物の転化率の差はCo-Mo/Al
2O
3触媒を用いた場合より小さい。このことは, Co-Mo/Al
2O
3触媒とNi-Mo/Al
2O
3触媒の活性の違いはDBT類の芳香環の水素化に対する活性の違いにあることを示唆した。
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